保険業法 第247条の2(保険管理人の調査等)
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- 保険管理人は、被管理会社の取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人及び支配人その他の使用人並びにこれらの者であった者に対し、被管理会社の業務及び財産の状況(これらの者であった者については、その者が当該被管理会社の業務に従事していた期間内に知ることのできた事項に係るものに限る。)につき報告を求め、又は被管理会社の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
- 2.保険管理人は、その職務を行うため必要があるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
この条文の基本情報
保険管理人の調査等とは何ですか?
定義保険管理人の調査等とは、保険業法第247条の2に定められた規定で、「保険管理人は、被管理会社の取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人及び支配人その他の使用人並びにこれらの者であった者に対し、被管理会社の業務及び財産の状況(…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第247条の2(保険管理人の調査等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第247条の2の条文原文は「保険管理人は、被管理会社の取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人及び支配人その他の使用人並びにこれらの者であった者に対し、被管理会社の業務及び財産の状況(…」で始まります。
- 保険業法第247条の2は第二款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第247条の2の前の条は保険業法第247条です。
- 保険業法第247条の2の次の条は保険業法第247条の3です。
- 保険業法第247条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第247条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第247条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/247_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法247条の2は、保険管理人が被管理会社の役職員および元役職員に報告を求め、帳簿書類を検査できると定める。元役職員への請求は在職中に知り得た事項に限られる。
Q · もう辞めた保険会社が破綻したら、元社員の自分にも報告を求められるの?
退職済みでも、在職中に知り得た事項なら報告を求められます。
保険業法247条の2第1項は、保険管理人の報告請求・検査の相手方として、現役の取締役・執行役・会計参与・監査役・会計監査人・支配人その他の使用人に加え、「これらの者であった者」、すなわち退職者を明示的に含めています。退職の事実は免除事由ではありません。ただし退職者に対する請求の対象は、その者が被管理会社の業務に従事していた期間内に知ることのできた事項に係るものに限定されます。さらに同条第2項により、保険管理人は職務上必要があるときは官庁、公共団体その他の者に照会し、協力を求めることができます。
解説
保険会社が破綻し、金融庁が保険管理人を送り込む。その瞬間、調査の網にかかるのは現役の取締役だけではない。247条の2第1項は、取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人、支配人その他の使用人に加えて、「これらの者であった者」、つまり既に会社を去った人間にも報告を求められると書いている。あなたが三年前に辞めた保険会社が潰れたとき、保険管理人はあなたに連絡してよい。ただし対象は在職中に知ることのできた事項に限られる。ここが唯一の防波堤である。さらに第2項は、官庁、公共団体その他の者への照会と協力要請を認める。国税庁、監督官庁、取引銀行、外部の会計事務所。あなたが会社に残した痕跡は、あなたの記憶より正確に保存されている。報告を求められる前に、自分が何を知っていて何を知らなかったかを整理できるかどうかが、その後の責任追及の入口を決める。
法的な位置づけ
保険業法247条の2は、保険管理人の調査権限を定める規定である。第1項は被管理会社の現役および元の役員・使用人に対する報告請求権と、帳簿・書類その他の物件の検査権を規定し、元役職員への請求範囲を在職期間内に知ることのできた事項に限定する。第2項は職務遂行上必要な場合における官庁、公共団体その他の者への照会権および協力要請権を定める。
手順
- 1.請求書面の対象事項と期限を特定する 届いた報告請求書を受領日とともに保全し、求められている事項を一件ずつ箇条書きに分解する。指定された提出期限、提出形式、窓口(保険管理人事務所か会社窓口か)を最初に確定する
- 2.在職期間と照合し、射程外を切り分ける 雇用契約書、辞令、退職証明書、源泉徴収票等で在職期間を客観的に確定し、各請求事項が在職期間内に知ることのできた事項かを判定する。射程外と判断した事項は、理由を付して射程外である旨を明記する
- 3.資料に基づく部分と記憶に頼る部分を書き分ける 手元に残る稟議書、議事録、メールに裏付けのある記載と、記憶のみに基づく記載を明確に区別して起案する。曖昧な断定を避け、記憶に頼る部分には「記録を確認できていない」旨を明記する
- 4.刑事責任に及びうる論点は提出前に弁護士へ相談する 商品設計、運用判断、開示内容など責任追及に直結しうる事項が含まれる場合、回答書を提出する前に弁護士に内容を確認してもらう。提出後の書面は回収できない
- 5.反対意見や警告の記録を同時に添付する 在職中に無理な運用方針や不適切な募集に反対・警告した記録があれば、最初の報告に添えて提出する。調査が一巡した後や訴訟開始後に提出すると、後付けの弁解として評価されやすい
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法247条の2とは何ですか?
