保険業法 第205条(免許の取消し等)
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- 内閣総理大臣は、外国保険会社等が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該外国保険会社等の日本における業務の全部若しくは一部の停止若しくは日本における代表者の解任を命じ、又は第百八十五条第一項の免許を取り消すことができる。
- 一法令(外国の法令を含む。)、法令に基づく内閣総理大臣の処分又は第百八十七条第三項各号に掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反したとき。
- 二第百八十五条第一項の免許又は本国において受けている保険業に係る免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。第二百九条第七号において同じ。)に付された条件に違反したとき。
- 三公益を害する行為をしたとき。
この条文の基本情報
免許の取消し等とは何ですか?
定義免許の取消し等とは、保険業法第205条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、外国保険会社等が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該外国保険会社等の日本における業務の全部若しくは一部の停止若しくは日本における…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第205条(免許の取消し等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第205条の条文原文は「内閣総理大臣は、外国保険会社等が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該外国保険会社等の日本における業務の全部若しくは一部の停止若しくは日本における…」で始まります。
- 保険業法第205条は第三節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第205条の前の条は保険業法第204条です。
- 保険業法第205条の次の条は保険業法第206条です。
- 保険業法第205条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第205条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第205条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/205
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法205条は、外国保険会社等が外国の法令を含む法令違反、免許条件違反、公益を害する行為をしたとき、内閣総理大臣が日本における業務停止、代表者の解任、免許取消しを命じられると定める。
Q · 外国の保険会社が本国で法令違反をしたら、日本の免許も取り消されるの?
取り消されうる。第1号が外国の法令違反も射程に入れている
保険業法205条1号は「法令(外国の法令を含む。)」と明記しており、本国や第三国での法令違反が日本の免許取消し事由になりえます。同条は業務の全部・一部停止、日本における代表者の解任、第185条1項の免許取消しという三段階の処分を内閣総理大臣(実務上は金融庁長官へ委任)に与えています。さらに3号は「公益を害する行為をしたとき」とのみ定め、構成要件を書かない包括条項です。日本国内で無違反でも処分対象になりうる点が、国内保険会社に対する第133条との決定的な違いです。
解説
日本市場で保険を売る外国保険会社に対し、内閣総理大臣(実務上は金融庁長官へ委任)は三つの引き金のいずれかを引ける。日本における業務の全部または一部の停止、日本における代表者の解任命令、そして第185条1項の免許取消し。注目すべきは第1号の括弧書きだ。「法令(外国の法令を含む。)」と書いてある。あなたが契約している外国保険会社が、本国や第三国で法令違反を犯した場合、それが日本の免許取消し事由になりうる。日本国内で何ら問題を起こしていなくてもだ。さらに第3号は「公益を害する行為をしたとき」。構成要件が一切書かれていない包括条項である。契約者から見れば、自分の保険会社が突然日本での業務を止める可能性が、この一条に集約されている。保険は10年20年と付き合う商品だ。売り手の免許が消える経路を知らずに長期契約を結ぶのは、地図の一部が塗りつぶされた状態で航海するに等しい。
法的な位置づけ
保険業法205条は、外国保険会社等に対する監督上の不利益処分を定める規定である。法令(外国の法令を含む)違反、内閣総理大臣の処分違反、第187条3項各号の書類に定めた特に重要な事項の違反、免許条件違反、公益を害する行為のいずれかに該当する場合に、日本における業務停止、日本における代表者の解任命令、免許取消しを可能とする。
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法205条とは何ですか?
外国保険会社等に対する監督処分の根拠条文です。業務の全部・一部停止、日本における代表者の解任、第185条1項の免許取消しという三つの処分を内閣総理大臣に認めています。
Q2外国保険会社等とは何を指しますか?
保険業法第185条1項の免許を受けて日本で保険業を営む外国の保険業者を指します。日本支店等を通じて営業する形態が典型で、日本の免許を持つ点が直接付保との違いです。
Q3外国の法令違反でも日本の免許は取り消される?
取り消されえます。205条1号が「法令(外国の法令を含む。)」と明記しているためです。日本国内の営業に問題がなくても本国の違反が処分事由になります。
Q4「日本における代表者の解任」は誰に効く処分ですか?
命令の名宛人は会社ですが、効果は特定個人の地位を直接失わせます。当該代表者自身が不利益を受けた者として審査請求や取消訴訟の当事者になりうる構造です。
Q5業務停止命令が出たら保険金は支払われない?
