保険業法 第165条の6(新株予約権買取請求)
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- 消滅株式会社の新株予約権者は、消滅株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
- 2.会社法第七百八十七条第五項から第十項まで(新株予約権買取請求)、第七百八十八条(新株予約権の価格の決定等)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第二項(第二号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前項の規定による請求について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
新株予約権買取請求とは何ですか?
定義新株予約権買取請求とは、保険業法第165条の6に定められた規定で、「消滅株式会社の新株予約権者は、消滅株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第165条の6(新株予約権買取請求)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第165条の6の条文原文は「消滅株式会社の新株予約権者は、消滅株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。」で始まります。
- 保険業法第165条の6は第一目 消滅株式会社の手続に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第165条の6の前の条は保険業法第165条の5です。
- 保険業法第165条の6の次の条は保険業法第165条の7です。
- 保険業法第165条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/165_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法165条の7は、合併で消滅する保険株式会社の新株予約権者が、公正な価格での買取りを請求できると定める。価格が協議で決まらなければ裁判所が決定する。
Q · 合併で保険会社が消えたら、持っているストックオプションはゼロになるんですか?
紙くずにはなりません。公正な価格での買取りを請求できます。
保険業法165条の7第1項により、消滅する保険株式会社の新株予約権者は、会社に対して自己の新株予約権を公正な価格で買い取るよう請求できます。第2項が会社法787条5項以下と788条を準用するため、請求は効力発生日の20日前から前日までの間に行い、請求後は原則として撤回できません。価格は当事者の協議で決まらなければ、裁判所への価格決定の申立てによって定まります。会社の提示額は交渉の出発点にすぎません。
解説
保険会社が合併で消えるとき、株主のことは誰でも心配する。だが新株予約権、つまりストックオプションを持っている人はどうなるのか。あなたが保険会社の従業員で、業績連動のストックオプションを付与されていたとする。将来1株500円で買える権利を持っていた。ところが会社が合併で消滅することになった。あなたの権利は紙くずか。保険業法165条の7はそこに一本の逃げ道を開ける。消滅する保険株式会社の新株予約権者は、会社に対して「公正な価格で買い取れ」と請求できる。ここで効いてくるのが「公正な価格」という文言だ。付与時の理論価格でも、額面でもない。合併という組織再編がなかったと仮定した価格、あるいは再編後のシナジーを織り込んだ価格。どちらを基準にするかで金額は桁違いに動き、当事者が合意できなければ裁判所が決める。会社側が提示した金額を鵜呑みにする必要は、法律上どこにもない。
法的な位置づけ
保険業法165条の7は、合併により消滅する保険株式会社の新株予約権者に、公正な価格による買取請求権を認める規定である。第2項は会社法787条5項から10項まで、788条、868条1項、870条2項等を準用し、請求期間、撤回の制限、裁判所への価格決定申立て手続を定める。準用に必要な技術的読替えは政令に委任される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.効力発生日を確定し、請求期間をカレンダーに入れる 合併の通知または公告から効力発生日を特定し、その20日前の日と前日の二つをカレンダーに登録する。会社法787条5項準用のこの窓は延長されず、逃した瞬間に請求権が消滅する
- 2.新株予約権の発行要項で組織再編条項を確認する 手元の割当契約書と発行要項を開き、行使価格、個数、行使期間、そして組織再編行為が生じた場合の取扱条項を確認する。承継会社の新株予約権への引継条件が発行要項の定めに合致しているかが、買取請求できるかどうかの分岐点になる
- 3.会社が提示する引継条件を書面で確定させる 口頭説明ではなく、承継会社の新株予約権の内容を書面またはメールで回答させる。この書面が、後に「発行要項に定められた条件に合致しない」と主張する際の物証になる
- 4.買取請求書を期間内に提出する 対象となる新株予約権の内容と数を特定して、消滅株式会社に書面で買取請求を行う。会社法787条7項準用により請求後は会社の承諾なく撤回できないため、提出前に価格の見通しと撤回不能リスクを確認しておく
- 5.協議が不調なら30日以内に価格決定を申し立てる 効力発生日から30日以内に価格の協議が調わないときは、その期間満了後30日以内に裁判所へ価格決定を申し立てる(会社法788条2項準用)。同じ立場の予約権者と共同で申し立てると、算定意見書の費用を分担できる
よくある質問 AI による整理
Q1新株予約権買取請求はいつまでにすればいいですか?
