保険業法 第165条の12(準用規定)
クイックジャンプ
第百六十五条の四、第百六十五条の五第二項及び第百六十五条の七並びに会社法第七百九十七条第一項及び第二項(反対株主の株式買取請求)の規定は、吸収合併存続株式会社について準用する。この場合において、第百六十五条の四第一項中「及び住所」とあるのは「、住所及び第百六十五条の十第四項に規定する場合にあっては同項の株式に関する事項」と、同法第七百九十七条第一項ただし書中「第七百九十六条第二項本文」とあるのは「保険業法第百六十五条の十一第一項本文」と、「第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び第七百九十六条第一項ただし書又は第三項」とあるのは「同項ただし書又は同条第二項」と、同条第二項第二号中「全ての株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)」とあるのは「全ての株主」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
準用規定とは何ですか?
定義準用規定とは、保険業法第165条の12に定められた規定で、「第百六十五条の四、第百六十五条の五第二項及び第百六十五条の七並びに会社法第七百九十七条第一項及び第二項(反対株主の株式買取請求)の規定は、吸収合併存続株式会社に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第165条の12(準用規定)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第165条の12の条文原文は「第百六十五条の四、第百六十五条の五第二項及び第百六十五条の七並びに会社法第七百九十七条第一項及び第二項(反対株主の株式買取請求)の規定は、吸収合併存続株式会社に…」で始まります。
- 保険業法第165条の12は第二目 吸収合併存続株式会社の手続に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第165条の12の前の条は保険業法第165条の11の2です。
- 保険業法第165条の12の次の条は保険業法第165条の13です。
- 保険業法第165条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の12 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/165_12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法165条の14は、公告・通知と保険契約者の異議申述の手続、および会社法797条の反対株主の株式買取請求を、吸収合併存続株式会社に準用する規定である。
Q · 合併で消えない側(存続会社)の株主でも、株式を買い取れと請求できるの?
できる。ただし簡易合併に当たると権利が外れる
保険業法165条の14は、会社法797条1項・2項(反対株主の株式買取請求)を吸収合併存続株式会社に準用します。したがって合併で消えない側の株主も、反対株主として自分の株式を公正な価格で買い取るよう請求できます。ただし読替えにより、保険業法165条の11第1項本文の簡易合併に該当する場合は買取請求権が外れます。さらに権利を得るには、株主総会に先立つ会社への反対の意思の通知と、総会での反対の両方が必要です(会社法797条2項1号イ)。
解説
条文を開いた瞬間に読む気が失せる。準用、読替え、また準用。だがこの迷路の出口には、あなたが握れる実弾が二つ置いてある。一つは、吸収合併で消える側ではなく「残る側」の株式会社の株主にも、反対株主の株式買取請求権が及ぶこと(会社法797条1項・2項の準用)。合併条件が気に入らないなら、会社に対して自分の株式を公正な価格で買い取れと請求できる。もう一つは、保険業法165条の4以下の公告・通知と保険契約者の異議申述の仕組みが、存続する側の会社にも準用されること。消える会社の契約者だけが手続の当事者ではない。ただし出口には鍵がかかる場合がある。165条の11第1項本文の簡易合併に当たると、読替えによって買取請求権そのものが外れる。あなたに権利があるかどうかは、議案の中身ではなく合併手続の「型」で先に決まっている。
法的な位置づけ
保険業法165条の14は、保険会社の吸収合併に関する準用規定である。消滅会社側について定められた公告・通知および保険契約者の異議申述の手続(同法165条の4、165条の5第2項、165条の7)と、会社法797条1項・2項の反対株主の株式買取請求の規定を、吸収合併存続株式会社に準用し、必要な技術的読替えを政令に委ねる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.合併手続の「型」を先に特定する 招集通知・公告を受け取ったら、議案の中身より先に簡易合併(保険業法165条の11第1項本文)に当たるかを確認する。該当すると本条の読替えにより会社法797条1項ただし書で買取請求権自体が外れるため、以降の手順が成立しない
- 2.株主総会に先立ち会社へ反対の意思を通知する 議案を特定した書面で、会社に対し合併に反対する意思を通知する。会社法797条2項1号イは事前通知と総会での反対の両方を要求するため、この一通を欠くと総会で反対しても請求権者にならない。内容証明郵便で到達日を残す
- 3.株主総会で実際に反対票を投じる 事前通知をした上で、総会において当該合併承認議案に反対する。委任状や議決権行使書で反対の意思表示をする場合も、議案を取り違えないよう確認する
- 4.効力発生日の20日前から前日までに買取請求を行う 株式の種類と数を明示して、会社に対し株式買取請求をする(会社法797条5項)。いったん請求すると会社の承諾なしに撤回できない(同条7項)ため、提出前に価格見込みを検討しておく
- 5.協議不調なら裁判所へ価格決定を申し立てる 効力発生日から30日以内に価格の協議が調わないときは、その期間満了後30日以内に裁判所へ価格決定の申立てをする(会社法798条2項)。会社側は必要に応じ同条5項の仮払いで利息の膨張を抑える
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法165条の14とは何ですか?
