受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

保険業法 第175条(内閣総理大臣の選任する清算人の報酬)

クイックジャンプ
  1. 前条第一項、第四項又は第九項の規定により選任された清算人は、清算保険会社等から報酬を受けることができる。
  2. 2.前項の報酬の額は、内閣総理大臣が定める。

この条文の基本情報

内閣総理大臣の選任する清算人の報酬とは何ですか?

定義内閣総理大臣の選任する清算人の報酬とは、保険業法第175条に定められた規定で、「前条第一項、第四項又は第九項の規定により選任された清算人は、清算保険会社等から報酬を受けることができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 保険業法第175条(内閣総理大臣の選任する清算人の報酬)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
  2. 保険業法第175条の条文原文は「前条第一項、第四項又は第九項の規定により選任された清算人は、清算保険会社等から報酬を受けることができる。」で始まります。
  3. 保険業法第175条は第四節に置かれています。
  4. 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
  5. 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 保険業法第175条の前の条は保険業法第174条です。
  7. 保険業法第175条の次の条は保険業法第176条です。
  8. 保険業法第175条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式保険業法(平成七年法律第百五号)第175条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105
  • 本サイト収録保険業法(平成七年法律第百五号)第175条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/175

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点保険業法175条は、内閣総理大臣が選任した清算人が清算保険会社等から報酬を受けられると定める。額を決めるのは会社ではなく内閣総理大臣で、清算人に価格交渉の余地はない。

Q · 保険会社の清算人の報酬って、誰がいくらと決めるんですか?

額を決めるのは会社ではなく内閣総理大臣(実務は金融庁長官)です。

保険業法175条1項により、同法174条1項・4項・9項に基づいて内閣総理大臣が選任した清算人は、清算保険会社等から報酬を受けることができます。その額を定めるのは会社との交渉ではなく内閣総理大臣であり(同条2項)、実務では同法313条の権限委任により金融庁長官の決裁で確定します。裁判所が額を定める会社法485条や破産法87条と異なり、決定権が行政にあるため、額に不服がある場合の争い方も行政上のルートから検討することになります。

解説

破産管財人の報酬は裁判所が決める(破産法87条)。裁判所が選んだ会社の清算人も、額を定めるのは裁判所である(会社法485条)。ところが保険会社等の清算に限っては、額を決めるのが内閣総理大臣、つまり条文上の名義はそうだが、実務で決裁するのは権限委任を受けた金融庁長官だ(保険業法313条)。あなたが清算人に選ばれた側なら、報酬額はあなたと会社の交渉では決まらない。支払う側の会社にも、値切る権限がない。逆にあなたが破綻した保険会社の契約者なら、その報酬は会社の財産、つまりあなたへの弁済原資から出ていく。二項しかない短い条文だが、金額の決定権が司法から行政へ移されているというその一点で、不服の言い先も、争う期限も、通常の清算とはまるで別の世界に入る。

法的な位置づけ

保険業法175条は、同法174条1項・4項・9項により内閣総理大臣が選任した清算人の報酬請求権を定める規定である。清算人は清算保険会社等から報酬を受けることができ、その額は会社との合意ではなく内閣総理大臣が定める(同条2項)。裁判所が額を定める会社法485条および破産法87条に対する、行政型の特則として機能する。

手順

  1. 1.就任を承諾する前に条件を詰める 清算人就任の打診を受けた段階が、条件を詰められる唯一の窓である。想定される清算期間、業務量、実費(出張費・鑑定費・補助者費用)の扱いを整理し、照会可能な範囲で行政庁側に確認する。承諾後は額の決定権が行政庁に移り、交渉の余地は残らない。
  2. 2.就任初日から工数と業務内容を記録する 報酬額を定めるのは行政庁だが、その基礎資料となるのは清算人側が示す業務の実績である。日次の業務日誌、担当者別の工数、処理した債権件数・資産処分件数を継続的に記録し、いつでも報告できる形に保つ。
  3. 3.報酬額の通知が届いたら末尾の教示欄を先に読む 通知書の金額本文より先に、末尾の不服申立ての教示(行政不服審査法82条)の有無を確認する。教示があれば行政庁自身がその決定を処分として扱っている一次的なシグナルであり、争う入口と期限がその一行で確定する。
  4. 4.不服があるなら短い行政上の期限から逆算する 処分性が認められる前提で日程を組む。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月、取消訴訟は6か月(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。処分性の有無は解釈が分かれるため、行政事件を扱う弁護士に早期に当たり、金銭請求構成との併走も検討する。

よくある質問 AI による整理

Q1保険業法175条とは何ですか?

内閣総理大臣が選任した清算保険会社等の清算人に報酬請求権を認め、その額は内閣総理大臣が定めると規定する条文です。報酬の決定権が会社にも裁判所にもない点が特徴です。

Q2清算人の報酬は誰が決めるのですか?

保険業法175条2項により内閣総理大臣が定めます。実務では同法313条の権限委任により金融庁長官が決裁します。会社側に減額を交渉する権限はありません。

Q3清算保険会社等とは何を指しますか?

