環境基本法 第32条(地球環境保全等に関する国際協力等)
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- 国は、地球環境保全に関する国際的な連携を確保することその他の地球環境保全に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるように努めるほか、開発途上にある海外の地域の環境の保全及び国際的に高い価値があると認められている環境の保全であって人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するもの(以下この条において「開発途上地域の環境の保全等」という。)に資するための支援を行うことその他の開発途上地域の環境の保全等に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
- 2.国は、地球環境保全及び開発途上地域の環境の保全等(以下「地球環境保全等」という。)に関する国際協力について専門的な知見を有する者の育成、本邦以外の地域の環境の状況その他の地球環境保全等に関する情報の収集、整理及び分析その他の地球環境保全等に関する国際協力の円滑な推進を図るために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
この条文の基本情報
地球環境保全等に関する国際協力等とは何ですか?
定義地球環境保全等に関する国際協力等とは、環境基本法第32条に定められた規定で、「国は、地球環境保全に関する国際的な連携を確保することその他の地球環境保全に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるように努めるほか、開発途上にある海外の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 環境基本法第32条(地球環境保全等に関する国際協力等)は、日本の環境基本法に含まれる条文です。
- 環境基本法第32条の条文原文は「国は、地球環境保全に関する国際的な連携を確保することその他の地球環境保全に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるように努めるほか、開発途上にある海外の…」で始まります。
- 環境基本法第32条は第六節 地球環境保全等に関する国際協力等に置かれています。
- 環境基本法の公布日は平成5年11月19日です。
- 環境基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 環境基本法第32条の前の条は環境基本法第31条です。
- 環境基本法第32条の次の条は環境基本法第33条です。
- 環境基本法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
環境基本法(平成五年法律第九十一号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/405AC0000000091 - 本サイト収録
環境基本法(平成五年法律第九十一号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/405AC0000000091/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点環境基本法32条は、国が地球環境保全の国際協力と開発途上地域の環境保全支援を推進し、専門人材の育成と海外の環境情報の収集に努めると定める努力義務規定である。
Q · 日本の援助で途上国の環境が壊されたら、環境基本法32条で国を訴えられる?
努力義務なので本条だけで訴えるのは困難。JICA等の異議申立が現実的
環境基本法32条は、国に対し地球環境保全の国際協力と開発途上地域の環境保全支援に「努めるものとする」と定める努力義務規定であり、個人に具体的な請求権を与えるものではありません。そのため本条のみを根拠とする訴訟は勝訴の見込みが極めて低いとされます。現実的な手段は、JICAやJBICが定める環境社会配慮ガイドラインに基づく異議申立制度の利用です。
解説
条文には「努める」が三回出てくる。国に義務を課しているように読めるが、実際には誰も本条を根拠に国を訴えることはできない。第1項は二本立てである。一つは温暖化やオゾン層の破壊など地球規模の課題で国際的な連携を確保すること、もう一つは開発途上地域の環境や、国際的に高い価値が認められた自然環境を守るために支援することを国に求める。第2項はその裏方にあたり、国際協力の専門家を育てることと、海外の環境情報を集めて分析することを求める。押さえておくべきは、この努力義務が飾りではないという点だ。ODA(政府開発援助)の実施機関である JICA は環境社会配慮ガイドラインを持ち、途上国の住民が被害を訴えられる異議申立制度まで用意している。日本企業の海外インフラ案件、公的融資、脱炭素クレジット。どれも元をたどれば本条に行き着く。直接の請求権はない。それでも、どの制度が本条とつながっているかを知っている人だけが、交渉の場で「国の方針」を根拠として使える。
法的な位置づけ
環境基本法32条は、地球環境保全等に関する国際協力を定める規定であり、国に対し、国際的な連携の確保、開発途上地域の環境の保全及び国際的に高い価値がある環境の保全への支援、国際協力の専門人材の育成、海外の環境情報の収集・整理・分析について、必要な措置を講ずる努力義務を課す。
よくある質問 AI による整理
Q1環境基本法32条とは何を定めた条文ですか?
地球環境保全に関する国際協力を定めた条文です。国に国際的な連携の確保、途上地域の環境保全支援、専門人材の育成、海外環境情報の収集に努めるよう求めています。
Q2環境基本法の「努めるものとする」は法的義務ですか?
