保険業法 第269条(保険契約の移転等における適格性の認定の特例)
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- 内閣総理大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、第二百五十六条第一項の勧告に、前条第一項の規定にかかわらず、第二百六十六条第一項の申込みを行うことができる旨を付記することができる。
- 一第二百五十六条第一項の勧告に係る破綻保険会社の業務の全部の廃止又は解散が前条第三項第三号に掲げる要件に該当すること。
- 二加入機構による資金援助が行われることが当該勧告に係る保険契約の移転等を行うために不可欠なものであること。
- 2.前条第四項及び第五項の規定は、前項の付記をした場合について準用する。
この条文の基本情報
保険契約の移転等における適格性の認定の特例とは何ですか?
定義保険契約の移転等における適格性の認定の特例とは、保険業法第269条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、第二百五十六条第一項の勧告に、前条第一項の規定にかかわらず、第二百六十六条第一項の申込みを行うことが…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第269条(保険契約の移転等における適格性の認定の特例)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第269条の条文原文は「内閣総理大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、第二百五十六条第一項の勧告に、前条第一項の規定にかかわらず、第二百六十六条第一項の申込みを行うことが…」で始まります。
- 保険業法第269条は第一目に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第269条の前の条は保険業法第268条です。
- 保険業法第269条の次の条は保険業法第270条です。
- 保険業法第269条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第269条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第269条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/269
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法269条は、内閣総理大臣が破綻保険会社の移転等の勧告に、268条の適格性の認定を経ずに保険契約者保護機構へ資金援助を申し込める旨を付記できると定める規定である。
Q · 保険会社が破綻したとき、救済先の審査を飛ばして資金援助へ進める仕組みがあるって本当?
認定を飛ばして資金援助へ直行できる、緊急時の特例です
保険業法269条は、通常必要となる268条の適格性の認定を経ずに、内閣総理大臣が256条1項の勧告に「266条1項の資金援助の申込みを行うことができる」旨を付記できると定めます。条件は二つで、破綻保険会社の業務全部の廃止または解散が268条3項3号の要件に該当すること、そして加入機構の資金援助が保険契約の移転等に不可欠であることです。付記が出れば救済保険会社は申請と審査の往復を省け、契約移転の成立可能性が高まります。
解説
保険会社が破綻したとき、契約者にとって最大の敵は他社でも金融庁でもなく、時間である。解約の殺到が止まらないうちに、契約をまるごと引き受ける救済保険会社を見つけ、保険契約者保護機構の資金援助を確定させなければならない。通常ルートでは、救済保険会社と破綻保険会社が共同で内閣総理大臣に適格性の認定を申請し(268条)、その認定を土台にして機構へ資金援助を申し込む(266条1項)。269条は、この順番を折りたたむ。内閣総理大臣が256条1項の勧告を出すその場で、勧告書に「資金援助の申込みを行ってよい」と付記できるのだ。条件は二つだけ。破綻保険会社の業務全部の廃止または解散が268条3項3号の要件に当たること、そして機構の資金援助がなければ契約移転が成立しないこと。あなたの契約が別会社で生き延びるか、それとも削られた条件で機構に引き取られるかは、この一行が出るまでの日数に左右される。
法的な位置づけ
保険業法269条は、適格性の認定の特例を定める規定である。内閣総理大臣は、破綻保険会社の業務全部の廃止または解散が268条3項3号の要件に該当し、かつ加入機構の資金援助が保険契約の移転等に不可欠である場合に限り、256条1項の勧告に266条1項の申込みを行うことができる旨を付記することができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.責任準備金ベースの数字を手元に揃える 保険証券と直近の契約内容通知を集め、保険金額ではなく責任準備金の額を確認する。補償の土台はここに置かれているため、保険金額から割合を計算していると移転後の通知で数字が食い違う
- 2.勧告と付記の有無を一次情報で定点観測する 金融庁の公表資料と保険契約者保護機構の発表を継続的に確認し、256条1項の勧告が出た日、269条の付記が付された日、266条1項の資金援助の申込みが行われた日を記録する
- 3.移転先の発表が出るまで解約判断を保留する 業務停止中および移転先未定の段階での解約は、早期解約控除と補償の目減りを同時に受けやすい。付記の有無と救済保険会社の発表を待ってから、解約と移転受入れを比較する
- 4.破綻会社に紐づく他の契約を洗い出す 団体信用生命保険、企業年金、団体保険など、破綻会社が引き受けている別契約を一覧化する。住宅ローンの完済保障や退職給付の前提が同じ破綻処理の下流にあるため、代替手段を先に確認する
- 5.救済側・破綻会社側は要件該当性の疎明資料を固める 救済保険会社側は資金援助が移転に不可欠であることを示す責任準備金の不足額と移転後の収支見通しを、破綻会社側は業務全部の廃止または解散が268条3項3号に該当することの基礎資料を整備する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法269条とは何ですか?
