保険業法 第135条(保険契約の移転)
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- 保険会社は、この法律の定めるところに従い、他の保険会社(外国保険会社等を含む。以下この項において同じ。)との契約により保険契約を当該他の保険会社(以下この節において「移転先会社」という。)に移転することができる。
- 2.前項の保険契約には、第百三十七条第一項の規定による公告の時において既に保険事故が発生している保険契約(当該保険事故に係る保険金の支払により消滅することとなるものに限る。)その他の政令で定める保険契約を含まないものとする。
- 3.第一項の契約には、保険契約の移転とともにする保険会社の財産の移転に関する事項を定めなければならない。この場合においては、保険契約の移転をしようとする保険会社(以下この節において「移転会社」という。)は、同項の契約により移転するものとされる保険契約(第百三十八条第一項において「移転対象契約」という。)に係る保険契約者(以下この節において「移転対象契約者」という。)以外の当該移転会社の債権者の利益を保護するために必要と認められる財産を留保しなければならない。
- 4.移転会社は、第一項の契約において、当該契約により移転するものとされる保険契約について、契約条項の軽微な変更で保険契約者の不利益とならないものを定めることができる。
この条文の基本情報
保険契約の移転とは何ですか?
定義保険契約の移転とは、保険業法第135条に定められた規定で、「保険会社は、この法律の定めるところに従い、他の保険会社(外国保険会社等を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第135条(保険契約の移転)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第135条の条文原文は「保険会社は、この法律の定めるところに従い、他の保険会社(外国保険会社等を含む。」で始まります。
- 保険業法第135条は第一節 保険契約の移転に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第135条の前の条は保険業法第134条です。
- 保険業法第135条の次の条は保険業法第136条です。
- 保険業法第135条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第135条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第135条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/135
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法135条は、保険会社が他の保険会社との契約により保険契約を包括移転できると定める。契約者の同意は不要だが、契約条項の変更は軽微で不利益とならないものに限られる。
Q · 保険会社が変わるって通知が来たけど、自分の同意なしに契約を移されるの?
同意は不要。異議権はあるが一人では止まらない
保険業法135条1項により、保険会社は他の保険会社との契約だけで保険契約を移転できます。個別の契約者の同意は要件ではありません。代わりに137条の集団的異議手続が用意され、異議を述べた移転対象契約者の数と債権額がいずれも総数・総額の5分の1を超えたときに移転ができなくなります。ただし135条4項により、移転に伴う契約条項の変更は「軽微で保険契約者の不利益とならないもの」に限られるため、予定利率の引下げや保障の縮小は本条では行えません。
解説
保険証券に印刷された会社名は、来年には別の会社の名前に変わっているかもしれない。しかもあなたの同意は要らない。135条は、保険会社が他の保険会社との契約一本で保険契約を丸ごと移転する権限を認めている。移転先は日本で免許を受けた外国保険会社等でもよい。ここで押さえる点が三つある。第一に、公告の時点で既に保険事故が発生している契約(保険金の支払で消滅するものに限る)は移転対象から外れる。つまり給付金を請求中のあなたは元の会社に残る。第二に、移転会社は移転される契約者以外の債権者を守るために必要な財産を留保しなければならない。第三に、4項が許すのは「軽微で、契約者の不利益とならない変更」だけ。予定利率の引下げや保障の削減は、この条文では一切できない。会社名が変わっても、あなたの保険料と保険金は原則そのまま動かない。
法的な位置づけ
保険業法135条にいう保険契約の移転とは、保険会社が他の保険会社との契約により、自己の保険契約を包括的に移転先会社へ承継させる制度をいう。個別契約者の承諾を要件とせず、公告時に保険事故が発生している契約等を除外し、他の債権者のための財産留保と、軽微かつ不利益とならない契約条項変更の制限を伴う。
よくある質問 AI による整理
Q1保険契約の移転とは何ですか?
保険会社が他の保険会社との契約により、保険契約を丸ごと移転先会社へ承継させる制度です。保険業法135条1項が根拠で、個別契約者の同意は要件とされていません。
Q2保険契約の移転に契約者の同意は必要ですか?
不要です。135条は保険会社間の契約で移転を成立させます。契約者に与えられるのは137条の異議申立権で、異議者の数と債権額が両方5分の1を超えて初めて移転が止まります。
Q3保険契約の移転で保険料は上がりますか?