努力義務であり、履行しなくても直ちに違法とはなりません。個人に具体的な請求権を与えないため、本条だけを根拠とした訴訟は通常認められにくいとされます。
Q3JICAの異議申立は誰ができますか?
JICAの環境社会配慮ガイドラインに基づき、事業により被害を受けた、または受けるおそれのある現地住民2名以上が申し立てられる仕組みです。詳細な要件はJICAの公表資料で確認が必要です。
Q4開発途上地域の環境の保全等とは何を指しますか?
環境基本法32条1項の定義語で、開発途上にある海外地域の環境保全と、国際的に高い価値が認められる環境の保全であって人類の福祉等に寄与するものを指します。
Q5ODAで環境破壊が起きたらどこに相談すればいい?
まず資金提供機関を確認します。JICA案件ならJICAの異議申立窓口、JBIC融資ならJBICの環境ガイドラインに基づく異議申立窓口が主な受け皿です。
Q6環境基本法32条は民間企業に関係ありますか?
32条自体は国の義務ですが、35条2項が海外事業者の環境配慮を国が支援すると定めています。公的融資や貿易保険を使う海外案件では環境審査として影響が及びます。
Q7環境基本法はいつ制定されましたか?
平成5年(1993年)に制定されました。1992年のリオ地球サミットを受け、公害対策基本法に代わる環境政策の基本法として整備されました。
Q8環境基本計画にパブリックコメントは出せますか?
環境基本計画の改定時には環境省が意見募集を行います。誰でも意見を提出でき、国際協力に関する記述について条番号を示して具体的に意見を述べることができます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1日本の援助で途上国の環境が壊されたら、日本国内で国を訴えられるんですか?
環境基本法32条は「努めるものとする」という努力義務なので、この条文だけを根拠に国の責任を問うのは極めて難しい。現実的な道は、JICA や JBIC が定める環境社会配慮ガイドラインの異議申立制度である。実務のポイント:異議申立の審査役は事業の実施部門から独立した立場に置かれている。申立が受理されるだけで事業側に対話の義務が生じるので、訴訟よりもはるかに速く現場を動かせることがある
Q2海外に工場を建てる予定の中小企業ですが、この条文はうちに関係ありますか?
32条自体は国の義務だが、35条2項は、海外で事業を行う事業者が現地の環境に配慮できるよう、国が情報提供などを行うと定めている。実務のポイント:公的融資や貿易保険を使う案件では、環境面の審査が付いてくることが多い。進出先の環境規制の情報は、JETRO や JICA の公開資料で無料で手に入る。現地の環境コンサルに高額の費用を払う前に、まず公的な情報を洗うのが順序である
Q32項の「専門的な知見を有する者の育成」って、一般人がそこに乗れる話なんですか?
乗れる。JICA 海外協力隊の環境教育や廃棄物管理の職種、国際機関の JPO 派遣制度など、国際協力の人材を育てる公的な枠は、本条2項が国に求める措置の延長線上にある。実務のポイント:環境分野の国際協力は、語学よりも「現場で手を動かした経験」が評価されやすい。自治体でごみ処理や水道の実務を経験した人材は、国際協力の現場で重宝される傾向がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「法律に書いてあるのだから、国が途上国の環境を守らなければ違法だ」と考えがちだが、本条は「努めるものとする」という努力義務である。国の不作為を理由に取消訴訟や国家賠償を起こしても、本条だけを根拠に勝つことはまず見込めない。攻めどころは条文ではなく、条文の下に作られた具体的な審査手続のほうにある
- 国際協力と聞いて「ODA の話で、民間企業には関係ない」と考えるなら、それは立てた問い自体がずれている。35条2項は、海外で事業を行う日本企業が現地の環境に配慮できるよう、国が情報提供などを行うと定めている。32条と35条はセットで動く。公的融資や貿易保険を使う海外案件では、国の方針が審査基準として企業の側に跳ね返ってくる
- 「国際的に高い価値があると認められている環境」は途上国に限った話ではない。1項の支援対象は「開発途上にある海外の地域の環境」と「国際的に高い価値がある環境」の二つを並べており、後者は条文上、途上国に限定されていない。ただし、具体的にどの範囲まで含むかは政策運用に委ねられており、解釈には幅がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 環境基本法32条:国による地球環境保全等の国際協力の推進 | 環境基本法35条:国際協力実施時・海外事業活動における環境配慮 環境基本法34条:地方公共団体・民間団体の国際協力活動の促進 |