保険管理人の調査権を定めた規定です。被管理会社の役員・使用人と、その地位にあった元役職員に報告を求め、帳簿書類等を検査できます。元役職員への請求は在職中に知り得た事項に限られます。
Q2保険会社が破綻したら契約者の保険はどうなりますか?
247条の2の調査を経た報告を土台に、保険契約の移転や契約条件の変更の手続が進みます。契約者は公告と通知を必ず保管し、異議申立ての起算日を確認してください。
Q3退職して何年経っても報告を求められますか?
条文に期間の定めはないため、退職から年数が経過していても請求されうるのが建前です。ただし聞かれる内容は在職期間内に知ることのできた事項に限定されます。
Q4保険管理人はどんな書類を検査できますか?
条文は「被管理会社の帳簿、書類その他の物件」と定めます。会計帳簿だけでなく稟議書、議事録、社内メール等の記録媒体も「その他の物件」に含まれると解する余地があります。
Q5保険管理人は取引銀行にも照会できますか?
247条の2第2項により、職務上必要があるときは官庁、公共団体その他の者に照会し協力を求められます。監査法人、取引銀行、システムベンダーも「その他の者」に含まれ得ます。
Q6保険管理人と破産管財人はどう違いますか?
保険管理人は内閣総理大臣の管理命令に基づき保険業法上選任され、契約者保護と業務継続を担います。破産管財人は裁判所が選任し財産の換価配当を担います。説明義務の構造は類似します。
Q7保険管理人の調査結果は役員の責任追及に使われますか?
使われ得ます。調査結果は247条の報告に結実し、旧経営陣に対する任務懈怠責任(会社法423条・429条)の追及の基礎資料となる場面があります。回答の記載は慎重にすべきです。
Q8報告を求められたら弁護士に相談すべきですか?
提出前の相談が有効です。刑事責任に及びうる領域では供述の順序と範囲の設計が結果を左右し、いったん提出した書面は回収できないためです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1もう辞めた会社なのに、報告を断ったらどうなるんですか?
247条の2第1項は退職者を明示的に対象へ含めているので、当然に断れるわけではない。条文の文面自体に制裁は書かれておらず、罰則の有無と内容は保険業法の罰則規定を確認する必要がある(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:実務で効いてくるのは罰則より、拒否したという事実そのものである。その姿勢は247条の報告を経て、後の役員責任追及訴訟の情状にまで残る。無言で断るのではなく、対象外を理由に一部を留保する形にする
Q2前職の秘密保持契約があるので答えられません、で通りますか?
通りにくい。247条の2第1項に基づく報告請求は法令上の根拠を持つ請求であり、これに応じることは秘密保持義務の例外にあたると解する余地が大きい。ただし請求範囲が在職中に知り得た事項を超える部分は、そもそも本条の射程外である。実務のポイント:転職先には、報告請求を受けた事実自体を先に自分から伝えておく。後から発覚すると、前職の問題があなたの現職での信用問題にすり替わる
Q3保険管理人って金融庁の職員なんですか?