保険会社の吸収合併で、消滅会社側の公告・通知・異議申述の手続と会社法797条の株式買取請求を、存続株式会社にも準用する規定です。技術的読替えは政令に委ねられています。
Q2存続会社の株主に株式買取請求権はありますか?
あります。本条が会社法797条1項・2項を準用するため、合併で消えない側の株主も反対株主として公正な価格での買取を請求できます。ただし簡易合併に当たる場合は外れます。
Q3株式買取請求はいつまでにすればよいですか?
効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までです(会社法797条5項)。この窓を逃すと、反対の通知を済ませていても請求できません。
Q4簡易合併だと買取請求できませんか?
本条の読替えにより保険業法165条の11第1項本文の簡易合併に当たると、会社法797条1項ただし書で買取請求権が外れます。一定割合の株主が反対を通知すれば総会決議が必要となり権利が戻ります。
Q5買取価格はどうやって決まりますか?
まず会社と株主の協議です。効力発生日から30日以内に協議が調わないときは、その期間満了後30日以内に裁判所へ価格決定を申し立てます(会社法798条2項)。
Q6株式買取請求は取り下げできますか?
会社の承諾がなければ撤回できません(会社法797条7項)。裁判所が決めた価格が期待を下回っても引き返せないため、請求前に見込みを検討する必要があります。
Q7存続会社の保険契約者も異議を述べられますか?
本条が保険業法165条の4以下を存続株式会社に準用するため、存続会社側の契約者にも公告・通知と異議申述の手続が及びます。異議が一定規模に達すると合併手続が進みません。
Q8本条の読替えで公告事項に何が加わりますか?
165条の4第1項の「及び住所」が「、住所及び第百六十五条の十第四項に規定する場合にあっては同項の株式に関する事項」に読み替えられ、株式に関する事項が公告事項に加わります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1株主総会でちゃんと反対したのに、買取請求できないことがあるって本当ですか?
本当である。会社法797条2項1号イは、株主総会に先立って会社へ反対の意思を通知し、かつ総会でも反対することの両方を求める。事前通知を欠けば当日の反対は権利に結びつかない。実務のポイント:この通知に法定の書式はなく、議案を特定して反対の意思を書き、内容証明郵便で出せば足りる。実務では総会直前に出す例が多いが、招集通知の直後に出すほど会社側の買取原資の試算に載り、交渉材料として効く
Q2簡易合併だと言われたら、株主はもう何もできないんですか?
原則として買取請求権は外れる(会社法797条1項ただし書、本条の読替えで保険業法165条の11第1項本文が基準となる)。ただし一定割合の株主が会社へ反対を通知すると株主総会決議が必要となり、権利が戻る(会社法796条3項に対応する保険業法165条の11第2項)。実務のポイント:会社法の枠組みではこの閾値は議決権の6分の1超で細目は法務省令にある。単独では届かなくても、株主名簿の閲覧謄写請求(会社法125条)から他の株主に当たる手がある(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 反対株主に株式買取請求権があること自体は広く知られている。知られていないのは、その入口の厳しさだ。会社法797条2項1号イは、株主総会に先立つ会社への反対の意思の通知と、総会での反対の両方を求める。事前通知を欠いた株主は、総会でどれだけ堂々と反対しても請求権者にならない。権利の有無は総会当日ではなく、その前の郵便で決まっている
- あなたから見れば、買取請求は「気に入らないから降りる」という離脱の選択に見える。会社と裁判所から見れば、それは価格決定という別の手続に自ら入るという宣言である。いったん請求すると会社の承諾なしには撤回できず(会社法797条7項)、裁判所が決めた公正な価格が期待を下回っても引き返せない。この落差が、勢いで請求した株主を追い込む
- 「存続会社の株主は合併で会社が消えるわけではないから保護は要らない」という前提自体が、立法では採られていない。だからこそ会社法797条は存続会社側にも買取請求権を置き、保険業法165条の14がそれを保険会社の合併に持ち込んだ。逆に簡易合併に該当すれば保護は外れる。保護の有無は当事者の立場ではなく、手続類型で切り分けられている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる会社の立場 | 保険業法165条の14:吸収合併で存続する株式会社(消えない側) | 保険業法165条の7:合併手続の本体規定(消滅会社側を含む) 保険業法165条の11:簡易合併の特則(総会省略の要件側) |
