保険業法 第176条(決算書類等の提出)
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清算保険会社等の清算人(特別清算の場合の清算人を除く。)は、会社法第四百九十二条第三項(財産目録等の作成等)若しくは第四百九十七条第二項(貸借対照表等の定時株主総会への提出等)(これらの規定を第百八十条の十七において準用する場合を含む。)又は第五百七条第三項(清算事務の終了等)(第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定により株主総会等においてこれらの規定に規定するものについて承認を得たときは、遅滞なく、これらの規定に規定するもの(電磁的記録で作成され、又はその作成に代えて電磁的記録の作成がされているときは、内閣府令で定める電磁的記録又は当該電磁的記録に記録された情報の内容を記載した書面)を内閣総理大臣に提出しなければならない。
この条文の基本情報
決算書類等の提出とは何ですか?
定義決算書類等の提出とは、保険業法第176条に定められた規定で、「清算保険会社等の清算人(特別清算の場合の清算人を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第176条(決算書類等の提出)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第176条の条文原文は「清算保険会社等の清算人(特別清算の場合の清算人を除く。」で始まります。
- 保険業法第176条は第四節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第176条の前の条は保険業法第175条です。
- 保険業法第176条の次の条は保険業法第177条です。
- 保険業法第176条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第176条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第176条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/176
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法176条は、清算保険会社等の清算人に、会社法上の財産目録等や決算報告が株主総会等で承認されたとき、遅滞なく内閣総理大臣へ提出する義務を課す。特別清算の清算人は除かれる。
Q · 保険会社の清算で、株主総会の承認を得たら手続は終わりですか?
終わりません。遅滞なく当局への提出が必要です
保険業法176条により、清算保険会社等の清算人は、会社法492条3項(財産目録等)、497条2項(貸借対照表等)、507条3項(清算事務の決算報告)の承認を株主総会等で得たとき、遅滞なくこれらを内閣総理大臣へ提出しなければなりません。書類が電磁的記録で作成されている場合は、内閣府令で定める電磁的記録、またはその内容を記載した書面での提出になります。特別清算の場合の清算人は、裁判所の監督下にあるため本条の対象から除かれます。
解説
保険会社が解散して清算に入る。その清算人が株主総会で財産目録や貸借対照表、清算事務の決算報告の承認を得たとき、そこで終わりだと思うだろう。会社法の世界ならそれで終わりだ。だが保険会社は違う。保険業法176条は、承認を得た書類を「遅滞なく」内閣総理大臣(実務上は金融庁長官に委任される)へ提出せよと命じる。ここがあなたの知っておくべき分岐点である。通常の株式会社の清算は株主の内輪で完結するが、清算保険会社等には契約者という第三者が背後に大量にいる。だから会社法の清算手続に、行政への報告義務が上乗せされる。書類が電磁的記録で作られている場合は、内閣府令が定める電磁的記録か、その内容を記載した書面での提出になる。つまり紙で作ったか電子で作ったかによって、提出物の形式まで法定されている。この提出を怠れば、清算人個人が過料の対象になる。会社ではなく、清算人個人がだ。
法的な位置づけ
保険業法176条は、清算保険会社等の清算人(特別清算の場合の清算人を除く)に、会社法上の財産目録等・貸借対照表等・清算事務の決算報告について株主総会等の承認を得た後、遅滞なくこれらを内閣総理大臣へ提出すべき義務を定める規定である。会社法の清算手続に、契約者保護を目的とする行政報告の工程を上乗せする構造をとる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.会社法の清算工程表に保険業法の上乗せ工程を差し込む 清算開始時点で、会社法492条・497条・507条の各承認タイミングを洗い出し、その直後に「保険業法176条:内閣総理大臣へ提出」の行を追加する。会社法用のチェックリストを流用すると、この工程が丸ごと欠落する
- 2.特別清算か通常清算かを確定させる 176条は特別清算の場合の清算人を明文で除外している。通常清算から特別清算へ移行する可能性がある案件では、移行日を基準に提出済み書類と未提出書類を棚卸ししておく
- 3.株主総会の前に提出書類一式を完成させる 「遅滞なく」の起算点は承認時であるため、承認後に書類を整え始めるとその準備期間が遅滞と評価されうる。承認当日に提出できる状態まで仕上げ、承認日と提出日を同一日に設定する
- 4.電磁的記録の提出形式を事前に当局と詰める 書類を電子で作成している場合、内閣府令で定める電磁的記録で出すか、その内容を記載した書面で出すかの二択になる。形式不備による再提出は遅滞評価につながるため、承認前に監督当局へ形式を確認する
- 5.提出の事実と日付を証跡として残す 承認日、提出日、提出方法、受付の控えをセットで保存する。後日の照会や過料手続において、遅滞がなかったことを立証できるのは書面の証跡だけである
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法176条とは?