上がりません。135条4項が認めるのは契約条項の軽微な変更で、かつ保険契約者の不利益とならないものだけです。予定利率の引下げや保障の削減は本条ではできません。
Q4移転の対象にならない保険契約はありますか?
あります。135条2項により、137条1項の公告時に既に保険事故が発生している契約(その保険金の支払により消滅するものに限る)その他政令で定める契約は移転対象から除かれます。
Q5移転会社が財産を留保するのはなぜですか?
135条3項が、移転対象契約者以外の債権者の利益を保護するために必要な財産の留保を義務づけているためです。留保が不足すれば認可審査の障害になります。
Q6移転先が外国の保険会社になることはありますか?
あります。135条1項は移転先に外国保険会社等を含むと明記しており、日本で免許を受けた外国保険会社等が移転先会社になることが想定されています。
Q7保険契約の移転はいつまでに異議を出せますか?
137条の公告で定められた一定の期間内(1か月を下らない期間)に限られ、起算点は公告日です。期間経過後の異議は法的効力を持ちません。
Q8移転と契約条件の変更はどう違いますか?
移転(135条)は契約の帰属先が変わるだけで条件は原則不変、契約条件の変更(250条)は破綻処理局面で予定利率の引下げまで可能になる別制度です。書面の表題で見分けます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が変わったら、保険料が上がったりしませんか?
上がらない。135条4項が認めるのは契約条項の軽微な変更で、しかも保険契約者の不利益とならないものだけであり、予定利率の引下げや保障の縮小はこの枠外である。実務のポイント:予定利率が下げられるのは破綻処理の局面(保険業法250条の契約条件の変更)だけ。届いた書面の表題が「移転」か「契約条件の変更」かで意味が正反対になるので、まず用語を確認する
Q2反対したら移転を止められるんですか?
一人では止まらない。137条の手続では、異議を述べた移転対象契約者の数が総数の5分の1を超え、かつその保険契約に係る債権の額が総額の5分の1を超えたときに移転ができなくなる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:この二重の5分の1要件は実務上ほぼ満たされない。異議を出す本当の価値は移転を止めることではなく、会社側に個別説明と条件の書面確認をさせる交渉力を作ることにある
Q3いま入院給付金を請求中なんですが、どっちの会社に請求すればいいですか?
135条2項により、公告の時点で既に保険事故が発生している契約(その保険金の支払により消滅するものに限る)は移転対象に含まれない。請求中のあなたの契約は元の会社に残る。実務のポイント:分かれ目は治療の終了日ではなく「公告の時点で保険事故が発生していたか」。診断書の初診日・発症日の記載が移転の線引きに直結するので、公告日をまたぐケースは日付の記録を先に固める
Q4移転先が外国の保険会社ってこともあるんですか?
ある。135条1項は移転先に外国保険会社等を明記しており、日本で免許を受けた外国保険会社等が移転先会社になる形が想定されている。実務のポイント:外資の日本市場からの撤退や再編の局面で、既存契約が丸ごと別会社に移ることは珍しくない。移転通知の段階で移転先のソルベンシー・マージン比率を確認する契約者はほとんどいないが、そこが唯一見る価値のある数字である
間違えやすい点 AI による整理
- 移転には自分の同意が必要だと思われているが、必要ない。135条は保険会社間の契約で移転を成立させ、契約者に与えられるのは137条の異議権だけである。しかも異議を述べた移転対象契約者の数が総数の5分の1を超え、かつその契約に係る債権額が総額の5分の1を超えなければ移転は止まらない。一人の反対では動かない設計になっている
- 「会社が変わっても契約内容は同じ」という理解は正しいが、その根拠の重さが知られていない。同じである理由は4項が軽微かつ不利益にならない変更しか許していないからで、逆にこの箱の外、つまり破綻処理(保険業法250条の契約条件の変更)に出た瞬間、予定利率の引下げという最も痛い変更が可能になる。届いた書面が「移転」なのか「契約条件の変更」なのかを見分けることが本当の分岐点である
- 「移転される前に解約しておくべきか」という問いの立て方そのものが誤っている。あなたから見れば会社が変わることは不安材料だが、法律から見れば移転は財産留保と行政の認可という関門を通った取引であり、解約は返戻金の元本割れという確定損失を自分から選ぶ行為だ。この落差が、通知を読まない人ほど損をする構造を作っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 135条:平時の事業再編として保険契約を包括移転する | 137条:移転について公告し契約者に異議の機会を与える 250条:破綻局面で契約条件そのものを変更する |
