要点不正競争防止法 35 条は、営業秘密侵害罪などで没収対象となる財産を、判決前あるいは起訴前でも裁判所が凍結できる没収保全命令を定める。
Q · 営業秘密を盗んで得たお金、有罪が決まる前でも凍結されるの?
起訴前でも裁判所が財産を凍結できる制度です
不正競争防止法 35 条により、裁判所は営業秘密侵害罪などで没収対象となる財産について、相当な理由と没収の必要があれば、検察官の請求または職権で没収保全命令を発し、その処分を禁止できます。公訴提起前でも司法警察員や検察官の請求で発令可能(同条 3 項)。第三者名義に移したり仮装の抵当権を付けた財産にも、附帯保全命令で凍結が及びます。
競合他社へ転職する際、前職の顧客リストや設計データを USB に入れて持ち出した。営業秘密侵害罪(不正競争防止法 21 条)で起訴された。ここまでは想像がつくかもしれない。だが多くの人が知らないのは、その先だ。あなたが不正に得た利益、たとえば転職先から受け取った報酬や、盗んだデータで稼いだ売上に当たる財産は、判決が出る前に裁判所が凍結できる。それが本条の没収保全命令だ。有罪が確定して初めて没収されるのではない。検察官の請求、あるいは裁判所の職権で、起訴前であっても、財産の処分が禁じられる。あなたの預金、不動産、株式に「売るな、移すな」の札が貼られる。理由は単純で、判決を待っていたら財産は海外口座や他人名義へ消えてしまうからだ。さらに抵当権など他人の権利がその財産に付いていても、それが仮装だと疑われれば附帯保全命令で同時に凍結される。逃げ道を先回りして塞ぐ仕組みである。
不正競争防止法 35 条は没収保全命令を定める規定であり、没収対象財産に当たる相当な理由と没収の必要が認められる場合に、裁判所が検察官の請求または職権でその財産の処分を禁止できるものとする。第三者の権利が仮装と疑われるときは附帯保全命令を併発でき、公訴提起前の発令も認められる。手続は組織的犯罪処罰法の規定の例による。
AI 輔助整理,以條文原文為準
没収できる財産が判決前に散逸しないよう、裁判所がその処分を禁止して凍結する制度です。不正競争防止法 35 条が根拠で、検察官の請求または職権で発令されます。
出せます。同条 3 項により、公訴提起前でも検察官や一定の司法警察員の請求で発令できます。ただし起訴前の保全は一定期間内に公訴提起がないと効力を失います。
凍結財産に付いた抵当権など第三者の権利が、没収で消滅する場合や仮装と疑われる場合に、その権利の処分も併せて禁止する命令です(同条 2 項)。
準用される組織的犯罪処罰法・刑事訴訟法の手続に従い、期限内に不服申立てを行います。対象外の財産部分の解除や変更も申し立てられます。
起訴前については、警察官たる司法警察員のうち公安委員会が指定する警部以上の者などが請求できます(同条 3 項)。検察官も請求できます。
盗んだ営業秘密の対価とみなされる契約金や報酬は、没収対象の財産に当たれば没収保全の対象になり得ます。正当な転職報酬と思っていた金が凍結される場合があります。
刑事告訴の段階で加害者の犯罪収益を具体的に示し、捜査機関に没収保全を促せば、財産が散る前に押さえられ、後の被害回復の原資を確保しやすくなります。
起訴前の保全は一定期間内に公訴が提起されないと失効します。また判決で没収されない場合や、必要性が消えた部分は申立てにより解除されます。
違法ではない。本条は、没収できる財産に当たる相当な理由と没収の必要があれば、起訴前でも処分を禁止できると定めている(本条 3 項)。無罪推定は刑罰を科す場面の原則であって、財産が逃げないよう先に確保する保全とは別の話だ。業界裏話ヒント:凍結は「相当な理由」で足りるため発令のハードルは有罪認定より低い。だからこそ被告側は、命令が出た後に不服申立てと解除申立てでどれだけ取り戻すかが勝負になる。最初から争えないと諦める人が、本来解除できた運転資金まで失う
原則として処分が禁止されるが、すべてが永久に使えなくなるわけではない。没収対象に当たらない部分の切り分けや、必要に応じた解除・変更を申し立てる余地がある。業界裏話ヒント:裁判所は「没収のため必要があると認めるとき」に保全するので、必要性が薄れた部分や過大な凍結は、申立てによって縮減できることがある。黙っていれば全額凍結が続く。声を上げた人だけが運転資金を取り戻す、というのが実務の現実だ(最新の運用は弁護士にご確認を)
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|---|---|---|
| 条文の役割 | 35 条:没収を確保するため判決前・起訴前に財産を凍結する保全処分 | — |
| 効果のタイミング | 判決前、さらに公訴提起前でも発令可能 | — |
| 対象 | 没収対象財産の処分禁止+第三者の仮装権利(附帯保全) | — |
| 手続根拠 | 組織的犯罪処罰法第四章第一節・第三節の例による | — |
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