保険業法 第265条の16(役員の欠格事由)
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
- 一機構が第二百六十五条の四十七の規定により設立の認可を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその役員であった者で、その取消しの日から起算して五年を経過していないもの
- 二心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令・財務省令で定める者又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 三拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過していない者
- 四この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過していない者
この条文の基本情報
役員の欠格事由とは何ですか?
定義役員の欠格事由とは、保険業法第265条の16に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第265条の16(役員の欠格事由)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第265条の16の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。」で始まります。
- 保険業法第265条の16は第四目に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第265条の16の前の条は保険業法第265条の15です。
- 保険業法第265条の16の次の条は保険業法第265条の17です。
- 保険業法第265条の16には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第265条の16 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第265条の16(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/265_16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法265条の16は、保険契約者保護機構の役員の欠格事由を四号に分けて定める。拘禁刑以上の刑は法律を問わず執行終了から5年、罰金刑は保険業法違反に限り5年である。
Q · 昔に罰金を払ったことがあると、保険契約者保護機構の役員にはなれないんですか?
保険業法違反の罰金なら5年間なれません
保険業法265条の16第4号が欠格とするのは「この法律の規定により」科された罰金、つまり保険業法違反による罰金刑に限られます。執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過するまで役員になれません。他の法律違反による罰金は4号の対象外です。ただし同条3号は拘禁刑以上の刑について法律を問わず5年の欠格期間を定めるため、刑の種類・根拠となった法律・執行終了からの年数という三点で判断する必要があります。
解説
保険会社が潰れたとき、あなたの生命保険を最後に受け止めるのが保険契約者保護機構である。その役員席の手前には四本の関門が立っている。認可を取り消された機構の元役員(取消しの日から5年)、心身の故障のため職務を適正に執行できない者として内閣府令・財務省令が定める者または復権していない破産者、拘禁刑以上の刑を受けて5年を経過しない者、そして保険業法違反で罰金刑を受けて5年を経過しない者。読み飛ばされるのは三号と四号の落差だ。拘禁刑以上ならどの法律の違反でも門は閉じるが、罰金刑は「この法律の規定により」、つまり保険業法違反のときだけ効く。過失運転致傷で罰金50万円を納めた人は役員になれるが、保険業法違反で罰金を科された人は5年間なれない。金額ではなく、刑の種類と根拠法と日付が結論を決める。
法的な位置づけ
保険業法265条の16は、保険契約者保護機構の役員の欠格事由を定める規定である。対象は、機構の設立認可が取り消された場合に取消しの日前30日以内に役員であった者で取消しから5年を経過しない者、内閣府令・財務省令が定める心身の故障のため職務を適正に執行することができない者または復権を得ない破産者、拘禁刑以上の刑の執行終了等から5年を経過しない者、同法の規定により罰金の刑を受け執行終了等から5年を経過しない者の四類型である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.刑の種類と根拠法を特定する 前科がある場合、まず刑の種類(拘禁刑以上か罰金か)と根拠となった法律を特定する。拘禁刑以上なら3号により法律を問わず対象、罰金なら4号の「この法律の規定により」つまり保険業法違反に限られる。他の法律による罰金であれば4号は作動しない
- 2.起算日を書面で確定する 5年の起算点は判決確定日ではなく、刑の執行を終わった日または執行を受けることがなくなった日である。罰金であれば納付完了日、分割納付なら最終納付日、労役場留置となった場合は留置終了日となる。記憶ではなく納付済証明等の書面で押さえる
- 3.5年の経過を日付で計算する 条文は「日から起算して五年」と定めるため、起算日そのものを1日目として算入して計算する。満了日を年月日で言い切れる状態にし、就任予定日と突き合わせる。1号は設立の認可の取消しの日が起算日となる
- 4.2号該当性を府令ベースで確認する 破産者であれば官報と免責許可決定で復権の有無を裏取りする。心身の故障については、後見開始の審判の有無ではなく、内閣府令・財務省令が定める要件に該当するかを確認する。2019年の整備法により成年被後見人等の一律欠格は撤廃されている
- 5.就任日の調整または開示を行う 欠格期間の満了が就任予定日より後になる場合、就任日をずらす交渉に切り替える。最初の面談段階で執行終了日を自ら開示すれば事務調整の話で済むが、後から発覚すると選任のやり直しと信用毀損に発展する
よくある質問 AI による整理
Q1役員の欠格事由とは何ですか?
法律が定める一定の事情に該当する者を、そもそも役員に就任できなくする仕組みです。保険業法265条の16では、認可取消し・心身の故障と破産・拘禁刑以上・同法違反の罰金の四類型が定められています。
Q2保険契約者保護機構とは何ですか?
保険会社が破綻したときに資金援助や保険契約の引受けを行い、契約者を保護する法人です。生命保険と損害保険それぞれに設けられ、破綻処理の最後の受け皿として機能します。
Q3破産すると機構の役員になれませんか?
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない間は2号により欠格です。免責許可決定の確定などで復権すれば欠格は外れ、3号・4号と違って年数による待機期間はありません。
Q4機構の認可が取り消されたら元役員はどうなりますか?
