保険業法 第267条(保険契約の承継等の申込み)
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- 破綻保険会社は、救済保険会社又は救済保険持株会社等が現れる見込みがないことその他の理由により保険契約の移転等を行うことが困難な場合として内閣府令・財務省令で定める場合には、加入機構に対して、保険契約の承継又は保険契約の引受け(以下「保険契約の承継等」という。)を申し込むことができる。
- 2.破綻保険会社は、前項の申込みを行う場合においては、保険契約の移転等に関する他の保険会社又は保険持株会社等との交渉の内容を示す資料その他の内閣府令・財務省令で定める資料を加入機構に提出しなければならない。
- 3.破綻保険会社は、第一項の規定による保険契約の承継の申込みを行うときは、加入機構が当該保険契約の承継について資金援助(金銭の贈与又は資産の買取りに限る。)を行うことを、併せて当該加入機構に申し込むことができる。
- 4.前条第二項及び第三項の規定は、前項の資金援助について準用する。この場合において、同条第二項中「救済保険会社又は救済保険持株会社等及び破綻保険会社」とあるのは、「破綻保険会社」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
保険契約の承継等の申込みとは何ですか?
定義保険契約の承継等の申込みとは、保険業法第267条に定められた規定で、「破綻保険会社は、救済保険会社又は救済保険持株会社等が現れる見込みがないことその他の理由により保険契約の移転等を行うことが困難な場合として内閣府令・財務省令で定め…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第267条(保険契約の承継等の申込み)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第267条の条文原文は「破綻保険会社は、救済保険会社又は救済保険持株会社等が現れる見込みがないことその他の理由により保険契約の移転等を行うことが困難な場合として内閣府令・財務省令で定め…」で始まります。
- 保険業法第267条は第一目に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第267条の前の条は保険業法第266条です。
- 保険業法第267条の次の条は保険業法第268条です。
- 保険業法第267条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第267条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第267条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/267
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法267条は、救済保険会社が現れる見込みがない場合に、破綻保険会社が保険契約者保護機構へ保険契約の承継又は引受けを申し込めると定める。申込みには交渉資料の提出が必要。
Q · 救済に名乗り出る保険会社が一社も現れなかったら、契約はどうなるの?
救済会社がゼロでも、機構が契約を引き継ぐ道が残されています
保険業法267条により、破綻保険会社は、救済保険会社や救済保険持株会社等が現れる見込みがないなど内閣府令・財務省令で定める場合に限り、加入する保険契約者保護機構に対して保険契約の承継または保険契約の引受けを申し込むことができます。申込みの際には、他の保険会社等との移転交渉の内容を示す資料の提出が必要です(2項)。承継を申し込むときは、金銭の贈与または資産の買取りという資金援助も併せて申し込めます(3項)。ただし申込みは機構を拘束せず、引き受けるかどうかは機構が判断します。
解説
保険会社が破綻したとき、報道が追いかけるのは「どこが救済に名乗り出るか」だ。だが名乗り手がゼロだったら、あなたの契約はどうなるのか。その空白を埋めるのが本条である。破綻保険会社は、救済保険会社や救済保険持株会社等が現れる見込みがないなど、内閣府令・財務省令で定める場合に限り、自らが加入する保険契約者保護機構に対して、保険契約の承継(機構が関与する承継保険会社へ契約を移す)または保険契約の引受け(機構自身が契約を引き受ける)を申し込むことができる。しかも第2項で、他社との移転交渉の内容を示す資料の提出が義務づけられている。つまり「真面目に買い手を探したが見つからなかった」ことの立証が入口条件だ。承継を申し込むときは、金銭の贈与や資産の買取りという資金援助も併せて申し込める。あなたの契約は、保険会社が消えても宙に浮かない。ただし、同じ条件のまま続く保証はどこにもない。
法的な位置づけ
保険業法第267条は、破綻保険会社による保険契約の承継等の申込みを定める規定である。救済保険会社等が現れる見込みがないことその他内閣府令・財務省令で定める場合において、破綻保険会社は加入機構に対し保険契約の承継又は引受けを申し込むことができ、その際は他の保険会社等との移転交渉の内容を示す資料の提出を要する。承継の申込みには資金援助を併せて申し込める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.救済保険会社の探索を尽くし、その記録を残す 本条の申込みは、救済保険会社等が現れる見込みがないことなど内閣府令・財務省令で定める場合に限られる。打診先、打診日、提示条件、断られた理由を時系列で保全し、「形だけ声をかけた」との評価を受けない水準まで記録を積み上げる
- 2.承継か引受けかを選択し、申込内容を確定する 保険契約の承継(承継保険会社へ契約を移す)と保険契約の引受け(機構自身が引き受ける)のいずれを申し込むかを決める。契約ポートフォリオの種別、責任準備金の規模、事務の移管可能性から選択を根拠づける
- 3.移転交渉資料その他の定める資料を添えて加入機構へ申し込む 第2項により、他の保険会社または保険持株会社等との移転交渉の内容を示す資料その他内閣府令・財務省令で定める資料の提出が義務づけられる。資料の欠落は入口で申込みを止めるため、機構の求める様式を事前確認する
- 4.承継の申込みなら資金援助を併せて申し込む 第3項により、保険契約の承継を申し込むときは、金銭の贈与または資産の買取りに限る資金援助を同時に申し込める。必要額の算定を並行させ、承継後の事業継続に不足が生じない水準を根拠資料とともに示す
- 5.契約者への情報発信を機構・管財人の公式情報に一本化する 申込みは機構を拘束せず、引き受けるかどうかは機構が判断する。したがって代理店や募集人を含め、補償率や契約の存続条件を独自に約束しない。問い合わせ窓口と公式発表の参照先を統一して周知する
よくある質問 AI による整理
Q1保険契約者保護機構とは何ですか?
