保険業法 第266条(保険契約の移転等における資金援助の申込み)
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- 救済保険会社又は救済保険持株会社等は、破綻保険会社が会員として加入している機構(以下この款及び次款において「加入機構」という。)が、保険契約の移転等について資金援助を行うことを、当該破綻保険会社と連名で当該加入機構に申し込むことができる。
- 2.加入機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、同項の申込みをした救済保険会社又は救済保険持株会社等及び破綻保険会社その他の関係者に対し、資料の提出を求めることができる。
- 3.第一項に規定する資金援助のうち資産の買取りは、保険契約の移転等に係る破綻保険会社の資産について行うものとする。
この条文の基本情報
保険契約の移転等における資金援助の申込みとは何ですか?
定義保険契約の移転等における資金援助の申込みとは、保険業法第266条に定められた規定で、「救済保険会社又は救済保険持株会社等は、破綻保険会社が会員として加入している機構(以下この款及び次款において「加入機構」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第266条(保険契約の移転等における資金援助の申込み)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第266条の条文原文は「救済保険会社又は救済保険持株会社等は、破綻保険会社が会員として加入している機構(以下この款及び次款において「加入機構」という。」で始まります。
- 保険業法第266条は第一目に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第266条の前の条は保険業法第265条の48です。
- 保険業法第266条の次の条は保険業法第267条です。
- 保険業法第266条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第266条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第266条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/266
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法266条は、救済保険会社または救済保険持株会社等が、破綻保険会社と連名で加入機構に資金援助を申し込めると定める。破綻会社の単独申込みはできない。
Q · 保険会社が破綻したら、誰が保護機構に助けを求めるんですか?
破綻会社は単独で申し込めず、救済会社との連名が必要です
保険業法266条1項により、資金援助の申込みは、救済保険会社または救済保険持株会社等が破綻保険会社と連名で加入機構に行います。破綻会社が単独で申し込む道は本条にはなく、契約を引き受ける同業他社が現れることが事実上の前提です。機構は2項で関係者に資料提出を求めて審査し、3項により買い取れる資産は保険契約の移転等に係る資産に限定されます。救済者が現れない場合は、機構自身が契約を引き受ける別ルートに移ります。
解説
生命保険会社が破綻したとき、最初に動くのは金融庁でも裁判所でもなく、同業他社である。266条1項は、破綻会社を引き受ける「救済保険会社」または「救済保険持株会社等」が、破綻保険会社と連名で保険契約者保護機構に資金援助を申し込めると定める。効いているのは「連名」の二文字だ。破綻した会社が単独で機構に手を伸ばす道は、この条文には用意されていない。あなたの契約が円滑に引き継がれる第一条件は、あなたの保険会社の契約を欲しがる競合が現れるかどうかにかかっている。手が挙がらなければ、機構自身が契約を引き受ける別ルートに落ちる。さらに3項は、機構が買い取れる資産を移転対象契約に紐づく資産に限定した。欲しい契約だけ抜き取り、不良資産の後始末を機構に回す、その都合のよい取引を封じるための一行である。
法的な位置づけ
保険業法266条は、保険契約者保護機構による資金援助の申込手続を定める規定である。救済保険会社または救済保険持株会社等は、破綻保険会社と連名でのみ、加入機構に対し保険契約の移転等についての資金援助を申し込むことができる。機構は必要に応じ関係者へ資料提出を求めることができ、資金援助のうち資産の買取りは移転対象となる保険契約に係る資産に限定される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の契約が機構の内側か外側かを確認する 保険証券を出し、引受先が保険業法上の保険会社か、協同組合共済か、少額短期保険業者かを確認する。共済・少短は保護機構の会員ではなく、266条の資金援助ルートは及ばない
- 2.破綻報道が出たら補償の分母と時間の窓を押さえる 生命保険は補償の分母が保険金額ではなく責任準備金である点を確認し、損害保険の家計分野は破綻後3か月以内の事故が原則満額となる窓を確認する。解約は最後の手段として、早期解約控除の有無を先に確認する
- 3.機構・保険管理人からの通知を開封当日に読む 契約条件の変更内容と異議申立ての受付期間は通知に記載される。期間は短く、異議が一定割合に達しなければ変更は成立する。読み落としは選択肢の喪失に直結する
- 4.救済側として申し込むなら連名の相手と線引きを先に固める 266条1項は連名を要件とするため、破綻会社側の意思決定権者(保険管理人が選任されていればその者)を最初に特定する。あわせて移転対象契約の区分、責任準備金、紐づく資産を整理し、3項の買取り範囲に収まる線引きを自ら作って持ち込む
- 5.機構の資料提出要求と決定手続に備える 266条2項に基づく資料提出要求は申込み後に来る。267条以下の決定手続、135条の包括移転手続、更生手続へ移行した場合の整合を初期段階で並走させる
よくある質問 AI による整理
Q1保険契約者保護機構の資金援助とは?
