保険業法 第271条の11
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- 内閣総理大臣は、前条第一項又は第二項ただし書の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
- 一当該認可の申請をした者(以下この条において「申請者」という。)が会社その他の法人である場合又は当該認可を受けて会社その他の法人が設立される場合にあっては、次に掲げる基準に適合すること。
- 一取得資金に関する事項、保有の目的その他の当該申請者又は当該認可を受けて設立される会社その他の法人(以下この号において「法人申請者等」という。)による保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有に関する事項に照らして、当該法人申請者等がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる保険会社の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
- 二法人申請者等及びその子会社(子会社となる会社を含む。)の財産及び収支の状況に照らして、当該法人申請者等がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる保険会社の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
- 三法人申請者等が、その人的構成等に照らして、保険業の公共性に関し十分な理解を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
- 二前号に掲げる場合以外の場合にあっては、次に掲げる基準に適合すること。
- 一取得資金に関する事項、保有の目的その他の当該申請者による保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有に関する事項に照らして、当該申請者がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる保険会社の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
- 二当該申請者の財産の状況(当該申請者が事業を行う者である場合においては、収支の状況を含む。)に照らして、当該申請者がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる保険会社の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
- 三当該申請者が、保険業の公共性に関し十分な理解を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の11は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の11の条文原文は「内閣総理大臣は、前条第一項又は第二項ただし書の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第271条の11は第一款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の11の前の条は保険業法第271条の10です。
- 保険業法第271条の11の次の条は保険業法第271条の12です。
- 保険業法第271条の11には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の11 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の11(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の11は、保険会社の主要株主認可について内閣総理大臣が審査すべき基準を定める。申請者の財産及び収支の状況と、人的構成等に照らした社会的信用の二本立てで判断される。
Q · 保険会社の株を20パーセント買うとき、金融庁は何を審査するんですか?
審査対象は保険会社ではなく、株を買う申請者の財産と信用です
保険業法271条の11により、内閣総理大臣は主要株主認可の申請について、法定の基準に適合するかどうかを審査しなければなりません。基準は二本立てで、申請者(法人なら子会社等を含む)の財産及び収支の状況から保険会社の健全かつ適切な業務運営を損なうおそれがないこと、及び人的構成等から保険業の公共性を理解し十分な社会的信用を有することです。裁量的な許可ではなく基準適合性の審査義務を定めた条文であるため、不認可は理由を示すべき行政処分となり、再申請や争訟の余地が残ります。
解説
保険会社の株を買い集めるとき、金融庁の審査卓に載るのは保険会社ではなく、買おうとしているあなた自身である。保険業法271条の10第1項は、保険会社の議決権を主要株主基準値(原則20パーセント、内閣府令で定める場合は15パーセント)以上保有しようとする者に、あらかじめ内閣総理大臣の認可を義務づけている。本条はその認可を通すか止めるかの尺度を定める。尺度は二本立てである。申請者が会社その他の法人なら、申請者とその子会社等の財産及び収支の状況に照らして、その保険会社の健全かつ適切な業務運営を損なうおそれがないこと、そして人的構成等に照らして保険業の公共性を理解し十分な社会的信用を持つこと。個人が申請者なら、同趣旨の基準を個人の財産状況と社会的信用に当てはめる。見落とされやすいのは「審査しなければならない」という語尾だ。行政に自由な好き嫌いを許した条文ではなく、基準適合性の判断を義務づけた条文である。だから不認可は理由を示すべき行政処分(役所があなたに直接下す具体的決定)になり、争う道が残る。
法的な位置づけ
保険業法271条の11は、保険会社の主要株主認可に係る審査基準を定める規定である。内閣総理大臣は、同法271条の10第1項又は第2項ただし書の認可申請について、申請者が法人である場合と個人である場合に分け、財産及び収支の状況並びに人的構成等に照らした社会的信用の有無を審査する義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.議決権の保有割合を合算ベースで確定する 取得予定の議決権に、共同保有者分・子会社等の保有分を合算して主要株主基準値(原則20パーセント、内閣府令で定める場合は15パーセント)に達するかを確定する。基準値に達しなくても5パーセントで大量保有報告の開示義務が生じる点を別建てで確認する
- 2.二基準の疎明資料を分担して揃える 第一の基準(申請者及び子会社等の財産及び収支の状況)は財務部門が、第二の基準(人的構成等に照らした社会的信用・保険業の公共性の理解)は法務・人事部門が担当する。財務が万全でも第二基準で止まる案件があるため、二系統を同時並行で進める
- 3.株式譲渡契約の署名前に金融庁へ事前相談する 署名後に相談を始めると、違約金か無認可保有かの二択に追い込まれる。署名前に事前相談で論点を洗い出し、認可取得をクロージングの前提条件として契約書に明記する。外資案件では外国為替及び外国貿易法の対内直接投資の事前届出も並走させる
- 4.認可申請書を提出し標準処理期間を管理する 保険業法271条の10第1項の認可申請を提出し、公表されている標準処理期間(行政手続法6条)に照らして進捗を管理する。追加照会には想定問答をあらかじめ用意し、回答の遅れが審査全体を止めないようにする
- 5.不認可なら理由提示から不適合箇所を特定して再申請する 処分の理由提示(行政手続法8条)を書面で確認し、二基準のどちらが不適合とされたかを特定する。財産及び収支の指摘なら資本構成の組み替え、人的構成の指摘なら役員体制の入れ替えで埋める。並行して審査請求3か月・取消訴訟6か月の期間を押さえ、再申請と争訟のどちらが早いかを比較する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法271条の11とは何ですか?
