保険業法 第265条の21(役員等の秘密保持義務等)
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機構の役員(第二百六十五条の十三第一項の役員をいう。以下同じ。)若しくは職員、委員会の委員、審査会の委員又はこれらの職にあった者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
この条文の基本情報
役員等の秘密保持義務等とは何ですか?
定義役員等の秘密保持義務等とは、保険業法第265条の21に定められた規定で、「機構の役員(第二百六十五条の十三第一項の役員をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第265条の21(役員等の秘密保持義務等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第265条の21の条文原文は「機構の役員(第二百六十五条の十三第一項の役員をいう。」で始まります。
- 保険業法第265条の21は第四目に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第265条の21の前の条は保険業法第265条の20です。
- 保険業法第265条の21の次の条は保険業法第265条の21の2です。
- 保険業法第265条の21には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第265条の21 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第265条の21(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/265_21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法265条の21は、保険契約者保護機構の役員・職員・委員及び退職者に対し、職務上知り得た秘密の漏示と盗用を禁じる。誰にも話さず私的に利用するだけでも違反となる。
Q · 保険会社が破綻したとき、私の告知書や病歴を見た人には何の義務がありますか?
退職後も続く守秘義務。話さず私的利用でも違反です。
保険業法265条の21により、保険契約者保護機構の役員・職員、委員会の委員、審査会の委員、及びこれらの職にあった者は、職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはなりません。禁止されるのは他人に告げる「漏示」だけでなく、誰にも話さず自分の判断材料や商売に用いる「盗用」も含まれます。義務主体に「これらの職にあった者」が明記されているため、機構を離れた後の講演や雑談も対象となります。違反には保険業法の罰則章に基づく刑事罰が予定されています(適用条文と法定刑は最新の改正状況をご確認ください)。
解説
保険会社が破綻した日、あなたの契約はあなたの同意なしに別の器へ移される。その作業を担うのが保険契約者保護機構であり、過程で機構の役員・職員は、あなたが契約時に書いた告知書、持病、年収、受取人の名前まで見ることになる。あなたが差し出したのは保険会社に対してであって、機構に差し出した覚えはない。その落差を埋めているのが本条である。注目すべきは禁止行為が二つ並んでいる点だ。「漏らし」だけでなく「盗用」も禁じる。誰にも話さず自分の商売に使うだけでも違反になる。しかも義務の主体に「これらの職にあった者」が含まれる。辞めたら自由、ではない。機構を離れて十年後の講演でも、期限は切れていない。
法的な位置づけ
保険業法265条の21は、保険契約者保護機構の役員、職員、委員会の委員、審査会の委員及びこれらの職にあった者を義務主体とし、職務に関して知り得た秘密の漏示と盗用を禁止する規定である。破綻処理に伴い契約者の同意を経ずに集約される契約情報について、情報の流れ自体ではなく、情報に触れる者の側を規律する構造を採る。
手順
- 1.情報が通った経路を紙に書き出す 漏れたと疑う情報の中身と、それを知り得た者の範囲を時系列で書き出す。破綻会社、保険契約者保護機構、引受先候補、代理店のどこを経由したかで責任主体と適用条文が変わるため、この切り分けを最初に行う
- 2.機構の役職員・元役職員に絞れるか確認する 情報源が機構の役員・職員、委員会や審査会の委員、またはこれらの職にあった者に絞れるかを確認する。絞れる場合に初めて保険業法265条の21の射程に入る。発言の日時、内容、聞いた人の証言を証拠化する
- 3.金融庁への情報提供を先に置く 機構へ直接抗議する前に、監督官庁である金融庁への情報提供を先行させる。監督ラインが動いた後の申し入れは、文面が同じでも内部調査の速度と記録の残り方が変わる
- 4.民事請求を刑事と並行して進める 損害賠償は民法709条、精神的損害は同710条で構成する。刑事の結論を待たずに並行して進める。消滅時効は損害及び加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)で、相手が退職した時期とは連動しない
よくある質問 AI による整理
Q1保険契約者保護機構とは何ですか?
保険会社が破綻したとき、契約の移転や資金援助により契約者を保護する法人です。生命保険と損害保険で別組織が置かれ、その役職員には保険業法265条の21の守秘義務がかかります。
Q2「盗用」とはどういう行為ですか?
職務で知った秘密を、他人に告げずに自分の目的へ用いる行為です。取引判断や自社の営業に使えば、聞き手が一人もいなくても本条違反となり得ます。
Q3機構の委員会や審査会の委員も対象ですか?
