保険業法 第198条(会社法等の準用)
クイックジャンプ
- 会社法第八条(会社と誤認させる名称等の使用の禁止)の規定は外国相互会社であると誤認されるおそれのある商号又は名称の使用について、同法第九条(自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任)の規定は外国相互会社の名称について、同法第一編第三章第一節(会社の使用人)の規定は外国相互会社の使用人について、同章第二節(第十八条を除く。)(会社の代理商)の規定は外国相互会社のために取引の代理又は媒介をする者について、同編第四章(第二十四条を除く。)(事業の譲渡をした場合の競業の禁止等)の規定は外国相互会社が事業を譲渡し、又は事業若しくは営業を譲り受けた場合について、第五十四条、第五十四条の二並びに第五十四条の三第一項及び第四項の規定は外国相互会社の帳簿その他の資料について、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
- 2.商法第二編第一章(第五百一条から第五百三条までを除く。)(総則)の規定は外国相互会社の行う行為について、同編第二章(売買)の規定は外国相互会社が商人又は相互会社(外国相互会社を含む。)との間で行う売買について、同編第三章(交互計算)の規定は外国相互会社が平常取引をする者との間で行う相殺に係る契約について、同編第五章(第五百四十五条を除く。)(仲立営業)の規定は外国相互会社が行う他人間の商行為の媒介について、同編第六章(第五百五十八条を除く。)(問屋営業)及び同法第五百九十五条(受寄者の注意義務)の規定は外国相互会社について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
会社法等の準用とは何ですか?
定義会社法等の準用とは、保険業法第198条に定められた規定で、「会社法第八条(会社と誤認させる名称等の使用の禁止)の規定は外国相互会社であると誤認されるおそれのある商号又は名称の使用について、同法第九条(自己の商号の使用を他…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第198条(会社法等の準用)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第198条の条文原文は「会社法第八条(会社と誤認させる名称等の使用の禁止)の規定は外国相互会社であると誤認されるおそれのある商号又は名称の使用について、同法第九条(自己の商号の使用を他…」で始まります。
- 保険業法第198条は第二節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第198条の前の条は保険業法第197条です。
- 保険業法第198条の次の条は保険業法第199条です。
- 保険業法第198条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第198条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第198条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/198
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法198条は、外国相互会社について会社法の誤認名称禁止・名板貸責任・使用人・代理商・競業禁止の規定と、商法総則以下の規定を準用する条文である。
Q · 外国の相互保険会社の日本支店と取引するとき、日本の会社法は適用されないんですか?
保険業法198条で会社法・商法が準用され、実質的に適用される
保険業法198条により、外国相互会社には会社法8条(誤認名称の使用禁止)、9条(名板貸責任)、会社の使用人(表見支配人を含む)、代理商、事業譲渡時の競業禁止の各規定が準用され、さらに第2項で商法総則・売買・交互計算・仲立営業・問屋営業および595条(受寄者の注意義務)が準用されます。「外国法人だから日本の会社法は関係ない」という主張は通りません。ただし代理商から18条、事業譲渡から24条、仲立営業から545条、問屋営業から558条、商法総則から501条〜503条が除外され、必要な技術的読替えは政令で定められます。
解説
外国相互会社という言葉を聞いたことがある人はほとんどいない。だが保険業法198条は、その見慣れない主体に対して、会社法と商法の膨大な条文を一括で被せる装置である。ここで起きていることを正確に言えばこうだ。日本に会社法上の「会社」として登記されていない外国の相互保険会社に対して、会社法8条(誤認名称の使用禁止)、9条(名板貸責任)、使用人(支配人・表見支配人)の規定、代理商の規定、事業譲渡時の競業禁止、そして商法総則・売買・交互計算・仲立営業・問屋営業までを準用する。あなたが外国相互会社の日本支店と取引するとき、相手方が「うちは日本の会社法の適用外だ」と言い出しても通らない。支配人と名乗る者が結んだ契約の効力も、名称を貸した責任も、日本の会社と同じ土俵で処理される。準用の技術的読替えは政令に委ねられているので、実際の適用範囲を確認するには保険業法施行令まで降りる必要がある。
法的な位置づけ
保険業法198条は、外国相互会社に対する会社法および商法の準用を定める規定である。誤認名称の禁止、名板貸責任、使用人および代理商に関する規定、事業譲渡時の競業禁止、帳簿資料に関する保険業法の各規定、ならびに商法総則・売買・交互計算・仲立営業・問屋営業等を、一定の条文を除外したうえで準用し、技術的読替えは政令に委ねる。
よくある質問 AI による整理
Q1外国相互会社とは何ですか?
