保険業法 第271条の2(根抵当権の譲渡に係る特例)
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- 被管理会社が承継保険会社(第二百六十条第六項に規定する承継保険会社をいう。第五項及び第二百七十一条の二の三第一項第三号において同じ。)その他の保険会社又は当該被管理会社の保険契約の引受け(第二百六十条第九項に規定する保険契約の引受けをいう。第五項において同じ。)をする機構(以下この条において「承継保険会社等」という。)に対する保険契約の移転とともにする財産の移転により元本の確定前に根抵当権をその担保すべき債権の全部とともに譲渡しようとするときは、当該被管理会社及び当該承継保険会社等は、次に掲げる事項について異議のある根抵当権設定者は当該被管理会社に対し一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告し、又はこれを催告することができる。
- 一当該被管理会社から当該承継保険会社等に当該根抵当権が譲渡されること及びその期日
- 二当該根抵当権の譲渡の後においても当該根抵当権が当該債権を担保すべきものとすること。
- 2.前項の期間は、二週間を下ってはならない。
- 3.第一項の公告又は催告に係る根抵当権設定者が同項各号に掲げる事項について同項の期間内に異議を述べなかったときは、同項第一号に掲げる事項について当該根抵当権設定者の承諾が、同項第二号に掲げる事項について当該根抵当権設定者と同項の公告又は催告に係る承継保険会社等の合意が、それぞれあったものとみなす。
- 4.根抵当権設定者が第一項各号に掲げる事項の一部について異議を述べたときは、同項各号に掲げる事項の全部について異議を述べたものとみなす。
- 5.前各項の規定は、承継保険会社又は保険契約の引受けをした機構が他の保険会社に対する保険契約の移転とともにする財産の移転により元本の確定前に根抵当権をその担保すべき債権の全部とともに譲渡しようとする場合について準用する。
この条文の基本情報
根抵当権の譲渡に係る特例とは何ですか?
定義根抵当権の譲渡に係る特例とは、保険業法第271条の2に定められた規定で、「被管理会社が承継保険会社(第二百六十条第六項に規定する承継保険会社をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の2(根抵当権の譲渡に係る特例)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の2の条文原文は「被管理会社が承継保険会社(第二百六十条第六項に規定する承継保険会社をいう。」で始まります。
- 保険業法第271条の2は第五節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の2の前の条は保険業法第271条です。
- 保険業法第271条の2の次の条は保険業法第271条の2の2です。
- 保険業法第271条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の2は、被管理会社が承継保険会社等へ元本確定前の根抵当権を譲渡する際、二週間以上の異議期間内に設定者が異議を述べなければ承諾があったものとみなすと定める。
Q · 取引先の保険会社が破綻したら、自分の土地の根抵当権は勝手に別の会社へ移ってしまうのですか?
異議期間に黙っていれば承諾とみなされ移ります
保険業法271条の2により、被管理会社が承継保険会社等へ保険契約とともに財産を移転する場面では、元本確定前の根抵当権を被担保債権の全部とともに譲渡することについて公告または催告が行われます。二週間を下らない期間内に根抵当権設定者が異議を述べなければ、譲渡への承諾(第1項1号)と、譲渡後も当該債権を担保する旨の合意(同2号)があったものとみなされます(第3項)。逆に期間内に異議を述べれば擬制は働かず、承継側は個別の承諾取得か担保の組替えを迫られます。なお一部についてのみ異議を述べた場合は、全部について異議を述べたものとみなされます(第4項)。
解説
取引先の保険会社から事業資金を借り、自社の土地に根抵当権を設定している。その保険会社が破綻し、保険管理人が入った。ある朝、官報にあなたの土地が載る。「根抵当権を承継保険会社に譲り渡す、異議があれば一定期間内に述べよ」。民法の原則では、元本確定前の根抵当権は債権にくっついて動かず(民法398条の7)、譲り渡すには設定者の承諾が要る(同398条の12)。つまり平時なら、あなたが首を縦に振らない限り担保は動かない。ところが保険業法271条の2は、その承諾を「黙っていたら与えたものとみなす」に置き換える。二週間、郵便物を開けなかっただけで、あなたの土地の担保権者は別会社に入れ替わる。しかも一部にだけ異議を述べると全部に異議を述べたものとみなされる(第4項)。部分的な注文はつけられない設計になっている。
法的な位置づけ
保険業法271条の2は、根抵当権譲渡における民法の承諾原則の特例である。被管理会社が承継保険会社等への保険契約の移転に伴う財産の移転として、元本確定前の根抵当権を担保すべき債権の全部とともに譲渡する際、公告または催告により二週間以上の異議期間を設け、期間内に異議が述べられないときは、承諾および譲渡後も当該債権を担保する旨の合意があったものとみなす。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起算日と満了日を確定する 官報の掲載日、または催告書が到達した日を確認し、公告・催告に記載された期間の満了日をカレンダーに書き出す。期間は二週間を下れない(第2項)ため、記載期間が二週間未満なら手続の瑕疵を主張できる余地がある
- 2.登記事項証明書で担保の現状を確認する 法務局で登記事項証明書を取得し、現在の根抵当権者、極度額、被担保債権の範囲、共同担保の有無を確認する。公告・催告に記載された内容と登記の内容が一致しているかを突き合わせる
- 3.通すか止めるかを先に決めきる 第4項により一部異議は全部異議とみなされるため、譲渡の期日(1号)と譲渡後も当該債権を担保すること(2号)を分けて交渉することはできない。次の追加融資や借換えの見通しを踏まえ、丸ごと通すか丸ごと止めるかを異議提出前に決定する
- 4.異議は配達証明付き内容証明で被管理会社へ 異議を述べる場合は、満了日前に到達するよう配達証明付き内容証明郵便で被管理会社宛に発送する。物件の表示、登記の受付番号、異議の対象が第1項各号の全部である旨を明記し、控えと配達証明を保管する
- 5.異議期間中に条件交渉を持ち込む 異議期間中は承継側にとって担保の承継が宙に浮くため、極度額の見直し、一部物件の担保解除、今後の与信方針といった条件を交渉のテーブルに乗せやすい。譲渡完了後に同じ話を持ち出しても相手に応じる動機は残らない
よくある質問 AI による整理
Q1根抵当権の譲渡に設定者の承諾は必要ですか?
