保険業法 第230条(業務の停止等)
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- 内閣総理大臣は、免許特定法人又は引受社員の業務又は財産の状況に照らして、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該免許特定法人又は引受社員に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、当該引受社員の日本における業務の運営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において、期限を付して引受社員の日本における業務の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。
- 2.前項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)であって、引受社員の保険金等の支払能力の充実の状況によって必要があると認めるときにするものは、引受社員の保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じ内閣府令・財務省令で定めるものでなければならない。
この条文の基本情報
業務の停止等とは何ですか?
定義業務の停止等とは、保険業法第230条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、免許特定法人又は引受社員の業務又は財産の状況に照らして、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第230条(業務の停止等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第230条の条文原文は「内閣総理大臣は、免許特定法人又は引受社員の業務又は財産の状況に照らして、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を…」で始まります。
- 保険業法第230条は第六節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第230条の前の条は保険業法第229条です。
- 保険業法第230条の次の条は保険業法第231条です。
- 保険業法第230条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第230条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第230条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/230
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法230条は、内閣総理大臣が免許特定法人・引受社員に改善計画の提出や日本における業務停止、財産の供託を命じられると定める。支払能力を理由とする命令は府令の区分に従う。
Q · ロイズのような海外の引受主体でも、日本の金融庁が業務を止められるんですか?
止められます。日本における業務の停止や財産の供託まで命じられます
できます。保険業法230条1項は、内閣総理大臣(実務上は金融庁)が、免許特定法人又は引受社員に対し、改善計画の提出を求め、その変更を命じ、必要の限度で日本における業務の全部又は一部の停止や財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができると定めています。対象は「日本における業務」と日本に置かせる財産であり、海外の本体に直接届かなくても国内側の蛇口は閉められます。さらに同条2項により、支払能力の充実の状況を理由とする命令は、内閣府令・財務省令で定める区分に応じたものでなければなりません。
解説
保険証券の引受欄に、ロイズや見慣れない英字の名前が並んでいたことはないだろうか。日本で売られている保険がすべて日本の保険会社の商品というわけではない。保険業法第9章は、ロイズのような「免許特定法人」と、その下で実際にリスクを引き受ける「引受社員」に日本での営業を認めている。つまりあなたの契約相手は、日本の保険会社ではなく引受社員だ。ではその引受社員がロンドンで経営難に陥ったとき、日本にいるあなたは何を頼れるのか。230条がその答えである。内閣総理大臣(実務上は金融庁)は、改善計画の提出を求め、その変更を命じ、日本における業務の全部または一部を止め、財産の供託まで命じられる。見落とされがちなのは第2項だ。支払能力を理由とする命令は、内閣府令・財務省令が定める区分に従わなければならない。役所は好きな重さの処分を出せないし、区分に当たれば動かないという選択もできない。あなたが見るべきは、その区分の数字である。
法的な位置づけ
保険業法230条は、免許特定法人及び引受社員に対する監督上の措置を定める規定である。内閣総理大臣は、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営の確保と日本における保険契約者等の保護のため必要があると認めるときに、改善計画の提出要求、その変更命令、日本における業務の全部又は一部の停止命令、財産の供託その他の措置を命ずることができる。
手順
- 1.証券と約款で引受主体を特定する 保険証券の引受欄と約款を開き、免許特定法人と引受社員の名称、保険契約者保護機構の補償対象契約かどうかの記載を確認する。契約相手が日本の保険会社か引受社員かで、使える保護の枠組みが変わる
- 2.金融庁の行政処分事例で命令歴と停止範囲を読む 金融庁が公表する行政処分事例を引受主体名で検索し、230条に基づく命令の有無と、停止される業務の範囲の列挙部分を原文で読む。ニュース記事は「一部業務停止」としか書かず、範囲が分からない
- 3.支払業務が停止範囲に含まれるかを文書で確認する 保険金請求中であれば、請求受付・損害調査・支払が停止範囲に入るかを窓口に文書で照会し、回答を記録に残す。口頭回答は後の交渉材料にならない
- 4.更新の三か月前に代替の引受先を並行手配する 更新期日から逆算し、ブローカーに引受主体の健全性と日本における供託の状況を書面で確認させたうえ、代替の引受先を並行して手配する。停止命令が出てからでは選択肢が消える
よくある質問 AI による整理
Q1免許特定法人とは何ですか?
保険業法第9章が定める、日本で引受社員に保険の引受けを行わせるために免許を受けた特定の法人です。ロイズのような組織市場を想定した枠組みで、日本における業務が監督の対象になります。
Q2引受社員とは何ですか?
