保険業法 第270条の2(破綻保険会社の財産の評価)
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- 第二百六十六条第一項又は第二百六十七条第一項の申込みを行う破綻保険会社は、その申込みと同時に、又はその申込み後遅滞なく、自ら行ったその財産(外国保険会社等にあっては、日本に所在する財産。以下この款において同じ。)の評価(次項及び第四項において「財産自己評価」という。)が適切であることについて加入機構の確認を求めなければならない。
- 2.加入機構は、審査会の議を経て、前項の確認を求められた財産自己評価が適切であると判定したときは、当該財産自己評価が適切であることを確認した旨を当該申請をした破綻保険会社に通知するものとする。
- 3.加入機構は、前項の判定をするため必要があると認めるときは、当該申請をした破綻保険会社の財産を評価するための調査をすることができる。
- 4.加入機構は、審査会の議を経て、第一項の確認を求められた財産自己評価が適切でないと判定したときは、その旨を当該申請をした破綻保険会社に通知するとともに、当該破綻保険会社の財産を評価するための調査をするものとする。
- 5.加入機構は、審査会の議を経て、前項の規定による調査に基づく評価が適切であることを確認した後、その評価の内容を当該申請をした破綻保険会社に通知するものとする。
- 6.加入機構は、第二項又は前項の通知をしたときは、直ちに、その通知に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
この条文の基本情報
破綻保険会社の財産の評価とは何ですか?
定義破綻保険会社の財産の評価とは、保険業法第270条の2に定められた規定で、「第二百六十六条第一項又は第二百六十七条第一項の申込みを行う破綻保険会社は、その申込みと同時に、又はその申込み後遅滞なく、自ら行ったその財産(外国保険会社等にあっ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第270条の2(破綻保険会社の財産の評価)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第270条の2の条文原文は「第二百六十六条第一項又は第二百六十七条第一項の申込みを行う破綻保険会社は、その申込みと同時に、又はその申込み後遅滞なく、自ら行ったその財産(外国保険会社等にあっ…」で始まります。
- 保険業法第270条の2は第一目に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第270条の2の前の条は保険業法第270条です。
- 保険業法第270条の2の次の条は保険業法第270条の3です。
- 保険業法第270条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第270条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第270条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/270_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法270条の2は、資金援助を申し込む破綻保険会社に財産自己評価の適切性について加入機構の確認を求めることを義務付け、加入機構は審査会の議を経て判定する。
Q · 破綻した保険会社の財産は、誰がいくらと決めるんですか?
破綻会社が自己評価し、加入機構が審査会の議を経て確認します
保険業法270条の2により、資金援助を申し込む破綻保険会社は、まず自ら財産を評価し(財産自己評価)、その適切性について加入機構の確認を求めなければなりません(1項)。加入機構は審査会の議を経て判定し(2項)、必要なら調査でき(3項)、不適切と判定したときは自ら調査して評価します(4項・5項)。確定した内容は直ちに内閣総理大臣及び財務大臣に報告されます(6項)。
解説
保険会社が破綻したとき、契約者の運命を左右するのは「その会社の財産がいくらあるか」という一つの数字である。保険業法270条の2は、その数字を誰が決めるかを定める。破綻した保険会社が保険契約者保護機構に資金援助を申し込むとき、まず自分で自分の財産を評価する(財産自己評価)。だが、その自己申告をそのまま信じるわけにはいかない。機構は審査会という第三者の合議を経て、その評価が適切かを判定する。不適切と判定すれば、機構が自ら調査に乗り出す。そして結論は内閣総理大臣と財務大臣に報告される。あなたが契約している生命保険会社が明日破綻したとしたら、あなたの解約返戻金がどれだけ削られるかは、この条文が動かす評価手続の結果で決まる。破綻会社の言い値ではなく、審査会の議を経た数字が基準になる。ここに、あなたの保険が守られる仕組みの一段目がある。
法的な位置づけ
保険業法270条の2は、保険契約者保護機構への資金援助の申込みに伴う財産評価手続を定める規定である。破綻保険会社は自ら行った財産自己評価の適切性について加入機構の確認を求め、加入機構は審査会の議を経てその適切性を判定する。不適切と判定された場合は加入機構が調査により評価し、確認された内容は内閣総理大臣及び財務大臣に報告される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.資金援助の申込みと同時に評価スケジュールを確定 保険業法266条1項または267条1項の申込みを行う段階で、財産自己評価の完了時期と加入機構への確認要請時期を確定させる。申込み後「遅滞なく」が要件のため、申込みから評価着手までの空白は手続全体の停滞要因になる
- 2.財産自己評価を検証可能な方法で実施 評価基準日、評価方法、区分経理の取扱いを明文化し、資産区分ごとに根拠資料を紐づける。外国保険会社等の場合は日本に所在する財産に対象を限定する(1項括弧書き)
- 3.加入機構に適切性の確認を求める 生命保険契約者保護機構または損害保険契約者保護機構のうち加入機構に対し、財産自己評価が適切であることの確認を申請する。加入機構は審査会の議を経て判定し、適切と判定すればその旨が通知される(2項)
- 4.加入機構の調査に対応する 加入機構は判定に必要と認めるとき調査を行うことができ(3項)、不適切と判定した場合は自ら評価のための調査をする(4項)。調査対応窓口を一本化し、資料提出履歴を残す
- 5.確定評価の通知と大臣報告を前提に説明責任を整える 加入機構は審査会の議を経て評価内容を通知し(5項)、通知事項は直ちに内閣総理大臣及び財務大臣に報告される(6項)。報告を前提に、評価方法の合理性を社内外へ説明できる文書を整備する
よくある質問 AI による整理
Q1財産自己評価とは何ですか?