取消しの日前30日以内に役員であった者は、取消しの日から起算して5年間、役員になれません(1号)。取消し直前に辞任しても30日以内であれば対象に含まれます。
Q5欠格事由に該当したまま就任したらどうなりますか?
選任そのものの効力が問題となります。一方で、機構が既に行った業務行為の効力は選任の瑕疵とは分けて論じられる領域で、実務上は当局への確認を先に置くのが通例です。
Q6在任中に欠格事由に該当したらどうなりますか?
欠格事由は就任時だけでなく在任中の資格要件でもあると解され、該当した時点で役員の地位を失うと扱われるのが一般的です。具体的処理は機構の定款・規程と当局の判断によります。
Q7拘禁刑以上の刑とは何ですか?
拘禁刑と死刑を指します。懲役と禁錮を一本化した拘禁刑は、刑法改正に伴い2025年6月1日から施行され、本条3号の文言も「禁錮以上」から「拘禁刑以上」に改められました。
Q8「内閣府令・財務省令で定める者」はどこで確認できますか?
保険業法本体ではなく、内閣府と財務省の共同命令の側に定めがあります。2号の実質判断は命令に委ねられているため、法律の条文だけを読んでも該当性は判断できません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1昔、交通事故で罰金を払ったことがあるんですが、それでも役員にはなれないんですか?
なれます。4号の罰金は「この法律の規定により」、つまり保険業法違反で科されたものに限られ、他の法律による罰金は対象外です。ただし3号の拘禁刑以上は法律を問わず5年の壁がかかります。実務のポイント:5年の起算点は判決確定日ではなく、罰金を実際に納め終えた日です。分割納付や労役場留置が挟まると、体感より半年から1年後ろにずれることがある。就任日から逆算する人は、納付完了日を書面で押さえる
Q2執行猶予中でも役員にはなれますよね?
なれません。3号は「その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日」から5年と定めており、猶予期間中はその起算点に到達していないためです。期間が満了すれば刑法27条により刑の言渡しが効力を失い、欠格から外れると解されています。実務のポイント:会社法331条1項3号は他法令違反の場合に「刑の執行猶予中の者を除く」と明文で除外している。同じ執行猶予中でも株式会社の取締役にはなれて機構の役員にはなれない。欠格条項は法律ごとに設計が違う
Q3成年後見を受けたら、もう役員は続けられないんですよね?
2019年の法改正でその一律欠格は撤廃されました。現行の2号は「心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令・財務省令で定める者」であり、後見開始の審判を受けたこと自体が引き金ではなく、個別に職務遂行能力が判断されます。実務のポイント:この改正は保険業法だけの話ではなく、180本以上の法律の欠格条項を一括で書き換えた整備法によるもの。社内規程や役員就任承諾書のひな型は今も「成年被後見人」と書いたまま残っていることが多く、それを理由に断られたら現行条文を出せば覆せる
間違えやすい点 AI による整理
- 「前科があるから役員は無理ですよね」という問いの立て方そのものが間違っている。265条の16が見ているのは前科の有無ではなく、刑の種類(拘禁刑以上か罰金か)、根拠法(保険業法か他法か)、執行終了からの経過年数の三点セットである。20年前の拘禁刑は欠格にならず、3年前の保険業法違反の罰金は欠格になる
- 執行猶予がついたから実刑ではない、だから欠格でもないと考える人は多い。3号は「その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日」から5年と定めるため、猶予期間中はその起算点にすら到達しておらず、欠格に当たる。会社法331条1項3号が他法令違反について「刑の執行猶予中の者を除く」と明文で外しているのとは設計が違う。他の制度での経験をそのまま横流しすると足をすくわれる
- 「内閣府令・財務省令で定める者」という一行を、多くの人は装飾のように読み飛ばす。だが2号の実質判断はまるごとそこに委ねられており、法律本体を何度読んでも自分が該当するかは出てこない。答えは共同命令の側にある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 拘禁刑以上の刑の扱い | 保険業法265条の16第3号:法律を問わず、執行終了等から5年を経過するまで欠格 | 会社法331条1項3号:他法令違反の場合は刑の執行猶予中の者を明文で除外 保険業法265条の16第2号:期間の定めなし、状態が続く限り欠格が継続 |
| 罰金刑の扱い | 第4号:保険業法違反による罰金のみ対象、執行終了等から5年 | 会社法331条1項3号:会社法等の特定法令違反の罰金は対象、一般法令違反の罰金は対象外 第2号:刑罰とは無関係、破産・心身の故障が判断軸 |
| 執行猶予中の扱い | 第3号:起算点に未到達のため欠格。猶予期間満了で刑の言渡しが失効し欠格から外れると解される | 会社法331条1項3号:他法令違反については執行猶予中の者を除外し、就任可能 — |
| 起算点 | 刑の執行を終わった日または執行を受けることがなくなった日(1号は認可取消しの日) | 同じく執行終了日または執行を受けることがなくなった日 破産は復権時まで、心身の故障は府令該当状態が続く限り |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険契約者保護のための基金を法定し、その負責人について犯罪前科等の消極資格を置く。ただし年数要件の刻み方は日本と異なり、細目は主管機関の準則側に置かれている
韓国では保険契約者の保護も預金保険公社の枠組みに統合されており、その임원(役員)の결격사유が同法に定められる。破綻処理機関の役員適格性を法定する点で構造は日本と共通する