対象です。条文は役員・職員に加えて委員会の委員と審査会の委員を明記しています。常勤か非常勤か、外部有識者かは問われません。
Q4守秘義務違反の罰則はありますか?
保険業法の罰則章に刑事罰が置かれています。適用条文と法定刑は改正により変動するため、最新の条文をご確認ください。民事の損害賠償請求とは別軌道です。
Q5公務員の守秘義務と何が違いますか?
国家公務員法100条は公務員一般を対象としますが、本条は保険契約者保護機構の関係者に限定し、「漏らし」に加えて「盗用」も並列で禁じている点が特徴です。
Q6機構に自分の情報の開示を求められますか?
本条は職員があなたに語らない根拠として働くため、本条を理由にした開示は期待できません。個人情報の保護に関する法律の開示請求という別の入口から進める必要があります。
Q7生命保険と損害保険で保護機構は違いますか?
生命保険契約者保護機構と損害保険契約者保護機構は別組織です。ただし保険業法265条の21の守秘義務は、いずれの機構の役職員・委員にも同じように適用されます。
Q8守秘義務はいつまで続きますか?
終期の定めはありません。条文が「これらの職にあった者」を義務主体に含めているため、退職から何年経っても、漏らした時点で違反が成立します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が潰れたら、私の病歴とかも全部その機構に渡るんですか?
契約の移転や引受けの検討に必要な範囲で、契約内容や告知情報が機構側で扱われます(保険業法265条の42ほか、現行の条番号は要確認)。扱う者には本条の義務がかかり、役員・職員のほか委員会と審査会の委員、退職者まで含まれます。実務のポイント:情報に触れる人数が最も増えるのは破綻直後ではなく、引受け先を探す打診の段階です。この時期の資料の匿名化水準を先に確認しておくと、後から経路を追える
Q2機構を辞めた人が、セミナーで昔の破綻案件の話をしてるんですが、あれって大丈夫なんですか?
条文は「これらの職にあった者」を義務の主体に明記しており、退職で義務は消えません(保険業法265条の21)。社名を伏せても、聞き手が対象を特定できる程度に具体的であれば「漏らし」に当たり得ます。実務のポイント:この種の講演は主催者が録音や書き起こしを残していることが多い。問題にする側から見れば最も強い証拠であり、話す側から見れば最も危ない記録です
Q3漏らした職員を、私が直接訴えることはできますか?
刑事罰を科すのは国であり、あなたが科すことはできません。あなたが取れるのは民事の損害賠償請求(民法709条、710条)と、監督官庁への情報提供です。実務のポイント:刑事の告発と民事請求は別軌道で走ります。刑事が不起訴でも民事は成立し得るので、刑事の結論を待って民事を止めるのは戦略として損になることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「誰に話したらアウトか」と考えるのは、問いの立て方そのものが誤っている。条文は「漏らし、又は盗用してはならない」と二つの行為を並列させた。聞き手が一人もいなくても、職務で知った情報を自分の判断材料や商売に使えばそれが「盗用」である。問うべきは相手ではなく、情報を職務外の目的へ動かしたかどうか
- 退職後も義務が続くことは、関係者の多くが知っている。知られていないのは、終期がないことの実務的な意味だ。刑事の時効は在職期間ではなく行為の時点から起算されるため、退職から何年経っていても、漏らした瞬間に時計が動き出す。「もう昔の話だから」という感覚こそが、最も危ない
- 契約者の側から見れば、機構が握っているのは「自分の情報」である。だから頼めば見せてもらえるはずだと考える。ところが法律の側から見れば、それは「職務に関して知り得た秘密」であり、本条はむしろ職員があなたに語らない根拠として働く。開示を求めるなら個人情報の保護に関する法律の開示請求という別の入口が要る。この入口の違いを知らない人は、窓口で断られた時点で諦める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務を負う人 | 保険業法265条の21:保護機構の役員・職員・委員会委員・審査会委員及び退職者 | 刑法134条:医師・薬剤師・弁護士等の法定列挙職 国家公務員法100条:国家公務員及び退職者 |
| 禁止される行為 | 漏示に加えて「盗用」も並列で禁止 | 正当な理由なく秘密を漏らす行為 職務上知ることのできた秘密の漏示 |
| 退職後の扱い | 「これらの職にあった者」を明記、終期の定めなし | 資格喪失後も対象となり得る 「その職を退いた後」も明記 |
