保険業法 第227条(立入検査)
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- 内閣総理大臣は、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該職員に、総代理店の事務所に立ち入らせ、当該免許特定法人又は引受社員の日本における業務又は財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.内閣総理大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に、免許特定法人等から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、その免許特定法人若しくは引受社員に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 3.免許特定法人等から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による質問及び検査を拒むことができる。
この条文の基本情報
立入検査とは何ですか?
定義立入検査とは、保険業法第227条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該職員に、総代理店の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第227条(立入検査)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第227条の条文原文は「内閣総理大臣は、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該職員に、総代理店の…」で始まります。
- 保険業法第227条は第六節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第227条の前の条は保険業法第226条です。
- 保険業法第227条の次の条は保険業法第228条です。
- 保険業法第227条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第227条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第227条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/227
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法227条は、総代理店の事務所への立入検査を定める。2項で委託先施設にも必要の限度で立入りでき、3項で委託を受けた者は正当な理由があれば拒める。
Q · 保険会社の仕事を請け負っているだけの会社にも、金融庁の立入検査って来るんですか?
来ます。ただし正当な理由があれば拒めます
保険業法227条2項は、免許特定法人等から業務の委託を受けた者の施設にも立入検査ができると定めます。システム保守、帳票印刷、損害調査、コールセンターなど業種は限定されません。ただし「特に必要があると認めるとき」かつ「必要の限度において」という二重の絞りがかかり、同条3項により委託を受けた者は正当な理由があるときは質問及び検査を拒むことができます。この拒否権は総代理店側には規定されていません。
解説
ロイズという名前を聞いたことがあるだろうか。イギリスの保険市場で、会社ではなく個々の「引受社員」が保険を引き受ける独特の仕組みだ。日本で営業するとき、その窓口になるのが総代理店である。金融庁(内閣総理大臣の権限は実務上、金融庁長官に委任されている)が立ち入る先は、海外にいる引受社員本人ではなく、日本にあるこの総代理店の事務所だ。あなたが総代理店の担当者なら、海外の引受社員の業務や財産の状況について、その場で質問に答え、帳簿を出す立場に立たされる。さらに2項が効いてくる。金融庁は「特に必要」と認めれば、免許特定法人等から業務の委託を受けた者の施設、つまりシステムベンダー、損害調査会社、コールセンターの事務所にまで立ち入れる。保険とは無関係のつもりで受注した外注先が、ある朝、検査対象になる。ただし3項が一本だけ逃げ道を用意している。委託を受けた者は「正当な理由」があれば質問と検査を拒める。この拒否権は、総代理店の側には書かれていない。
法的な位置づけ
保険業法227条は、免許特定法人の引受社員に対する監督手段として、総代理店の事務所への立入検査権を定める規定である。1項が総代理店を対象とし、2項が特に必要な場合に委託先施設への立入りを必要の限度で認め、3項が委託を受けた者に正当な理由による拒否権を付与する三層構造をとる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.検査官の身分証と根拠条項を確認する 立入りを受けたら、まず職員の身分を示す証明書を確認し、227条1項に基づく総代理店への立入りか、2項に基づく委託先施設への立入りかを明示的に確認する。日時、対応者、立入り範囲を記録に残す
- 2.2項立入りなら「必要の限度」を確認する 2項に基づく立入りであれば、求められた物件が免許特定法人又は引受社員に対する質問・検査に必要な事項と結びつくかを一つずつ確認する。結びつきが説明されない物件は、その場で範囲の特定を求める
- 3.自社固有情報・他社情報を分離して提出する 帳簿書類に自社固有の機密や他の委託元の個人データが混在する場合、該当部分を分離・マスキングして提出することを提案する。全面拒否ではなく範囲限定の対応に切り替えることで、忌避と評価されるリスクを下げる
- 4.拒否するなら理由を書面化する 3項の拒否権を行使する場合、口頭で終わらせず、守秘義務・他人の秘密・検査事項との無関連性など具体的な根拠を書面に残す。後の紛争で正当な理由を説明する責任は拒んだ側にある
- 5.法務と契約担当を同席させて回答を確定する 検査忌避には保険業法上の罰則があり、同時に元請との業務委託契約違反も別回路で走る。公法上の権利行使と私法上の契約責任を同じ会議で検討してから、最終的な回答方針を確定する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法227条とは何ですか?
