保険業法 第136条(保険契約の移転の決議)
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- 前条第一項の保険契約の移転をするには、移転会社及び移転先会社(外国保険会社等を除く。)において株主総会又は社員総会(総代会を設けているときは、総代会)(以下この章、次章及び第十章において「株主総会等」という。)の決議を必要とする。
- 2.前項の場合には、会社法第三百九条第二項(株主総会の決議)に定める決議又は第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。
- 3.移転会社及び移転先会社は、第一項の決議をする場合には、会社法第二百九十九条第一項(株主総会の招集の通知)(第四十一条第一項及び第四十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による通知において、前条第一項の契約の要旨を示さなければならない。
この条文の基本情報
保険契約の移転の決議とは何ですか?
定義保険契約の移転の決議とは、保険業法第136条に定められた規定で、「前条第一項の保険契約の移転をするには、移転会社及び移転先会社(外国保険会社等を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第136条(保険契約の移転の決議)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第136条の条文原文は「前条第一項の保険契約の移転をするには、移転会社及び移転先会社(外国保険会社等を除く。」で始まります。
- 保険業法第136条は第一節 保険契約の移転に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第136条の前の条は保険業法第135条です。
- 保険業法第136条の次の条は保険業法第136条の2です。
- 保険業法第136条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第136条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第136条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/136
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法136条は、保険契約の移転には移転会社と移転先会社の双方で株主総会等の特別決議が必要と定める。招集通知には移転契約の要旨を示さなければならない。
Q · 保険会社が契約をよその会社に移すとき、誰が決めているんですか?
契約者の同意ではなく、株主総会等の特別決議で決まります
保険業法136条により、保険契約の移転には移転会社と移転先会社の双方で株主総会等(相互会社では社員総会・総代会)の決議が必要です。しかも会社法309条2項または保険業法62条2項の特別決議、すなわち議決権の過半数の出席と出席議決権の3分の2以上の賛成を要します。さらに3項により、招集通知の段階で移転契約の要旨を示さなければなりません。契約者本人に投票権はありませんが、決議後の137条の異議申立手続で関与する余地が残されています。
解説
保険会社が「この契約群は別の会社に引き渡す」と決めるとき、あなたの生命保険も医療保険も、あなたに一言の相談もなく荷物のように動く。保険業法136条は、その荷物を動かす引き金を誰が引くのかを定めた条文だ。答えは、株主総会または社員総会(相互会社なら総代会)の特別決議。しかも会社法309条2項の決議、つまり議決権の過半数を持つ株主が出席し、その3分の2以上の賛成が必要になる。ここで見落としてはならないのが3項だ。招集通知の段階で「移転契約の要旨」を示さなければならない。決議当日に初めて中身を明かすことは許されない。あなたが株主なら、この通知が届いた時点で移転の骨格を知る権利がある。あなたが契約者なら、この決議は物語の第一幕にすぎない。決議が通っても、137条以下の異議申立手続で契約者側が動く余地がまだ残されている。決議は完成ではなく、時計のスタートである。
法的な位置づけ
保険業法136条は、保険契約の移転に係る手続要件を定める規定である。移転会社および移転先会社(外国保険会社等を除く)の双方で株主総会等の決議を要し、その決議は会社法309条2項または保険業法62条2項の特別決議によることを要する。加えて、招集通知においては移転契約の要旨を示すことが義務付けられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書と公告で移転対象を特定する 保険会社から届いた「保険契約の移転に関するお知らせ」と官報等の公告を突き合わせ、移転対象の契約群に自分の証券番号・商品が含まれるかを確認する。範囲は移転契約の要旨に記載される
- 2.決議の段階と日程を把握する 136条の株主総会等の決議が既に済んでいるのか、これから開催されるのかを通知書の日付から判定する。決議日、公告日、効力発生予定日を時系列で書き出す
- 3.異議申立期間の起算日と満了日をカレンダーに入れる 137条により公告で定められる異議申立期間は1か月以上。公告開始日から満了日を特定し、判断期限としてカレンダーに登録する。会社からの個別通知を待つと期間の後半に入っていることが多い
- 4.移転先会社の財務健全性を比較する 移転先会社のソルベンシー・マージン比率、基礎利益、格付をディスクロージャー誌で確認し、現在の会社と並べて比較する。継続か解約かの損得計算はこの数値を前提に行う
- 5.株主の場合は招集通知の要旨記載を検証する 136条3項は招集通知に移転契約の要旨を示すことを義務付ける。移転対象契約の範囲・移転先・対価・効力発生日が特定されているかを点検し、不十分なら総会前に書面で説明を求める
よくある質問 AI による整理
Q1保険契約の移転とは何ですか?
保険会社が保有する保険契約の一部または全部を、包括して他の保険会社へ引き継がせる制度です。根拠は保険業法135条で、136条がその決議要件を定めています。
Q2保険契約の移転の決議は誰が行いますか?
