保険業法 第246条(株主の名義書換の禁止)
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被管理会社(外国保険会社等を除く。)が株式会社である場合において、内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、株主の名義書換を禁止することができる。
この条文の基本情報
株主の名義書換の禁止とは何ですか?
定義株主の名義書換の禁止とは、保険業法第246条に定められた規定で、「被管理会社(外国保険会社等を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第246条(株主の名義書換の禁止)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第246条の条文原文は「被管理会社(外国保険会社等を除く。」で始まります。
- 保険業法第246条は第二款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第246条の前の条は保険業法第245条です。
- 保険業法第246条の次の条は保険業法第246条の2です。
- 保険業法第246条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第246条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第246条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/246
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法246条は、被管理会社が株式会社である場合、内閣総理大臣が必要と認めるときに株主の名義書換を禁止できると定める。譲渡自体は有効だが会社に対抗できない。
Q · 保険会社が破綻処理に入ったら、持っている株は売れなくなるんですか?
売買契約は有効だが、名義書換禁止で買主は株主になれない
保険業法246条により、被管理会社が株式会社の場合、内閣総理大臣は必要と認めるときに株主の名義書換を禁止できます。禁止されるのは名義書換であって譲渡そのものではないため、当事者間の売買契約は有効に成立します。ただし買主は株主名簿に記載されないため、会社に対して株主であることを対抗できません(会社法130条)。議決権行使も配当受領もできず、実務上は市場での流通が事実上凍結される局面となります。
解説
破綻した保険会社の株式を持っているとしよう。ニュースで「業務停止命令」「保険管理人による管理」と報じられた瞬間、あなたは慌てて証券会社に売却注文を出すかもしれない。だが保険業法246条は、内閣総理大臣(実務上は金融庁長官へ委任)に「株主の名義書換を禁止する」権限を与えている。名義書換が止まるということは、株式の売買契約自体は成立しても、買主が会社に対して株主であることを主張できなくなるということだ。株主名簿に載らない者は議決権も行使できず、会社側からは株主として扱われない。つまり、破綻処理の最中に株主構成が入れ替わるのを凍結する装置である。あなたが知っておくべきは、この凍結が「あなたの資産を守るため」ではなく「破綻処理の秩序を守るため」に発動するという点。減資や株式併合、合併比率の算定といった重い手続の間、株主の顔ぶれを固定しておかないと処理が破綻するからだ。逃げ道が塞がれる側に、あなたが立つ可能性がある。
法的な位置づけ
保険業法246条は、保険管理人による管理を命ずる処分を受けた被管理会社が株式会社である場合に、内閣総理大臣が株主の名義書換を禁止できる旨を定める規定である。株式譲渡自由の原則(会社法127条)に対する行政処分による例外であり、禁止の効果は会社に対する対抗要件の凍結にとどまる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.発動された処分の種類と日付を特定する 金融庁の公表資料で、業務停止命令・保険管理人による管理命令・名義書換禁止のどれがいつ出たかを確認する。処分の種類によって凍結される権利の範囲が異なるため、株価より先に処分内容を読む
- 2.自分が名簿上の株主か照会する 証券会社および株主名簿管理人に対し、自分が株主名簿に記載済みかを照会する。登録済みなら議決権・配当の扱いが生き、未登録なら宙吊りになるため、この一点で取るべき行動が分かれる
- 3.約定済み取引の清算関係を書面化する 売買が約定済みで名義書換だけが止まっている場合、契約自体は有効なので、相手方との代金・権利帰属の清算について書面で確認を取り、後日の紛争に備える
- 4.不服申立ての起算日を記録に残す 処分に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は知った日から6か月以内。公表資料の閲覧日や通知書の受領日を証拠として保存する
よくある質問 AI による整理
Q1名義書換の禁止とは何ですか?
株主名簿の書き換えを行政処分で止める措置です。保険業法246条に基づき、被管理会社の株主構成を破綻処理中に固定するために発動されます。
Q2被管理会社とはどういう会社ですか?