保険会社の主要株主になるための認可について、内閣総理大臣が審査すべき基準を定めた規定です。申請者の財産及び収支の状況と、人的構成等に照らした社会的信用の二つを審査します。
Q2保険会社の株は何パーセントから認可が必要?
主要株主基準値は原則20パーセント、内閣府令で定める場合は15パーセントです(保険業法2条14項)。議決権は共同保有者や子会社の保有分と合算して数えます。
Q3保険主要株主の認可申請はどこに出すの?
認可権者は内閣総理大臣ですが、権限は金融庁長官に委任されており、実務の窓口は金融庁です。申請前に事前相談を経るのが通例で、ここで論点を洗い出します。
Q4主要株主の認可が下りないのはどんな場合?
申請者及びその子会社等の財産及び収支の状況が保険会社の健全かつ適切な業務運営を損なうおそれがある場合、または人的構成等から十分な社会的信用を欠くと判断された場合です。
Q5認可なしで保険会社株を持ったらどうなる?
認可を得ずに基準値以上を保有すると、監督上の措置や是正を求める対応の対象となり得ます。判明した時点で自主的に報告し是正計画を先に出す方が、選べる手が多く残ります。
Q6相続や担保権実行で基準値を超えたら?
その事由が生じた事業年度の終了の日から1年を経過する日までに、保有継続の認可を得るか売却する必要があります(保険業法271条の10第2項)。
Q7主要株主認可の審査はどのくらいかかる?
本条に期間の定めはありません。標準処理期間は行政手続法6条に基づき行政庁が定めて公表するため、金融庁の公表内容と事前相談の進み方から見通しを立てます。
Q8不認可処分は争えますか?
争えます。基準適合性の審査義務を定めた条文であるため、不認可は理由を示すべき行政処分です。審査請求は3か月、取消訴訟は6か月以内ですが、指摘箇所を埋めた再申請が早い場面も多いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q120パーセントぎりぎりまでなら、認可なしで買い進めていいんですよね?
基準値は原則20パーセントだが、内閣府令で定める場合は15パーセントで達する(保険業法2条14項)。しかも議決権は共同保有者や子会社の保有分と合算して数える。認可は「あらかじめ」取るものであり(同法271条の10第1項)、越えてから申請しても後追いにはならない。実務のポイント:条文の二基準は最低ラインで、実務の本番は金融庁との事前相談である。相談で論点を洗い出し、株式譲渡契約に認可取得を前提条件として書き、クロージングを認可後に置くのが定石。この順番を崩した案件だけが揉める
Q2うちは投資ファンドなんですが、保険会社株を持つと出資者まで調べられるんですか?
法人が申請者の場合、基準は申請者とその子会社等の財産及び収支の状況、そして人的構成等に照らした社会的信用と公共性の理解に及ぶ。実務では運用主体の体制や最終的な資金の出し手まで説明を求められることがあり、どこまで及ぶかは運用に委ねられ解釈が分かれている。実務のポイント:純投資か経営関与かで審査の深さが変わる。役員派遣や経営方針への関与を予定しているなら、経営管理体制をどう構築するかを先に固めた方が、質問が来てから作るより短く済む
間違えやすい点 AI による整理
- 「どうすれば認可を出してもらえるか」という問いの立て方そのものがずれている。本条は行政の裁量の余地を並べた条文ではなく、掲げられた基準への適合性を審査する義務を内閣総理大臣に課した条文である。したがって勝負所は役所への働きかけではなく、二つの基準に適合していることを示す資料が揃っているかという一点に収束する
- 20パーセントを超えなければ無関係だと理解されていることが多いが、主要株主基準値は原則20パーセントであって、内閣府令で定める場合には15パーセントで基準値に達する(保険業法2条14項)。実際の線は自分が思っている位置より手前にある可能性がある(最新の内閣府令の定めをご確認ください)
- 財務の健全性を見られる制度だという理解は正しいが、その深刻度が過小評価されている。人的構成と社会的信用は財務とは独立した基準であり、資金力が完璧でも、役員の適格性や反社会的勢力との関係、過去の法令違反歴が理由で止まりうる。買収資金を積み上げる作業と、経営陣の適格性を説明できる状態に整える作業は、別々に、同時に進めなければならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 保険業法271条の11:主要株主認可の審査基準(行政に審査義務を課す) | 保険業法271条の10:認可を要する場面と申請義務そのものの根拠 保険業法2条14項:主要株主基準値(原則20パーセント)の定義 |
| 審査の名宛人 | 株を取得しようとする申請者(法人なら子会社等を含む/個人も対象) | 同じく申請者。ただし「いつ申請するか」を定める規定 誰も審査しない。数値の定義規定 |
| 見られる中身 | 財産及び収支の状況+人的構成等に照らした社会的信用・公共性の理解 | あらかじめの認可か、事由発生後1年以内の保有継続認可かの区別 議決権の数え方(共同保有者・子会社分の合算) |