保険会社が破綻したときに契約者を保護するための法人で、生命保険と損害保険で別々に設けられています。会員である保険会社の負担金を原資に、資金援助や保険契約の承継・引受けを行います。
Q2承継保険会社とは何ですか?
機構が関与して保険契約を引き継がせる受け皿の保険会社です。契約者から見れば、保険料の払込先と保険金の請求先が承継保険会社へ移ることを意味します。
Q3責任準備金等の90%とはどういう意味ですか?
生命保険の補償は原則として責任準備金等の90%が基準です。払った保険料の90%でも保険金額の90%でもありません。責任準備金は将来の支払いに備えた積立部分で、貯蓄性の高い商品ほど差が開きます。
Q4高予定利率契約だと補償は減りますか?
予定利率が高い契約は補償がさらに削られる余地があるとされています。破綻報道が出たら、救済会社の有無より先に自分の契約の予定利率を確認することが、解約と継続の損得計算の出発点になります。
Q5少額短期保険や共済は保護機構の対象ですか?
少額短期保険業者やJA共済・こくみん共済などの共済は、保険契約者保護機構の会員ではありません。掛金の安さで選んだ商品は、保険業法267条の承継等の枠組みの外側に置かれています。
Q6保険会社が破綻したら解約すべきですか?
慌てて解約すると不利になる場合があります。破綻後の解約には早期解約控除が上乗せされることがあり、承継・引受け後も契約を続けた方が有利なケースもあります。判断は機構と管財人の公式発表を確認してからにしてください。
Q7損害保険の補償割合はどうなりますか?
損害保険は生命保険と機構が分かれており、補償の割合や期間の扱いは保険の種類ごとに異なります。自動車保険や火災保険など契約類型で結論が変わるため、損害保険契約者保護機構の公表資料で自分の種目を確認してください。
Q8保険業法266条と267条の違いは何ですか?
266条は救済保険会社等が現れた場合に、その会社と破綻保険会社が共同で機構へ資金援助を申し込む規定です。267条は救済会社が現れる見込みがない場合に、破綻保険会社が単独で承継等を申し込む規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が潰れたら、払い込んだ保険料は全部パーになるんですか?
全部は消えない。契約は救済保険会社、承継保険会社、または機構自身に引き継がれる(第266条、本条)。ただし生命保険の補償は原則として責任準備金等の90%で、払った保険料や保険金額の90%ではない。実務のポイント:破綻直後の解約は早期解約控除が上乗せされ、継続より不利になる場合がある。窓口は頼まれれば手続を進めるが、損得までは計算してくれない(最新の補償ルールをご確認ください)
Q2機構に申し込めば、必ず契約を引き取ってもらえるんですか?
