保険業法 第139条(保険契約の移転の認可)
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- 保険契約の移転は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
- 2.内閣総理大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
- 一当該保険契約の移転が、保険契約者等の保護に照らして、適当なものであること。
- 二移転先会社が、当該保険契約の移転を受けた後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。
- 三移転対象契約者以外の移転会社の債権者の利益を不当に害するおそれがないものであること。
この条文の基本情報
保険契約の移転の認可とは何ですか?
定義保険契約の移転の認可とは、保険業法第139条に定められた規定で、「保険契約の移転は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第139条(保険契約の移転の認可)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第139条の条文原文は「保険契約の移転は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。」で始まります。
- 保険業法第139条は第一節 保険契約の移転に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第139条の前の条は保険業法第138条です。
- 保険業法第139条の次の条は保険業法第140条です。
- 保険業法第139条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第139条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第139条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/139
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法139条により、保険契約の移転は内閣総理大臣の認可を受けなければ効力を生じない。認可は契約者等の保護、移転先の業務遂行能力、他の債権者の利益という三基準で審査される。
Q · 保険会社から「契約を他社へ移します」と通知が来たら、自分の同意は必要なんですか?
必要なのは金融庁の認可で、あなたの同意ではありません
保険業法139条1項により、保険契約の移転は内閣総理大臣(金融庁)の認可を受けなければ効力を生じません。逆に言えば、認可が下りれば個々の契約者の承諾がなくても契約先は変わります。契約者の保護は2項の三つの審査基準(契約者等の保護への適合性、移転先会社の業務遂行の確実性、移転対象外債権者の利益を不当に害さないこと)と、認可の前段階に置かれた公告・異議申立手続(同法137条)によって担保されます。異議を述べられるのは認可前の限られた期間だけです。
解説
生命保険会社が経営難に陥ったとき、あなたの保険契約は本人の同意なしに別の会社へ丸ごと移される。これは事故ではなく、保険業法が正面から用意した仕組みだ。139条が定めるのは、その移転が金融庁(内閣総理大臣)の認可なしには一切効力を生じないという一点である。裏を返せば、認可さえ下りればあなたの意思とは無関係に契約先が変わる。ただし2項が三つの審査基準を課している。保険契約者等の保護に照らして適当か、移転先が業務を的確・公正かつ効率的に遂行する見込みが確実か、移転対象外の債権者の利益を不当に害しないか。この三本の柱があなたの盾だ。そして忘れてはならないのが、認可の前段階には契約者への公告と異議申立の手続(保険業法137条)が置かれていること。異議を述べる権利は、認可が下りる前の限られた期間にしか存在しない。通知が届いた封筒を開けずに置いた瞬間、その窓は閉まる。
法的な位置づけ
保険業法139条は、保険契約の移転に係る行政認可を定める規定である。移転は内閣総理大臣の認可を受けなければ効力を生じず、認可審査は、保険契約者等の保護に照らした適当性、移転先会社の業務遂行の確実性、移転対象契約者以外の債権者の利益保護という三つの法定基準により行われる。個々の保険契約者の同意は移転の成立要件とされていない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書と公告から「異議申立期限」と「移転先会社名」を特定する 封筒を開けたら本文より先に、公告日・異議申立期間の末日・移転先会社名の三点を探す。期限をカレンダーに登録し、逆算して検討日を確保する。ここを逃すと以後の選択肢がほぼ消える
- 2.移転先会社の健全性を139条2項2号の視点で自分でも検証する 移転先のソルベンシー・マージン比率、格付、直近のディスクロージャー資料を確認する。会社の知名度ではなく、業務を的確・公正かつ効率的に遂行する見込みが確実かという法定基準の観点で読む
- 3.移転後の契約条件を書面で照会する 予定利率、責任準備金、特約、早期解約控除の有無が移転後どうなるかを、旧条件との対照表の形で書面回答するよう求める。口頭回答は受けない。対照表が同封されていなければ請求してよい
- 4.納得できなければ期間内に書面で異議を申し出る 公告に指定された方法で、期限内に書面により異議を述べる。単独では効果が薄いため、契約者団体や報道の動きを確認し、異議が法定割合(総数の5分の1超かつ債権額の5分の1超)に届くかを見極めて動く
- 5.異議と解約のどちらが有利かを試算する 解約返戻金の水準、早期解約控除条項の有無、再加入時の年齢・健康状態による引受可否を並べて比較する。長期契約ほど解約は不利になりやすく、感情で動くと二重に損をする
よくある質問 AI による整理
Q1保険契約の移転とは何ですか?