| 株主に与える手段 | 会社法797条1項・2項の準用による反対株主の株式買取請求権 | 合併手続そのものの遵守(瑕疵があれば合併無効の訴えの基礎) 簡易合併では買取請求権が外れるが、反対通知が閾値に達すれば総会決議が必要 |
| 保険契約者に与える手段 | 165条の4以下の公告・通知および異議申述の手続が存続会社にも準用 | 公告・通知事項と異議申述の基本枠組み(165条の4、165条の5第2項) 簡易合併でも契約者の異議申述の枠組み自体は別系統で維持 |
| 読替えの有無 | 「及び住所」→株式に関する事項を追加するなど明文の読替えあり、細目は政令 | 読替えなしの本体規定 本条の読替えが参照する基準条文(165条の11第1項本文) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険業の合併には主管機関の認可を要し、会社法上は合併に異議を述べた株主に株式買取請求権を認める。監督法と会社法の二層構造という組み立ては日本と同型
韓国も保険会社の合併を金融当局の認可事項とし、商法で合併反対株主の株式買取請求権を定める。存続会社側の扱いは商法の一般規定に従う
ドイツは保険監督法で保険契約集合の移転・合併に監督庁の認可を要求し、組織再編法で現金補償(Barabfindung)の申出を義務づける。契約者保護は監督庁の審査に厚く寄せられている
米国は州保険庁の事前承認(Form A)と、州会社法の appraisal rights が別建て。契約者の異議申述という日本型の集団的手続は置かず、監督庁のヒアリングで代替する構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 合併承認の株主総会が来週に迫っていたら、どう動く? 総会で反対票を投じるだけでは買取請求権は手に入らない。総会に先立って会社へ反対の意思を通知し、その上で総会でも反対する。この二段構えを踏み外した株主は、効力発生日の20日前から前日までという請求期間にたどり着く前に、そもそも請求権者の資格を失っている
- あなたが存続会社側の法務担当だとする。買取請求が想定を超えて集まれば、支払原資が合併後の資本計画を直撃する。価格決定の申立てを待つ前に、会社法798条5項の仮払いを使うかどうかを決めておく必要がある
- あなたの生命保険を引き受けている会社が、他社を吸収する側になった。「消える会社の契約者だけの話」と思って届いた公告や通知を読み飛ばすと、存続会社側の契約者にも準用で開かれている異議申述の窓が閉じる。異議を述べた契約者が一定規模に達すれば、合併そのものが前に進まなくなる仕組みが用意されている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 招集通知や公告を受け取ったら、まず簡易合併の記載を探す(保険業法165条の11第1項本文に当たると買取請求権が外れる)2. 総会に先立ち、議案を特定した書面で会社へ反対の意思を通知し、総会でも反対票を投じる3. 効力発生日の20日前の日から前日までに、株式の種類と数を明示して買取請求を行う4. 効力発生日から30日以内に価格の協議が調わなければ、その期間満了後30日以内に裁判所へ価格決定を申し立てる(会社法798条2項)
訴えられた側:1. 公告・通知事項に読替え後の項目(住所、165条の10第4項に当たる場合の株式に関する事項)が漏れていないか点検する。手続の瑕疵は合併無効の訴えの火種になる2. 存続会社側の保険契約者にも異議申述の手続が準用される前提で、申述期間と件数の集計体制を先に組む3. 買取請求の総額を試算し、必要なら会社法798条5項の仮払いで利息の膨張を止める4. 技術的読替えの細目は政令に落ちているため、条文本体だけで判断しない
時効(請求できる期限):株式買取請求は効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日まで(会社法797条5項)。価格の協議が効力発生日から30日以内に調わないときは、その期間満了後30日以内に裁判所へ価格決定の申立て(同法798条2項)。保険契約者の異議申述期間は公告に定める1か月以上の期間。吸収合併無効の訴えは効力発生日から6か月以内(同法828条1項7号・8号)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める