移転会社と移転先会社の双方の株主総会等です。株式会社なら株主総会、相互会社なら社員総会(総代会を設けていれば総代会)が決議機関になります。契約者個人に投票権はありません。
Q3保険会社が変わると保険料や保障内容は変わりますか?
移転は契約を包括して引き継ぐ仕組みのため、契約条件は原則としてそのまま維持されます。契約の相手方(保険者)の名称が変わる点が主な変化です。詳細は通知書の移転契約の要旨で確認します。
Q4保険契約の移転に内閣総理大臣の認可は必要ですか?
必要です。保険業法139条により、移転には内閣総理大臣(実務上は金融庁)の認可を受けなければ効力が生じません。136条の決議は認可申請の前提条件にあたります。
Q5特別決議の要件は何ですか?
会社法309条2項では、議決権の過半数を有する株主の出席と、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です。相互会社は保険業法62条2項が別に定めています。
Q6保険契約の移転はいつ効力が発生しますか?
136条の決議、137条の公告と異議申立期間の経過、139条の認可をすべて経た後に、移転契約で定めた効力発生日に効力が生じます。決議の日に移転が完了するわけではありません。
Q7移転先の保険会社の健全性はどう確認しますか?
移転先会社のソルベンシー・マージン比率、ディスクロージャー誌、格付機関の格付を確認します。いずれも各社サイトで公開されており、現在の会社と数値を並べて比較するのが実務的です。
Q8保険契約の移転と保険会社の合併はどう違いますか?
合併は会社そのものが一体化し全ての権利義務が承継されますが、移転は契約群だけを切り出して他社へ引き継がせます。移転は移転会社が存続する点が最大の違いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険が移転されるって、要は身売りですよね。私は反対できないんですか?
反対の意思表示自体はできますが、それは136条の決議に対してではなく、137条の異議申立てとしてです。決議は株主・社員が行い、契約者は投票権を持ちません。実務のポイント:異議を述べた契約者が一定の割合(異議者が保険契約者総数の10分の1を超え、かつその債権額が総額の10分の1を超える場合)に達しないと移転は止まりません。実務上この要件が満たされた例はほとんどなく、個人が阻止を目的に動くのは効率が悪い。同じ労力なら、移転先の財務内容の精査と、継続か解約かの損得計算に振り向けた方が回収は大きい
Q2招集通知に『保険契約の移転の件』としか書いてなかったら、それは違法なんですか?
136条3項は招集通知で移転契約の要旨を示すことを義務付けているため、議案名だけの記載は同項違反となりえます。招集手続の法令違反は決議取消しの訴えの事由です(会社法831条1項1号)。実務のポイント:ただし裁判所には裁量棄却の規定があり、違反が重大でなく決議に影響を及ぼさないと認められれば請求は棄却されうる。争うなら「要旨がないせいで賛否の判断ができなかった」という影響の具体性まで書面で組み立てる必要がある
Q3相互会社の場合も同じ手続なんですか?株主がいませんよね
相互会社には株主の代わりに社員(契約者)がおり、社員総会、実務上は総代会が決議機関になります。決議要件は保険業法62条2項の特別決議です。実務のポイント:総代は会社側の選考プロセスを経て選ばれるのが実態で、経営提案がそのまま可決される傾向が強い。相互会社の契約者にとっては、総代会での否決を期待するより137条の異議申立手続の方が実質的な関与の場になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社が勝手に契約を売り飛ばすことはできない」と思っている人は多い。だが136条が定めているのは、契約者の同意ではなく株主・社員の決議だ。あなたの契約は、あなたが一票も投じない会議で移転が決まる。契約者に与えられているのは同意権ではなく、137条以下の異議申立権という別種の武器である。問いの立て方を「止められるか」から「異議を出せる期間はいつまでか」に変えなければ、手も足も出ない
- 特別決議という言葉は知っていても、その厳しさを実感している人は少ない。会社法309条2項は、議決権の過半数を持つ株主の出席と、出席議決権の3分の2以上の賛成を求める。持株比率34% を握る株主が一人いれば、それだけで移転は永久に止まる。保険会社の資本政策で「3分の1超」が意味を持つ理由が、まさにここにある
- 3項の招集通知義務を、単なる手続的な細目だと読む人がいる。実務での重みは逆だ。要旨を示さない通知で開かれた総会の決議は、招集手続の法令違反として取消訴訟の対象になる(会社法831条1項1号)。移転スキーム全体が、この一通の通知の書きぶりで崩れうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が動く手続か | 136条:移転会社・移転先会社の株主・社員(株主総会等の決議) | 137条:保険契約者(公告に対する異議申立て) 139条:行政庁(内閣総理大臣の認可) |
| 求められる水準 | 会社法309条2項または保険業法62条2項の特別決議 | 異議者が法定の割合を超えると移転できない 契約者保護・財務健全性の観点からの審査 |
| 時期 | 移転契約締結後、公告・認可の前段階 | 決議後の公告から1か月以上の期間内 異議申立期間の経過後 |
