保険業法 第246条の2(保険管理人の報告義務)
クイックジャンプ
- 保険管理人は、就職の後遅滞なく、次に掲げる事項を調査し、内閣総理大臣に報告しなければならない。
- 一被管理会社が管理を命ずる処分を受ける状況に至った経緯
- 二被管理会社の業務及び財産の状況
- 三その他必要な事項
この条文の基本情報
保険管理人の報告義務とは何ですか?
定義保険管理人の報告義務とは、保険業法第246条の2に定められた規定で、「保険管理人は、就職の後遅滞なく、次に掲げる事項を調査し、内閣総理大臣に報告しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第246条の2(保険管理人の報告義務)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第246条の2の条文原文は「保険管理人は、就職の後遅滞なく、次に掲げる事項を調査し、内閣総理大臣に報告しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第246条の2は第二款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第246条の2の前の条は保険業法第246条です。
- 保険業法第246条の2の次の条は保険業法第247条です。
- 保険業法第246条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第246条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第246条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/246_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法246条の2は、保険管理人が就職後遅滞なく、管理命令に至った経緯・業務及び財産の状況・その他必要な事項を調査し、内閣総理大臣に報告する義務を定める。
Q · 保険会社に管理命令が出たあと、保険管理人は最初に何をするんですか?
経緯・業務財産の状況を調査し国へ報告します
保険業法246条の2により、保険管理人は就職の後遅滞なく、(一)被管理会社が管理を命ずる処分を受ける状況に至った経緯、(二)業務及び財産の状況、(三)その他必要な事項を調査し、内閣総理大臣に報告しなければなりません。単なる資産査定ではなく「なぜこうなったか」の原因究明が法定の報告事項に含まれる点が特徴で、この報告が業務財産管理計画(同法247条)や契約条件の変更(同法250条以下)の出発点になります。
解説
保険会社が破綻しかけたとき、金融庁が送り込む「保険管理人」という人物がいる。その人が就任してまず何をするか、それを定めたのがこの条文だ。あなたが契約者なら、ここは他人事ではない。保険管理人は就職後遅滞なく、(一)その会社がなぜ管理命令を受けるまで追い込まれたのかという経緯、(二)業務および財産の現況、(三)その他必要な事項を調査し、内閣総理大臣(実際の権限行使は金融庁長官へ委任されている)に報告する義務を負う。注目すべきは第一号だ。単なる資産負債の棚卸しではなく、「なぜこうなったか」という原因究明が法律上の報告事項に格上げされている。つまりこの報告書は、経営陣の責任追及、保険契約者保護機構への資金援助の要否判断、契約条件の変更(予定利率引下げ)の是非、その全ての起点になる。あなたの保険の予定利率が切り下げられるかどうかは、この最初の報告から動き出す。
法的な位置づけ
保険業法246条の2は、保険管理人の初動調査報告義務を定める規定である。保険管理人は就職の後遅滞なく、被管理会社が管理命令に至った経緯、業務及び財産の状況、その他必要な事項を調査し、内閣総理大臣に報告する義務を負う。破綻処理の方針決定に必要な情報を監督当局に集中させる手続規定として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.管理命令の報道を確認したら契約書類を全部保全する 保険証券、設計書、予定利率や責任準備金が記載された書面、直近の契約内容のお知らせを全て揃えて保管する。契約条件変更の手続に入ると変更後の数値だけが示されがちで、変更前との比較は自分の手元資料がなければできない
- 2.通知の送付先と公表窓口を点検する 被管理会社および保険契約者保護機構の公表窓口を確認し、登録されている住所・氏名が現状と一致しているか点検する。通知が届かないと異議申立ての機会を失う
- 3.解約・契約者貸付の制限の有無を確認する 管理命令下では解約や契約者貸付が制限されることがある(保険業法245条以下の措置)。「今のうちに解約」という直感的な行動が封じられている場面があるため、制限の有無を窓口または公表資料で確認してから動く
- 4.保険管理人の報告後の手続スケジュールを追う 本条の報告を起点に業務財産管理計画(保険業法247条)が作られ、契約移転や契約条件変更の方針が示される。金融庁の公表と被管理会社の通知を並行して確認し、説明会の日程を押さえる
- 5.契約条件変更手続では異議申立期間を最優先で確保する 契約条件の変更手続(保険業法250条以下)に進んだ場合、異議申立ての期間と方法が書面で示される。その期限をカレンダーに入れ、必要なら期限前に弁護士へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1保険管理人とは何ですか?