破綻保険会社が自ら行う自社財産の評価です。保険業法270条の2第1項により、資金援助の申込みと同時または遅滞なく、その適切性について加入機構の確認を求める必要があります。
Q2保険契約者保護機構の審査会とは何ですか?
財産評価の適切性などを合議で判定する機構内の組織です。本条では2項・4項・5項の各判定段階で必ず審査会の議を経ることが要件とされています。
Q3加入機構の確認はいつまでに求めるのですか?
資金援助の申込みと同時、またはその申込み後遅滞なくです(1項)。具体的な日数の定めはなく、合理的期間内という解釈になります。
Q4財産自己評価が適切でないと判定されたらどうなりますか?
加入機構がその旨を通知したうえで、自ら財産を評価するための調査を行います(4項)。調査に基づく評価は審査会の議を経て確認され、破綻保険会社に通知されます(5項)。
Q5生命保険と損害保険で保護機構は違いますか?
別法人で、生命保険契約者保護機構と損害保険契約者保護機構があります。本条の「加入機構」は当該破綻保険会社が加入している方の機構を指します。
Q6資金援助の申込みは誰が行うのですか?
破綻保険会社側です。保険業法266条1項(保険契約の引受け)または267条1項(保険契約の承継等)に基づく申込みが本条の手続の起点になります。
Q7外国保険会社の場合、評価の対象はどこまでですか?
日本に所在する財産に限られます(1項括弧書き)。海外本店の財産は本条の財産自己評価の対象外です。
Q8評価結果はどこに報告されるのですか?
加入機構は2項または5項の通知をしたときは、直ちにその事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければなりません(6項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が潰れたら、積み立てたお金は全部返ってこないんですか?
全額ではないが、ゼロでもない。生命保険では破綻時点の責任準備金の90% までが補償される(保険業法270条の3以下、高予定利率契約は補償割合が引き下げられる)。ただし補償額の母数となる財産評価が本条の手続で確定するため、結論が出るまで時間がかかる。実務のポイント:補償されるのは「責任準備金の90%」であって「払い込んだ保険料の90%」ではない。この二つは全く違う金額になる。特に契約初期の解約返戻金が低い時期に破綻すると、体感の目減り幅は10% どころではない
Q2破綻した会社が自分で財産を評価するって、公正なんですか?
