保険業法 第173条の8(分割の登記)
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- 新設分割による設立の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書面)、第四十六条(添付書面の通則)、第八十六条(第八号を除く。)(会社分割の登記)及び第百九条第二項(第三号中同法第八十六条第八号に掲げる書面に係る部分を除き、同法第百十六条第一項及び第百二十五条において準用する場合を含む。)(会社分割の登記)に規定する書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
- 一第百七十三条の四第二項の規定による公告をしたことを証する書面
- 二第百七十三条の四第四項の異議を述べた保険契約者その他の債権者があるときは、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、相当の担保を提供し、若しくは当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託したこと又は当該分割をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないことを証する書面
- 三第百七十三条の四第六項の異議を述べた保険契約者の数が同項の保険契約者の総数の十分の一(保険契約の全部を承継させる分割である場合にあっては、五分の一)を超えなかったことを証する書面又はその者の同項の内閣府令で定める金額が同項の金額の総額の十分の一(保険契約の全部を承継させる分割である場合にあっては、五分の一)を超えなかったことを証する書面
- 2.吸収分割承継会社である株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社がする吸収分割による変更の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条、第四十六条、第八十五条(保険株式会社に係る同条第三号又は第八号に掲げる書面に係る部分を除く。)(会社分割の登記)、第九十三条(添付書面の通則)(同法第百十一条及び第百十八条において準用する場合を含む。)及び第百九条第一項(第二号中同法第八十五条第八号に掲げる書面に係る部分を除き、同法第百十六条第一項及び第百二十五条において準用する場合を含む。)に規定する書類のほか、前項各号に掲げる書類を添付しなければならない。
この条文の基本情報
分割の登記とは何ですか?
定義分割の登記とは、保険業法第173条の8に定められた規定で、「新設分割による設立の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書面)、第四十六条(添付書面の通則)、第八十六条(第八号を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第173条の8(分割の登記)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第173条の8の条文原文は「新設分割による設立の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書面)、第四十六条(添付書面の通則)、第八十六条(第八号を除く。」で始まります。
- 保険業法第173条の8は第三節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第173条の8の前の条は保険業法第173条の7です。
- 保険業法第173条の8の次の条は保険業法第174条です。
- 保険業法第173条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第173条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第173条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/173_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法173条の8は、保険会社の会社分割の登記申請書に、商業登記法所定の書面に加え、公告の履行、異議者への弁済等、異議者数が10分の1を超えないことを証する三書面の添付を求める。
Q · 保険会社が会社分割するとき、登記に何を出せばいいの?
商業登記法の書類+保険業法固有の三点セットが必要
保険業法173条の8により、新設分割の設立登記・吸収分割の変更登記の申請書には、商業登記法18条・19条・46条・85条・86条・93条・109条所定の書面に加え、三つの書面を添付します。①173条の4第2項の公告をしたことを証する書面、②異議を述べた保険契約者その他の債権者に弁済・相当の担保提供・信託会社等への信託をしたこと、または害するおそれがないことを証する書面、③異議を述べた保険契約者の数(または内閣府令で定める金額)が総数の10分の1、保険契約の全部を承継させる分割では5分の1を超えなかったことを証する書面です。
解説
保険会社が事業の一部を切り出して別会社に移す、その最後の関門が登記である。保険業法173条の8は、会社分割の登記申請書に何を添付しなければならないかを定める。商業登記法が求める通常の書類に加えて、保険業法固有の三点セットが要る。分割公告をしたことの証明、異議を述べた保険契約者や債権者への弁済・担保提供・信託の証明(または害するおそれがないことの証明)、そして異議を述べた保険契約者が総数の10分の1(保険契約の全部を承継させる分割なら5分の1)を超えなかったことの証明。ここで押さえるべきは、あなたが保険契約者として異議を述べた行為が、この登記の添付書面という形で法務局に到達するという構造だ。異議を述べた人数が閾値を超えれば、分割そのものが登記できない。あなたの一票は、統計の中に消えるのではなく、書面として数えられる
法的な位置づけ
保険業法173条の8は、保険会社の会社分割に伴う登記の添付書面を定める手続規定である。新設分割による設立登記および吸収分割による変更登記の申請書に、商業登記法所定の書類のほか、分割公告の履行、異議を述べた保険契約者その他の債権者への弁済等の対応、異議者数が法定閾値を超えなかったことを証する三種の書面の添付を求める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.分割公告の掲載日を効力発生日から逆算して確定 173条の4第2項の公告と個別催告のスケジュールを組む。異議申述期間は1か月を下れないため、効力発生日・登記申請日から逆算して公告掲載日を決める。ここを誤ると3号書面が間に合わず登記全体が遅延する
- 2.公告をしたことを証する書面を確保(1号書面) 官報または定款所定の公告方法による掲載紙・掲載証明を取得する。電子公告の場合は調査機関の調査結果通知を併せて保存する
- 3.異議申述期間満了後に異議者を集計し対応経路を選択(2号書面) 異議を述べた保険契約者その他の債権者を確定し、弁済・相当の担保提供・信託会社等への信託・害するおそれがないことの証明の四経路からコストと立証難度を比較して選ぶ。選択した経路ごとの証拠書面を整える
- 4.異議者数・金額が閾値を超えないことを証する書面を作成(3号書面) 異議を述べた保険契約者数が総数の10分の1(全部承継の分割は5分の1)を超えなかったこと、または内閣府令で定める金額の合計が総額の同割合を超えなかったことを証する書面を作成する。母数の算定根拠を明示する
- 5.商業登記法の準用書面と併せて登記申請 商業登記法18条・19条・46条・85条・86条(8号を除く)・93条・109条所定の書面と保険業法固有の三書面を合綴し、原則として効力発生日から2週間以内に管轄法務局へ申請する。事前相談で添付書面の充足を確認しておく
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法173条の8とは何ですか?