保険会社に管理命令が出たとき、業務執行権と財産の管理処分権を引き継ぐ者です。保険業法242条以下が根拠で、再建・契約移転・清算の方向性を決める材料を国へ報告します。
Q2保険管理人の報告義務はいつまでですか?
保険業法246条の2は「就職の後遅滞なく」とのみ定め、具体的な日数の法定期限はありません。実務上は管理命令後の処理スケジュールに従って提出されます。
Q3保険管理人は何を報告するのですか?
三本柱です。(一)管理命令に至った経緯、(二)業務及び財産の状況、(三)その他必要な事項。資産査定だけでなく原因究明が法定の報告事項に含まれます。
Q4保険管理人の報告書は公開されますか?
報告先は内閣総理大臣であり、契約者への直接開示の仕組みはありません。契約者が事実関係に触れるのは契約条件変更手続(保険業法250条以下)の通知・説明会の段階です。
Q5保険会社が破綻したら解約できますか?
管理命令下では解約や契約者貸付が制限される場合があります(保険業法245条以下の措置)。自己判断で動く前に制限の有無を確認してください。
Q6保険管理人は内閣総理大臣に報告するって本当?
条文上の報告先は内閣総理大臣です。ただし保険業法上の権限の多くは金融庁長官に委任されており、実際の受理・運用は金融庁が担います。
Q7報告のあと保険契約はどうなりますか?
報告を踏まえて業務財産管理計画(保険業法247条)が作られ、他社への契約移転、契約条件の変更(同法250条以下)、保険契約者保護機構の資金援助などの方向性が決まります。
Q8経緯の調査は経営陣の責任追及に使われますか?
本条の調査自体は責任追及の手続ではありませんが、記載された事実関係は後の会社法423条・429条に基づく役員責任追及の一次資料として機能し得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が潰れたら、払ったお金は全部パーになるんですか?
全部消えるわけではない。生命保険契約者保護機構による保護があり、原則として責任準備金の90% が補償される(保険業法260条以下)。ただし予定利率の引下げが行われれば、将来受け取る額は当初設計より目減りする(最新の制度内容をご確認ください)。実務のポイント:補償の「90%」は責任準備金に対する割合であって、払込保険料の90% ではない。高予定利率の長期契約ほど実質的な削減幅が大きくなりやすく、同じ会社の契約者でも商品によって痛みの大きさが全く違う
Q2保険管理人が調べた内容って、契約者は見られるんですか?
本条の報告先は内閣総理大臣であり、契約者に直接開示する仕組みではない。契約者が事実関係に触れるのは、契約条件の変更手続(保険業法250条以下)に伴う通知書・説明会・書面決議の資料を通じてになる。実務のポイント:説明会で配られる資料は結論と数値が中心で、「なぜこうなったか」の経緯部分は薄くなりやすい。経緯を知りたければ、金融庁の行政処分公表や、その後の役員責任追及訴訟の報道の方が情報量が多いことがある
間違えやすい点 AI による整理
- 保険管理人は「会社を立て直す人」だと思われがちだが、法的位置づけはむしろ国の管理下で業務執行権・財産管理処分権を引き継いだ受け皿である(保険業法245条以下)。再建か、他社への契約移転か、清算か、その方向性を決めるための材料を国に出すのが最初の仕事であり、再建が前提として決まっているわけではない
- 「調査報告の義務があるなら、契約者もその内容を見られる」という前提そのものが誤っている。報告先は内閣総理大臣であって契約者ではない。契約者が事実関係に触れるのは、契約条件変更の手続(保険業法250条以下)に伴う書面や説明会の段階であり、報告書そのものが公開されるとは限らない
- 破綻処理の実務を「知っている」人でも、第一号の重みを見落としていることが多い。経緯の調査は形式的な前置きではなく、保険契約者保護機構の資金援助(保険業法260条以下)の可否と規模、および責任追及の方向性を規定する。ここでどう書かれるかが、最終的に契約者の受取額に跳ね返る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 保険業法246条の2:保険管理人の初動調査と報告義務 | 保険業法246条:保険管理人の権限と善管注意義務の一般規定 保険業法247条:報告を受けた後の業務財産管理計画の作成 |