申込みは権利だが、引受けの確約ではない。第1項は申込みができる場面を内閣府令・財務省令で絞り、第2項は他社との交渉資料の提出を義務づける。受けるか否かは機構が決める。実務のポイント:日本の保険会社破綻は救済会社方式や更生手続でのスポンサー選定で処理されてきており、本条の承継・引受けルートが実際に発動した例は確認されていない。制度は存在するが、実務は別の線路を走っている
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社が潰れたら保険金は全額出るのか、ゼロなのか」という問いの立て方そのものがずれている。本当の分岐は全額かゼロかではなく、契約が誰に引き継がれるか(第266条の救済会社か、本条の承継・引受けか)と、補償の計算基準がどこに置かれるか、の二段構えだ。この構造を知らないまま解約か継続かを決めると、一番損な選択を引き当てやすい
- 保護機構の存在自体は知っている人でも、生命保険の補償が原則として「責任準備金等の90%」であり、支払った保険料の90%でも受取保険金額の90%でもないという点までは把握していないことが多い。責任準備金は積立部分であって、証券に書かれた金額そのものではない。この差は、長期の貯蓄性商品ほど大きく開く
- あなたから見れば本条の申込みは破綻会社からの一方的な救済要請に見える。だが法から見れば、申込みは機構を拘束しない。第1項は申込みができる場合を内閣府令・財務省令で絞り、受けるかどうかは機構の判断に委ねられている。申し込んだ=助かる、ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動場面 | 保険業法267条:救済保険会社等が現れる見込みがない等、内閣府令・財務省令で定める場合 | 保険業法266条:救済保険会社又は救済保険持株会社等が現れた場合 保険業法270条の4:機構による保険契約の引受けの手続・効果(現行の条文構成を要確認) |
| 申込みの主体 | 破綻保険会社が単独で加入機構へ申し込む | 救済保険会社又は救済保険持株会社等及び破綻保険会社(第267条4項の読替え規定から読み取れる構造) 引受け決定後の実行局面であり、申込みの主体を定める規定ではない |
| 申込みの中身 | 保険契約の承継又は保険契約の引受け(承継のときは資金援助を併せて申込み可) | 資金援助の申込み 機構が引き受けた保険契約の取扱い |
| 提出が要る資料 | 他の保険会社又は保険持株会社等との移転交渉の内容を示す資料その他定める資料(2項) | 資金援助に係る申込資料 引受けの実行に伴う手続書類 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も業界拠出の安定基金を置き、破綻時に保険契約の承受や墊付を行う。受け皿を基金に一本化している点が日本の二機構体制と異なる
韓国は預金保険公社が銀行と保険を横断して保護する設計。日本が保険専用の機構を置くのに対し、保護主体が統合されている
ドイツは生命保険と健康保険について保障基金を設け、契約の移転により契約関係の継続を図る。給付の引下げが監督法上の手段として組み込まれている
米国は州ごとの保障協会が保護を担い、補償上限が州法で定められる。連邦一元の受け皿がない点が日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社に金融庁の業務停止命令が出た。もし救済に手を挙げる会社が一社も現れなかったら、あなたの保険はどうなる? 解約すべきか、待つべきか。破綻後の解約には早期解約控除が上乗せされる場合があり、慌てて動いた人ほど損をすることがある。判断のタイミングは、機構の手続が動き出す数週間のうちに来る
- あなたが破綻保険会社の経営側、あるいはその商品を売ってきた代理店の立場だとしたら。本条の申込みには他社との交渉資料の提出が要る。「形だけ声をかけた」では機構の入口で止まる。打診した日付、提示した条件、断られた理由、それが残っていない会社は第267条の扉すら開けない
- 勤務先の団体保険が破綻保険会社の商品だった。総務担当のあなたに社員から質問が殺到する。答えの前提は、救済会社が現れた本線(第266条)か、現れなかった本条ルートか、その二択の見極めだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 証券を出し、商品種別(生保か損保か、貯蓄性か保障性か)、契約時期、予定利率を確認する2. 破綻後の情報源は報道ではなく、機構と管財人の公式発表に一本化し、手続日程を押さえる3. 慌てて解約しない。破綻後の解約には早期解約控除が加算される場合があり、承継・引受け後も契約を継続した方が有利なケースがある4. 現に入院中・保険金請求中なら、支払の取扱いと猶予期間を最優先で確認する
訴えられた側:1. 本条の申込みには他社との移転交渉資料の提出が要る(第2項)。打診日、提示条件、断られた理由を時系列で保全する2. 救済会社探索(第266条ルート)を尽くした記録がなければ、承継等の申込みは入口で詰まる3. 承継を申し込むなら資金援助(金銭の贈与・資産の買取り)も併せて申し込めるため、必要額の算定を並行させる4. 代理店側なら、契約者への説明は機構の公式情報に限定し、補償率や存続条件を独自に約束しない
時効(請求できる期限):本条の申込み自体に法定の期限はないが、業務停止命令や更生手続の進行に事実上拘束され、実務上の猶予は極めて短い。契約者側の保険給付請求権の消滅時効は3年(保険法95条)が基準となる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成10年(1998年) 保険契約者保護基金制度に代わる保険契約者保護機構制度の創設に伴い、救済保険会社が現れない場合の受け皿手続として新設された系統の規定
- 平成12年(2000年)前後 承継保険会社制度および保険会社に対する更生手続の特例整備に伴い、承継・引受けの申込み構造が現在の形へ整理された
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:保険契約者保護基金制度に代わる保険契約者保護機構制度の創設に伴い、救済保険会社が現れない場合の受け皿手続として整備された系統の規定(沿革の詳細は e-Gov の改正履歴で要確認)
- 2.平成12年(2000年)前後 改正:承継保険会社制度および保険会社に対する更生手続の特例の整備に伴い、承継・引受けの申込み構造が現在の形へ整理された(沿革の詳細は e-Gov の改正履歴で要確認)
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