ドイツは生命保険等の Sicherungsfonds を VAG で定め、経営陣については Zuverlässigkeit(信頼性)と fachliche Eignung(専門適性)による監督当局の個別審査方式を採る。日本のような年数区切りの一律欠格列挙とは設計思想が異なる
米国は州ごとの Guaranty Association が破綻保険会社の契約を引き受ける。役員資格は州保険法および Association 定款で定められ、連邦統一の欠格条項はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし理事候補として名前が挙がった日に、5年近く前の略式命令を思い出したとしたら? 保険業法違反の罰金、納付を終えたのは4年8か月前。あと4か月で4号の欠格は外れる。就任予定日を後ろにずらす交渉を今日始めるか、黙って就任して後から選任をやり直すか、分岐はこの一週間にある
- 認可取消しの気配を察して先に辞表を出した元役員がいる。だが1号は取消しの日前30日以内に役員だった者を捕まえる。逃げ足の速さは救済にならない
- 認知症の初期診断を受けた70代の理事。2019年より前なら成年後見の開始と同時に席を失ったが、今の2号が見るのは審判の有無ではなく、内閣府令・財務省令が定める「心身の故障のため職務を適正に執行することができない者」に当たるかどうか。診断書一枚で自動的に失格になる構造ではなくなっている
- 破綻した保険会社の契約移転が進む最中に、機構の理事の一人に欠格事由が判明した。あなたの契約はどうなるのか。欠格該当は選任の効力を揺らすが、機構が既に行った業務行為の効力とは分けて論じられる。この処理は実務上、解釈が分かれる領域であり、当局への確認を先に置くのが通例である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 刑の種類と根拠法を特定する。拘禁刑以上なら全法令が対象、罰金なら保険業法違反に限られる(3号・4号) 2. 執行を終わった日または執行を受けることがなくなった日を書面で確認し、5年の経過を日付で計算する3. 破産者なら復権の有無を官報と免責許可決定で裏取りする4. 欠格該当が固まったら、選任の効力の問題と、機構が既に行った業務行為の効力の問題を分けて扱う。後者は解釈が分かれるため当局への相談を先に置く
訴えられた側:1. 記憶ではなく書面で確認する。起算点は判決確定日ではなく、刑の執行を終わった日、罰金なら納付完了日である2. 他法の罰金であれば4号は作動しない、必ず根拠法を見る3. 執行猶予中なら現時点では欠格に当たるため、猶予期間の満了日を計算し、就任時期を後ろにずらす交渉へ切り替える4. 心身の故障を理由に就任を断られたら、後見開始の審判の有無ではなく、内閣府令・財務省令の定めに該当するかを根拠として尋ねる
時効(請求できる期限):1号・3号・4号はいずれも5年。起算点は、1号が設立の認可の取消しの日、3号・4号が刑の執行を終わった日または執行を受けることがなくなった日(罰金は納付完了日、未納で労役場留置となった場合は留置終了日)。2号に期間の定めはなく、破産者は復権まで、心身の故障は内閣府令・財務省令の定めに該当する状態が続く限り欠格が継続する
学説
通説:欠格事由は就任時の要件にとどまらず在任中の資格要件でもあると解され、在任中に該当した場合はその時点で役員の地位を失うと扱われる。一方で、機構が既に行った業務行為の効力は選任の瑕疵とは切り分けて論じられる
通説:第3号の執行猶予中の者は「執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日」に未到達であるため欠格に当たり、猶予期間が満了して刑法27条により刑の言渡しが効力を失った時点で欠格から外れると解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成10年(1998年) 金融システム改革に伴う保険業法改正で保険契約者保護機構の制度が創設され、その役員の欠格事由として新設された。同年12月に生命保険契約者保護機構および損害保険契約者保護機構が設立されている
- 令和元年(2019年) 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律により改正。成年被後見人・被保佐人を一律に欠格とする定めを削除し、「心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令・財務省令で定める者」へ置き換え、個別判断方式に転換した
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役・禁錮を拘禁刑へ統合する刑法改正に伴い、3号の「禁錮以上の刑」が「拘禁刑以上の刑」へ改められた
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:金融システム改革に伴う保険業法改正により保険契約者保護機構の制度が創設され、その役員の欠格事由として本条が設けられた。同年12月に生命保険契約者保護機構および損害保険契約者保護機構が設立されている
- 2.令和元年(2019年) 改正:成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律により、成年被後見人・被保佐人を一律に欠格とする定めが削除され、「心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令・財務省令で定める者」という個別判断方式へ転換された
- 3.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:懲役・禁錮を拘禁刑へ統合する刑法改正に伴い、第3号の「禁錮以上の刑」が「拘禁刑以上の刑」へ改められた
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