破綻保険会社の処理で、内閣総理大臣が256条1項の勧告に「資金援助の申込みを行ってよい」と付記できる特例です。268条の適格性の認定を経る必要がなくなります。
Q2保険会社が破綻したら契約はどうなりますか?
救済保険会社への包括移転(135条)か、保険契約者保護機構による引受けで存続するのが原則です。契約が消滅するのではなく、補償の内容や予定利率が見直される形になります。
Q3保険契約者保護機構とは何ですか?
破綻保険会社の契約者を保護するため、救済保険会社へ資金援助を行い、救済先が現れない場合には自ら契約を引き受ける法人です。生命保険と損害保険で別々に設けられています。
Q4適格性の認定とは何ですか?
救済保険会社と破綻保険会社が共同で申請し、内閣総理大臣が移転等の適格性を認定する手続です(268条)。269条の付記があると、この認定を経ずに資金援助へ進めます。
Q5救済保険会社はどうやって決まりますか?
法律上の指名制度はなく、実際には当局と機構の調整のもとで引受けに応じる保険会社が現れるかどうかで決まります。資金援助の見込みが立つ速度が引受け判断を左右します。
Q6破綻した後に解約はできますか?
業務停止命令が出ると解約手続も原則として止まります。再開後も早期解約控除と補償の目減りが重なりやすく、移転先の発表前に動くのは不利になりがちです。
Q7損害保険も90パーセント補償ですか?
生命保険の責任準備金90パーセントとは枠組みが異なり、損害保険は保険種目や破綻後の経過期間で扱いが変わります。最新の制度内容は機構の公表資料でご確認ください。
Q8付記があったかどうかはどこで分かりますか?
金融庁の処分・公表資料と保険契約者保護機構の発表が一次情報です。報道の論調ではなく、勧告・付記・資金援助の申込みという語の有無で局面を読みます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が潰れたら、今まで払ってきた分はゼロになるんですか?
ゼロにはならない。契約は救済保険会社への包括移転(保険業法135条)または機構による引受けで存続するのが原則である。ただし生命保険では責任準備金の原則90%までの補償にとどまり、予定利率の引下げが伴えば将来の受取額はさらに減る(補償割合の細目は最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:契約者が最初に見るべきは保険金額ではなく責任準備金の額である。補償の土台はそこに置かれており、保険金額から90%を計算して安心している人ほど、移転後の通知で数字を見て驚くことになる
Q2この付記があるかどうかで、契約者にとって何が変わるんですか?
変わるのは手続の速度であり、速度が結果を変える。付記があれば救済保険会社側は268条の認定申請を経ずに266条1項の資金援助の申込みへ進めるため、契約移転の成立可能性が上がり、契約が丸ごと生き残る道に乗りやすくなる。実務のポイント:付記の要件には資金援助が移転に不可欠であることが含まれる。つまり付記が公になった案件は、当局が既に自力再建を諦め救済先前提で動いていることの公的なシグナルである。報道の論調ではなく、この一行の有無で局面を読む
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社が潰れたら保険金は全額もらえるのか」という問いの立て方自体がずれている。勝負が付くのは全額か否かではなく、契約が救済保険会社へ包括移転して存続する経路(保険業法135条)に乗るのか、機構が引き受ける経路になるのかという分岐であり、269条の付記はその分岐の速度そのものを操作している
- 生命保険契約者保護機構が責任準備金の90%を補償することを知っている人は多い。だが90%が「保険金額の90%」ではないこと、さらに移転に際して予定利率が引き下げられれば将来の受取額や解約返戻金はそこからさらに目減りすることまで把握している人は少ない。知っている事実の深刻度を、多くの人は二段階見誤っている(補償割合や対象の細目は最新の改正状況をご確認ください)
- あなたから見れば269条は役所の内部手続の話に見える。法律の側から見ると、これは契約者の財産権を再編する手続の起点を、申請主義から職権主義へ切り替える条文である。この落差があるために、契約者は「自分が何も申請できない場面で自分の契約条件が決まっていく」という構造に最後まで気付かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の起点 | 269条:内閣総理大臣が勧告に職権で付記 | 268条:救済保険会社と破綻保険会社の共同申請 266条1項:救済保険会社から機構への資金援助の申込み |