違う。保険管理人は内閣総理大臣が選任する外部の者であり(244条)、実務では弁護士、公認会計士、保険業務に精通した者が選ばれる。2000年前後に生命保険会社の破綻が相次いだことを背景に、この管理制度は実際に運用されてきた。実務のポイント:管理人は行政機関そのものではないが、第2項によって官庁や公共団体に照会できる。行政の情報網に片足を置いた私人という、日本の法制度では珍しい立ち位置にある
間違えやすい点 AI による整理
- 「辞めた自分に義務があるのか」という問いの立て方がそもそも外れている。247条の2が区切っているのは在職か退職かではなく、在職中に知ることのできた事項かどうかである。退職の事実は免除事由ではなく、聞かれる内容の範囲を画する物差しでしかない
- 保険管理人に調査権があること自体は知られているが、その重さは第1項ではなく第2項にある。官庁、公共団体その他の者への照会は、あなたの説明と外部記録の突合を可能にする。記憶違いで語った一言が銀行の取引記録と食い違った瞬間、それは単なる誤りではなく隠蔽の疑いとして扱われる
- あなたから見れば善意の協力だが、保険管理人から見れば旧経営陣に対する責任追及(会社法423条、429条)の証拠収集の一環である。この落差を認識しないまま「詳しくは覚えていないが、たしか承認した記憶がある」と書くと、その一文が後に訴状へ引用される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 247条の2:保険管理人の調査権(報告請求・検査・外部照会) | 247条:調査結果を内閣総理大臣へ報告する義務 248条:調査を前提とする保険契約の移転等の手続 |
| 名宛人 | 現役の役員・使用人+これらの者であった者+官庁等の第三者 | 内閣総理大臣(報告の相手方) 移転先保険会社・保険契約者 |
| 個人に生じる負担 | 報告書の作成・資料提出・検査対応 | 直接の負担はないが、調査で述べた内容が報告に反映される 契約者としての異議申立て・意思表示の期限管理 |
| 時間軸上の位置 | 管理命令(242条)直後の情報収集局面 | 調査が一巡した後の報告局面 処理方針確定後の契約整理局面 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機關による監管・接管の処分と接管人の選任を定め、接管人が業務および財産の状況を調査する構造を採る。元役職員への射程の明文化の有無は要確認
韓国は金融機関一般について管理人制度を置き、破綻処理の局面で調査と資料徴求が行われる。保険固有の条文配置は日本と異なる
ドイツは監督官庁 BaFin が Sonderbeauftragter を選任し、経営機関の権限を代替させる設計。退職者への報告請求を条文で明示する構造は日本と異なる
米国は州保険長官が receiver となり、州裁判所の監督下で rehabilitation または liquidation を行う。情報収集は裁判所の令状手続と結びつく点が日本と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 三年前に退職した生命保険会社が業務停止命令を受け、保険管理人から「在職中の商品開発の経緯を二週間以内に書面で報告せよ」という封書が届いたら、あなたはどこから手を付けるか。対象は在職中に知ることのできた事項に限られるが、その線引きを最初に提示するのはあなたではなく相手側である。回答の範囲を自分で設計しないまま期日に追われると、聞かれていないことまで書き込んでしまう
- 現役の経理担当として、保険管理人から帳簿と関連書類の提示を求められた。上司は「本社の指示を待て」と言う。待っている間に、保険管理人は第2項で取引銀行に照会をかけている
- あなたが元役員で、在職中に無理な運用方針へ反対していた側だとする。調査は不利益にしか見えないが、実際は逆である。反対した事実を当時の記録とともに差し出せる場面は、この調査が最初で最後に近い。責任追及訴訟が始まってから同じ資料を出しても、後付けの弁解として扱われる
- 保険契約者として、自分の個人年金保険がどうなるのか説明を求めても会社は答えない。あなたが直接この条文を使うことはできないが、保険管理人が集めた事実は247条の報告を通じて内閣総理大臣に上がり、保険契約の移転(248条)や契約条件の変更の前提になる。あなたの受取額は、この調査の精度の上に乗っている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険管理人が選任されたら、会社の営業窓口ではなく管理人の設置した窓口へ契約内容の照会を出す2. 契約の行方は247条の2の調査を経た247条の報告、さらに248条の保険契約の移転手続で決まるので、公告と通知を一通も捨てない3. 契約条件の変更や移転先に不服がある場合、異議申立ての期間は公告に明記される。起算日を最初に確認する4. 販売時の説明自体に虚偽があったなら、破綻処理とは別軌道で募集人と会社の責任を追及する余地が残る
訴えられた側:1. 求められている事項が在職中に知ることのできた範囲かをまず確認し、範囲外は範囲外と明記して切り分ける2. 記憶だけで答えず、手元資料に基づく部分と記憶に頼る部分を書き分ける。曖昧な断定が後で最も高くつく3. 刑事責任に及びうる論点は回答前に弁護士へ相談する4. 在職中に反対や警告をしていた記録があるなら、最初の報告に添えて出す
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。退職から何年経っていても報告を求められうる一方、対象は在職中に知ることのできた事項に限られる。個別の提出期限は保険管理人が指定する。調査の先にある旧経営陣への責任追及(会社法423条、429条)には債権の消滅時効(民法166条1項、権利を行使できることを知った時から5年、または行使できる時から10年)が働く
改正沿革 AI による整理
- 会社法制定に伴う整備後の文言(年次は要検証) 現行条文に「執行役」「会計参与」が列挙されていることから、少なくとも会社法制定に伴う法整備(平成17年公布、平成18年施行)の段階で対象者の範囲が現在の形へ揃えられたと読める。新設時期と改正回数は官報およびe-Govでの確認が必要
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