免許特定法人の引受社員を監督するため、国内の総代理店の事務所に立ち入り、業務や財産の状況を質問・検査できる権限を定めた規定です。2項で委託先施設にも射程が及びます。
Q2免許特定法人とは何ですか?
ロイズのように、会社ではなく個々の引受社員が保険を引き受ける組織に対して与えられる特定法人免許を受けた法人です。日本での窓口は総代理店が担います。
Q3総代理店とは何ですか?
免許特定法人の引受社員に代わって日本国内で業務を行う代理店です。海外の引受社員に行政権が直接届かないため、227条1項は総代理店の事務所を検査の入口としています。
Q4金融庁の立入検査は拒否できますか?
227条3項により、免許特定法人等から業務の委託を受けた者は正当な理由があるときに限り質問及び検査を拒めます。総代理店自身にはこの拒否権の規定がありません。
Q5立入検査に令状は必要ですか?
行政調査であり令状は不要です。ただし最高裁は刑事責任追及のための資料取得に直接結びつく作用には憲法35条の趣旨が及びうるとしています(最大判昭和47.11.22)。
Q6委託先はどこまでが対象ですか?
2項は業種を限定していません。システム保守、帳票印刷、損害調査、コールセンターなど、免許特定法人等との業務委託関係があれば施設が対象になりえます。
Q7正当な理由とはどこまで認められますか?
条文に定義はありません。守秘義務や他人の秘密に触れる部分などが議論されますが、多忙や社内決裁未了は理由になりません。判断は事案ごとです。
Q8立入検査を拒むと違法ですか?
3項の正当な理由があれば適法です。ただし理由なく拒めば保険業法上の罰則の問題となり、別途、業務委託契約上の検査協力義務違反も同時に問題になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1委託先って、どこまでが委託先なんですか? うちはただのシステム保守なんですけど
2項は業種を限定していません。免許特定法人等から業務の委託を受けた者であれば、システム保守も帳票印刷も損害調査もコールセンターも射程に入ります。ただし立入りは「特に必要があると認めるとき」かつ「必要の限度」に限られます(227条2項)。実務のポイント:実務で先に動くのは金融庁ではなく元請側です。委託先管理の一環として書面確認や現地確認が入り、その記録が検査で提出される。検査官が来る前に、元請の管理記録の中で自社の評価はもう決まっている
Q2正当な理由って、結局どこまで認められるんですか?
条文は定義していません。実務では、他人の秘密や守秘義務に触れる部分、検査事項と無関係な自社固有の情報などが議論されますが、判断は事案ごとで、解釈が分かれている領域です。単に忙しい、社内決裁が下りていないは理由になりません(227条3項)。実務のポイント:拒否権を実際に行使する会社はほとんどありません。理由は法律ではなく取引関係にあり、拒めば元請との契約が続かないからです。だから3項は使う権利というより、提出範囲を交渉するための土台として機能している
間違えやすい点 AI による整理
- 「うちは保険会社じゃないから関係ない」という問いの立て方が、最初から外れている。2項が見ているのは業種ではなく、免許特定法人等との委託関係という一本の線だけだ。印刷会社でも SaaS ベンダーでも、その線がつながっていれば施設に立ち入られる
- 拒否できること自体は3項を読めば分かる。だが拒否の代償まで見えている人は少ない。3項の拒否は行政上は適法でも、業務委託契約に書かれた検査協力義務の違反として、取引解除や損害賠償の理由になりうる。公法上の権利と私法上の義務は、別々の回路で同時に走っている
- 立入検査は犯罪捜査の一種だと思われがちだが、これは行政調査であり令状は不要である。ただし最高裁は、刑事責任の追及のための資料の取得に直接結びつく作用を有する場合には憲法35条の趣旨が及びうるとした(最大判昭和47.11.22、川崎民商事件)。無制限ではない、という一線はここに引かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 検査の対象 | 保険業法227条:総代理店の事務所(1項)と委託先施設(2項) | 保険業法129条:保険会社の営業所・事務所等 保険業法128条:報告・資料の徴求(立入りなし) |
| 監督の狙い | 海外にいる引受社員の業務・財産を国内接点から把握する | 国内免許を受けた保険会社本体の健全性確保 立入りの前段階として書面ベースで情報収集する |
