保険業法 第174条(内閣総理大臣による清算人の選任及び解任)
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- 内閣総理大臣は、保険会社等が第百五十二条第一項の規定により読み替えて適用する会社法第四百七十一条第六号(解散の事由)(第百五十二条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事由によって解散したものであるときは利害関係人若しくは法務大臣の請求により又は職権で、第百八十条の四第一項又は同法第四百七十八条第一項(清算人の就任)の規定により清算人となる者がないとき、及び保険会社等が第百八十条第二号又は同法第四百七十五条第二号(清算の開始原因)に掲げる場合に該当することとなったものであるときは利害関係人の請求により又は職権で、清算人を選任する。
- 2.保険業を営む株式会社に対する会社法第四百七十七条第四項(株主総会以外の機関の設置)の規定の適用については、同項中「大会社」とあるのは、「保険会社若しくは保険業法第二百七十二条の四第一項第一号ロに掲げる株式会社」とする。
- 3.会社法第四百七十八条第二項から第四項までの規定は、保険業を営む株式会社については、適用しない。
- 4.保険会社等が第三条第一項の免許又は第二百七十二条第一項の登録の取消しによって解散したときは、第百八十条の四第一項又は会社法第四百七十八条第一項の規定にかかわらず、内閣総理大臣が清算人を選任する。
- 5.第八条の二第二項及び第十二条第二項の規定は、保険業を営む株式会社の清算人について準用する。
- 6.保険業を営む株式会社に対する会社法第四百七十八条第八項において準用する同法第三百三十一条第一項第三号(取締役の資格等)の規定の適用については、同号中「この法律」とあるのは、「保険業法、この法律」とする。
- 7.内閣総理大臣は、第一項、第四項又は第九項の規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から清算に係る株式会社又は相互会社(以下この節において「清算保険会社等」という。)を代表する清算人(以下この節において「代表清算人」という。)を定めることができる。
- 8.清算人(内閣総理大臣が選任した者及び特別清算の場合の清算人を除く。)は、その就職の日から二週間以内に次に掲げる事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。ただし、その間に特別清算が開始した場合は、この限りでない。
- 一解散の事由(第百八十条第二号又は会社法第四百七十五条第二号に掲げる場合に該当することとなった清算保険会社等にあっては、その旨)及びその年月日
- 二清算人の氏名及び住所
- 9.内閣総理大臣は、保険会社等の清算(特別清算を除く。)の場合において、重要な事由があると認めるときは、清算人を解任することができる。この場合において、内閣総理大臣は、清算人を選任することができる。
- 10.保険業を営む株式会社の清算の場合における会社法第四百七十九条(清算人の解任)の規定の適用については、同条第一項中「前条第二項から第四項までの規定により裁判所」とあるのは「内閣総理大臣」と、同条第二項中「清算人」とあるのは「清算人(内閣総理大臣が選任した者を除く。)」とする。
- 11.商業登記法第七十三条第一項及び第三項(清算人の登記)並びに第七十四条第一項(清算人に関する変更の登記)(第百八十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、内閣総理大臣が選任した清算人について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
- 12.第九項の規定により内閣総理大臣が清算人を解任する場合においては、内閣総理大臣は、清算保険会社等の本店又は主たる事務所の所在地の登記所にその旨の登記を嘱託しなければならない。
この条文の基本情報
内閣総理大臣による清算人の選任及び解任とは何ですか?
定義内閣総理大臣による清算人の選任及び解任とは、保険業法第174条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、保険会社等が第百五十二条第一項の規定により読み替えて適用する会社法第四百七十一条第六号(解散の事由)(第百五十二条第二項において準用する場合を含…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第174条(内閣総理大臣による清算人の選任及び解任)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第174条の条文原文は「内閣総理大臣は、保険会社等が第百五十二条第一項の規定により読み替えて適用する会社法第四百七十一条第六号(解散の事由)(第百五十二条第二項において準用する場合を含…」で始まります。
- 保険業法第174条は第四節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第174条の前の条は保険業法第173条の8です。
- 保険業法第174条の次の条は保険業法第175条です。
- 保険業法第174条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
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- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第174条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第174条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/174
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法174条は、保険会社等の清算人を内閣総理大臣が選任・解任できると定める。会社法478条2項から4項までの裁判所による清算人選任は適用されない。
Q · 保険会社が解散したら、清算人は誰が選ぶんですか?