実務上、業務停止は新規募集の停止に限定されるのが通例です。ただし範囲は命令の主文次第なので、既存契約の支払いが含まれるかは命令書を逐一確認する必要があります。
Q6公益を害する行為とはどこに書いてある?
205条3号に要件は書かれていません。保険会社向けの総合的な監督指針と過去の処分事例から逆算するしかなく、条文の精読では答えが出ない典型的な包括条項です。
Q7免許取消しの処分はいつまで争える?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月かつ処分の日から1年(行政事件訴訟法14条)が原則です。
Q8国内の保険会社にも同じ条文が適用される?
されません。国内保険会社への監督処分は保険業法133条が規律します。205条は外国保険会社等専用で、外国法令違反まで射程に入れる点が構造的に異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1外国の保険会社の免許が取り消されたら、私の保険はどうなるんですか?
免許取消し後も契約が自動的に無効になるわけではなく、保険業法第205条の処分後は日本における清算・移転の手続に入る。日本の免許を受けた外国保険会社等は保険契約者保護機構の会員となり(第265条の3)、補償の枠組みが働く。実務のポイント:補償対象かどうかは「日本の免許を受けているか」で分かれる。海外の保険会社と直接契約する形(いわゆる直接付保)だと機構の枠外になりうる。契約書の引受会社名の後ろに日本支店の表記があるかを確認するのが実務的な見分け方だ
Q2「公益を害する行為」って、具体的に何をしたらアウトなんですか?
第205条第3号は要件を定めておらず、条文からは読み取れない。実務上は保険会社向けの総合的な監督指針と過去の処分事例から逆算する。反社会的勢力との関係、著しい情報開示の不備、契約者の利益を害する募集慣行などが典型例として扱われてきた。実務のポイント:白紙条項は当局の裁量が広い分、事業者側からの自主報告と是正の姿勢が処分水準を大きく動かす。処分事例集で同種事案の処分内容を並べ、比例原則で争う準備は聴聞前から始める
Q3代表者の解任を命じられたら、その人は訴えられるんですか?
解任命令は会社に対して発せられるが、その効果は特定個人の地位を直接失わせる。この場合、当該代表者自身が処分によって法律上の利益を侵害された者として、審査請求や取消訴訟の原告適格を主張しうる。実務のポイント:会社と代表者個人で利害が対立する局面が生じるため、会社の顧問弁護士とは別に個人で代理人を立てる判断が実務上重要になる。会社側は早期解決を優先し、個人の名誉回復を後回しにする力学が働く
間違えやすい点 AI による整理
- 「日本国内で違反していなければ日本の免許は安全」と考えるのが自然だが、第1号は明示的に「外国の法令を含む」と書く。本国での違反が日本の免許取消し事由になる構造は、国内保険会社に対する第133条の処分とは根本的に射程が違う。外国保険会社の日本における代表者は、本国のコンプライアンス状況を常時把握する責任を実質的に負っている
- 業務停止命令が出ることは知られているが、その深刻度が正しく理解されていない。第205条は「日本における代表者の解任」を命じる権限まで与えている。会社に対する処分ではなく、特定個人の職を国家が直接剥奪する。この種の権限は行政法上きわめて例外的であり、対象となる代表者は自らへの不利益処分として審査請求・取消訴訟の当事者になりうる
- 「公益を害する行為とは何か、条文を読めば分かるはず」という問いの立て方自体が誤りである。第3号には要件が書かれていない。何が公益侵害かは、監督指針、過去の処分事例、金融庁の裁量判断の蓄積から逆算するしかない。条文を精読しても答えは出ない。読むべきは保険会社向けの総合的な監督指針であり、条文ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 保険業法205条:外国保険会社等 | 保険業法133条:国内の保険会社 保険業法204条:外国保険会社等(業務改善命令) |
| 違反の射程 | 法令(外国の法令を含む)、内閣総理大臣の処分、187条3項書類の特に重要な事項、免許条件、公益侵害 | 日本の法令・処分・定款等が中心で、外国法令を明示的に含まない 業務の健全・適切な運営の確保という観点からの改善必要性 |
| 処分の重さ | 業務の全部・一部停止/代表者の解任/免許取消し | 業務停止/役員の解任/免許取消し 業務改善命令(是正を求める段階的処分) |
| 後続効果 | 209条7号により免許の失効・清算手続へ連動 | 国内会社の清算・契約移転の枠組みへ連動 改善計画の提出と履行状況の報告 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関(金融監督管理委員会)が保険業に対し業務停止、負責人の解任、許可撤銷を命じうる。外国保険業の在台分公司も同様の監督に服する点で構造が近い