解散した保険会社のほか、少額短期保険業者など保険業法上の清算手続に服する事業者を含む概念です。通常の株式会社の清算とは適用される条文が異なります。

Q4保険会社の清算人はどうやって選ばれますか?

保険業法174条1項・4項・9項に基づき内閣総理大臣が選任します。内部者に清算を委ねられない局面で使われ、この選任を受けた清算人に175条が適用されます。

Q5破産管財人の報酬とどこが違いますか?

破産管財人の報酬額は裁判所が定めます(破産法87条)。本条の清算人は行政庁が額を定めるため、不服の申立先が司法ではなく行政のルートになります。

Q6清算人の報酬はいつ支払われますか?

条文に時期の定めはなく、清算手続の中で清算保険会社等の財産から支払われます。手続費用として先行し、債権者や契約者への弁済はその後の財産から行われます。

Q7内閣総理大臣が定めるとは実際は誰が決めるのですか?

保険業法313条により内閣総理大臣の権限は原則として金融庁長官に委任されており、個別案件の報酬額を決裁するのは金融庁の担当部署です。首相が個別に判断するわけではありません。

Q8報酬額の決定を争う期限はいつまでですか?

行政処分として争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月、取消訴訟は6か月が目安です(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。処分性の有無は解釈が分かれます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1清算人の報酬って、だいたいいくらぐらいになるんですか?

条文にも下位規範にも具体的な金額基準は示されておらず、事案の規模・期間・業務量に応じて行政庁が個別に定めます(本条2項)。裁判所が定める会社法485条の報酬も同様に基準は公表されていません。実務のポイント:破産管財人報酬は裁判所ごとに内部の目安があり、財団規模との相関が実務家の間で共有されています。行政庁が定める本条の報酬は、その種の相場情報が外部にほとんど流通していない。就任打診の段階で同種案件の経験者に照会できるかどうかが、そのまま情報格差になります

Q2決められた報酬額に納得できないとき、どこに文句を言えばいいんですか?

会社に言っても動きません。会社は定められた額を支払う立場だからです(本条1項、2項)。争うとすれば行政庁の決定そのものであり、処分性が認められれば審査請求や取消訴訟の道があります。ただしこの点は実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:通知書の末尾に不服申立ての教示(行政不服審査法82条)が付いているかどうかが、行政庁側がそれを処分として扱っているかの一次的なシグナルになります。教示の有無を最初に確認する人と、本文の金額だけ見る人とで、その後の選択肢が変わる

Q3保険会社が潰れたら、清算人の報酬は私の保険金より先に払われるんですか?

清算手続の費用は手続の中で優先的に支払われ、契約者への弁済はその後の財産から行われるのが基本です(本条1項)。ただし保険会社の破綻処理は、保険契約者保護機構による資金援助や保険契約の移転(保険業法第10章)が入る場合が多く、そのまま清算に進むとは限りません。実務のポイント:報道で「契約は保護機構に引き継がれた」と出たら、あなたの契約は清算の外へ移された可能性が高い。清算人の報酬が取り分を削るのは、移転しきれずに残った部分の話です

Q4会社の元役員が自分で清算人になることはできないんですか?

通常の株式会社の清算では取締役がそのまま清算人になるのが原則です(会社法478条1項1号)。しかし本条が適用されるのは、行政庁が自ら清算人を選任した場面(保険業法174条)、つまり内部者に委ねられないと判断された局面です。実務のポイント:174条の適用場面に入った時点で、経営陣が清算の主導権を握る選択肢はすでに消えています。破綻懸念が表面化する前の自主的な解散・清算と、行政庁の関与下での清算とでは、選べる清算人も、報酬を決める主体も別物になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 清算人に報酬が出ること自体は誰でも想像がつく。だがその報酬が清算保険会社等の財産から、つまり債権者や保険契約者への弁済原資を先に削って支払われるという順序までは意識されにくい。清算が長引くほど、あなたの取り分は誰にも通知されないまま静かに減っていく
  • 「報酬額に納得できないなら会社と交渉すればいい」という問いの立て方そのものが的を外している。額を定めるのは会社ではなく行政庁であり、会社は決められた額を支払うだけの立場にすぎない。交渉相手を取り違えたまま、争える期限だけが過ぎていく
  • 条文の「内閣総理大臣が定める」を読んで、首相が個別案件の報酬額に目を通していると受け取る人がいる。保険業法上の内閣総理大臣の権限は原則として金融庁長官に委任されており(保険業法313条)、名義上の決定者と実際の決裁者は別である。行政法の条文を読むときに常につきまとう落差だ
比較の観点この条文ほかの条文
報酬額を定める主体保険業法175条:内閣総理大臣(実務は金融庁長官への委任)会社法485条:裁判所(裁判所選任の清算人の場合)
破産法87条:裁判所
適用される場面保険業法174条により行政庁が清算人を選任した清算保険会社等の清算株式会社一般の清算で裁判所が清算人を選任した場合
破産手続における破産管財人
不服の申立先行政ルート(処分性が認められれば審査請求・取消訴訟。処分性は解釈が分かれる)司法ルート(裁判所の決定に対する不服申立て)
司法ルート(裁判所の決定に対する不服申立て)
報酬の原資清算保険会社等の財産(債権者・保険契約者への弁済原資を先に削る)清算中の会社財産
破産財団