| 適格性の認定の要否 | 不要(認定を経ずに266条1項へ直行できる) | 必要(認定が資金援助申込みの前提) 原則として268条の認定を前提とする |
| 発動の限定 | 業務全部の廃止・解散が268条3項3号該当、かつ資金援助が移転に不可欠 | 268条3項各号の要件を個別審査 機構の資金援助決定は267条の手続による |
| 契約者から見た意味 | 救済先探しの時間が確保され、契約が丸ごと存続する可能性が上がる | 審査期間の分だけ解約連鎖と契約劣化のリスクが積み上がる 資金援助の金額と条件が移転後の契約条件に反映される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は財團法人保險安定基金が墊付・資金援助を担い、主管機関が接管や勒令停業清理の処分権を持つ。当局主導で処理を進める構造は日本と近いが、基金の発動要件は日本ほど条文上細分化されていない
韓国は保険契約の移転を保険業法が定め、破綻時の資金支援は預金保険公社が担う。保険専用の保護機構を置く日本と異なり、預金保険制度に統合されている点が構造上の違い
ドイツは生命保険について法定の Sicherungsfonds を置き、監督当局が契約全体を保障基金へ移転させる権限を持つ。救済保険会社を探す段階を必須としない点で日本の枠組みと発想が異なる
米国は州ごとの保証協会が契約を引き受け、州の保険監督官が rehabilitation・liquidation 手続を主宰する。連邦統一の機構が存在しないため、州をまたぐ契約者の扱いが論点になりやすい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社に業務停止命令が出た翌朝、コールセンターはつながるのか? つながらない。解約受付も原則止まる。あなたが情報を取れる窓口は当局の公表資料だけになり、そこに「勧告」「資金援助の申込みを行うことができる旨の付記」という語が出るかどうかで、契約が丸ごと移転する道が開いているかが読める。残された猶予は数週間で、その間にあなたが判断すべきは、慌てて動くことではなく、動かないことの根拠を掴むことだ
- 救済保険会社として名乗り出る側の企画部にいるとする。268条の認定申請の書類一式を積み上げている最中に、当局から勧告に付記が入ると連絡が来る。申請と審査の往復が消え、266条1項の申込みに直行できる。数週間の短縮が、そのまま引受条件の交渉力になる
- 保険代理店や FP として顧客から「今すぐ解約すべきか」と電話が殺到したら、あなたが最初に確認すべきは保険金額でも予定利率でもない。勧告に付記があるか、資金援助が不可欠と判断された案件かどうかである。そこを見ずに「とりあえず解約」と助言すると、契約者に早期解約控除と補償割合の目減りを同時に背負わせることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険証券と直近の契約内容通知を手元に集め、責任準備金ベースの数字を把握する2. 当局と保険契約者保護機構の公表資料を定点観測し、勧告と付記、資金援助の申込みという語が出た日を記録する3. 業務停止中の解約は早期解約控除と補償割合の二重の目減りを受けやすいので、付記や移転先の発表が出るまでは動かない選択肢を第一に置く4. 団信や企業年金など、破綻会社に紐づく別の契約を洗い出し、代替手段の有無を先に確認しておく
訴えられた側:1. 救済保険会社側なら、資金援助が移転に不可欠であることを示す数値(責任準備金の不足額、移転後の収支見通し)を先に固める2. 268条の認定申請ルートと269条の付記ルートのどちらが先に動くかを当局と早期にすり合わせ、二重作業を避ける3. 破綻保険会社側の経営陣なら、業務全部の廃止または解散に関する268条3項3号の要件該当性を基礎付ける資料を整備する4. 契約者への説明文書は、補償割合と予定利率変更の影響を数字で示し、後日の説明義務違反の追及余地を潰しておく
時効(請求できる期限):本条自体に消滅時効の定めはない。ただし付記は256条1項の勧告に付されるものであり、勧告と切り離して後から単独で発動する構成にはなっていない。したがって実務上の期限は勧告が出る時点そのものである。契約者が破綻会社や役員に対して損害賠償を検討する場合は、一般の消滅時効(民法166条、債権は権利行使可能を知った時から5年または権利行使可能時から10年)および不法行為の時効(民法724条)が別途適用される
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