要点不正競争防止法 36 条は、営業秘密侵害罪の追徴を確保するため、裁判所が判決前に被告人の財産処分を禁止できると定める。2 項では公訴提起前でも裁判官が同じ処分を命じられる。
Q · 営業秘密を持ち出した疑いだけで、起訴される前に財産を凍結されることはあるの?
あります。36 条 2 項は公訴提起前の保全を認めています
不正競争防止法 36 条は、営業秘密侵害罪(21 条)で得た犯罪収益を有罪確定後に確実に追徴できるよう、裁判所が判決前に被告人の財産処分を禁止する追徴保全命令を発しうると定めます。さらに 2 項により、公訴が提起される前であっても、検察官の請求で裁判官が同じ処分を命じられます。つまり起訴すらされていない被疑者段階で口座・不動産が凍結されうるのです。手続は組織的犯罪処罰法第四章第二節・第三節の例によるため、不服申立て・期間制限・範囲限定の歯止めも準用されます。
転職先に前職の顧客リストや設計データを持ち込んだ。その疑いで捜査が始まった瞬間、まだ起訴もされていないのに、あなたの預金や不動産が動かせなくなることがある。不正競争防止法 36 条が定める「追徴保全命令」だ。営業秘密侵害罪(21 条)で得た利益は、有罪になれば国が「追徴」(不正に得た額と同等の金銭を国が取り上げる制度)する。だが判決が出る頃に財産を隠されては国が取りはぐれる。そこで裁判所は、検察官の請求または職権で、判決前に被告人の財産の処分を禁止できる。さらに 2 項では、公訴が提起される前であっても、裁判官が同じ処分を出せる。つまり「逮捕、起訴、判決」を待たず、捜査段階で資産が凍る。手続の細部は組織的犯罪処罰法のルールを借用している。多くの人は「有罪が確定するまで財産は自分のものだ」と信じているが、この条文はその常識の外側に立っている。
追徴保全命令とは、不正競争防止法 36 条に基づき、営業秘密侵害罪に係る追徴の裁判の執行が将来不能または著しく困難になるおそれがある場合に、裁判所または裁判官が検察官の請求もしくは職権で、被告人または被疑者に対しその財産の処分を禁止する命令である。公訴提起前にも発しうる点に特徴がある。
AI 輔助整理,以條文原文為準
営業秘密侵害罪の追徴を確保するため、判決前に被告人の財産処分を禁止する命令です。不正競争防止法 36 条が根拠で、公訴提起前にも発しうる点が特徴です。
没収保全は犯罪に関係する個別財産そのものを対象とし、追徴保全は追徴すべき金額に見合う一般財産の処分を禁止します。36 条は追徴保全を定めています。
現金化した売却益だけでなく、その情報を使って得た増収分や節約できたコストも犯罪収益と評価され、追徴と保全の射程に入りうるため、想定より高額になりがちです。
準用される組織的犯罪処罰法の手続により、所定の期間内に公訴が提起されないと効力を失います。期限の起算日管理が弁護の決め手になります。
組織的犯罪処罰法の準用手続による不服申立てが可能です。追徴の蓋然性や財産隠匿のおそれが本当にあるかを争います。期間制限があるため受領日からの日数管理が重要です。
原則は処分禁止ですが、準用手続のもとで生活費・訴訟費用など必要な範囲の限定や一部解除を申し立てる道があります(36 条 3 項)。早期申立てが鍵です。
会社ぐるみの侵害では、両罰規定(22 条)により法人も処罰対象となりえ、犯罪収益と評価された資金の流れに沿って関係財産まで保全対象に入ることがあります。
36 条 3 項が同法第四章第二節・第三節を準用し、命令の手続・不服申立て・期間制限・範囲限定がそのルールに従います。本来は犯罪収益規制の法律です。
あり得ます。36 条 2 項は、公訴が提起される前であっても、検察官の請求により裁判官が財産の処分を禁止できると定めています。つまり被告人ですらない捜査段階の被疑者でも対象になります。業界裏話ヒント:起訴前の保全は組織的犯罪処罰法の準用により、一定期間内に起訴されなければ効力を失います。弁護人はこの期限を必ずカレンダーに入れて監視し、検察の起訴が遅れた瞬間に失効や取消しを突きます。期限を知らない本人は、解ける凍結を解かずに放置してしまう
追徴保全命令は原則として財産の「処分の禁止」なので、放置すれば引き出しも売却もできません。ただし準用される手続のもとで、生活費・訴訟費用など必要な範囲の限定や一部解除を申し立てる道があります(36 条 3 項、組織的犯罪処罰法準用)。業界裏話ヒント:この範囲限定を早期に申し立てるかどうかで結果が分かれます。動かないでいると、戦う資金がないまま最も費用のかかる営業秘密の刑事裁判に押し込まれる。凍結に気付いた初日に範囲限定を打つのが鉄則です
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|---|---|---|
| 対象財産 | 追徴保全(36 条):追徴額に見合う被告人の一般財産の処分を禁止 | — |
| 発動主体・目的 | 裁判所・裁判官が国の追徴を確保するため(検察官請求または職権) | — |
| 起訴前の発動 | 可能(36 条 2 項、公訴提起前でも裁判官が命令) | — |
| 解除・失効の手段 | 範囲限定・一部解除の申立て、公訴提起前なら起訴遅延で失効 | — |
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