| 欠けた場合の帰結 | 決議取消しの訴え(会社法831条)の対象となりうる | 手続を欠けば移転の適法性が争われる 認可がなければ移転の効力が生じない |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も保険業の営業・資産負債の譲与に主管機関(金融監督管理委員会)の許可を要求する監督法型の構造。契約者の個別同意ではなく機関決定+行政許可で処理する点は日本と同じ
韓国も保険契約の移転に株主総会等の決議と金融委員会の認可を要求する。日本の保険業法を強く参照した法制であり、条文構造が近い
ドイツは契約の包括移転に BaFin の許可を要求し、許可により契約者の同意なく移転の効力が生じる。行政許可の比重が日本より大きく、機関決議より監督当局の審査が前面に出る
フランスは ACPR の承認により契約が包括移転し、契約者には公告に対する異議の機会が与えられる。異議手続を置く点は日本の137条と機能的に対応する
米国は連邦統一法がなく、オクラホマ等一部の州が IBT 法を整備。裁判所の承認手続を経る州もあり、株主総会決議より司法審査の比重が高い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社から「保険契約の移転に関するお知らせ」が届いた。移転先は聞いたこともない会社名。この書面が届いたということは、136条の株主総会決議がすでに済んでいるか、間もなく開かれる段階にある。あなたが次に読むべきは移転の要旨と、異議申立ての期限(137条、1か月以上)だ
- あなたが中堅生命保険会社の株主で、招集通知に「保険契約の移転承認の件」とだけ書かれ、どの契約群がどこへ行くのか一行も説明がない。3項違反である。この通知の瑕疵は、決議取消しの訴え(会社法831条)の材料になりうる
- 相互会社の総代に選ばれた。総代会で保険契約移転の議案が上程されるが、資料が事前に届いたのは一週間前。あなたの一票は数百万の契約者を代表する。62条2項の特別決議要件を満たすかどうか、定足数の計算まで確認する立場にある
- もし移転先の会社が数年後に破綻したら、あなたの保険はどうなるのか? 移転の決議は、あなたの契約の相手方を変える行為だ。移転先の財務健全性(ソルベンシー・マージン比率)を今のうちに確認しておくべき理由がここにある
- 保険会社の法務担当として、移転スキームの日程表を組んでいる。取締役会決議、移転契約締結、招集通知発送、株主総会、公告、異議申立期間、内閣総理大臣の認可。この順番を一つ間違えると全体が崩れる。招集通知の発送まであと10日
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書と公告で、移転対象に自分の契約が含まれるかを確認(契約群の範囲は移転契約の要旨に記載される) 2. 異議申立期間の起算日と満了日を特定、137条により1か月以上の期間が定められる3. 移転先会社のソルベンシー・マージン比率と格付けを確認、現在の会社と比較4. 異議を述べる場合は期間内に書面で。ただし異議者が一定割合を超えないと移転は止まらない仕組みなので、単独での阻止は困難と理解した上で判断5. 移転後も契約条件は原則そのまま引き継がれる(135条)、解約より継続が有利なケースが多い点は冷静に計算する
訴えられた側:1. 保険会社側の実務では、取締役会での移転契約承認、招集通知への要旨記載、株主総会等の特別決議、公告と個別通知、異議申立期間の経過、内閣総理大臣の認可という順序を崩さない2. 3項の要旨記載は、移転対象契約の範囲、移転先、対価、効力発生日を最低限特定する3. 定足数割れのリスクがある場合は、事前の議決権行使書の回収状況を随時管理4. 決議取消しの訴えは決議日から3か月以内に提起されうるため、認可申請と並行してこの期間の経過を管理する
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。ただし株主総会等の決議取消しの訴えは決議の日から3か月以内(会社法831条1項)。契約者の異議申立ては、公告に定められた1か月以上の期間内(保険業法137条)。決議無効確認・不存在確認の訴えには期間制限がない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:契約者全員の個別同意を要求すると保険契約の移転は事実上不可能となるため、法は機関決定による代替を認めた。その代償として決議要件を特別決議に引き上げ、136条3項の事前開示と137条の異議申立手続を組み合わせ、契約者保護を手続的に担保していると解される。
監督法的理解:136条の決議は移転の私法上の効力要件であると同時に、139条の認可審査の前提となる手続要件でもある。決議に瑕疵があれば認可の適法性にも波及しうるため、会社法上の手続と監督法上の手続は連動して評価される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により、保険契約の移転に関する章が整備され、移転に株主総会等の特別決議を要する旨と招集通知での要旨開示義務が現行の形で規定された
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備法により、旧商法の条項引用が会社法309条2項(株主総会の決議)および会社法299条1項(株主総会の招集の通知)の引用に改められた
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