| 時間軸 | 就職の後遅滞なく(破綻処理の最上流) | 管理期間を通じて継続的に妥当する 本条の報告を踏まえた次段階 |
| 名宛人と相手方 | 保険管理人が内閣総理大臣に報告 | 保険管理人が被管理会社・契約者に対して負う義務 保険管理人が計画を作成し内閣総理大臣の承認を受ける |
| 契約者への影響 | 間接的。報告内容が救済スキームと責任追及の前提を決める | 間接的。管理業務の適正さを担保する 直接的。契約移転や契約条件変更の具体案が示される |
他国ではどう定めているか 4 か国
主管機関(金融監督管理委員会)が保険会社に接管を命じ、接管人が財務業務状況を調査して主管機関に報告する構造。原因究明と財産状況の把握を接管人に担わせる点で日本の保険管理人制度と機能的に近い
金融委員会が経営管理人を選任し、業務・財産状況を調査して当局へ報告させる枠組み。預金保険公社が破綻処理の資金面を担う点は日本の保険契約者保護機構と対応する
BaFin が保険契約者の利益が危殆化した場合に Sonderbeauftragter(特別受任者)を選任し、経営陣の権限を代行させる。経緯の報告を明示的な法定三事項として掲げる日本法とは条文の建て付けが異なる
州保険庁長官が receiver となり rehabilitation または liquidation を進め、裁判所へ財務状況と方針を報告する。監督当局への行政報告ではなく裁判所主導の手続である点が日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入していた生命保険会社に業務停止命令が出たとニュースで流れた。翌日から窓口は「保険管理人が調査中です」の一点張り。解約できるのか、いくら戻るのか、誰も答えない。その沈黙の裏で走っているのが246条の2の調査である。報告が上がるまで、あなたの契約条件は宙吊りのままだ
- 破綻した保険会社の元取締役だとしたら、この報告書はあなたの経歴書でもある。第一号の「管理を命ずる処分を受ける状況に至った経緯」に、どの時点の経営判断が書き込まれるか。ここに記載された事実関係が、後の役員責任追及訴訟(会社法423条、429条)の一次資料として機能する
- もし、あなたが保険代理店を営んでいて、取扱保険会社の一つが管理命令を受けたら? 新契約の募集は止まり、既契約の手数料も流動化する。保険管理人の報告が出て資金援助のスキームが固まるまで、収入の見通しが立たない期間が続く
- 契約者集会や説明会の開催通知が届くまで、あと数週間。その場で何を質問すべきか。報告事項の三本柱、経緯、業務財産の状況、その他必要な事項、この枠組みを知っている契約者は「経緯の第一号について、どこまで開示されるのか」と切り込める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 管理命令の報道を見たら、まず契約内容の一次資料(保険証券、設計書、予定利率、責任準備金の記載があるもの)を全て保全する2. 保険会社および保険契約者保護機構の公表窓口を確認し、通知の送付先住所が現住所か点検する3. 解約・契約者貸付が制限されている可能性があるため、自己判断で動く前に制限の有無を確認する4. 契約条件変更の手続(保険業法250条以下)に進んだ場合、異議申立ての期間と方法が書面で示されるので、その期限を最優先でカレンダーに入れる
訴えられた側:1. 被管理会社の役員・幹部であれば、第一号の「経緯」調査に対し、意思決定の時系列を裏付ける稟議書・取締役会議事録・リスク管理部門の警告記録を整理する2. 調査は責任追及そのものではないが、後の会社法423条・429条の責任追及や行政処分の一次資料になるため、記憶ベースの供述を避け、文書で答える3. 早い段階で会社法務と切り離した自分側の代理人を検討する。会社の代理人はあなた個人の利益を代弁しない
時効(請求できる期限):報告義務の履行期限は「就職の後遅滞なく」であり、具体的な日数は法定されていない。実務上は管理命令後の処理スケジュールに従う。契約者側に関わる期限としては、契約条件変更手続における異議申立期間(保険業法250条以下、通知書に明示される期間)が実質的なリミットになる。本条自体に時効はないが、役員に対する損害賠償請求権は民法166条の一般消滅時効(権利行使できることを知った時から5年、権利行使できる時から10年)による
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