保険業法 第229条(事業の方法書等に定めた事項の変更命令)
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内閣総理大臣は、免許特定法人及び引受社員の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該免許特定法人に対し、その必要の限度において、第二百二十条第三項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項の変更を命ずることができる。
この条文の基本情報
事業の方法書等に定めた事項の変更命令とは何ですか?
定義事業の方法書等に定めた事項の変更命令とは、保険業法第229条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、免許特定法人及び引受社員の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第229条(事業の方法書等に定めた事項の変更命令)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第229条の条文原文は「内閣総理大臣は、免許特定法人及び引受社員の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本に…」で始まります。
- 保険業法第229条は第六節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第229条の前の条は保険業法第228条です。
- 保険業法第229条の次の条は保険業法第230条です。
- 保険業法第229条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第229条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第229条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/229
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法229条は、内閣総理大臣が免許特定法人に対し、事業方法書や普通保険約款などに定めた事項の変更を、必要の限度において命じることができると定める規定である。
Q · ロイズみたいな海外の保険引受組織に、日本の金融庁は命令を出せるの?
海外の引受社員でなく、国内の免許特定法人に命令できる
保険業法229条により、内閣総理大臣(実際の権限行使は金融庁長官)は、免許特定法人に対して、事業方法書・普通保険約款・保険料及び責任準備金の算出方法書(220条3項2号〜4号)に定めた事項の変更を命じることができます。発動事由は二本立てで、業務・財産の状況に照らす場合と、事情の変更による場合です。命令は「必要の限度において」に縛られ、この限度を超えた命令は行政事件訴訟で取り消せる余地があります。
解説
ロイズ・オブ・ロンドンのような海外の保険引受組織が日本で保険を売るとき、日本の金融庁は誰に対して口を出せるのか。答えがこの条文だ。免許を受けた特定法人(総代理店に相当する法人)に対し、内閣総理大臣(実際の権限行使は金融庁長官)が「事業方法書・普通保険約款・保険料及び責任準備金の算出方法書に書いてある中身を変えろ」と命令できる。つまり、あなたが加入した海外引受社員の保険の約款は、契約後であっても行政の命令で書き換えられうる。ここで重要なのは発動要件が二本立てになっている点だ。ひとつは業務・財産の状況(引受社員の財務が傾いてきた場合)、もうひとつは「事情の変更」(法改正、災害の頻発、金利環境の激変など外部要因)。しかも命令は「必要の限度において」に縛られる。この限度を超えた命令は、行政事件訴訟で取り消せる余地がある。
法的な位置づけ
保険業法229条は、免許特定法人に対する書類記載事項の変更命令を定める規定である。内閣総理大臣は、免許特定法人及び引受社員の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により必要があると認めるときは、220条3項2号から4号までの書類に定めた事項の変更を、必要の限度において命ずることができる。
よくある質問 AI による整理
Q1免許特定法人とは何ですか?
ロイズのような外国の保険引受組織について、日本で引受社員のために保険業を行う免許を受けた法人です。保険業法219条以下が根拠で、229条の変更命令の名宛人になります。
Q2保険業法229条の変更命令の対象書類は?
220条3項2号から4号の書類、すなわち事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書です。定款など他の書類は対象外です。
Q3変更命令はいつ出せますか?
免許特定法人及び引受社員の業務・財産の状況に照らす場合と、事情の変更による場合の二本立てです。財務が健全でも外部環境が変われば発動しえます。
Q4「必要の限度において」とはどういう意味ですか?
目的達成に必要な範囲を超える命令は許されないという比例原則の枷です。限度を超えた命令は取消訴訟で争える余地があります。
Q5変更命令に不服があるときはどうする?
行政処分なので審査請求と取消訴訟で争えます。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月、取消訴訟は処分を知った日から6か月が原則です。
Q6変更命令は既存契約にも及ぶ?
命令の対象は事業方法書等に定めた事項であり、既存契約への効力は変更内容と契約の定めによります。遡及的な不利益変更は契約法上の制約も受けます。
Q7変更命令が出る前に行政指導はありますか?
実務上はヒアリングや行政指導が先行することが多く、その段階で自主的な改定案を提示する余地があります。命令発出後は内容が固定されます。
Q8保険業法229条と231条の違いは?
229条は書類記載事項の変更を命じる規定、231条は業務改善命令等の監督処分の規定です。対象と効果が異なり、実務では併用されることもあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1そもそも「引受社員」って何ですか、保険会社とは違うんですか?
ロイズのような組織で、実際にリスクを引き受ける個人または法人のメンバーを指します(保険業法219条以下)。日本の保険会社のような単一法人ではなく、多数のメンバーが分担して引き受ける構造です。実務のポイント:だからこそ日本では免許特定法人と総代理店という結節点を置いて監督する設計になっている。契約トラブルで交渉相手を探すとき、海外のメンバーではなく日本の総代理店が窓口だと分かっているだけで初動が数週間変わる
Q2行政命令で約款が変わったら、すでに入っている契約もいきなり不利になるんですか?