清算保険会社等の清算人に、会社法上の財産目録等・貸借対照表等・清算事務の決算報告が株主総会等で承認されたとき、遅滞なく内閣総理大臣へ提出する義務を課す規定です。
Q2清算保険会社等とは何ですか?
解散して清算手続に入った保険会社等を指し、保険業法第8章の清算規定と監督の対象になります。清算中も契約者保護のため行政の関与が続く点が通常の株式会社と異なります。
Q3「遅滞なく」は何日以内ですか?
日数の明示はありません。法令用語としては「直ちに」に次ぐ即時性を求める表現で、正当な理由のない遅れは許されないと解されています。起算点は株主総会等の承認時です。
Q4清算人が提出を怠るとどうなりますか?
保険業法の罰則規定により、法人ではなく清算人個人が過料の対象となります。手続は非訟事件手続の枠組みで進むため、意見を述べる機会はありますが、負担は個人に帰属します。
Q5提出先は金融庁ですか、内閣総理大臣ですか?
条文上の名宛人は内閣総理大臣ですが、保険業法上の権限は実務上、金融庁長官へ委任されています。実際の窓口は金融庁となるのが通例です。
Q6電磁的記録で作った書類はどう提出しますか?
内閣府令で定める電磁的記録、またはその電磁的記録に記録された情報の内容を記載した書面のいずれかで提出します。自社形式の PDF をそのまま送れば足りるとは限りません。
Q7相互会社の清算でも176条は適用されますか?
条文は会社法の各規定を保険業法180条の17において準用する場合を含むと明記しており、相互会社の清算にも提出義務が及ぶ建て付けになっています。
Q8提出する書類は具体的に何ですか?
会社法492条3項の財産目録等、497条2項の貸借対照表等、507条3項の清算事務の決算報告のうち、株主総会等で承認を得たものです。新規作成は求められません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社法どおりに株主総会で承認をもらいました。それでも金融庁に出さなきゃダメなんですか?
必要である。保険業法176条は、会社法492条3項・497条2項・507条3項の承認を得たときに、遅滞なく内閣総理大臣への提出を義務付けている。会社法上の手続が完結しても、業法上の報告義務は別建てで残る。実務のポイント:この提出は監督当局が清算の進行を把握する数少ない定点観測であり、提出が滞ると清算全体に照会が入りやすくなる。出し忘れた一通が、その後の全工程の心証を左右する
Q2特別清算に入っている場合も、この提出は必要ですか?
不要である。176条は括弧書きで「特別清算の場合の清算人を除く」と明記している。特別清算は裁判所の監督下で進むため、行政への報告に代わる監督ルートが確保されているからだ。実務のポイント:通常清算から特別清算へ移行した場合、移行の前後で義務の内容が切り替わる。移行日をまたぐ書類の扱いは実務上の論点になりうるため、移行申立ての段階で提出済み書類と未提出書類を棚卸ししておく
間違えやすい点 AI による整理
- 会社法の清算手続を完璧に押さえていれば清算保険会社も回せる、という前提そのものが誤っている。保険業法第8章は会社法の清算規定を準用しつつ、随所に行政報告・行政関与の工程を挿し込む構造になっている。問うべきは「会社法どおりか」ではなく「会社法のどこに保険業法が上書きしているか」である
- 提出義務があることは知っていても、その不履行が誰に降りかかるかを軽く見ている人が多い。保険業法の罰則規定では、この種の提出義務違反は法人ではなく清算人その人を名宛人とする過料として設計されている。報酬を得て就任した清算人個人の財布と経歴に直接跳ね返る
- 「遅滞なく」を「そのうち」と読み替える実務家がいるが、法令用語としての「遅滞なく」は「直ちに」に次いで急を要する表現であり、正当な理由のない遅れは許されない。「速やかに」よりも法的な拘束力が強いと解されている。三段階のうちどこに位置するかを知っている人と知らない人では、承認後に動き出すスピードが変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 保険業法176条:承認済み書類の当局への提出義務 | 保険業法175条:清算保険会社等に対する監督の枠組み 保険業法183条:清算事務終了時に係る会社法規定の準用 |
| 義務の名宛人 | 清算人個人(特別清算の場合の清算人を除く) | 清算保険会社等(監督を受ける主体) 清算人(準用先の規定に従う) |
| 相互会社への適用 | 180条の17で会社法規定を準用する場合を含む | 相互会社の清算にも監督が及ぶ 183条1項の準用を通じて連動する |