| 免許審査との関係 | 免許後に持ち主が代わるときの第二の関所 | 第二の関所の入口(申請のトリガー) 関所が作動する高さの目盛り |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も同一人・同一関係人の保険会社株式保有について一定比率で申報・許可を要求する構造をとる。持株比率の段階ごとに手続が重くなる設計であり、日本の主要株主基準値方式と発想は共通する(具体的な比率と手続は最新の条文を要確認)
韓国は保険業法ではなく金融会社支配構造法に大株主変更承認を集約し、銀行・保険・証券を横断して同一の枠組みで審査する。業法ごとに規定を置く日本と条文配置が異なる
EU は Solvency II 指令により、保険会社の適格保有取得について監督当局の事前審査を義務づけ、審査項目と期間を指令レベルで統一している。ドイツ VAG はこれを国内法化したもので、基準の外部検証可能性という点で日本の本条と方向性が一致する
米国は州法ベースで、議決権の10パーセント取得を「支配」と推定し Form A による事前承認を要求する。連邦一元ではなく州保険庁が審査する点が日本との最大の構造差
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、株式譲渡契約にサインした後で認可が下りなかったら? クロージング日は待ってくれず、株式は移転できない。認可取得を前提条件として書き込まなかった契約書は、違約金を払うか、無認可で基準値以上を握るかの二択に追い込まれる。残り営業日はカレンダーどおりにしか増えない
- 取引先の保険会社株を、担保権の実行で気付かないうちに基準値以上握ってしまった。あなたは今、保有継続の認可申請か期限内の売却かの分岐に立っている。期限は、その事由が生じた事業年度の終了の日から1年を経過する日までである(保険業法271条の10第2項)
- 海外の投資ファンドが中堅生保の買収に動く案件で、あなたは受け入れ側の企画担当になった。資金は潤沢で第一の基準(財産及び収支)は問題なく通る見込みだが、運用主体の人的構成、過去の行政処分歴、保険業の公共性への理解をどう資料で示すかが詰まっていない。財務が万全でも二本目の基準で止まる案件は実際にある。並行して外国為替及び外国貿易法の対内直接投資の事前届出も走り、時計は二つ同時に動く
取るべき行動
被害を受けた側:認可が下りない、または不認可となった側の手順。1. 処分の理由提示を書面で確認し、二つの基準のどちらが不適合とされたかを特定する(行政手続法8条)。2. 標準処理期間の設定状況を確認し、審査が止まっているだけなのか判断が出たのかを切り分ける。3. 財産及び収支の指摘なら資本構成、人的構成の指摘なら役員体制を組み替えて再申請する道を第一に検討する。4. 並行して審査請求と取消訴訟の期間を押さえ、再申請と争訟のどちらが早いかを比較する
訴えられた側:認可を得ずに基準値以上を保有している、または指摘を受けた側の手順。1. 議決権の計算範囲を再確認する。共同保有者分や子会社保有分の合算で基準値に達していないか確かめる。2. 担保権の実行等の事由による取得なら、事由の生じた事業年度の終了の日から1年の期限を確定させ、保有継続の認可申請か売却かを決める(保険業法271条の10第2項)。3. 認可なき保有が判明した時点で自主的に報告し、是正計画を先に出す。指摘を待って動いた場合より選べる手が多く残る
時効(請求できる期限):本条自体に期限規定はない。関連する期限は三つ。保有継続の認可は、担保権の実行等の事由が生じた事業年度の終了の日から1年を経過する日までに処理する必要がある(保険業法271条の10第2項)。不認可処分への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項)。取消訴訟は、処分があったことを知った日から6か月(行政事件訴訟法14条1項)
改正沿革 AI による整理
- 新設年次および改正履歴は要検証 保険主要株主に係る認可制度は、銀行法の主要株主規制と歩調を合わせた金融関連法の改正により整備されたものと解されるが、新設年次、その後の改正回数、主要株主基準値に関する内閣府令の改定時期について確信が持てないため、人的検証が必要である
- 保険業法 第271条の10本条が審査する認可申請の根拠規定
- 保険業法 第2条主要株主基準値の定義規定
- 保険業法 第5条保険業免許の審査基準との構造的対応
- 保険業法 第271条の18保険持株会社に係る認可との並び(条番号の現行効力を要確認)
- 行政手続法 第5条審査基準の設定と公表の一般法的裏付け
- 銀行法 第52条の10銀行主要株主認可の並行的審査基準
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第10条株式取得に対する企業結合審査の並走
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