会社法787条5項の準用により、合併の効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間に行使します。この期間を過ぎると権利そのものが消えます。
Q2買取請求は後から取り下げできますか?
原則としてできません。会社法787条7項の準用により、請求後は会社の承諾がなければ撤回できません。提出前に条件と価格見通しを固める必要があります。
Q3保険業法165条の7は誰に適用されますか?
合併により消滅する保険株式会社の新株予約権者です。相互会社形態や存続会社側の予約権者には本条は直接適用されず、別の規定の検討が必要です。
Q4保険業法と会社法はどちらを見ればいいですか?
請求権の根拠は保険業法165条の7第1項、手続の中身は同条2項が準用する会社法787条・788条です。両方をセットで読む必要があります。
Q5政令で定める技術的読替えとは何ですか?
会社法の条文を保険会社に当てはめる際の用語や機関の置き換えです。条文本体だけを読むと読替え後の内容を取り違えるため、施行令の確認が欠かせません。
Q6価格決定の申立てはどこの裁判所にしますか?
会社法868条1項の準用により、非訟事件として本店所在地を管轄する地方裁判所に申し立てます。即時抗告も872条の準用で認められています。
Q7価格決定の申立てに費用はどれくらいかかりますか?
申立手数料のほか、企業価値やオプション価値の算定意見書を用意する費用が実質的な負担になります。予約権者が複数なら共同申立てで分担できます。
Q8買取代金はいつ支払われますか?
会社法788条の準用により、価格確定後に支払われ、効力発生日から一定期間経過後は法定利率による利息が付きます。即時受領できるとは限りません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社から「新株予約権は承継会社のものに引き継がれます」と言われたら、買取請求はもうできないんですか?
引継ぎがあっても、その条件が新株予約権の発行要項に定められた組織再編時の取扱条件に合致していなければ、買取請求権は残ります(会社法787条1項準用)。実務のポイント:発行要項の組織再編条項は付与時にほとんど誰も読まないが、この一文の書き方が買取請求できるかどうかを決めている。手元の付与契約書と発行要項を今すぐ確認する価値がある
Q2「公正な価格」って結局いくらなんですか?
条文は金額を定めておらず、当事者協議、調わなければ裁判所の決定で決まります(会社法788条準用)。実務上は組織再編がなかったと仮定した価格を基準とするか、再編によるシナジーを反映させるかで解釈が分かれています。実務のポイント:会社が最初に提示する額は保守的な理論価格であることが多い。オプション価値の算定手法(ブラック・ショールズ等)は複数あり、どの前提を置くかで結果が大きく変わる。専門家の意見書を用意できる側が有利になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「買取請求できることは知っているが、会社が提示する価格で決まる」と思っている人が多い。実際は違う。請求から30日以内に協議が調わなければ、その後30日以内に裁判所へ価格決定の申立てができる(会社法788条準用)。会社の提示額は交渉の出発点にすぎず、終着点ではない
- 「新株予約権はまだ株式ではないから、組織再編で消えても仕方ない」という前提そのものが誤っている。新株予約権は独立した財産権であり、消滅会社が一方的に消滅させれば財産権の侵害になる。だから法は買取請求権という形で経済的価値の回収路を保障する
- あなたから見れば「オプションが行使できなくなっただけ」だが、法律から見れば「対価なき財産権の剥奪」である。この落差を認識していないと、会社から「引継ぎがないので失効します」と言われた瞬間に諦めてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰の権利か | 保険業法165条の7:消滅保険株式会社の新株予約権者 | 保険業法165条の5:合併に反対する株主 保険業法165条の4:株主・債権者等の情報開示請求権者 |
| 得られるもの | 新株予約権を公正な価格で買い取らせる金銭請求 | 保有株式を公正な価格で買い取らせる金銭請求 合併契約等の事前開示書面の閲覧・謄写 |
| タイミング | 効力発生日の20日前から前日まで(会社法787条5項準用) | 反対通知の後、効力発生日の前日までの所定期間 備置開始日から効力発生日後一定期間まで |
| 争いの決着方法 | 協議 → 不調なら裁判所の価格決定(会社法788条準用) | 協議 → 不調なら裁判所の価格決定 開示拒絶に対する閲覧謄写請求訴訟 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は異議株主の株式買取請求権を明文化するが、新株予約権(員工認股権)保有者固有の買取請求権は正面から規定せず、併購契約上の処理に委ねられる点で日本と異なる