| 第三者への射程 | 2項で委託先施設まで、特に必要かつ必要の限度で及ぶ | 保険会社の子法人等・受託者への立入規定が別途置かれる 報告徴求の名宛人に限られ、施設への立入りは含まない |
| 拒否権の有無 | 3項:委託を受けた者は正当な理由があれば拒否可(総代理店には規定なし) | 保険会社本体に拒否権の規定はない 報告義務者に拒否権の規定はない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関(金融監督管理委員会)に保険業への検査権を与え、外国保険業の在台分支機構・代理人を検査の接点とする点で構造が近い。受託者への拡張は個別の管理規則で処理される。
韓国も金融委員会・金融監督院による資料提出要求と検査を定め、外国保険会社の国内支店を検査対象とする。受託者への検査拡張は金融関連法全体の枠組みで運用される。
ドイツは BaFin に広範な情報請求権・現地調査権を認め、アウトソーシング先(Ausgliederungsunternehmen)に対する検査権も明文で確保している点で、227条2項に近い発想をとる。
米国は州保険庁が検査権を持ち、ロイズのような外国サープラスライン保険者については州ごとの適格要件と代理人経由の監督で対応する。連邦一元の立入検査権は存在しない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし来週、取引先の総代理店から「金融庁の検査で御社の施設にも立入りが入る」と連絡が来たら? 準備期間は数日しかない。どの帳簿を出し、どこから先は「必要の限度」を超えると言えるのか、その線引きを検査当日その場で組み立てることになる
- あなたは総代理店のコンプライアンス担当。検査官の質問は、ロンドンにいる引受社員の財産状況にまで及ぶ。手元にあるのは日本の事務所の資料だけだ。「本国に確認します」が何回まで通用するかで、その日の心証が決まる
- 保険会社向けの帳票印刷だけを請け負う中小の印刷会社。ある朝、金融庁職員が来社する。委託先という一語だけで、227条2項の射程に入っている。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 検査官の身分証と根拠条項(1項か2項か)を確認し、日時と対応者を記録する2. 2項であれば「必要の限度」という枠がある。求められた物件が免許特定法人または引受社員への質問検査に必要な事項と結びつくか、一つずつ確認する3. 自社固有の機密や他社の個人データが混在する物件は、分離して提出することを提案する4. 拒否を検討するなら口頭で終わらせず、理由を書面化して残す。後の紛争で「正当な理由」を説明する責任は、拒んだ側にある
訴えられた側:1. 3項の拒否権は「正当な理由」が前提であり、多忙や社内決裁未了は理由にならない。守秘義務、他人の秘密、刑事責任の追及に直結する領域といった具体的根拠を示す2. 全面拒否ではなく範囲を限定した対応に切り替えると、忌避と評価されるリスクが下がる3. 検査忌避には保険業法上の罰則があり、同時に元請との委託契約違反も走る。法務と契約担当を同じ会議に入れてから回答を出す
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。立入検査は事前告知なく行われうるため、期限管理ではなく常時の受入態勢が実質的な時間軸になる。検査結果を踏まえた行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)を争う場合は、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟が6か月以内(行政事件訴訟法14条)
学説
通説(行政調査論):保険業法上の立入検査は行政目的の達成のための行政調査であり、刑事手続としての捜索・押収とは区別される。したがって令状を要しないが、間接強制の程度や刑事責任追及との結びつきの強さに応じて憲法35条・38条の趣旨による限界が及ぶと解されている。
委託先監督に関する実務的理解:227条2項の委託先への立入りは、監督対象者本人に対する検査の実効性を補完する従属的な権限であり、「特に必要」「必要の限度」という要件と3項の拒否権が、監督に服することを選んだわけではない第三者の負担を限定する機能を果たすと理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正に伴い、免許特定法人・引受社員・総代理店という枠組みとあわせて、総代理店の事務所を入口とする立入検査権が整備された。
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