保険業法 第260条(定義)
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- この節において「保険契約の移転等」とは、次に掲げるものをいう。
- 一破綻保険会社と他の保険会社との間で、破綻保険会社に係る保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転をすること。
- 二破綻保険会社(外国保険会社等を除く。)と他の保険会社との合併で、当該他の保険会社が存続することとなるもの
- 三破綻保険会社の株式の他の保険会社又は保険持株会社等による取得で、当該破綻保険会社の業務(外国保険会社等にあっては、日本における業務。次項及び次款において同じ。)の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るために必要な事項として内閣総理大臣及び財務大臣が定めるものを実施するために行うもの
- 2.この節において「破綻保険会社」とは、次に掲げる者をいう。
- 一業務若しくは財産(外国保険会社等にあっては、日本に所在する財産。次号において同じ。)の状況に照らして保険金の支払を停止するおそれのある者又は保険金の支払を停止した者
- 二その財産をもって債務を完済することができない者又はその財産をもって債務を完済することができない事態が生ずるおそれのある者
- 3.この節において「救済保険会社」とは、保険契約の移転等を行う保険会社のうち破綻保険会社でない者をいい、「救済保険持株会社等」とは、第一項第三号に掲げる株式の取得をする保険持株会社等をいう。
- 4.この節において「資金援助」とは、金銭の贈与、資産の買取り又は損害担保をいう。
- 5.この節において「損害担保」とは、次の各号に掲げる資産につきその帳簿価額を下回る金額で回収が行われたことその他の事由により損失が生じた場合において、あらかじめ締結する契約に基づき、当該各号に定める者に対して当該損失の額の全部又は一部を補てんすることをいう。
- 一第一項第一号、第八項第一号若しくは第十一項に規定する保険契約の移転又は第一項第二号若しくは第八項第二号に規定する合併により救済保険会社、再承継保険会社(保険契約の再承継を行う保険会社で承継保険会社でない者をいう。以下同じ。)又は再移転先保険会社(保険契約の再移転を行う保険会社をいう。以下同じ。)が承継した資産当該救済保険会社、再承継保険会社又は再移転先保険会社
- 二第一項第三号又は第八項第三号に規定する株式の取得をされた保険会社の資産当該保険会社
- 6.この節において「承継保険会社」とは、保険契約の移転又は合併により破綻保険会社の保険契約を引き継ぎ、かつ、当該引き継いだ保険契約の管理及び処分を行うことを主たる目的とする保険会社であって、機構の子会社(機構がその総株主の議決権の百分の五十を超える議決権を保有する会社をいう。以下同じ。)として設立されたものをいう。
- 7.この節において「保険契約の承継」とは、承継保険会社が保険契約の移転又は合併により破綻保険会社の保険契約を引き継ぎ、かつ、当該引き継いだ保険契約の管理及び処分を行うことをいう。
- 8.この節において「保険契約の再承継」とは、次に掲げるものをいう。
- 一承継保険会社と他の保険会社との間で、承継保険会社に係る保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転をすること。
- 二承継保険会社と他の保険会社との合併で、当該他の保険会社が存続することとなるもの
- 三承継保険会社の株式の他の保険会社又は保険持株会社等による取得で、当該承継保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るために必要な事項として内閣総理大臣及び財務大臣が定めるものを実施するために行うもの
- 9.この節において「保険契約の引受け」とは、機構が破綻保険会社との契約により当該破綻保険会社からその保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転を受けることをいう。
- 10.この節において「保険契約の管理及び処分」とは、保険契約に基づく保険料の収受及び保険金、返戻金その他の給付金の支払、保険契約に基づき保険料として収受した金銭その他の資産の運用、保険契約に係る再保険契約の締結、保険契約の保険会社への移転その他保険契約に関する行為として内閣府令・財務省令で定めるものをいう。
- 11.この節において「保険契約の再移転」とは、保険契約の引受けをした機構と保険会社との間で、当該保険契約の引受けにより引き継がれた保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転をすることをいう。
この条文の基本情報
定義とは何ですか?
定義定義とは、保険業法第260条に定められた規定で、「この節において「保険契約の移転等」とは、次に掲げるものをいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第260条(定義)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第260条の条文原文は「この節において「保険契約の移転等」とは、次に掲げるものをいう。」で始まります。
- 保険業法第260条は第一目に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第260条の前の条は保険業法第259条です。
- 保険業法第260条の次の条は保険業法第261条です。
- 保険業法第260条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第260条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第260条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/260
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法260条は破綻処理の定義規定であり、破綻保険会社には支払を停止した者だけでなく、支払を停止するおそれのある者も含まれる。救済経路は移転・合併・株式取得の三つである。
Q · 加入している保険会社が倒れたら、自分の契約はどうなるんですか?