外国の法令に準拠して設立された相互会社形態の保険会社です。保険業法2条10項に定義があり、株主ではなく保険契約者が社員(構成員)となる点が株式会社と構造的に異なります。
Q2保険業法198条はどの法律を準用していますか?
第1項が会社法8条・9条・第1編第3章(使用人・代理商)・第4章(事業譲渡時の競業禁止)と保険業法54条等、第2項が商法第2編の総則・売買・交互計算・仲立営業・問屋営業および595条です。
Q3準用と適用の違いは何ですか?
適用はその条文がそのまま働くことで、準用は性質に応じて読み替えて働かせることです。198条1項末尾も「必要な技術的読替えは、政令で定める」と明記しています。
Q4外国相互会社の支店長と結んだ契約は有効ですか?
会社法の使用人に関する規定(表見支配人を含む)が準用されるため、支店長等の肩書を信頼した善意の相手方は保護されうります。本国の内部規程だけでは否認できません。
Q5名板貸責任は外国相互会社にも及びますか?
及びます。198条1項が会社法9条を外国相互会社の名称について準用しており、名称使用を許諾した会社は取引の相手方に対し責任を負う余地があります。
Q6保険業法198条で除外されている条文はどれですか?
代理商の節から18条、事業譲渡の章から24条、商法総則から501条〜503条、仲立営業から545条、問屋営業から558条が括弧書きで除外されています。
Q7技術的読替えはどこで確認できますか?
198条1項末尾が政令に委ねているため、保険業法施行令の読替規定を確認する必要があります。本法の条文だけでは実際の適用範囲は確定しません。
Q8外国相互会社が事業を譲渡した場合、競業禁止は適用されますか?
会社法第1編第4章(24条を除く)が準用されるため、事業を譲渡した外国相互会社には競業禁止の規律が及びます。地理的範囲と期間は特約で調整できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1そもそも外国相互会社って何なんですか、普通の外資系保険会社と違うんですか?
株式会社ではなく、保険契約者が同時に社員(構成員)となる相互会社形態を、外国の法令に準拠して設立したものである。保険業法2条10項に定義がある。株主への配当ではなく契約者への剰余金分配を前提とする点が構造的に異なる。実務のポイント:日本に拠点を持つ外国相互会社は極めて少ないが、再保険や特殊リスクの引受けで名前が出る。相手方が相互会社かどうかで、誰が意思決定権を持つかの構造が変わるので、交渉前に組織形態を確認する実務家は少ない
Q2準用って結局、その条文がそのまま適用されるってことですか?
そのままではない。準用は「性質に応じて読み替えて適用する」ことであり、198条1項末尾も「必要な技術的読替えは、政令で定める」と明記している。株式会社を前提とする用語は外国相互会社の対応概念に置き換わる。実務のポイント:準用条文で争うとき、政令の読替表を持ち出せるかどうかで差が出る。多くの実務家は本法の条文だけ見て議論を始めるので、施行令の読替規定を先に読んでおくと、相手が想定していない要件を突ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「準用規定は形式的な条文整理にすぎず、実務では意味がない」と思われがちだが、準用の有無が訴訟の勝敗を直接決める。名板貸責任(会社法9条)を準用しなければ、名称を貸した外国相互会社は取引の相手方に何の責任も負わない。この一行があるかないかで、回収可能な相手が一社増えるか消えるかが変わる
- あなたが立てている問い自体がずれている可能性がある。「外国相互会社に日本の会社法が適用されるか」ではなく、「どの条文がどう読み替えられて適用されるか」が実務の問い。198条1項末尾は技術的読替えを政令に委ねており、条文だけ読んでも適用範囲は確定しない。保険業法施行令の読替表まで確認しなければ、答えは出ない
- 「準用されているのだから、除外条文も些細な違いだろう」と流してしまう人が多いが、括弧書きの除外こそが設計思想を示す。代理商から18条、事業譲渡から24条、仲立営業から545条、問屋営業から558条が外されている。除外された条文は、相互会社という組織形態や登記制度と噛み合わないから外されている。除外理由を理解すると、その周辺で争点が立つ場所が見えてくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 198条:外国相互会社への会社法・商法の準用 | 2条:外国相互会社そのものの定義 185条:外国保険業者の免許(本章の入口) |