| 契約者の関与 | 個別同意は不要、会社間の契約で成立 | 公告期間内の書面による異議のみ、二重の5分の1要件 契約条件変更の手続に従った関与(破綻処理の枠組み) |
| 保険料・保障への影響 | 4項により軽微かつ不利益とならない変更のみ、予定利率は不変 | 手続規定であり内容自体は変更しない 予定利率の引下げ等、契約者に不利な変更が可能 |
| 財産面の制約 | 3項により移転対象契約者以外の債権者のため財産を留保 | 規定なし(手続の公示と異議集計) 破綻処理としての資産・負債の取扱いに従う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関(金管会)の監督下で保険契約の概括讓與を認める。監督処分としての契約移転命令の色彩が日本より強い点が特徴
韓国も保険会社間の契約による移転を認め、契約者への公告と異議手続を置く。日本法と構造が近い
ドイツは監督官庁(BaFin)の認可を効力要件とし、契約者の個別同意を不要とする。日本の認可制の母型にあたる制度設計
米国は州ごとに規律が分かれ、assumption reinsurance では契約者の同意またはオプトアウトの機会を要求する州が多く、日本より個別同意に寄る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、いま入院給付金を請求中に会社が契約を移転したら、あなたの請求はどちらの会社が払うのか。135条2項により、公告の時点で保険事故が発生済みで、その保険金の支払により消滅する契約は移転対象に含まれない。あなたの契約は元の会社に残り、請求の相手も変わらない。逆に公告後に発症したなら、相手は移転先会社になる
- 封筒の表に「保険契約の移転に関するお知らせ」とある。異議を述べられるのは公告で定められた期間内だけ。開封せず引き出しに戻した人は、異議の頭数に一切入らない
- あなたが中堅生保の企画部で、不採算の個人年金部門だけを他社へ移す案を任された。135条3項は、移転対象契約者以外の債権者の利益を守るために必要な財産の留保を義務づける。どこまで財産を持って行けるかが交渉の核心で、留保額の設計を誤れば認可の段階で止まる
- 顧客から「会社が変わるって手紙が来たけど、今のうちに解約した方がいいですか」と相談された。移転で予定利率が下がることは4項の下では起きない。一方で途中解約による返戻金の元本割れは確実に起きる。どちらが損かは条文を読めば即答できる
- 勤務先の団体保険が移転対象に入り、総務のあなたが従業員説明を任される。異議を述べられるのは保険契約者である会社であり、被保険者である従業員に一票はない。この一点を説明の冒頭で言えるかどうかで、質疑の空気が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知の中で「公告日」「異議を述べられる期間」「移転対象となる契約の範囲」の三点を先に特定する2. 給付金を請求中なら135条2項で移転対象から外れる可能性が高い、請求番号と発症日・初診日の記録を保全する3. 納得できなければ期間内に書面で異議を述べる、電話での不満は頭数に入らない4. 移転後も保険料と保障は原則不変(4項)。焦って解約すると返戻金の元本割れという損失を自分で確定させることになる
訴えられた側:1. 移転契約書に財産の移転に関する事項を必ず定める(3項)、これを欠く契約は要件を満たさない2. 移転対象契約者以外の債権者保護のための留保財産を算定、留保不足は認可の障害になる3. 株主総会等の決議(136条)、公告と異議手続(137条)、内閣総理大臣の認可(139条)の順序を崩さない4. 契約条項の変更は軽微かつ契約者の不利益とならない範囲に限定する、実質的な条件変更を混ぜれば4項の枠を超える
時効(請求できる期限):契約者側の異議申立ては、137条の公告で定められた一定の期間内(1か月を下らない期間)に限られ、起算点は公告日。期間経過後の異議は効力を持たない。移転の効力自体を争う特定の時効は本条に置かれていないため、その場合は一般の民事・行政上の手続に移る(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:保険契約の包括移転は、契約上の地位の移転に相手方の承諾を要する民法の原則に対する監督法上の特則であり、個別同意の省略は、財産留保(3項)、契約条項変更の限定(4項)、集団的異議手続(137条)、行政の認可という多層の代替的保護によって正当化されると解されている
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