| 秘密が発生する場面 | 破綻処理に伴う契約情報の集約・移転 | 専門職としての業務遂行 公務の遂行 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も破綻保険会社の処理を担う基金を置くが、守密義務を機構関係者向けに独立条文として並べる構造かは要確認。日本の「盗用」型の並列禁止に相当する明文があるかは検証が必要
韓国は保険契約者保護を預金保険公社の枠組みに統合し、임직원의 비밀유지의무を置く。機構を別法人として分離する日本とは制度設計が異なる
ドイツは生命保険・健康保険について Sicherungsfonds を置き、監督関係者の Verschwiegenheitspflicht(§ 84 VAG)と組み合わせる。単一条文で機構関係者を包括する日本型とは条文配置が異なる
米国は州ごとの guaranty association が破綻処理を担い、confidentiality 条項は州法・モデル法の中に置かれる。連邦単一法ではないため州により射程が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約していた生命保険会社が更生手続に入ったと報じられたら、あなたの告知書はどこへ行く? 破綻会社から機構へ、機構から引受先候補へと資料は動く。動かす人間の数だけ、あなたの病歴を見る目が増える。本条は、その全員に同じ一本の線を引いている
- 機構の審査会の委員として、公表予定の資金援助案件の資料を読んだ。親族が当該保険会社と取引を持っている。公表まであと6日。ここで「あの契約は見直したほうがいい」と一言伝えた瞬間、それは助言ではなく漏示である。上場会社なら金融商品取引法のインサイダー規制も重なるが、重ならなくても本条だけで責任の土俵に乗る
- 元機構職員が、業界セミナーで社名を伏せて破綻案件の内幕を語る。聴衆は喜ぶ。だが「職にあった者」に終期はない。
- 保険代理店として破綻会社の契約者名簿を機構の担当者へ引き渡した。数か月後、まったく無関係な事業者から契約者に営業電話が来ていると苦情が入る。経路を特定する最初の問いは「誰がその名簿を保有していたか」である。機構側に行き着くなら、本条違反の疑いとして監督官庁へ情報提供する道が開く
- 離婚調停の相手方が、あなたの保険の受取人変更履歴を知っていた。情報源が破綻処理の過程にいた知人だったとすれば、それは酒席の雑談ではなく、刑事罰の対象となり得る行為である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏れたと疑う情報の中身と、それを知り得た者の範囲を紙に書き出す。破綻会社、機構、引受先候補、代理店のどこを経由したかで責任主体が変わる2. 機構の役職員または元役職員に絞れるなら、日時・発言内容・聞いた人の証言を証拠化する3. 金融庁への情報提供と機構への申し入れを同時に置き、時系列を記録する4. 民事の賠償は民法709条、精神的損害は同710条で構成する。刑事の結論を待たずに並行して進める
訴えられた側:1. 話した内容が「職務に関して知り得た」ものか、公表済み情報や職務外で得た情報かを切り分ける。この切り分けが防御の中心になる2. 社名を伏せて語った場合でも、聞き手が対象を特定できたかが争点になるため、講演資料・配布物・録音を先に確保する3. 「盗用」を疑われたなら、その判断材料を別の情報源から得ていた事実を時系列で示す4. 退職済みでも義務は継続するため、時効を前提にした対応は取らない
時効(請求できる期限):本条違反に対する刑事罰は保険業法の罰則章に置かれており、公訴時効は法定刑に応じて決まる(適用条文と法定刑は最新の改正状況をご確認ください)。民事の損害賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。起算点は漏洩を知った時点であり、その者が退職した時期とは連動しない
改正沿革 AI による整理
- 平成10年(1998年)保険業法改正 保険契約者保護機構の制度が創設され、機構の役員・職員および委員会・審査会の委員、退職者に対する秘密保持義務が置かれた。ただし本条の条番号の変遷および令和期の罰則整備(拘禁刑への統合を含む)による影響は未検証であり、人的確認を要する
- 保険業法 第265条の13本条の「役員」の定義規定
- 保険業法 第259条機構の目的、守秘義務の趣旨的前提(現行効力を要確認)
- 保険業法 第265条の28機構の業務、職務上の秘密の発生源(現行効力を要確認)
- 保険業法 第265条の42保険契約の引受けに伴う契約情報の移転(現行効力を要確認)
- 刑法 第134条私人の守秘義務違反を処罰する一般類型との対比
- 国家公務員法 第100条公務員の守秘義務との義務水準の対比
- 個人情報の保護に関する法律 第23条個人データの安全管理措置(現行効力を要確認)
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