免許特定法人の下で実際に保険のリスクを引き受ける主体です。契約者から見れば、契約相手は日本の保険会社ではなく引受社員であり、230条はその日本における業務を監督対象としています。
Q3保険業法230条の供託命令とは何ですか?
内閣総理大臣が、監督上必要な措置として引受社員等に財産の供託を命じるものです。日本国内に財産を置かせることで、国外の混乱から日本の保険契約者等の受け皿を一定程度切り離す機能を持ちます。
Q4支払能力の充実の状況に係る区分とは何ですか?
230条2項が参照する、内閣府令・財務省令で定める支払能力の区分です。支払能力を理由とする命令は区分に応じたものでなければならず、監督官庁の裁量が数字に羈束される仕組みになっています。
Q5「日本における業務」の停止はどこまで及びますか?
停止は「全部又は一部」であり、範囲は命令書で具体的に特定されます。新規引受や更新に加え、書き方によっては保険金の請求受付・損害調査・支払に関する体制まで射程に入り得ます。
Q6保険業法230条の命令は誰が出しますか?
条文上は内閣総理大臣です。実務では金融庁を通じて運用され、権限委任の規定に基づき金融庁長官等の名義で処分が行われます(委任の範囲は現行条文の確認が必要です)。
Q7金融庁の行政処分事例はどこで確認できますか?
金融庁のウェブサイトで行政処分事例が名称付きで公表されています。更新前に引受主体名で検索すれば、命令の有無と停止業務の範囲の原文を無料で確認できます。
Q8保険業法230条と132条はどう違いますか?
132条は国内の保険会社に対する業務改善・停止等の監督処分、230条は免許特定法人・引受社員の「日本における業務」に対する監督処分です。対象と射程が国内業務に限定される点が230条の特徴です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ロイズの保険って、日本の保険会社の保険と何が違うんですか?
契約相手が日本の保険会社ではなく、免許特定法人の下でリスクを引き受ける引受社員である点が違う。ただし監督が及ばないわけではなく、保険業法第9章と230条が日本における業務を直接の対象にしている。実務のポイント:金融庁の行政処分事例は名称付きで公表されるため、更新前に引受主体名で検索すれば、命令歴も停止範囲も無料で確認できる。ブローカーに聞く前にこちらで見ておくと会話の主導権が変わる
Q2引受社員が破綻したら、私の保険金は誰が払うんですか?
一次的には引受主体側の資金構造で支払われるが、日本にいる契約者の受け皿として機能しうるのが230条1項の供託命令だ。日本に財産を置かせておけば、国外の混乱から一定程度切り離せる。保険契約者保護機構の補償対象になるかは商品と契約者の区分で変わり、企業向け契約は対象外のものが多い。実務のポイント:証券や約款に補償対象契約かどうかの記載欄がある。ここが空欄や対象外なら、供託の有無を確認する意味が跳ね上がる
Q3業務停止命令が出たら、今持っている保険契約は無効になりますか?
無効にはならない。230条1項が止めるのは引受社員の日本における業務であって、既存契約の効力ではない。ただし新規引受と更新は実際に止まるし、停止範囲の書き方によっては支払関連の業務にも影響が及ぶ。実務のポイント:命令の公表文には停止する業務の範囲が具体的に列挙されている。ニュース記事は「一部業務停止」としか書かないので、原文の列挙部分を読む人と読まない人で、次に打つ手が完全に分かれる
Q4金融庁から改善計画の提出を求められました。これは処分として争えるんですか?