| 実務上の失敗パターン | 株主総会承認で終わったと誤解し提出を失念、清算人個人が過料 | 監督当局からの照会に対する体制未整備 準用関係を追えず適用条文を取り違える |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では清算完結時の決算表冊は株主会の承認後に法院へ申報する建て付けで、報告先が行政庁ではなく裁判所である点が日本と対照的。保険業固有の清理・清算については主管機関の監督が別途及ぶ
韓国も保険会社の清算に金融当局の関与を認める構造をとる。清算人の選任・監督に当局が関与する点で、日本の行政報告型と近い発想に立つ
ドイツでは保険会社の清算(Abwicklung)に BaFin の監督が及び、契約者保護の観点から監督当局への報告・関与が組み込まれている
米国は保険会社の清算を州裁判所の監督下で州保険長官が receiver として遂行する方式をとり、行政報告ではなく裁判所主導の手続として設計されている点が大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが中小の保険会社で総務部長をしていて、会社が事業を畳むことになった。清算人に就任した元役員から「株主総会で決算報告が承認されたので、これで一段落ですね」と言われる。違う。ここから遅滞なく金融庁への提出が必要で、その事務を回すのはあなただ。会社法の清算スケジュール表をそのまま流用すると、この一工程がまるごと抜け落ちる
- 清算保険会社の清算人に就任した弁護士が、会社法492条3項の財産目録等の承認を得た。株主総会の議事録を整えて安心していたが、内閣総理大臣への提出を失念。数か月後に金融庁から照会が来る。過料の名宛人は法人ではなく清算人個人である。「知らなかった」は通らない
- もし清算の途中で、書類をすべて電子データで作成していたとしたら、何をどう出せばいいのか。内閣府令が定める電磁的記録の形式で出すか、その記録に記録された情報の内容を記載した書面で出すか、二択になる。自社の PDF をそのまま送りつければ足りるとは限らない。事前に監督当局と形式を詰めておかないと、提出のやり直しが発生する
- 清算事務が終わり、会社法507条3項の決算報告が承認された。残された時間は「遅滞なく」だけ。日数の明示がない。あと何日、という数字がないからこそ、実務では承認から数週間を超えると説明を求められる。カレンダーに落とし込めない期限が、いちばん危ない
取るべき行動
被害を受けた側:契約者や株主の立場で清算の透明性に疑問があるなら、1. 清算人に対し会社法492条・497条・507条の書類の閲覧謄写を求める2. 金融庁への提出が済んでいるかを清算人に確認し、記録を残す3. 提出義務の不履行が疑われる場合、監督官庁への情報提供を検討する4. 清算人の任務懈怠により損害を受けたなら、会社法の清算人の責任規定に基づく責任追及を弁護士と検討する
訴えられた側:提出遅延を指摘されたら、1. 承認日と提出日の間に何があったかを時系列で整理し、遅滞に正当な理由があったかを立証する材料を集める2. 直ちに提出を完了させる。不履行の継続は評価を悪化させるだけである3. 電磁的記録の形式不備が原因なら、内閣府令上どの形式が要求されるかを確認して補正提出する4. 過料の手続は非訟事件手続によるため、意見を述べる機会がある。書面での事情説明を準備する
時効(請求できる期限):提出期限は「遅滞なく」であり、具体的な日数の定めはない。起算点は株主総会等における承認を得た時点。「遅滞なく」は法令用語として「直ちに」「速やかに」と並ぶ即時性を求める表現で、正当な理由のない遅れは許されない。過料自体の除斥期間について特定の定めはなく、非訟事件手続法の枠組みで処理される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(法令用語):「遅滞なく」は「直ちに」「速やかに」と並ぶ時間的即時性を求める法令用語であり、三者のうち「直ちに」に次ぐ強度をもつ。合理的な理由による若干の遅れは許容されるが、正当な理由のない遅れは義務違反と評価されると解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)。旧保険業法を全面的に改め、保険会社の解散・清算に関する監督の枠組みが現行の章立てに整理された
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う関係法律の整備により、清算に関する引用条文が旧商法から会社法(492条・497条・507条)へ置き換えられた(詳細な改正内容は最新の改正沿革をご確認ください)
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