裁判所ではなく内閣総理大臣(金融庁)が選任します
保険業法174条により、保険会社等の清算人は内閣総理大臣が選任します。3項が会社法478条2項から4項まで(裁判所による選任)の適用を排除しているため、裁判所へ清算人選任を申し立てるルート自体が存在しません。免許又は登録の取消しによる解散なら4項で当局が選任し、重要な事由があるときは9項で解任と後任選任も当局が行います。当局選任・特別清算の場合を除き、清算人には就職の日から二週間以内の届出義務(8項)があります。
解説
保険会社が畳まれるとき、その後始末を誰が仕切るのか。普通の会社なら、株主総会が清算人を決め、もめれば裁判所が選任する。保険業法174条は、そのハンドルを裁判所から内閣総理大臣(実務上は金融庁長官へ委任)に付け替える。免許取消しで解散した保険会社では、株主も裁判所も清算人を選べない。4項が「内閣総理大臣が選任する」と言い切っているからだ。あなたが保険契約者であれば、この一行が意味するところは重い。あなたの保険金請求権を最終的に処理する人物は、破綻会社の経営陣が送り込んだ身内ではなく、監督当局が指名した人間になる。さらに9項は、いったん選ばれた清算人でも「重要な事由」があれば当局が解任できると定める。会社法479条の解任権も、10項によって裁判所から総理大臣へ読み替えられる。保険会社の清算だけは、最初から最後まで行政の手のひらの上で進む。
法的な位置づけ
保険業法174条は、保険会社等の清算人の選任および解任に関する会社法の特則である。裁判所による清算人選任(会社法478条2項から4項まで)の適用を排除し、解散事由に応じて内閣総理大臣が清算人を選任し、重要な事由があるときは解任することができる旨を定める。代表清算人の指定、清算人の届出義務、登記の嘱託も併せて規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.解散事由を特定し、選任ルートを判定する 免許又は登録の取消しによる解散なら4項で当局選任が確定する。会社法471条6号の裁判による解散、180条2号などの場合は1項の利害関係人請求・職権選任のルートになる。ここを取り違えると以後の手続が全部ずれる
- 2.清算人候補の欠格事由を自己点検する 6項により、会社法478条8項が準用する同法331条1項3号の「この法律」は「保険業法、この法律」と読み替えられる。保険業法違反歴も欠格事由に算入されるため、就任前に確認する。5項による8条の2第2項・12条2項の準用も前提に体制を整える
- 3.就職の日から二週間以内に届け出る 当局選任の清算人と特別清算の清算人を除き、8項の届出義務が生じる。解散の事由およびその年月日、清算人の氏名および住所を内閣総理大臣へ届け出る。期間内に特別清算が開始した場合は届出不要となる
- 4.登記と公示の状態を確認する 当局が選任した清算人については11項により商業登記法73条1項・3項、74条1項が準用される。9項の解任があった場合は12項により当局が登記所へ嘱託する。登記簿上の清算人と実態が一致しているかを定期的に確認する
- 5.重要局面では解任リスクを事前に潰す 9項の解任は登記まで嘱託されて公示される。清算方針の変更、資産処分、契約移転など重要局面では、解任処分を受けてから対応するのではなく、事前に監督当局へ論点を上げて調整する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法174条とは何ですか?
保険会社等の清算人の選任・解任を内閣総理大臣の権限とする会社法の特則です。裁判所による選任規定の適用を排除し、代表清算人の指定や登記の嘱託までを定めています。
Q2保険会社の清算人を裁判所に選任してもらうことはできますか?
できません。174条3項が会社法478条2項から4項までの適用を保険業を営む株式会社について排除しているため、裁判所への選任申立てというルート自体が存在しません。
Q3免許取消しで解散した保険会社の清算人は誰が選ぶ?