| 義務の主体 | 国 | 国(事業者の環境配慮を支援する形で民間にも波及) 国(自治体・民間団体の活動を後押し) |
| 義務の性質 | 努力義務(措置を講ずるよう努める) | 努力義務(配慮・情報提供に努める) 努力義務(促進に努める) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も環境基本法で国際環境協力の方向性を定めるが、国連非加盟という事情から、実務上は二国間協力や国際的な枠組みへの自主的な整合が中心となる
フランスは憲法ブロックに属する環境憲章で、同憲章が欧州・国際的行動の指針となることを明示しており、日本の基本法レベルの規定より上位に位置づけられる
米国NEPAは環境問題の世界的性格を認識し、国際協力を支援するよう連邦機関に求める。日本と同様に政策宣言的な性格が強い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 日本の円借款で進む東南アジアの発電所の建設現場近くで、漁村の住民から「漁獲が激減した」という声が上がった。現地 NGO と組んでいるあなたは、どこに声を届ければいいのか? 環境基本法32条で国を直接訴えることはできない。ただ、JICA の異議申立制度は、現地住民2名以上であれば日本の機関に対して直接申し立てられる仕組みになっている
- あなたは建設コンサルの海外事業部員で、JICA 案件の入札を控えている。提案書では環境社会配慮の記述が技術評価に影響しうる。本条と35条が示す「国の方針」を読まずに書いた提案書は、評価の場で見劣りするおそれがある
- 環境省が環境基本計画の改定案を公表し、パブリックコメントの締切まで残り10日しかない。途上国支援の書き方が一行変わるだけで、数年分の予算配分の方向が動く。意見を出すかどうか、今週中に決めなければならない
- 大学院で途上国の水環境を研究している。国際協力の専門人材の育成は、2項が国に求めていることだ。研究者の側から見れば、公的な育成プログラムや派遣の枠は、本条を起点とする政策の延長線上にある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害を受けている事業に日本の公的資金(JICA の円借款・無償資金協力、JBIC の融資など)が入っているかを、各機関の公開案件情報で確認する2. 入っていれば、その機関の環境社会配慮ガイドラインと異議申立の要件(申立人の数、対象期間)を読む3. 写真、水質・漁獲量の記録、住民の証言を日付つきで保存する4. 現地 NGO や日本の支援団体と連携して、日本語または英語で申立書を作成する。本条自体は直接の根拠にならないため、ガイドラインの違反を具体的に指摘すること
訴えられた側:1. 公的資金を使う海外案件なら、本条と35条が示す国の方針を前提に、資金提供機関のガイドラインへの適合状況を着工前に総点検する2. 住民協議の議事録、環境影響評価書、代替案の比較検討の記録を体系的に残す3. 異議申立を受けたら、審査役との対話に応じて是正策を提示する。対立を長引かせると融資の実行が止まるおそれがある4. 撤退よりも設計変更のほうが総コストが低いケースは多い
時効(請求できる期限):特定の時効はない。本条は国の努力義務で、個人の請求権を生まないため、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が問題になる場面も通常はない。実務上の時間の区切りは、資金提供機関の異議申立の受付期間(事業段階ごとに設定)と、環境基本計画の改定時のパブリックコメント期間である(最新の運用は各機関の公表資料をご確認ください)
学説
一般的理解:環境基本法は基本法として政策の方向性を示すものであり、本条のような「努めるものとする」規定は国の政策上の責務を定めるにとどまり、個人に具体的な権利や請求権を付与するものではないと解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成5年(1993年)制定 1992年のリオ地球サミットを受け、公害対策基本法に代わる新たな基本法として環境基本法が制定され、地球環境保全等に関する国際協力の規定が置かれた。制定後の改正の有無は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成5年(1993年) 新設:1992年の国連環境開発会議(リオ地球サミット)を受け、公害対策基本法に代わる環境基本法が制定され、地球環境保全等に関する国際協力の規定として本条が置かれた
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