保険業法241条に基づき保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分を受けた保険会社です。破綻処理の入口に立った会社を指します。
Q3名義書換禁止中に株を売ったらどうなりますか?
売買契約自体は有効ですが、買主は名簿に記載されないため会社に株主であることを対抗できません(会社法130条)。議決権も配当も行使できません。
Q4名義書換禁止はいつまで続きますか?
保険業法246条自体に期間の定めはなく、処分の内容により定まります。実務上は減資・組織再編の手続が完了するまでが目安となります。
Q5外国保険会社の日本支店も対象ですか?
対象外です。保険業法246条は括弧書で外国保険会社等を除外し、株式会社である被管理会社を前提としています。
Q6名義書換禁止の処分に不服があるときは?
行政処分である以上、行政不服審査法による審査請求(知った日の翌日から3か月以内)や行政事件訴訟法による取消訴訟(6か月以内)の対象になりえます。
Q7実際に判断しているのは内閣総理大臣ですか?
条文は内閣総理大臣と定めますが、保険業法313条の委任規定により実務上の判断は金融庁が行います。処分は内閣総理大臣名義で出ます。
Q8保険契約者と株主はどちらが守られますか?
契約者は保険契約者保護機構の補償対象となりますが、株主は残余財産の最後尾です。246条は株主保護ではなく処理秩序の確保が目的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1名義書換が禁止されている間に株を売ったら、そのお金はどうなるんですか?
当事者間の売買契約は有効なので代金の授受自体は成立します。ただし買主は会社に対して株主であることを主張できません(会社法130条)。実務上は証券保管振替機構を通じた振替が制約されるため、そもそも約定が成立しない場面が多い。実務のポイント:破綻処理局面では市場売買より、後の減資・株式併合で保有株がどう扱われるかが実質的な損得を決める。売れるかどうかより、処理スキームの中身を先に読む方が回収額に効く
Q2内閣総理大臣が決めると書いてありますが、実際は誰が判断しているんですか?
保険業法の権限は原則として金融庁長官に委任されています(保険業法313条および同法施行令の委任規定)。実際の判断は金融庁の監督部局が行い、内閣総理大臣名義で処分が出る形です。実務のポイント:条文に「内閣総理大臣は」と書いてある金融関連法は、ほぼすべて委任規定で金融庁長官へ降りている。誰に対して意見を述べるか、どこへ資料を出すかを間違えないためには、委任先を先に確認する
Q3外国の保険会社の日本支店に投資している場合も対象ですか?
本条は括弧書で外国保険会社等を除いており、また株式会社である被管理会社を前提としています。外国保険会社等の日本における業務については別途の規律が働きます。実務のポイント:保険業法は「日本の免許を持つ保険会社」「外国保険会社等」「少額短期業者」で適用条文が分かれる。自分の持っている商品や株式がどの類型の事業者のものか、目論見書や約款の事業者区分欄で最初に確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「名義書換が禁止されると株の売買そのものが無効になる」と理解されがちだが、そうではない。当事者間の売買契約は有効に成立する。無効になるのではなく、買主が会社に対して株主であることを対抗できなくなる(会社法130条の対抗要件の問題)。契約は生きているのに権利行使だけができない、この中途半端な状態が実務上いちばん厄介
- 保険契約者の保護だけが破綻処理の目的だと思っている人は多いが、この条文が見ているのは契約者ではなく株主である。株主の顔ぶれを固定しないと減資・合併・株式移転といった組織再編の手続が組めない。あなたから見れば「自分の財産の処分の自由」だが、法律から見れば「処理手続の基礎データの固定」。この視点のズレが、売却できると思い込む原因になる
- 「保険会社が潰れそうだと分かったら株主も契約者も同じように保護される」という前提そのものが誤り。契約者は保険契約者保護機構による補償の対象になるが、株主は残余財産の最後尾に並ぶ。保護される順番が違う以上、取るべき行動も全く違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の内容 | 保険業法246条:株主の名義書換の禁止 | 保険業法241条:業務停止・保険管理人による管理を命ずる処分 保険業法242条:保険管理人による業務及び財産の管理 |