4項により内閣総理大臣が選任します。第3条1項の免許取消しに加え、第272条1項の登録取消し、つまり少額短期保険業者の解散も同じ扱いです。
Q4清算人の届出はいつまでにすればいい?
就職の日から二週間以内に、解散の事由と年月日、清算人の氏名住所を内閣総理大臣へ届け出ます(8項)。当局が選任した清算人と特別清算の清算人は対象外です。
Q5清算人は途中で解任されることがありますか?
あります。9項により、重要な事由があると認めるときは内閣総理大臣が清算人を解任でき、同時に後任を選任できます。特別清算の場合は対象外です。
Q6代表清算人は誰が決めるのですか?
7項により、1項・4項・9項で清算人を選任する場合、内閣総理大臣がその清算人の中から清算保険会社等を代表する清算人を定めることができます。
Q7少額短期保険業者にも174条は適用される?
されます。4項が第272条1項の登録取消しを明記しているため、ペット保険やスマホ保険などの少額短期保険業者でも当局が清算人を選任します。
Q8清算人が解任されたら登記はどうなりますか?
12項により、内閣総理大臣が清算保険会社等の本店又は主たる事務所の所在地の登記所へ登記を嘱託します。会社側の申請がなくても交代が公示されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が潰れたとき、清算人を裁判所に選んでもらうことはできないんですか?
できない。3項が会社法478条2項から4項まで(裁判所による清算人選任)の適用を保険業を営む株式会社について排除している。免許取消しによる解散なら4項で内閣総理大臣が選任する。実務のポイント:一般の会社法の教科書は裁判所選任を前提に書かれているため、そのまま読むと保険会社では手続を間違える。金融機関の清算は業法側の特則を先に確認するのが実務の順序である
Q2清算人が選ばれたあと、あとから変えられることはあるんですか?
ある。9項は、保険会社等の清算(特別清算を除く)において重要な事由があると認めるときは内閣総理大臣が清算人を解任でき、同時に後任を選任できると定める。10項は会社法479条の「裁判所」を「内閣総理大臣」に読み替える。実務のポイント:解任は12項で登記が嘱託されるため公示される。関係者にとっては、清算人の交代登記が出た時点が状況変化のシグナルになる
Q3少額短期保険の会社でも同じ扱いですか?
同じ扱いになる。4項は「第三条第一項の免許又は第二百七十二条第一項の登録の取消し」を並べており、少額短期保険業者の登録取消しによる解散も当局選任の対象である。実務のポイント:272条の4第1項1号ロの株式会社は、2項により会社法477条4項の「大会社」の読み替え対象にもなる。規模が小さくても機関設置の要求水準は一般の中小企業と同じではない
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社の清算は会社法どおりに進む」と思われがちだが、保険会社等については3項が会社法478条2項から4項まで(裁判所による清算人選任)の適用を丸ごと外している。つまり裁判所へ清算人選任を申し立てるという発想そのものが、保険会社では成り立たない。問いの立て方が最初から違う
- 清算人選任は「株主か裁判所か」の二択だと考えている人が多いが、保険会社では免許取消しによる解散(4項)と重要事由による解任後(9項)で、行政が直接選ぶ。監督権限が組織法の内側にまで食い込んでいる、これは行政法と会社法の境界が溶けている領域である
- 「清算人が決まればあとは事務処理だけ」と理解している人は、9項の重みを見落としている。清算の途中でも当局は清算人を切り替えられる。清算人の地位は、通常会社のそれより格段に不安定である
- 11項の登記準用を「形式的な手続規定」と読む人は、12項の嘱託登記とセットで見ていない。行政が登記所に直接嘱託するということは、会社の協力なしに清算人の交代が公示されるということだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 清算人の選任権者 | 保険業法174条:内閣総理大臣(1項・4項・9項) | 会社法478条:定款・株主総会決議、なければ裁判所 保険業法180条の4:相互会社の清算人就任の原則規定 |
| 裁判所の関与 | 3項で会社法478条2項から4項までの適用を排除 | 利害関係人の申立てにより裁判所が選任 174条1項・4項の当局選任に接続される |
