要点行政手続法3条は、国会・裁判所の処分、刑事事件、外国人の出入国、公務員への処分、試験の結果などを同法の適用除外とし、これらには個別法と憲法31条が代わりに働く。
Q · 行政手続法が「適用されない」と言われたら、もう争えないの?
除外でも憲法31条・個別法・取消訴訟は使えます
行政手続法3条は、国会・裁判所の処分、刑事事件、外国人の出入国、公務員の身分処分、試験の結果、条例に基づく処分などを同法の適用除外としています。ただし除外されるのは一般法である行政手続法だけです。憲法31条の適正手続、入管法や公務員法が定める個別の手続、処分を覆す取消訴訟(行政事件訴訟法3条)は依然として残ります。3条が示すのは「どの武器が使えないか」ではなく「どの武器に持ち替えるべきか」です。
役所があなたに不利益な決定を下すとき、行政手続法は本来、事前に言い分を聞く聴聞や弁明の機会、処分理由の提示を保証している。ところが3条は、その保護が及ばない領域を十数種類も並べて除外している。在留資格を取り消される外国人、懲戒処分を受ける公務員、退学を命じられる学生、試験に落ちた受験者。あなたがその一つに当てはまれば、行政手続法の聴聞を求めても「適用されません」と返される。だが、ここで諦めるのは早い。除外されるのは行政手続法という一般法だけであって、憲法31条の適正手続、入管法や公務員法が定める個別の手続、そして処分を裁判で覆す取消訴訟は、依然としてあなたの手に残っている。3条が教えているのは、どの武器が使えないかではなく、どの武器に持ち替えるべきかだ。
行政手続法3条は、同法第2章から第4章の2までが定める不利益処分の聴聞・弁明・理由提示や、第6章の意見公募手続について、その適用が及ばない処分・行政指導・命令等を列挙する適用除外規定である。除外の理由は、刑事訴訟法や入管法など専門的な個別手続が別に整備されていること、または国会の議決等のように行政処分手続になじまないことにある。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政手続法3条が、聴聞・弁明・理由提示などの規定を及ぼさない処分・行政指導・命令等を列挙したものです。除外されると同法の事前手続保障は使えませんが、個別法や憲法31条は残ります。
国会・裁判所の処分、刑事事件、外国人の出入国、公務員の身分処分、収容施設内の処分、試験の結果、条例に基づく地方公共団体の処分など十数種類が列挙されています。
使えません。3条1項7号で教育目的の処分が除外されています。根拠は学則と憲法上の適正手続に移り、最終的には取消訴訟で争うことになります。
適用されません。3条3項で、根拠が条例・規則にある地方公共団体の処分は除外され、各自治体の行政手続条例が代わりに働きます。
あります。3条2項により、法律の施行期日を定める政令、恩赦に関する命令、公務員の勤務条件を定める命令等は意見公募手続の対象外です。
求められません。3条1項11号で、専ら人の学識技能に関する試験・検定の結果についての処分は適用除外です。結果は個別の救済手段で争うことになります。
あります。行政手続法が及ばなくても、処分の性質によっては憲法31条の適正手続が最低限のセーフティネットとして働く余地があります(成田新法事件)。
3条1項13号で、公衆衛生・防疫・保安など公益に関わる現場で警察官等がする処分・行政指導は、迅速性の要請から事前手続の適用除外とされています。
残念ながら、行政手続法3条1項10号により外国人の出入国に関する処分は適用除外で、行政手続法の聴聞は使えません。代わりに入管法が定める意見聴取や口頭審理の手続があります。業界裏話ヒント:除外されても手続がゼロになるわけではなく、入管法独自の手続と、最終的には取消訴訟(行政事件訴訟法3条)が残ります。求める手続の「名前」を入管法に合わせるだけで、門前払いを避けられる。
その処分の根拠が市の条例なら、行政手続法3条3項で適用除外となり、効くのはその市の行政手続条例です。多くの自治体が行政手続法とほぼ同じ条例を持っています。業界裏話ヒント:自治体の条例は聴聞や弁明の対象範囲が国の法律と微妙に違うことがあり、担当者すら正確に把握していない場合がある。条例の条文を自分で示して聴聞を求めると、対応が一段変わる。
ありません。3条1項9号で公務員への身分上の処分は適用除外です。ただし国家公務員なら人事院、地方公務員なら人事委員会への審査請求という別の手続が用意されています(国家公務員法90条など)。業界裏話ヒント:この審査請求には期限があり、処分の通知を受けた翌日から起算されます。「行政手続法が使えない」とショックで止まっている間に、本来使える審査請求の期限が静かに進んでいく。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 3条:聴聞・弁明・理由提示・意見公募手続が及ばない処分等を列挙(適用除外) | — |
| 対象 | 国会・裁判所・刑事・外国人・公務員・試験・条例に基づく処分など | — |
| 効果 | 除外領域では行政手続法の事前手続が働かない(個別法・憲法31条へ) | — |
| 覆せる足場 | 憲法31条の適正手続、個別法の手続、取消訴訟 | — |
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