保険会社の会社分割の登記申請書に添付すべき書面を定める規定です。商業登記法の書類に加え、公告証明・異議者対応証明・異議者数の閾値未達証明の三点が必要になります。
Q2保険会社の分割登記で必要な添付書面は?
商業登記法18条・19条・46条・85条・86条・93条・109条所定の書類に加え、保険業法173条の8第1項各号の三書面です。新設分割・吸収分割いずれにも同じ三書面が要ります。
Q3異議を述べた保険契約者が10分の1を超えたらどうなる?
173条の8第1項3号の証明書面が作成できず、分割の登記申請が受理されません。結果として会社は当該分割を法的に完成させられません。
Q4保険契約の全部を承継させる分割の閾値は?
10分の1ではなく5分の1です。契約全部が移転する重大な再編であるため、会社側に有利な閾値が設定されています(173条の8第1項3号)。
Q5異議者への対応方法は何種類ありますか?
四つです。弁済、相当の担保の提供、信託会社等への相当財産の信託、そして分割をしても害するおそれがないことの証明。いずれか一つを書面で立証します。
Q6異議申述の人数基準と金額基準の違いは?
人数が総数の10分の1を超えないことを証する書面のほか、異議者の内閣府令で定める金額の合計が総額の10分の1を超えないことを証する書面でも足ります。どちらかで証明します。
Q7吸収分割と新設分割で添付書面は違いますか?
準用する商業登記法の条文が異なります(新設分割は86条・109条2項、吸収分割は85条・93条・109条1項)が、保険業法固有の三書面は共通です。
Q8分割公告はいつまでに出すべきですか?
異議申述期間は1か月を下れないため、効力発生日から逆算して公告日を設定します。期間満了前は3号の証明書面が物理的に作成できません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が分割するって通知が来たんですが、放っておいたらどうなりますか?
異議申述期間内に何も言わなければ、承認したものとみなされます(保険業法173条の4)。その後は契約が承継先会社に移り、あなたは新しい会社の契約者になります。実務のポイント:異議を述べた契約者は173条の8第1項2号により弁済・担保提供・信託のいずれかの対象になりうる。つまり異議を述べた人だけが個別対応の交渉テーブルに乗る。黙っていた人にはその機会が来ない
Q2異議を出す人が少なかったら、結局意味ないんじゃないですか?