破綻保険会社の契約を引き受ける会社に対し、機構が金銭の贈与や資産の買取り等を行う制度です。保険業法266条1項が、その申込みの入口を定めています。
Q2救済保険会社とは?
破綻保険会社から保険契約の移転等を受ける保険会社を指します。保険持株会社等が受け皿になる場合は、救済保険持株会社等として同じく申込みの主体になります。
Q3破綻した保険会社は自分で資金援助を申し込める?
できません。266条1項の申込みは救済保険会社等との連名が要件です。救済者が現れない場合は、機構が契約を引き受ける別ルートに移ります。
Q4共済は保険契約者保護機構の対象?
対象外です。県民共済・JA 共済・こくみん共済などの協同組合共済や少額短期保険業者は機構の会員ではなく、266条の資金援助の枠組みは及びません。
Q5資金援助で買い取ってもらえる資産の範囲は?
266条3項により、保険契約の移転等に係る破綻保険会社の資産に限られます。移転対象契約と無関係な資産の後始末を機構に回すことはできません。
Q6資金援助の申込みに期限はある?
条文上の申込期限はありません。実務では、管理命令後に保険管理人と機構が設定する救済保険会社の募集期間が事実上の締切として機能します。
Q7申込みをすれば必ず資金援助を受けられる?
いいえ。266条2項で機構が関係者に資料提出を求めて審査し、援助の可否と内容は267条以下の決定手続で確定します。申込み=決定ではありません。
Q8外国の保険会社と契約している場合はどうなる?
日本の免許を受けた支店を通じた契約かどうかで扱いが分かれます。日本に支店を持たない外国保険会社との直接契約は、機構の保護の外側になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの保険会社が潰れたら、保険金は9割もらえるって本当ですか?
補償の対象は保険金額の9割ではなく、破綻時点の責任準備金の90% が上限です(保険業法270条の3)。加えて予定利率が引き下げられるため、貯蓄性の高い契約ほど将来の受取額は目減りします。実務のポイント:掛け捨ての定期保険や医療保険は責任準備金が小さく影響は限定的、実際に削られるのは個人年金や養老保険です。同じ9割でも手元に残る額は別物になります(最新の改正状況をご確認ください)
Q2破綻した会社の契約者は、助けてくれる会社を自分で選べるんですか?
選べません。266条1項の申込みは救済保険会社(または救済保険持株会社等)と破綻保険会社の連名で行われ、契約者は当事者ではありません。機構は2項で関係者に資料提出を求めて審査します。実務のポイント:契約者に残る関与手段は、その後の契約条件変更に対する異議申立てだけ。異議が一定割合(おおむね10分の1)を超えないと変更は止まらず、実務上はほぼ成立します
間違えやすい点 AI による整理
- 「保護機構があるから大丈夫」までは多くの人が知っている。だが、その保護が266条の申込みという誰かの能動的な行為から始まることまでは知られていない。制度は自動販売機ではなく、ボタンを押す人が要る。押す者が現れない場合の代替ルートは用意されているが、契約条件はより厳しくなりうる
- 「自分の保険は何割補償されるのか」という問いの立て方そのものがずれている。補償割合の分母は保険金額ではなく責任準備金であり、そこに予定利率の引下げが別の軸で重なる。問うべきは「破綻後に自分が実際に受け取る金額はいくらか」であり、答えは一つの率では出ない
- あなたから見れば保険は自分ひとりの一本の契約だが、破綻処理の現場では「移転される契約の塊」の一部として扱われる。3項が買取り資産を移転対象契約に係るものへ限定した意味はここにある。どの塊に入るかで手続も条件も変わり、その割り振りにあなたの意思は入り込まない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文が担う場面 | 266条:資金援助の申込み(入口) | 267条:申込みを受けた機構の決定(判断) 270条の3:補償対象保険金の支払い(契約者への出口) |
| 主体 | 救済保険会社・救済保険持株会社等 + 破綻保険会社(連名) | 加入機構(審査・決定) 機構と保険契約者(補償の受領者) |
| 契約者の関与 | 当事者ではない。申込みに契約者の意思は入らない | 当事者ではない。決定は機構の手続内で完結 補償割合の適用を直接受ける立場 |