| 凍結される対象 | 株主名簿の書換(会社に対する対抗力) | 保険会社の業務そのもの 業務執行権限と財産の管理処分権 |
| 影響を受ける主体 | 株主および株式の買主 | 保険契約者・取引先・会社全体 経営陣(権限が保険管理人へ移行) |
| 私法上の効力 | 売買契約は有効、会社への対抗のみ不可 | 新規契約の締結が停止される 管理人以外の処分行為が制限される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関による接管を破綻処理の中核に置くが、株主名義書換の禁止を独立の条文として明示する構造は取っていない
韓国も管理人選任による整理手続を持ち、株主権の制約は整理計画の枠内で処理される(個別条文の対応は要確認)
ドイツは BaFin による支払停止命令など財産面の凍結を中心とし、株主名簿の凍結は会社法・組織再編法の枠組みで処理される
米国は州保険監督官が receiver として rehabilitation / liquidation を主導し、裁判所命令により株式の移転が包括的に制約されうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険会社の株を特定口座で持っていたところ、金融庁が保険管理人を選任したと報道された。翌朝の寄り付きで成行売りを入れたが、約定しても名義書換が禁止されていれば買主は株主として登録されない。市場での流通が事実上凍りつく局面で、あなたの「早く逃げる」戦略は機能しない
- もし、あなたが破綻寸前の保険会社の大株主として経営責任を問われる立場だったら? 名義書換禁止は、あなたが処理直前に持株を第三者へ移して責任追及や減資の負担から逃げることを封じる。株主責任を果たす席に座らされたまま、動けなくなる
- 事業承継で保険会社株を相続し、名義書換の手続を進めている最中に管理命令が出た。相続は発生済みだが、名簿上の株主は被相続人のまま。議決権行使も配当受領も宙に浮く。あなたが打つべき手は、会社ではなく監督官庁の処分内容を先に読むこと
- あと数日で株主総会。減資議案が上程される予定だが、名義書換が禁止されている。基準日以降に株を買った人は総会に出られない。議決権の分布が固定された状態で、経営陣の描いた再建案が通っていく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 金融庁の公表資料で、発動された処分の種類(業務停止、管理命令、名義書換禁止)と日付を特定する2. 証券会社と株主名簿管理人に、自分が名簿上の株主として登録済みかを照会する。登録済みか未登録かで議決権・配当の扱いが分かれる3. 売買が約定済みで名義書換だけ止まっている場合、契約自体は有効なので相手方との清算関係を書面で確認しておく4. 処分に不服がある場合、審査請求や取消訴訟の期間は処分を知った日から起算されるので、知った日を記録に残す
訴えられた側:保険会社側の立場であれば、1. 名義書換禁止の対象範囲(全株式か一部か、期間はいつまでか)を処分書面で確定する2. 株主名簿管理人へ直ちに通知し、誤って名義書換を処理しないよう業務を止める3. 株主からの問い合わせに対する説明文書を用意し、「売買契約は有効だが会社への対抗ができない」点を正確に伝える4. 減資・組織再編のスケジュールと凍結期間の整合を保険管理人と詰める
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはなく、禁止の期間は処分の内容により定まる。処分に不服がある場合の審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。いずれも最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:本条の禁止の効果は会社に対する対抗要件の凍結にとどまり、株式譲渡の私法上の効力自体を無効とするものではない。比例原則の観点から、譲渡禁止ではなく名義書換禁止という最小限の手段が選択されていると理解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正により、保険管理人による管理を中核とする破綻処理スキームの一環として整備された(施行時期・条文番号の変遷は要確認)
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