| 条文の性格 | 準用規定(他法の条文を引き込む配線) | 定義規定(用語の意味を確定) 参入規制(監督法上の許認可) |
| 実務での使いどころ | 取引紛争で表見支配人・名板貸・競業禁止を主張する根拠 | 相手方の組織形態を特定する前提確認 無免許営業かどうかの判断 |
| 読替えの要否 | 必要な技術的読替えは政令で定める(施行令の確認が必須) | 読替え不要 読替え不要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も外国保険業者について本国法上の組織を前提としつつ、国内取引に関わる範囲で公司法の準用規定を置く構造をとる
韓国も保険業法内に外国保険会社等の特則章を設け、国内営業に必要な範囲で商法・会社関係規定を及ぼす
ドイツは第三国保険会社の国内支店について VAG で監督枠組を定め、取引法上は HGB の商人規定が及ぶ構造
米国は州ごとに alien insurer の admission 要件を定め、州法上の agency 法理で外観保護を処理する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 外資系の相互保険会社の日本支店と代理店契約を結んだ。数年後に契約を打ち切られ、支店側が「本国法人の判断であって日本法の代理商規定は関係ない」と主張してきた。だが会社法27条以下の代理商規定は準用されており、通知義務も競業避止も日本法で判断される
- 取引先の名刺に「日本支店長」とある人物と億単位の再保険契約を締結した。後日、本国本社が「その者に代表権はなかった」と否認してきたら? 会社法13条の表見支配人の規定が準用されるため、その肩書を信頼した善意の相手方は保護されうる。肩書は本国の内部規程ではなく、日本法で評価される
- 新設した保険関連会社に、既存の外国相互会社と似た名称を付けようとしている。会社法8条が準用される以上、「誤認されるおそれのある名称」であれば使用差止めと損害賠償の対象になる。登記が通ったから安全、ではない
- 外国相互会社が日本での事業を別会社へ譲渡した。譲渡した側は原則として同一市区町村およびその隣接区域で20年間、同一の事業を行えない(会社法21条の準用)。譲渡契約の交渉であと2週間しかないなら、この競業禁止の地理的範囲と期間の特約を今のうちに詰めておかないと、譲渡後の事業計画が丸ごと違法になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手が外国相互会社またはその日本拠点なら、まず198条1項の準用リストと保険業法施行令の読替規定を突き合わせ、主張したい条文が準用対象かを確認2. 表見支配人(会社法13条)や名板貸(同9条)を使うなら、名刺・メール署名・ウェブサイト表記など、外形を示す証拠を先に保全3. 内容証明郵便の段階で準用の根拠条文を明示し、相手方の法務に検討させる4. 取引の性質が商行為であれば、商法総則の準用により時効・利率・注意義務の扱いが民法と異なる点も併せて確認する
訴えられた側:1. 準用されている条文と、括弧書きで除外されている条文を正確に区別する。18条、24条、545条、558条、501条から503条は除外されており、相手の主張がこれらに依拠していれば反論の起点になる2. 政令による技術的読替えの結果、要件が変形している可能性を検討3. 名板貸責任を主張された場合、相手方が名称使用の許諾を受けたと信じたことに重過失がなかったかを争点化4. 事業譲渡の競業禁止については、地理的範囲と期間の限定、特約の有無を確認する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。準用される個別規定ごとに期間が異なり、事業譲渡後の競業禁止は原則20年(会社法21条1項の準用)、特約による延長は最長30年(同2項)。名板貸責任や表見支配人に基づく損害賠償請求権は、一般の消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年)による
学説
通説:準用規定は形式的な条文整理ではなく、準用の有無が個別の責任根拠を左右する実質的な規律である。特に会社法9条・使用人規定の準用は、外観を信頼した取引相手方の保護を外国相互会社にも及ぼす機能を持つと解される
除外条文に関する理解:括弧書きで除外された条文は、株式会社特有の制度や日本の登記制度と結びつくものが中心であり、外国組織形態の尊重と国内取引相手方の保護のバランス点を示すものと理解されている
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める