韓国も合併反対株主の株式買取請求権を定めるが、新株引受権者固有の買取請求権規定は置かれておらず、社債・新株引受権の保護規定で処理される
ドイツ組織再編法は、議決権を持たない特別権利の保有者に同等の権利を付与する義務を課し、加えて現金補償(Barabfindung)の枠組みを設ける。経済的補償を保障する発想は日本法と共通する
米国デラウェア州法の appraisal rights は株主にのみ認められ、オプション保有者には及ばない。オプションは合併契約中の option treatment 条項(キャッシュアウトまたはロールオーバー)で処理されるのが実務
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険会社に勤めて8年、権利行使価格1株500円のストックオプションを5,000個持っている。合併の通知が届き、承継会社の新株予約権への引継ぎ条件が明らかに不利。買取請求という選択肢が別ルートで存在することを知っているかどうかで、手取りが数百万円変わる
- 会社側の立場だったらどうか。合併スキームを設計する側にとって、新株予約権者からの買取請求は「読めないキャッシュアウト」である。価格決定が裁判所に持ち込まれれば、合併効力発生後も債務が確定しない。だからこそ実務では、事前に条件を詰めて買取請求を出させないよう設計する
- もし、合併契約書に「新株予約権は承継会社の新株予約権に引き継ぐ」と書いてあったら、買取請求はできないのか。できる。引継ぎがあっても、その条件が新株予約権の内容として定められた条件に合致しない場合、買取請求権は生きる(会社法787条1項参照)
- あなたに残された時間は限られている。買取請求は効力発生日の20日前から前日までの間にしか行使できない。合併公告を見落として3週間放置した時点で、権利は消える。通知が来た日にカレンダーへ二つの日付を入れる、それだけの作業が数百万円を守る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 合併通知または公告を受け取ったら効力発生日を確定、その20日前から前日までが請求可能期間2. 保有する新株予約権の内容(行使価格、個数、組織再編時の取扱条項)を発行要項で確認3. 会社に対し書面で買取請求(請求後は会社の承諾なく撤回できない点に注意) 4. 価格協議が請求から30日以内に調わなければ、その後30日以内に裁判所へ価格決定申立て5. 同じ立場の予約権者と情報を共有し、可能なら共同で動く
訴えられた側:1. 合併スキーム設計段階で、承継会社の新株予約権として引き継ぐ条件を発行要項の組織再編条項に適合させる、これが買取請求の発生を最も確実に抑える2. 通知・公告の期限管理を徹底、通知漏れは請求期間の起算に影響しうる3. 買取請求が出た場合、想定キャッシュアウト額を効力発生日前に見積もり、資金手当てを合併スキームに組み込む4. 価格協議は誠実に行う、裁判所に持ち込まれると保険会社の企業価値算定という重い立証負担が生じる
時効(請求できる期限):買取請求は合併等の効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間に行使する(会社法787条5項準用)。価格決定の申立ては、効力発生日から30日以内に協議が調わないとき、その期間満了後30日以内(同法788条2項準用)。この二段構えの期限をどちらか一つでも逃すと、権利そのものが消える
学説
通説:新株予約権は株式に転化する前の段階であっても独立した財産権であり、組織再編により対価なく消滅させることは許されない。そのため法は差止めではなく金銭による買取請求権という形で経済的価値の回収路を保障していると解される
実務上の有力な整理:承継会社の新株予約権が交付される場合でも、その条件が発行要項に定められた組織再編時の取扱いに合致しないときは買取請求権が存続する。したがって発行要項の組織再編条項の記載が、買取請求の成否を実質的に決定する
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う関係法律の整備により、保険業法の組織再編規定が会社法の枠組みに再編成され、新株予約権買取請求に関する会社法規定の準用構造が整えられた
- 保険業法 第165条の5合併に反対する株主の株式買取請求との並列関係
- 保険業法 第165条の4合併契約に関する事前開示、請求判断の情報基盤
- 保険業法 第167条合併の内閣総理大臣による認可、再編の前提手続
- 会社法 第787条新株予約権買取請求の一般規定、本条が準用する母法
- 会社法 第788条価格決定手続、裁判所への申立ての根拠
- 会社法 第868条非訟事件の管轄、価格決定申立ての裁判所
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