要点不正競争防止法 37 条は、営業秘密侵害罪に関わる外国刑事事件で、外国からの没収・追徴の執行や財産保全の共助に応じる要件と、双方可罰性の欠如など 6 つの拒否事由を定める。
Q · 営業秘密を盗んで海外で起訴された人の、日本にある財産は外国の要請で没収されるの?
原則協力するが、6 つの拒否事由があれば断れる
不正競争防止法 37 条 1 項により、その犯罪が日本国内で行われたとすれば同法 21 条の営業秘密侵害罪に当たる場合に限り、外国からの没収・追徴の確定裁判の執行や財産保全の共助に応じられます。ただし双方可罰性の欠如、日本での確定判決、日本法では没収できない財産、自己の責めなく外国手続で権利主張できなかった者の存在など 6 つの拒否事由のいずれかに該当すれば、日本は共助を拒否できます。2 項では担保権等の存続も確保されています。
営業秘密を盗んだ元社員が海外に渡り、向こうで刑事訴追されている。その不正に得た金やデータの対価が、実は日本国内の口座や不動産に隠してある。多くの人は「外国で起きた事件は外国の話、日本は関係ない」と思い込む。だがあなたが知るべきは、この条文がまさにその国境をまたいで手を伸ばす装置だという点だ。外国の刑事事件で、しかもその犯罪が日本国内で行われていたなら不正競争防止法21条の営業秘密侵害罪に当たる場合に限り、その外国が「日本にある財産を没収・追徴したい、あるいは保全(凍結)したい」と要請してきたとき、日本は原則として協力する。例外は6つ。日本の法令では処罰できない行為だったとき、すでに日本の裁判所で確定判決を経たとき、自分の落ち度なく手続で権利主張できなかった者がいるときなど。つまり日本国内に置いた資産は、外国の捜査機関の射程の外ではない。逆にあなたが正当な担保権者なら、この例外規定があなたの最後の盾になる。
不正競争防止法 37 条は、営業秘密侵害罪に関する外国刑事事件について、没収・追徴の確定裁判の執行または財産保全の国際共助の要件と拒否事由を定める手続規定である。双方可罰性、二重起訴・確定判決の不存在、日本法上の没収可能性、手続保障を欠く者の保護という関門を通じてのみ共助が認められる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
外国の刑事事件に関し、各国が捜査・証拠収集・没収執行などで協力し合う仕組みです。不正競争防止法 37 条は営業秘密侵害事件の没収・追徴・保全の共助を定めます。
問題の行為が、要請国だけでなく日本の法令でも犯罪として処罰できることを要する原則です。日本で処罰できない行為なら、37 条 1 項 1 号により共助を拒否できます。
不正競争防止法 21 条が定める刑事罰です。不正な手段による営業秘密の取得・使用・開示などが対象で、37 条の国際共助はこの罪に当たる事案に限り発動します。
没収は犯罪に関わる特定の財産そのものを取り上げる処分、追徴は没収できないときにその価額を金銭で取り立てる処分です。37 条は両方の国際共助を対象とします。
できる場合があります。37 条により拒否事由に当たらなければ、外国の確定した没収・追徴裁判を日本国内で執行する共助に応じられます。判決国と財産所在国が違っても協力経路があります。
安全ではありません。日本国内に隠した資産は、外国の没収・追徴要請に基づき 37 条の共助で凍結・没収されうるため、国境は資産の隠れ蓑になりません。
外国の保全裁判に基づく要請、または没収・追徴裁判確定後の要請などの場合に動きます。資産散逸前のスピードが実務上の勝敗を分けます。
同法は国際刑事共助の一般枠組みを定め、不正競争防止法 37 条は営業秘密事件の没収・追徴に特化した特則として機能します。両者は補完関係にあります。
自動ではありません。本条1項は、その犯罪が日本国内で行われていれば不正競争防止法21条の罪に当たる場合に限り、かつ6つの拒否事由のいずれにも当たらないときに共助できると定めています。双方可罰性がない、日本で確定判決を経ている、日本法では没収できない財産だ、といった事情があれば日本は協力を断れます。業界裏話ヒント:実務では『双方可罰性』の審査が最初の関門になります。その国では犯罪でも日本法の構成要件に当てはまらなければ共助は通らない。自国法と日本法のズレを突けるかどうかが、専門弁護士の腕の見せどころです
原則として守られます。本条2項は、地上権・抵当権その他の権利が存在する財産の没収執行共助について、日本の法令によれば本来その権利を存続させるべき場合は、これを存続させると定めています。つまり没収後も担保権が生き残る道があります。業界裏話ヒント:ポイントは『自己の責めに帰せない理由で外国手続に参加できなかった』ことを示せるか(1項5号)。外国の刑事手続で呼び出しも通知も受けていない第三者の権利は、この規定で救済されうる。通知を受けていない事実の立証準備が鍵になります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 37 条:営業秘密事件の没収・追徴の国際共助 | — |
| 発動の前提 | 外国からの共助要請 + 双方可罰性 + 拒否事由不該当 | — |
| 主な担い手 | 中央当局(法務省)を通じた国際協力 | — |
| 第三者保護 | 2 項で担保権存続、1 項 5 号で手続排除者を保護 | — |
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