保険会社が保有する保険契約を、契約ごと別の保険会社へ引き継がせる手続です。保険業法135条以下が定め、139条で内閣総理大臣の認可が効力要件とされています。
Q2保険会社が変わるとき、契約者の同意は必要ですか?
個々の契約者の同意は要りません。必要なのは金融庁の認可(139条)であり、契約者側の手段は137条の公告後に集団で行う異議申立です。
Q3保険契約の移転に異議を申し立てる方法は?
公告に記載された異議申立期間内に、指定された方法で書面により異議を述べます。異議者が契約者総数の5分の1超かつ債権額の5分の1超に達すると移転はできません。
Q4異議申立の期限はいつまでですか?
保険業法137条により、公告で1か月を下回らない期間として定められます。通知書と公告のどちらにも末日が記載されるので、まずそこを確認してください。
Q5保険契約の移転の認可は誰が出すのですか?
条文上は内閣総理大臣ですが、権限は金融庁に委任されており、実務上は金融庁が審査・認可します。認可前の事前相談段階で条件がほぼ固まります。
Q6保険契約の移転が認められない場合はありますか?
139条2項の三基準のいずれかを欠けば認可されません。また137条の異議が法定割合に達した場合、そもそも移転手続を進められません。
Q7移転先の保険会社が破綻したらどうなりますか?
生命保険契約者保護機構による補償に移ります(責任準備金の原則90%)。だからこそ139条2項2号の移転先の健全性審査が、将来の受取額に直結します。
Q8保険契約の移転はいつ効力が生じますか?
認可を受けてはじめて効力を生じます(139条1項)。認可前の段階と認可後では、契約者が取りうる手段がまったく別物になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が変わったら、今の保険料や保障内容も変わるんですか?
通常の事業再編に伴う移転では契約条件はそのまま引き継がれるのが原則です。ただし破綻処理に伴う移転では、責任準備金の削減や予定利率の引下げが同時に行われることがあります。139条2項1号の審査はこの変更が契約者保護に照らして適当かを見るもので、変更なしを保証するものではありません。実務のポイント:通知書には「移転後の契約条件」を記した書面が同封されるのが通例で、そこに旧条件との対照表が付いているかどうかで会社の姿勢が読める。対照表がなければ請求してよい
Q2移転がいやなら、解約したほうがいいんでしょうか?
一概には言えません。長期の生命保険では解約返戻金が払込保険料を下回ることが多く、また加入時の年齢・健康状態で成立した契約は再取得できない場合があります。移転先の健全性と、解約による損失を比較してください。実務のポイント:破綻絡みの移転では「早期解約控除」が設定され、一定期間内の解約に追加のペナルティが課されることがある。解約を検討するなら、まず控除条項の有無を確認するのが先で、感情で動くと二重に損をする
Q3金融庁の認可って、どのくらい厳しく審査されているんですか?
139条2項が三つの基準を法定しており、単なる形式審査ではありません。特に2号の「業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実」は将来予測を含み、移転先の財務健全性・事務体制・システム統合能力まで踏み込みます。実務のポイント:実務では認可申請前に長期の事前相談が行われ、認可申請が正式に出る時点では実質的な判断がほぼ固まっている。だから外部から働きかけるなら、申請前の構想段階のほうがはるかに効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険契約は自分と保険会社との契約なのだから、勝手に他社に移されるはずがない」と考えるのは、問いの立て方そのものが誤っている。移転には個々の契約者の承諾は要らない。法が用意したのは同意権ではなく、集団的な異議申立と行政認可という二段構えの保護であり、あなたが守られる回路は最初から別のところにある
- 移転が認可されたことは知っていても、その認可が何を保証していないかを知る人は少ない。2項の審査基準は「保険契約者等の保護に照らして適当」であることを求めるが、これは契約条件が一切変わらないことの保証ではない。破綻に伴う移転手続では、責任準備金の削減や予定利率の引下げが伴うこともある。認可は適法性の担保であって、あなたの受取額の据置き保証ではない
- 「移転先は大手だから安心」と会社の看板で判断してしまいがちだが、法律が見ているのは看板ではなく2項2号の「業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること」という将来予測だ。金融庁は移転先のソルベンシー・マージン比率、体制、システム統合の実現性まで見る。あなたが見るべきも同じ指標である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する段階 | 保険業法139条:認可(行政のゲート) | 保険業法137条:公告と異議申立(契約者のゲート) 保険業法140条:認可後の効力発生と権利義務の承継 |