| 解任の主体 | 9項:重要な事由があるとき内閣総理大臣が解任、10項で会社法479条を読替え | 会社法479条:株主総会決議、または裁判所 同じく当局解任の対象 |
| 登記の扱い | 11項で商業登記法73条・74条を準用、12項で解任登記を当局が嘱託 | 会社が清算人の登記を申請 183条2項の準用を通じて同様の処理 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関が保険業に対し清理を命じ清理人を選派する構造をとる。会社法(公司法)の清算人選任に対する業法側の特則という位置づけは日本と共通する
韓国も保険業法において清算人の選任・解任に金融委員会が関与する枠組みを採る。契約者保護を理由に会社法の原則を修正する発想は日本と同型である
ドイツは BaFin が保険会社の免許取消し・解散・清算を監督するが、清算人の選任は会社形態ごとの組織法に依存する部分が大きく、当局選任の一元性は日本ほど強くない
米国は州保険監督官自身が receiver(更生・清算受託者)となる構造で、当局が清算人を選ぶ日本よりさらに行政が直接手を下す設計である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約していた中小の生命保険会社が免許取消しで解散した。あなたは「裁判所が公正な清算人を選ぶだろう」と考えるが、4項により選任権は内閣総理大臣にある。株主総会が選んだ人物でも、裁判所が選んだ人物でもない。誰が財産分配の順序を握るかが、株主の論理ではなく契約者保護の論理で決まる構造になっている
- あなたが破綻保険会社の元取締役で、そのまま清算人に就こうとしている。会社法331条1項3号の欠格事由は、6項により「保険業法、この法律」と読み替えられる。つまり保険業法違反の前科も清算人の欠格事由に加算される。過去の業法違反が、清算段階になって効いてくる
- 清算人に就いたが、就職日から二週間以内の届出(8項)を失念した。特別清算に移行していない限り、これは義務。届出義務違反は監督上の端緒になる。残り日数を数えてから動き出すのでは遅い
- もし監督当局が「この清算人はまずい」と判断したら、どうなる? 9項により解任され、その場で新しい清算人が当局によって選任される。株主にも債権者にも、異議を挟む会社法上の通常ルートはない
- 清算人が当局に解任された。登記はどうなるのか。12項により、内閣総理大臣が本店所在地の登記所へ登記を嘱託する。会社側が登記申請を怠っても、行政が直接登記所へ手を回す
取るべき行動
被害を受けた側:1. 破綻保険会社の契約者・債権者なら、まず清算人が4項による当局選任か否かを確認する。官報公告と商業登記(11項の準用登記)で追える2. 保険契約者としての請求は、清算手続と並行して保険契約者保護機構の枠組みで処理される可能性がある。両方の窓口を同時に押さえる3. 清算人の対応に重大な問題があると考えるなら、9項の「重要な事由」に該当しうる事実を整理して当局へ申し出る、これが実質的な唯一の是正ルートである4. 会社法上の裁判所への申立ては3項で塞がれている。ルートを間違えると時間を失う
訴えられた側:1. 清算人に就任した側なら、就職日から二週間以内に解散事由・年月日・氏名住所を内閣総理大臣へ届け出る(8項)。特別清算開始なら不要2. 就任前に会社法331条1項3号の欠格事由を自己点検する。6項により保険業法違反も算入される3. 8条の2第2項・12条2項の準用(5項)により、清算人にも一定の適格性審査が及ぶ点を前提に体制を組む4. 清算の重要局面では当局と事前に接触し、9項の解任リスクを事後処理でなく事前調整で潰す
時効(請求できる期限):清算人の届出は就職の日から二週間以内(8項)。ただし当局選任の清算人と特別清算の清算人は対象外。清算手続そのものに特定の時効はないが、清算保険会社等に対する債権の行使については、一般の消滅時効(民法166条、権利行使可能を知った時から5年または権利行使可能時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正により制定。保険会社の清算について、清算人の選任・解任権を監督当局に置く特則として整備された
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う条文の整備と、少額短期保険業者制度の創設に対応した改正。4項に第272条1項の登録の取消しが並記される構造となった
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