| 制度の絞り | 連名要件+資産買取りは移転対象契約に係る資産に限定(3項) | 機構の審査による援助内容の限定 責任準備金を分母とする補償割合による限定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険安定基金が資金の立替や承接機構への低利貸付等を行う。基金が主導的に動ける設計で、日本のような救済者との連名申込みを入口要件としない点が異なる
韓国は預金保険制度が保険会社も対象に含め、예금보험공사が資金支援や契約移転を担う。銀行と保険を一つの保護機構が横断する点が日本の生損保別機構と異なる
ドイツは生命保険等について法定の Sicherungsfonds が契約を引き受ける仕組み。受け皿となる救済会社の出現を前提とせず、基金自身への契約移転が中核となる
米国は州ごとの Guaranty Association が州法に基づき保護する。連邦統一機構がなく、契約者の所在州によって補償上限と手続が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入している損害保険会社の破綻がニュースで流れた。家計分野の任意保険(自動車、火災など)は、破綻後3か月以内に発生した事故なら保険金が原則満額、3か月を過ぎると8割が目安になる(最新の改正状況をご確認ください)。この窓は日単位で閉じていく。証券を探し出すところから始めていては間に合わない
- もし、あなたが中堅保険会社の経営企画部にいて、破綻した同業の契約を引き受ける案件が回ってきたとしたら? 単独では申し込めない。266条1項は連名を要求しており、破綻会社側の署名が要る。しかもその意思決定を握っているのは経営陣ではなく、選任済みの保険管理人かもしれない。交渉相手を間違えると、入口にすら立てない
- 個人年金保険の説明を受けたとき「破綻しても9割は守られます」と言われた。9割の分母は責任準備金であって、受け取る年金額ではない。予定利率が引き下げられれば、将来の受取総額は9割をはるかに下回る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 証券を出し、引受先が保険会社か共済か少額短期保険業者かを確認。機構の会員でなければ266条のルートは使えない2. 生保なら補償の分母が責任準備金であること、損保の家計分野なら破綻後3か月の窓を確認3. 機構や保険管理人からの通知(契約条件変更の内容と異議申立ての期間)は開封当日に読む。期間は短い4. 解約は最後の手段。破綻直後は早期解約控除がかかり、待った方が有利なケースが多い
訴えられた側:救済側または破綻会社側として関与する場合:1. 申込みは連名が要件、破綻会社側の意思決定権者(保険管理人が選任されていればその者)を最初に特定する2. 2項の資料提出要求に備え、移転対象契約の区分、責任準備金、資産の紐付けを先に整理3. 3項により買取り対象は移転対象契約に係る資産に限られる、枠外の不良資産は別スキームで設計4. 更生手続へ移行した場合の手続との整合を初期段階で詰める
時効(請求できる期限):本条自体に申込期限の定めはない。実務上は、行政による管理命令(保険業法241条)以降、保険管理人と機構が設定する救済保険会社の募集期間が事実上の締切となる。契約者側では、契約条件変更に対する異議申立期間(通知に記載、1か月を下らない期間として設定されるのが通例)と、損害保険の破綻後3か月の満額補償の窓が実質的な時間制限。関連する一般の債権については民法166条の消滅時効(5年または10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成10年(1998年) 保険契約者保護機構制度の創設に伴い新設。旧来の保険契約者保護基金を改組し、救済保険会社と破綻保険会社の連名による資金援助申込み手続を法定した。その後、救済保険持株会社等の追加や承継保険会社制度の導入など複数回の改正が入っているが、各改正の年次と内容の対応は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:保険契約者保護機構制度の創設に伴い新設。旧来の保険契約者保護基金を改組し、救済保険会社と破綻保険会社の連名による資金援助申込み手続を法定した。その後、救済保険持株会社等の追加や承継保険会社制度の導入など複数回の改正が入っているが、各改正の年次と内容の対応は人的検証を要する
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