韓国は金融委員会が保険会社に対し業務정지・임원해임권고・허가취소を段階的に行う。外国保険会社の国内支店も同法の適用を受ける
ドイツは第三国保険会社の支店に対し BaFin が監督権限を持ち、EU 域内会社については本国監督主義(Home State Control)が原則となる点で日本と設計思想が異なる
米国は州単位の監督であり、alien insurer の certificate of authority を州保険長官が取り消す。連邦一元的な免許制度が存在しない点が日本と根本的に異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは日本支店経由で外国生命保険会社の終身保険に加入している。ある朝、その会社の本国での不正会計が報道された。日本での営業には何の問題もない。それでも第205条第1号の「外国の法令を含む」により、金融庁は日本の免許を取り消しうる。あなたの契約はどうなるのか、その答えは第205条ではなく保険契約者保護機構の枠組み(保険業法第259条以下)にある
- 外国保険会社等の日本における代表者としてあなたが着任した。本店から「日本の当局への報告はこちらで一括処理する」と言われている。第187条3項各号の書類(事業方法書、普通保険約款、算出方法書など)に定めた重要事項に反する運営が続けば、あなた個人が解任命令の対象になる。会社への処分ではなく、あなたの職を直接飛ばす命令が条文に書いてある
- もし金融庁から「業務の一部停止」を命じられたら、新規契約の募集だけが止まるのか、既存契約の保険金支払いまで止まるのか? 実務上、業務停止命令は新規募集停止に限定されるのが通例だが、命令の主文次第で範囲は変わる。命令書の主文を一字一句読まなければ、あなたの会社は違反を重ねる
- 本国の監督当局から行政処分を受けた。日本の代理店契約は継続中。あと数週間で金融庁のヒアリングがある。本国処分の内容を自主的に報告するか、それとも問われるまで待つか。この判断が「公益を害する行為」の認定に効いてくる
- 保険代理店を経営するあなたのもとに、取扱っている外国保険会社の業務停止のニュースが飛び込む。既契約者からの問い合わせが殺到する。あなたが説明すべきは処分の理由ではなく、契約が今どうなっているかだ。代理店の説明責任は、保険会社の免許とは別枠で存在する
取るべき行動
被害を受けた側:契約者側として処分の影響を受けた場合。1. 命令の種類を確認、業務停止なのか免許取消しなのかで既契約の扱いが根本的に違う2. 免許取消しなら保険契約者保護機構(保険業法第259条以下)の補償対象かを確認、外国保険会社等でも日本の免許を受けていれば加入対象になる3. 保険金請求権や解約返戻金の扱いは会社側の公表資料と機構の案内で確認、代理店の口頭説明を鵜呑みにしない4. 契約者としての権利行使に期限が設定される場合があるので、公表された期日を必ず記録する
訴えられた側:外国保険会社等の側として。1. 処分の予告(聴聞または弁明の機会、行政手続法第13条)が来た段階が実質的な勝負所、聴聞では証拠書類の閲覧請求ができる2. 第1号違反なら、違反対象が本国法令か日本の法令か、第187条3項の書類記載事項かを切り分け、「特に重要なもの」該当性を争点化する3. 第3号なら要件が白紙である以上、過去の処分事例との均衡と比例原則を正面から主張する4. 命令が出た後は審査請求・取消訴訟の期間を先に確定、並行して是正計画の提出で処分の早期解除を狙う
時効(請求できる期限):本条自体に処分の除斥期間の定めはない。処分を受けた側の争訟期限は、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法第18条)、取消訴訟が処分を知った日から6か月かつ処分の日から1年(行政事件訴訟法第14条)。聴聞・弁明の機会は通知書に記載された期日が唯一の機会で、欠席すれば主張の場を失う(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:205条3号の「公益を害する行為」は要件が定められていない包括条項であり、監督当局に広い裁量を認める趣旨と解される。ただし裁量の行使は比例原則および平等原則による統制に服し、過去の処分事例との著しい不均衡は裁量権の逸脱・濫用となりうる。
実務的理解:外国保険会社等の監督は本店が国外にあるという構造的な情報の非対称を前提とする。そのため処分の射程を外国法令違反まで拡張し、日本における代表者という国内の結節点を直接掴む設計が採られていると説明される。
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