| 誰が判断するか | 内閣総理大臣(金融庁)が三基準で審査 | 契約者集団(異議者が法定割合に達するか) 判断ではなく、認可を受けた移転の法律効果 |
| 契約者が動ける時期 | 認可前の事前相談・申請段階(外部からの働きかけ) | 公告から1か月を下回らない異議申立期間内 効力発生後は移転自体を争うのが困難になる |
| 欠けたときの帰結 | 認可がなければ移転は効力を生じない | 手続の瑕疵は認可を得ても無効原因となりうる 承継範囲の争いは移転契約の解釈問題になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は主管機関(金融監督管理委員会)が監理処分の一環として保険契約の移転を命じうる構造で、平時の任意移転より監督権限の発動色が強い
韓国も株主総会決議・公告・異議申立・金融委員会の認可という段階構造を採り、日本法と枠組みが近い
ドイツも保険契約の包括移転に BaFin の Genehmigung を効力要件とし、被保険者の利益が害されないことを審査する点で日本法と同趣旨
米国は州ごとに制度が分かれ、契約者の個別同意を要する assumption 型と、裁判所の関与を伴う州法上の移転手続とが併存する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 20年前に契約した終身保険の保険会社から、ある日「保険契約の移転に関するお知らせ」が届く。移転先は聞いたこともない会社名。予定利率は維持されるのか、責任準備金は目減りしないのか。異議申立期間は公告から1か月以上とされるが、封を切るのが遅れれば実質的に判断する時間はほとんど残らない
- もし移転先の会社が数年後に破綻したら、あなたの契約はどうなる? 生命保険契約者保護機構による補償(責任準備金の原則90%)に切り替わる。つまり移転の審査基準にある「業務を的確に遂行する見込みが確実」という判断は、あなたの将来の受取額そのものに直結している
- 保険会社の経営企画部にいるあなたが、不採算の医療保険ブロックを他社へ切り出す案件を担当する。株主総会(社員総会)の特別決議、契約者への公告、異議申立、そして金融庁の認可。どれか一つでも欠ければ移転は無効。準備期間は最低でも半年以上を見込む必要がある
- 移転会社に融資している銀行の担当者として、移転対象外の債権者の立場に立つ。優良な契約ブロックだけが他社に移り、劣後する資産だけが残されれば、回収可能性は下がる。2項3号の「移転対象契約者以外の債権者の利益を不当に害するおそれ」は、まさにあなたのために置かれた条文だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書と公告で「異議申立期間の末日」と「移転先会社名」をまず特定、カレンダーに登録2. 移転先のソルベンシー・マージン比率と格付けを開示資料で確認、2項2号の観点を自分でも検証3. 契約条件(予定利率、責任準備金、特約)が移転後どうなるか書面で照会、口頭回答は受けない4. 納得できなければ期間内に書面で異議を申し出る。異議者が法定割合に達すれば移転は阻止される5. 並行して、解約が有利か継続が有利かを試算。解約返戻金の水準次第で異議より解約が合理的な場合もある
訴えられた側:移転を実施する側の会社であれば、1. 契約者への公告・通知(保険業法137条)と株主総会等の決議手続の順序を厳密に管理、順序の瑕疵は認可を得ても無効原因2. 2項各号に対応する疎明資料を用意、特に3号(移転対象外債権者の保護)は見落とされやすい3. 金融庁への事前相談を早期に開始、認可申請は設計確定後4. 異議申立が法定割合に達するリスクを事前に見積もり、契約者説明の丁寧さに投資する
時効(請求できる期限):異議申立期間は公告において1か月を下回らない期間として定められる(保険業法137条)。認可には特定の申請時効はないが、移転手続全体は決議・公告・異議期間・認可申請と順序が固定されており、逆順や同時進行は認められない。移転の効力発生は認可の時であり、それ以前に契約者が争う手段と、それ以後に争う手段は全く別物になる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:139条の認可は、保険契約の長期性と多数性ゆえに個別同意を要件とできないことの代償として置かれた行政的保護であり、137条の集団的異議申立と一体で機能する二段構えの制度と理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法全部改正(平成7年法律第105号)により、保険契約の移転に関する一連の規定とともに、移転の効力要件としての内閣総理大臣の認可および三つの審査基準が整備された
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