要点不正競争防止法 10 条は、営業秘密侵害訴訟で裁判所が当事者等や代理人に対し、その秘密の目的外使用と無断開示を禁じる秘密保持命令を定める。違反は同法 21 条の刑事罰の対象となる。
Q · 営業秘密を盗まれて訴えたいけど、裁判で中身を見せたらもっと漏れませんか?
秘密保持命令で、相手や代理人の目的外使用と漏洩を刑事罰付きで禁じられます
不正競争防止法 10 条により、営業秘密侵害訴訟では、当事者の申立てによって裁判所が「秘密保持命令」を発令できます。命令を受けた当事者本人・訴訟代理人・補佐人は、その営業秘密を訴訟追行以外の目的で使うこと、命令を受けていない者へ開示することを禁じられ、違反は同法 21 条の刑事罰の対象になります。ただし命令は「見ること」自体を止めるものではなく、申立て前に相手が他の方法で既にその秘密を取得・保有していた場合は対象外です(ただし書)。準備書面の閲読や証拠調べで相手に渡る前に申し立てるのが鉄則です。
あなたの会社が何年もかけて磨いた製造ノウハウや顧客リストを、辞めた社員が競合に持ち込んだ。訴えたい。だがここで多くの経営者が凍りつく。裁判で「これがうちの営業秘密だ」と立証するには、その秘密の中身を法廷に出さねばならない。つまり、訴えた瞬間に相手にもっと詳しく見せることになる。盗まれた秘密を守るために訴えたのに、訴訟そのものが第二の漏洩になる。この矛盾を断ち切るのが不正競争防止法 10 条の秘密保持命令だ。裁判所が当事者の申立てにより、相手方の当事者や代理人弁護士、補佐人に対し「この営業秘密を訴訟追行以外の目的に使うな、命令を受けていない者に開示するな」と命じる。違反すれば刑事罰(同法 21 条)が待つ。法廷という開かれた場で、金庫の扉を閉じたまま中身を確認させる仕組みだ。
不正競争防止法 10 条が定める秘密保持命令とは、営業秘密侵害訴訟において、裁判所が当事者の申立てにより、当事者等・訴訟代理人・補佐人に対し、当該営業秘密を訴訟追行以外の目的で使用すること及び命令を受けていない者への開示を禁止する決定をいう。裁判の対審構造を維持しつつ、見た者の使用・開示のみを刑事罰付きで制限する制度である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
営業秘密侵害訴訟で、裁判所が当事者等・代理人・補佐人に対し、その秘密の目的外使用と無断開示を禁じる決定です。不正競争防止法 10 条が根拠で、違反は刑事罰の対象になります。
書面で申し立てます。命令を受けるべき者、対象となる営業秘密を特定するに足りる事実、該当事由の三点を記載する必要があります(10 条 2 項)。
対象の営業秘密が準備書面の閲読や証拠調べで相手に渡る前に申し立てるのが鉄則です。一度オープンに流れた後では命令を出しても実益がありません。
当事者等(当事者本人・法定代理人・使用人等)、訴訟代理人、補佐人です。相手方本人も含まれますが、見ること自体は止められず、使用と開示が制限されます。
取消しの手続があります(不正競争防止法 11 条)。要件を欠くに至った場合などに、命令を受けた者や申立人が取消しを申し立てられます。
ほぼ同趣旨です。特許侵害訴訟では特許法 105 条の 4 に同様の秘密保持命令があり、技術ノウハウを守りながら争えます。知財訴訟全体に共通する仕組みです。
なりません。記録の閲覧制限は民事訴訟法 92 条が扱う別制度です。10 条の命令は『人の行動』を縛るもので、両者を組み合わせて初めて秘密を守れます。
却下の裁判に対しては即時抗告ができます(10 条 5 項)。上級審で命令の必要性を改めて主張する道が、決定書を受け取った直後から開かれます。
単なる民事の話では済まない。不正競争防止法 21 条により刑事罰の対象で、命令違反は拘禁刑または罰金、もしくは併科という重さだ。相手方の代理人弁護士であっても例外ではない(最新の刑罰水準は改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント: 多くの人は『見せた相手が漏らしたら損害賠償でしょ』と考えるが、これは前科がつく刑事罰。だから命令の存在自体が、相手に強烈な口止め効果を持つ。命令を取れるかどうかが、訴訟戦略の分水嶺になる
完全に見せないことはできないが、秘密保持命令(10 条)を申し立てれば、その弁護士は見た内容を訴訟追行以外で使うこと、命令を受けていない者へ漏らすことを禁じられ、違反は刑事罰になる。業界裏話ヒント: 実務では命令申立てと同時に、対象営業秘密の特定(2 項 2 号の『特定するに足りる事実』)をどう書くかが勝負。ここが曖昧だと後で『何が秘密か』で争われ、せっかくの命令が空回りする
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 不競法 10 条:訴訟で見た営業秘密の使用・開示を制限 | — |
| 縛る対象 | 当事者等・訴訟代理人・補佐人(人の行動) | — |
| 違反の効果 | 不競法 21 条の刑事罰 | — |
| 申立て時期 | 秘密が準備書面閲読・証拠調べで渡る前(ただし書あり) | — |
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