三つの受け皿のどれかに引き継がれ、契約自体は消えない
保険業法260条1項は、破綻保険会社の契約を救う経路として、他の保険会社への保険契約の移転、他の保険会社との合併、他の保険会社または保険持株会社等による株式の取得の三つを定義します。買い手が現れなければ6項の承継保険会社(機構の子会社)が一時的に契約を引き継ぎ、それも成立しなければ9項により機構自身が保険契約の引受けをします。契約は消えませんが、補償範囲や予定利率など条件が変わる点は別条(270条の3等)が定めます。
解説
保険証券は引き出しの奥、引受会社の財務状況を最後に確認したのがいつか思い出せない。260条は、その引き出しの中身が会社の倒れた日にどう扱われるかを決める定義の束である。2項を読むと、破綻保険会社とは支払を停止した者だけではない。「支払を停止するおそれのある者」「財産をもって債務を完済することができない事態が生ずるおそれのある者」も含む。窓口が普通に開いていても、法律上はもう破綻保険会社でありうる。1項は救済の三経路を並べる。他社への保険契約の移転、他社との合併、他社または保険持株会社等による株式の取得。買い手が現れなければ6項の承継保険会社、つまり機構の子会社が契約を一時的に抱え、それも成立しなければ9項で機構自身が保険契約の引受けをする。4項の資金援助、すなわち金銭の贈与・資産の買取り・損害担保は、その受け皿に付ける持参金だ。あなたの契約は消えない。ただし条件はそのままではない、という現実がこの定義群の裏側にある。
法的な位置づけ
保険業法260条は、保険契約者保護機構による破綻処理に関する節の定義規定である。保険契約の移転等(1項)、破綻保険会社(2項)、救済保険会社・救済保険持株会社等(3項)、資金援助(4項)、損害担保(5項)、承継保険会社(6項)、保険契約の承継(7項)、再承継(8項)、保険契約の引受け(9項)、管理及び処分(10項)、再移転(11項)の各概念を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1破綻保険会社とは何ですか?
保険業法260条2項が定義する概念で、保険金の支払を停止した者に加え、業務や財産の状況から支払を停止するおそれのある者、財産で債務を完済できないおそれのある者も含みます。
Q2救済保険会社とはどんな会社ですか?
260条3項により、保険契約の移転等を行う保険会社のうち破綻保険会社でない者をいいます。破綻会社の契約を引き受ける側、つまり受け皿となる健全な保険会社を指します。
Q3承継保険会社とは何ですか?
260条6項の定義で、破綻保険会社の保険契約を移転または合併で引き継ぎ、その管理・処分を主目的として機構の子会社(議決権50%超保有)として設立される保険会社です。
Q4資金援助にはどんな種類がありますか?
260条4項が金銭の贈与、資産の買取り、損害担保の三つを挙げます。受け皿となる救済保険会社等に対し、機構が行う財政的支援の類型です。
Q5損害担保とはどういう仕組みですか?
260条5項の定義で、承継した資産が帳簿価額を下回る金額で回収されるなどして損失が生じた場合に、あらかじめの契約に基づき損失額の全部または一部を補てんする仕組みです。
Q6保険契約の引受けは誰がするのですか?
260条9項により、保険契約者保護機構自身が破綻保険会社との契約によりその保険契約の移転を受けることをいいます。救済会社も承継保険会社も立たない場合の最終受け皿です。
Q7保険契約の移転と株式の取得は何が違いますか?
移転(1項1号)は契約の相手方会社が入れ替わりますが、株式取得(1項3号)は契約相手は同じ会社のまま資本の保有者だけが変わります。届く書類も手続も異なります。
Q8共済や少額短期保険も260条の対象ですか?
対象外です。260条は保険業法上の保険会社・外国保険会社等を前提とし、少額短期保険業者や各種共済は保険契約者保護機構の会員ではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が潰れたら、今まで払ってきたお金は全部パーですか?
全部消えることはない。260条1項が移転・合併・株式取得の三つの受け皿を、6項が承継保険会社、9項が機構自身による保険契約の引受けを用意している。ただし生命保険の補償は責任準備金の90%が原則上限で(第270条の3)、予定利率も引き下げられる。実務のポイント:打撃が最も大きいのは掛捨ての定期保険ではなく、高い予定利率の時期に契約した個人年金や終身保険である。払込額の多くが積立部分だからだ
Q2うちの保険会社、まだ普通に払ってますけど、どの時点で「破綻」になるんですか?
260条2項が定めており、支払を停止した者だけでなく、支払を停止するおそれのある者、債務を完済できないおそれのある者も破綻保険会社に当たる。窓口が動いているかは基準ではない。実務のポイント:実務で先に動くのは241条の業務停止命令や保険管理人による管理の処分である。ニュースの「破綻」報道はその後追いであることが多く、契約者が動ける時間は報道時点でもう尽きている
Q3共済とか少額短期保険も、同じように守られるんですか?