変更命令の対象は事業方法書等に定めた事項であり、既存契約への効力は変更内容と契約の定めによります。契約者に一方的に不利益な遡及変更は、契約法上の制約も別途受けます。実務のポイント:通知が来たとき「変更は新契約からか、既存契約にも及ぶか」を書面で確認するだけで、事業者側の説明はかなり慎重になる。口頭確認では記録が残らない
Q3命令が出たかどうかを一般人が知る方法はありますか?
行政処分の内容は金融庁のウェブサイトで公表されることがあり、業務改善命令などは実務上公表対象です。監督指針や公表基準に沿って扱われます。実務のポイント:契約している事業者名で金融庁の行政処分事例を検索する習慣は、保険に限らず有効。処分歴を知ったうえで交渉に臨む契約者と、知らずに臨む契約者では、担当者の対応の丁寧さが変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「行政命令が出るのは会社が潰れかけたときだけ」と考えられがちだが、条文は「事情の変更により」も独立した発動事由として並べている。財務が健全でも、外部環境が変われば命令は出せる。予防的監督の条文であって、破綻処理の条文ではない
- 外国の保険引受組織だから日本の役所は手が出せない、と思っている人は前提が誤っている。問うべきは「引受社員に命令できるか」ではなく「誰を掴めば実効性が生まれるか」だ。法は日本国内の免許特定法人を名宛人に据えることで、この問いを解いている
- 契約者側から見れば約款は「保険会社と自分の契約」だが、監督法から見れば約款は「行政の認可対象であり、命令で変更されうる公的文書」である。この落差を知らないと、約款変更の通知が来たとき「一方的だ」と憤るだけで、変更の法的根拠も争い方も見えないまま終わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 保険業法229条:免許特定法人(外国引受組織の国内結節点) | 保険業法231条:免許特定法人・引受社員に対する監督処分 保険業法133条:内国保険会社 |
| 発動事由 | 業務・財産の状況、又は事情の変更 | 業務の健全かつ適切な運営確保・契約者等保護の必要性 法令違反、業務運営の著しい不適切等 |
| 命令の内容 | 220条3項2号〜4号の書類に定めた事項の変更 | 業務改善、業務停止等の監督処分 業務改善命令、免許取消等 |
| 限度の枷 | 「必要の限度において」を明文で規定(比例原則) | 必要性・相当性の判断を要する 必要性・相当性の判断を要する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険商品の条項・保険料・準備金算出方法を主管機関(金融監督管理委員会)の審査対象とし、必要時に是正を命じる構造を持つ
韓国も金融委員会が保険会社に対し基礎書類の変更を命じうる規定を置き、日本と類似の監督構造をとる
ドイツは BaFin が保険事業者に対し必要な措置を命じる一般的権限を持ち、EU Solvency II 指令の国内実施として構成される
米国は連邦ではなく州単位の保険監督制であり、surplus lines(州外・非認可保険者)の規律が日本の免許特定法人制度と機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が特殊なリスク(美術品、興行中止、サイバー、船舶)を国内保険会社に断られ、ロイズの引受社員が引き受けてくれた。数年後、その保険の約款で免責事由が追加されていた。契約更新のたびに条件が変わる背景に、この条文に基づく行政命令が潜んでいる可能性がある
- 免許特定法人の総代理人として実務を回している立場で、金融庁からヒアリングが入り「約款の当該条項を見直せないか」と示唆された。これは行政指導の段階だが、応じなければ229条の変更命令へ移行する。指導の段階で交渉する余地と、命令が出てからでは全く重みが違う
- もし引受社員の海外本国で大災害が発生し、支払余力が急落したら? 日本の契約者を守るため、責任準備金の算出方法を厚くする方向に変更を命じられる。結果として日本での保険料が上がる。あなたの保険料の値上げ通知の裏に、行政命令が立っていることがある
- 変更命令の書面が届いた。取消訴訟の出訴期間は処分を知った日から6か月、審査請求なら3か月。社内で「まず本国と協議」とやっているうちに期間が過ぎる。あと数十日で争う道が閉じる、という状況は実際に起こる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 約款変更の通知を受けたら、変更前後の条項を並べて差分を保存し、変更理由の説明を書面で求める2. 変更が行政命令に基づくものか、当事者間の合意によるものかを確認する。根拠が違えば争い方も違う3. 既存契約に遡って不利益が及ぶ場合、契約時の説明内容(募集資料、意向確認書面)を集めて説明義務違反の観点も並行して検討4. 金融庁や保険業界の指定紛争解決機関(そんぽADRセンター、生保相談所など)への相談は費用がかからず、訴訟より先に使える窓口である
訴えられた側:1. 免許特定法人側であれば、まず命令書の記載事項(対象書類、変更事項、理由)を精査し、220条3項各号のどの書類が対象かを特定する2. 「必要の限度」を超えていないか、目的と手段の均衡を検証する3. 争うなら審査請求と取消訴訟の二本立て、期間管理を最優先。同時に本国の引受社員側との調整スケジュールを逆算する4. 争わない場合でも、履行方法・時期について当局と協議し、実務上実行可能な形に落とす交渉余地は残っている
時効(請求できる期限):変更命令は行政処分であり、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内かつ処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。命令自体に履行期限が付されている場合はそれが別途進行する(最新の改正状況をご確認ください)
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