230条1項に基づく改善計画の提出要求や変更命令は法令上の命令であり、不利益処分として審査請求や取消訴訟の対象になりうる。任意の報告徴求や行政指導とは法的性質が違うので、まず根拠条項の確認が出発点になる。実務のポイント:通知書の末尾にある教示欄を最初に読む。審査請求先と出訴期間が書かれていれば処分性が前提になっており、教示がなければ性質そのものを問い合わせて記録に残す
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「金融庁が外国の保険引受主体を叩くための条文」だが、法律から見ると第2項が縛っているのは金融庁の側である。支払能力を理由とする命令は府令の区分に従わなければならず、監督官庁の裁量は数字に羈束されている。この落差を知らないと、処分を受けた側は「区分に対応しない過剰な処分だ」という最も効く反論を組み立てられないまま、業務を止められる
- 業務停止命令と聞けば新規販売が止まる程度に想像するが、深刻さはその先にある。停止の対象は「日本における業務」であり、保険金の請求受付・損害調査・支払の体制まで射程に入りうる。だからこそ実務では停止範囲の一語が交渉の焦点になる。範囲の書きぶりが、契約者が現金を受け取れるかどうかを直接決める
- 「外国の引受主体だから日本の役所は手が出せない」というのは誤り。230条が対象にしているのは日本における業務と、日本に供託させる財産である。ロンドンの本体に直接届かなくても、日本側の蛇口は閉められるし、日本国内に支払原資を置かせることもできる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の相手方 | 保険業法230条:免許特定法人又は引受社員 | 保険業法132条:国内の保険会社 保険業法204条:外国保険会社等 |
| 射程となる業務 | 引受社員の「日本における業務」に限定 | 保険会社の業務全般(国内法人が対象) 外国保険会社等の日本における業務 |
| 命令の内容 | 改善計画の提出要求・変更命令、業務の全部又は一部の停止、財産の供託その他監督上必要な措置 | 業務改善命令、業務の停止等の監督処分 日本における業務に関する監督処分(現行条文の確認が必要) |
| 支払能力を理由とする場合の拘束 | 内閣府令・財務省令で定める区分に応じたものでなければならない(2項) | 同様に区分に応じた措置の枠組みが置かれている(早期是正措置の系統) 区分に応じた枠組みの有無は現行条文の確認が必要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は主管機関が保険業に対し業務改善・業務停止等を命じる一般規定を置くが、ロイズ型の組織市場を前提とした引受社員の枠組みは持たず、外国保険業は支店規制で処理される
韓国も監督当局による業務停止等の制裁を規定するが、対象は保険会社であり、日本の免許特定法人・引受社員に相当する類型の位置づけは別途確認が必要
ドイツは被保険者の利益が害されるおそれがある場合に監督当局が必要な措置を命じ得る一般条項を持ち、支払能力悪化時は再建計画の提出を求める段階構造をとる点で本条と発想が近い
米国はロイズを免許保険者ではなくサープラスライン(非認可)保険者として扱い、信託資金の積立てや州ごとの適格要件で契約者保護を図る。日本の供託命令と機能的に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先から求められた賠償責任保険を、外資系ブローカー経由でロイズに引き受けてもらった。もしその引受社員が日本における業務停止命令を受けたら、あなたの既存契約はどうなる? 停止は「全部又は一部」であり、実務では新規引受を止めても保険金の支払業務は続けさせる方向で範囲が切られる。だが更新は止まる。次の更新時期に引受先が消える可能性を、いま社内のどの資料にも書いていないなら、それはあなたの穴だ
- 金融庁から「措置を講ずべき事項及び期限」を示した改善計画の提出要求が届いた免許特定法人の側にいるとする。期限は一か月。ここで出す計画の粗さが、次の一手が変更命令で済むか業務停止まで進むかを分ける。締切から逆算すると、社内の数字を確定させて外部専門家のレビューを通す時間は正味二週間しかない
- 保険ブローカーが「ロイズだから安心です」と言った。あなたは証券の引受主体欄を開いた。日本における供託の有無を聞き返した瞬間、担当者の説明の解像度が変わる
- 友人が中小企業の総務で、サイバー保険の引受先が海外の引受社員だと知って相談してきた。破綻したら保護機構が助けてくれるのかと聞かれる。正確な答えは「商品と契約者の区分によって変わる」で、証券と約款にある補償対象契約か否かの記載を一緒に確認するのが最短ルートだ。230条による供託命令があれば、日本に置かれた財産が支払原資として機能しうる点も併せて押さえておきたい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 証券と約款で引受主体を特定する。免許特定法人と引受社員の名称、保護機構の補償対象契約かどうかの記載を確認2. 金融庁が公表する行政処分事例で、その引受主体に対する命令の有無と停止範囲の原文を読む。要約記事は範囲を書かない3. 保険金請求中なら、支払業務が停止範囲に含まれるかを保険会社側の窓口に文書で確認4. 更新が近いなら、代替の引受先をブローカーに並行手配させる。停止命令が出てからでは選択肢が消える
訴えられた側:1. 提出要求の通知書で根拠条項が230条1項か報告徴求かを確認、法的性質が違う2. 支払能力を理由とする命令なら、第2項に基づき府令の区分と処分内容が対応しているかを検証、対応していなければ裁量の逸脱を主張できる3. 不利益処分の前には行政手続法上の聴聞または弁明の機会があるため、そこで反論と資料を記録に残す4. 業務停止が出た場合、取消訴訟に加えて執行停止を申し立て、同時に停止範囲の限定を交渉する
時効(請求できる期限):命令自体に一律の期間はなく、講ずべき措置の期限は個別の命令書で指定される。不服申立ては、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟が同じく6か月以内かつ処分の日の翌日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。執行停止は訴え提起後でなければ申し立てられないため、提訴日から逆算して準備する(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により、免許特定法人及び引受社員に関する章が設けられ、その監督上の措置として本条の枠組みが置かれた(個別の改正経緯は現行条文の確認が必要)
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