同じようには守られない。260条の枠組みは保険業法上の保険会社および外国保険会社等を前提としており、少額短期保険業者や各種共済は保険契約者保護機構の会員ではない。破綻時の受け皿は供託制度や各団体独自の仕組みに委ねられる。実務のポイント:掛金を比較するとき、後ろ盾の有無まで確認する人はほとんどいない。長期の貯蓄性商品ほど、この差は年数分だけ効いてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社が潰れても契約は守られる」ことは知っている人が多い。だが守られる対象が責任準備金であって、支払われるはずだった保険金額ではないという深刻さは知られていない。生命保険の補償は責任準備金の90%が原則上限で(第270条の3、高予定利率契約はさらに下がる)、加えて予定利率が引き下げられる。過去の生保破綻では、予定利率が高い時期に契約した個人年金や終身保険ほど、受取見込額が大きく目減りした(最新の補償ルールは必ずご確認ください)
- 「うちの保険会社はまだ普通に支払っているから破綻ではない」という問いの立て方そのものがずれている。2項1号は業務や財産の状況に照らして支払を停止する「おそれ」があれば足りると定める。判定基準は窓口が動いているかどうかではなく、財産と債務の状況である
- あなたから見れば「契約が別の会社に移るだけ」に見えても、法律から見れば1項1号の保険契約の移転、1項2号の合併、1項3号の株式の取得はまったく別の手続である。移転や合併なら契約の相手方の会社が入れ替わり、株式取得なら相手方は同じ会社のまま資本だけが変わる。どれが選ばれたかで、手元に届く書類の種類も、契約者として意見を述べる場面があるかどうかも変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 260条:破綻処理の節の定義規定(誰が破綻保険会社か、どの経路があるか) | 241条:業務停止命令・保険管理人選任という発動処分 267条:救済保険会社等による資金援助の申込み手続 |
| 発動のタイミング | 定義規定のため単独発動はしない。他条の解釈基準として常時働く | 支払停止のおそれ等が認められた時点で行政処分として発動 受け皿候補が決まり機構へ申込みをする段階 |
| 契約者への影響 | 自分の引受会社が2項の定義に当たるかで避難経路が決まる | 処分時点で解約・解約返戻金の支払が事実上凍結される 資金援助の有無と規模が移転後の契約条件に影響する |
| 参照すべき関連条 | 135条(包括移転)、259条(機構の目的)、270条の3(補償割合) | 260条2項(破綻保険会社の定義) 260条4項・5項(資金援助・損害担保の定義) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も安定基金による資金援助と契約移転の枠組みを持つ。主務官庁は金融監督管理委員会で、日本の機構方式と機能的に近い
韓国は預金保険公社が保険契約者保護も担う一元型。日本が機構を保険専用に分離しているのと組織設計が異なる
ドイツは生命保険の保護基金を民間主体(Protektor)が担い、契約の移転先として機能する。承継保険会社に近い発想
米国は連邦一元ではなく州単位の保証協会方式。補償上限も州ごとに異なり、日本の全国一律の機構方式と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入中の生保に業務停止命令が出たと朝のニュースで知ったら、その日のうちに解約して資金を引き上げられるか。できない。241条の処分が出た時点で解約返戻金の支払も止まり、更生手続と受け皿探しが終わるまで数か月から1年、あなたの資金は動かせない。動けたのは報道の前だけだった
- あなたが中堅保険会社の経営企画にいて、破綻会社の契約の受け皿候補として名前が挙がった。検討の核心は買収価格ではなく、4項の資金援助、とりわけ5項の損害担保を機構からどこまで取れるかにある。引き継いだ資産が帳簿価額を下回って回収されたときの損失を誰が被るかが、その一行で決まる
- 父の遺品から30年前の終身保険の証券が出てきた。引受会社の名前を検索すると、その社名はすでに存在せず、契約は別の保険会社へ移転されていた。請求先は消えた社名ではなく、今その契約を持っている会社である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 引受会社に不安があるうちに、証券番号・契約日・予定利率・責任準備金相当額を一枚に控える。破綻後は照会窓口が混雑して数週間つながらない2. 業務停止命令が出たら解約はもうできないと前提を切り替え、機構と保険管理人からの公告・通知を必ず受け取れる住所を登録し直す3. 契約条件の変更案が示されたら、変更後の受取見込額と、同条件で新規加入した場合の保険料を必ず並べて比較する4. 新契約が成立するまで既存契約は切らない
訴えられた側:保険会社・保険持株会社側なら、1. 受け皿候補になった段階で1項のどの類型(移転・合併・株式取得)を選ぶかを先に確定させる。契約者手続も税務も異なる2. 4項の資金援助のうち、5項の損害担保の対象資産と補てん範囲を契約書面で明確化する。承継資産の簿価割れリスクの帰属はここで決まる3. 承継保険会社方式(6項)との比較試算を用意し、機構・当局との協議に臨む4. 代理店・募集人は、契約者への説明で補償率と予定利率引下げを混同しないよう説明文言を統一する
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。実務上の時計は別にある。保険給付を請求する権利・保険料返還請求権の消滅時効は3年(保険法第95条)。破綻処理では更生手続の債権届出期間や、移転手続における公告・異議申立期間が実質的な締切として先に来る。一般の債権は民法166条により権利行使できると知った時から5年、権利行使できる時から10年(最新の改正状況をご確認ください)
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