閾値は総数の10分の1、保険契約の全部を承継させる分割なら5分の1です(173条の8第1項3号)。過半数ではありません。少数派でも閾値に届けば会社は分割の登記ができなくなります。実務のポイント:金額基準もあり、異議者の内閣府令で定める金額の合計が総額の10分の1を超えても同じ効果。契約者数では届かなくても、高額契約者が動けば金額基準で閾値に届く場合がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社の分割は届出や認可の話で、登記は形式的な事後処理」と思われがちだが、実態は逆。登記の添付書面が揃わなければ分割の登記自体ができず、対抗力も生じない。異議手続の履行証明が登記という関門で実質審査される構造になっている
- 異議を述べた契約者への対応は「弁済すれば済む」と単純化されやすいが、条文が用意する選択肢は四つある。弁済、相当の担保の提供、信託会社等への相当財産の信託、そして「害するおそれがないことの証明」。四つ目は費用ゼロで済むが立証負担が最も重く、実務上どの経路を選ぶかで再編コストが桁で変わる
- 「異議を述べても少数派だから無意味」という諦めが多いが、問いの立て方が違う。閾値は10分の1(全部承継なら5分の1)であって過半数ではない。少数でも閾値に届けば会社は分割の道を塞がれる。設計上、少数者に拒否権に近い力が与えられている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する局面 | 173条の8:分割の登記申請の添付書面(出口) | 173条の4:公告および異議申述手続(入口) 173条の7:分割手続に関する書類の備置き・閲覧(情報開示) |
| 名宛人 | 登記申請をする保険会社・司法書士 | 公告する保険会社と異議を述べる保険契約者 書類を閲覧する保険契約者・債権者 |
| 違反・不備の効果 | 添付書面不足で登記申請が通らず、分割が法的に完成しない | 公告漏れ・期間不足は異議手続の瑕疵となり1号書面が作れない 備置き義務違反は手続の瑕疵・過料の問題となる |
| 閾値の有無 | 異議者数・金額が10分の1(全部承継は5分の1)を超えないこと | 異議申述期間1か月以上、期間経過で承認擬制 閾値なし、備置期間の定めのみ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も分割に際し債権者への公告・催告と異議手続を要求し、手続を経ないと登記に支障が出る点は共通。ただし保険契約者数の割合で分割自体を阻止する閾値方式は採らず、主管機関(金融監督管理委員会)の認可による監督が中心となる
韓国も保険契約の移転・分割に金融委員会の認可と債権者保護手続を要求する。商法の分割規定を基礎に保険業法が上乗せする構造は日本と類似するが、契約者数の閾値による阻止という仕組みは条文上明確でない
ドイツは組織再編法(UmwG)が分割手続と登記を規律し、保険監督法(VAG)が保険契約の移転について BaFin の承認を要求する。契約者保護は監督官庁の事前承認に集約され、契約者数の閾値方式は採らない
米国は州法ごとに保険事業移転・分割の制度を置き、州保険長官の承認と裁判所の認可を組み合わせる州が多い。契約者は手続内で異議を述べられるが、日本のような法定割合で登記を阻止する構造ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入している生命保険会社から「事業の一部を新会社に承継させます」という公告と個別通知が届いた。異議を述べる期間は1か月以上と定められているが、通知が来てから動かないと締切が来る。あなたが異議を述べれば、その数は173条の8第1項3号の添付書面に計上される。契約者総数の10分の1を超えれば、会社は分割を強行できない
- あなたが保険会社の法務担当で、分割の登記申請を準備している。商業登記法の書類は揃えたが、保険業法173条の8の三点セットを失念していた。法務局で補正を求められ、分割の効力発生日と登記のタイミングがずれる。承継先会社の営業開始スケジュール全体が後ろにずれる
- もし、異議を述べた保険契約者に会社が弁済も担保提供も信託もしなかったら、登記はどうなる? その場合は「分割をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがない」ことを証する書面で代替するしかない。会社側がこの立証に失敗すれば、登記申請は通らない
- 司法書士として保険会社の組織再編を受任した。商業登記法86条・109条の準用構造に加え、保険業法の上乗せ添付書面まで読み解く必要がある。締切まで2週間、公告の掲載日から逆算すると異議申述期間の満了を待たなければ3号書面が作れない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公告または個別通知を受け取ったら、異議申述期間の満了日を最初に確認する(保険業法173条の4)。この日を過ぎると異議を述べる権利自体が消える2. 異議は書面で、会社の指定する宛先へ。控えと発送記録(配達証明等)を必ず残す、これが後の争いで唯一の証拠になる3. 同じ懸念を持つ契約者と情報共有し、異議の数が閾値(10分の1、全部承継なら5分の1)に届くかを意識する4. 会社から弁済・担保提供・信託の提案があれば、その内容を書面で受け取り、専門家に評価してもらう
訴えられた側:1. 分割スケジュールは公告日を起点に組む。異議申述期間の満了前に173条の8第1項3号の書面は作成できない2. 異議者が出た場合、弁済・担保提供・信託・害するおそれがないことの証明、この四経路のコストと立証難度を早期に比較する3. 商業登記法18条・19条・46条・86条・109条の準用範囲を条文どおり確認し、保険業法固有の三点セットを別枠でチェックリスト化する4. 登記申請前に法務局への事前相談を行い、添付書面の充足について確認を取る
時効(請求できる期限):異議申述期間は保険業法173条の4に基づく公告に定められた期間(1か月を下ってはならない)。この期間を経過すると契約者は異議を述べられなくなる。登記申請自体は分割の効力発生日から2週間以内が原則(会社法923条、924条)
- 保険業法 第173条の4分割の公告及び契約者の異議申述手続
- 保険業法 第173条の6分割における契約承継の効果
- 保険業法 第173条の7分割手続に関する書類の備置き・閲覧
- 会社法 第762条新設分割計画の作成、分割の実体要件
- 会社法 第757条吸収分割契約の締結、分割の実体要件
- 商業登記法 第86条会社分割登記の一般的添付書面
- 商業登記法 第109条持分会社の会社分割登記の添付書面
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