だからこそ本条は二重の歯止めを置いている。機構が審査会の議を経て適切性を判定し(2項)、必要なら調査もでき(3項)、不適切と判定すれば機構自身が調査する(4項)。さらに結果は内閣総理大臣と財務大臣に報告される(6項)。実務のポイント:実務では自己評価の段階で機構との事前協議が行われることが多く、4項の「不適切」判定に至る前に調整されるのが通常。条文の建て付けと実際の運用には距離がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「保護機構が動けば契約は全額守られる」と理解している人は多いが、守られるのは責任準備金の90%(高予定利率契約はさらに削減)であり、しかもその母数となる財産額が本条の評価手続で確定する。補償の存在は知っていても、その金額が評価手続の結果に左右される点まで知っている契約者はほとんどいない
- 「破綻会社が自己申告するなら形骸化しているのでは」という問いの立て方自体がずれている。本条の設計思想は自己評価を信じることではなく、自己評価を出させたうえで機構に検証権限(3項・4項の調査)を与え、審査会の議を経る手続を義務付けることにある。誰が最初に数えるかではなく、誰が最後に確認するかが要点だ
- 契約者から見れば「保険会社が潰れた、補償率はいくらか」という関心だが、法律から見ればこの条文は破綻会社と機構の間の手続規定であり、契約者は当事者ですらない。この落差ゆえに、契約者は評価手続に異議を述べる直接の手段を持たない。だからこそ手続の中立性が制度上の生命線になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 270条の2:資金援助の前提となる財産評価手続 | 266条:保険契約の引受けに係る資金援助の申込み根拠 270条:資金援助を行うかどうかの決定手続 |
| 手続を動かす主体 | 破綻保険会社が自己評価、加入機構が確認・調査 | 破綻保険会社(救済保険会社等とともに)が申込み 加入機構が決定 |
| 審査会の関与 | 2項・4項・5項の各判定で審査会の議が必須 | 申込段階では本条のような判定は行われない 資金援助の決定に際して機構内の議を経る |
| 大臣への報告 | 2項・5項の通知をしたときは直ちに内閣総理大臣及び財務大臣へ報告(6項) | 申込み自体に本条同様の報告義務の定めはない 決定内容は破綻処理全体の監督枠組みの中で扱われる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では保険安定基金が資金援助・接管時の財産状況把握を担う。第三者合議体による自己評価の適切性判定という日本型の二段構えは明文化されていない
韓国は保険会社も預金者保護法の付保対象とし、예금보험공사が資産査定と資金援助を一体で担う。日本のように保険専用の保護機構を別に置く構造ではない
生命保険については Sicherungsfonds(Protektor)に契約が移転される仕組みが中心で、破綻会社の自己評価を起点とする確認手続という建て付けは採られていない
米国は州保険監督官による receivership の下で資産評価が行われ、guaranty association が州ごとの上限額で補償する。評価主体は破綻会社ではなく管財人側である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社の経営不安がニュースになり、解約すべきか迷っている。破綻しても保護機構が動き、責任準備金の90% までは補償される(高予定利率契約は除く)。ただしその前提は、この条文による財産評価が正確に行われることだ。慌てて解約すると解約控除を丸ごと負担する側に回る
- あなたが破綻保険会社の経理部門にいて、財産評価の資料作成を担当したとしたら? 自己評価が「適切でない」と判定された瞬間、機構の調査が入る。その調査結果があなたの作った数字と大きく乖離すれば、会社の経営陣の責任問題に直結する
- 保険代理店の経営者。取り扱う保険会社が破綻したとき、顧客から「私の保険はどうなる」と電話が殺到する。答えられるかどうかは、資金援助の前提として財産評価手続があり、それが機構と審査会の二段構えであることを理解しているかにかかる
- 破綻処理の報道を見ていて「なぜ補償割合の発表まで数か月かかるのか」と疑問に思う。答えはここにある。自己評価、機構の確認、不適切なら再調査、大臣への報告、この手続を一つずつ踏むからだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約している保険会社に破綻の兆候が出たら、まず保険証券を確認し、責任準備金額と予定利率を把握する2. 生命保険契約者保護機構(損害保険は損害保険契約者保護機構)の公表情報を定期的に確認、資金援助手続の段階を追う3. 慌てて解約しない。破綻後は解約に制限がかかるが、破綻前の早期解約は解約控除を全額負担することになる4. 補償内容に疑義があれば、機構の相談窓口または金融庁の金融サービス利用者相談室に照会する
訴えられた側:1. 破綻保険会社の側に立つ場合、財産自己評価は申込みと同時または遅滞なく機構の確認を求める義務がある(1項)、遅延は手続全体を停滞させる2. 評価の根拠資料を体系的に整備、機構の調査(3項・4項)に耐える水準で準備する3. 自己評価が適切でないと判定された場合(4項)、機構の調査による評価が最終的な基準になるため、自己評価の段階で保守的かつ検証可能な方法を採る4. 結果は内閣総理大臣および財務大臣に報告される(6項)ことを前提に、評価方法の説明責任を確保しておく
時効(請求できる期限):資金援助の申込みと同時、またはその申込み後遅滞なく機構の確認を求めなければならない(本条1項)。「遅滞なく」に具体的な日数の定めはなく、合理的期間内という解釈になる。この条文自体に消滅時効の定めはないが、破綻処理手続全体の期限管理は保険業法第10章の各手続規定に従う
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法が全部改正され(平成7年法律第105号)、現行保険業法の枠組みが成立した
- 2.平成10年(1998年) 改正:保険契約者保護機構制度が導入され、資金援助に関する一連の手続規定が整備された(各条の追加時期・条文番号は e-Gov 改正履歴での確認が必要)
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