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第325條・保險法第149條

台湾は清算人の報酬について、法院が選派した清算人なら法院が決定し、それ以外は株主会が議定するという二分法を採る。保険業については保險法149條により主管機關(金融監督管理委員會)が監理・清理・解散命令の権限を持ち、行政の関与という点で日本と近い構造になる

韓国
보험업법(保険業法)の清算関連規定

韓国も保険業の清算について監督当局(金融委員会)が関与する枠組みを持つ。清算人の選任に行政が関与する点は日本と共通するが、報酬額の決定主体の詳細は要検証

ドイツ
VAG(Versicherungsaufsichtsgesetz)の保険会社の清算・倒産に関する特則

ドイツは保険監督法に保険会社固有の倒産・清算の特則を置き、監督官庁 BaFin が手続に関与する。もっとも倒産手続における管財人報酬は裁判所の決定に服するのが原則であり、報酬決定を行政に握らせる日本型とは異なる

アメリカ
Insurers Rehabilitation and Liquidation Model Act(NAIC モデル法)

米国は保険会社の破綻処理を連邦倒産法から切り離し、州保険庁長官が receiver(管財人)となる州法体系を採る。行政が手続の主体になる点は日本と似るが、手続自体が州裁判所の監督下に置かれる点で司法の関与が残る

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたが弁護士として金融庁から清算人就任の打診を受けたら? 回答期限は数日、しかし報酬額が決まるのは就任のあと、決めるのは打診してきた側である。金額を知らないまま引き受けるかどうかを、あと三日で判断することになる
  • 破綻した保険会社の清算が三年目に入った。清算人の報酬は毎年、会社の財産から支払われる。その財産は、あなたが受け取るはずだった解約返戻金の原資だ。
  • あなたは清算保険会社等の残務処理を担当する社員。清算人から報酬の支払を求められたが、社内の誰も算定根拠を知らない。値下げの交渉も、支払の拒否もできない。会社は行政庁が定めた額を、そのまま支払う立場に置かれているからだ
  • 通知された報酬額が、実際に投じた工数から見て半分だった。会社を相手に不足分を民事で請求する話なのか、行政庁の決定そのものを争う話なのか。入口の選択を間違えると、中身を議論する前に期限を落とす
  • 友人が少額短期保険業者の清算に関わることになり、報酬はどう決まるのかと相談してきた。会社法の清算人と保険業法の清算人では決定主体が違う、その一点をあなたは三分で説明できる

取るべき行動

被害を受けた側:あなたが清算保険会社等の契約者・債権者なら。1. 自分の契約が保護機構による移転の対象になったのか、清算の中に残ったのかをまず確認する2. 清算人の氏名と手続の進行状況を把握、清算が長引くほど報酬と実費が財産を削る3. 債権申出の期間を最優先で管理、ここを落とすと弁済の枠から外れる4. 報酬額そのものを個別に争う余地は乏しいので、弁済率の見込みを清算人に照会し、資産の把握に力を割く

訴えられた側:あなたが選任された清算人またはその候補なら。1. 就任を承諾する前に、想定業務量・期間・実費の扱いを整理し、照会できる範囲で行政庁側に確認する2. 就任初日から工数記録と業務日誌を残す、報酬額決定の際に事実上の基礎資料になる3. 通知された額に不服なら、通知書に不服申立ての教示があるかを最初に見る4. 決定の処分性は実務上、解釈が分かれているため、短い行政上の申立期限を前提に日程を逆算して専門家に当たる

時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。報酬額の決定を行政処分として争う場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内が目安(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。ただし当該決定に処分性が認められるかは実務上、解釈が分かれている。処分性が否定される場合の金銭請求は一般の消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年)による

改正沿革 AI による整理

  • 平成7年(1995年)保険業法全部改正 現行保険業法(平成7年法律第105号)の制定により、清算に関する章が現在の体系となった。ただし本条の文言(清算保険会社等という対象概念、内閣総理大臣という権限主体)は、その後の金融監督機構の再編および対象業者の拡大に伴う整備を経ている。改正の回数と各年次は要検証

改正の年表

  1. 1.平成7年(1995年) 改正:現行保険業法(平成7年法律第105号)の全部改正により、清算に関する章が現在の体系となった。本条の文言(清算保険会社等という対象概念、内閣総理大臣という権限主体)は、その後の金融監督機構の再編および対象業者の拡大に伴う整備を経ている。改正の回数と各年次は要検証。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

保険業法の全文を見る所属する編章節を開く:第四節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›