民法398条の12では元本確定前の根抵当権譲渡に設定者の承諾が必要です。ただし保険業法271条の2の場面では、異議期間に黙っていれば承諾があったものとみなされます。
Q2保険業法271条の2の異議期間は何日ですか?
第2項により二週間を下ってはならないと定められています。公告または催告で定める期間が下限であり、実際にはそれ以上の期間が設定されることもあります。
Q3異議はどこに述べればよいのですか?
第1項の文言上、異議の相手方は被管理会社です。承継保険会社等ではありません。宛先を間違えると期間内到達を争われるおそれがあります。
Q4根抵当権の譲渡に一部だけ異議を述べられますか?
できません。第4項により、第1項各号の事項の一部について異議を述べると、全部について異議を述べたものとみなされます。部分的な条件交渉は制度上成立しません。
Q5公告と催告はどちらか一方でよいのですか?
第1項は「公告し、又はこれを催告することができる」と規定しており、両方が必須とは書かれていません。催告が届かなくても適法な公告があれば手続は進みます。
Q6元本の確定前とはどういう意味ですか?
根抵当権が担保する債権の範囲がまだ確定せず、増減し続けている状態です。確定前は随伴性がなく(民法398条の7)、譲渡には特別な手続が必要になります。
Q7承継保険会社とは何ですか?
保険業法260条6項に定められた、破綻保険会社の保険契約を引き継ぐために設けられる保険会社です。本条ではその他の保険会社や機構も承継保険会社等に含まれます。
Q8みなし承諾が成立すると登記はどうなりますか?
譲渡の効力要件が満たされ、承継保険会社等を根抵当権者とする移転の登記へ進みます。個別の登記手続や必要書類は法務局または司法書士に確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1異議を出したら、借りているお金を一括で返せと言われませんか?
異議は根抵当権の移転を止めるだけで、借入契約を解除する事由ではない。第3項が擬制するのは承諾と合意であって、債務の内容までは動かさない。ただし承継先が新規融資に慎重になる現実的な不利益は残る。実務のポイント:異議を出す前に金銭消費貸借契約書の期限の利益喪失条項を読む。担保に関する協力義務の包括条項が入っていると、そこを理由に揺さぶられる余地がある。
Q2二週間を過ぎてから気付きました。もう取り返せませんか?
第3項のみなしが働くのは、公告または催告が適法にされ、期間内に異議がなかった場合に限られる。催告が到達していない、期間が二週間未満だった(第2項違反)といった手続の瑕疵があれば、みなし承諾の成立自体を争える。実務のポイント:真っ先に確保するのは官報の掲載日と催告書の封筒。消印と到達日が起算点の証拠で、封筒を捨てた瞬間に最大の武器が消える。
間違えやすい点 AI による整理
- 担保に入れた土地は自分のものだから、貸し手が勝手に入れ替わるはずがないと考える人が多い。実際には民法398条の12が求める「承諾」が、本条では無言イコール承諾に置き換わる。何もしないことが、最も強い意思表示として扱われる
- 異議を述べられること自体は知っていても、第4項の重さを取り違えている。二つの事項の一部にだけ異議を述べれば、全部について異議を述べたものとみなされる。「譲渡は構わないが、譲渡後も同じ債権を担保し続ける点は納得できない」という部分的な交渉は成立せず、丸ごと通すか丸ごと止めるかの二択になる
- あなたから見れば単なる貸し手の名義変更だが、法律から見れば極度額という枠ごと新会社へ移す物権変動である。次の追加融資や借換えの可否、担保解除の交渉相手が、その枠ごと入れ替わる。目の前の書類の軽さと、数年先の資金繰りへの効き方の落差が効いてくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 設定者の承諾の要否 | 保険業法271条の2:公告・催告に異議がなければ承諾があったものとみなす | 民法398条の12:元本確定前の根抵当権譲渡には設定者の承諾が必要 民法398条の7:元本確定前は債権譲渡に随伴せず、根抵当権は移転しない |
| 適用される場面 | 被管理会社から承継保険会社等への保険契約の移転に伴う財産の移転(第5項で承継保険会社等からの再移転にも準用) | 平時の根抵当権取引全般 平時の債権譲渡・代位弁済の場面 |
| 設定者が取れる行動 | 二週間以上の期間内に異議を述べる(一部異議は全部異議とみなされる) | 承諾するかしないかを個別に判断できる そもそも移転しないため行動不要 |
| 沈黙の意味 | 承諾および合意があったものとみなされる(第3項) | 承諾がないため譲渡の効力は生じない 沈黙にかかわらず根抵当権は移転しない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も破綻金融機関の概括承受・概括譲渡の場面で、個別通知に代えて公告による処理を認める仕組みを持つ。担保権者側の同意手続を簡略化して処理速度を優先する発想は日本と共通する
韓国は預金保険公社が主導する契約移転(P&A)で保険契約と資産負債を一括移転する。근저당(根抵当)は日本法の影響下にあり、担保の承継処理でも類似の構造上の課題を抱える
ドイツは監督官庁の認可を前提とした保険契約群の包括移転制度を採り、担保権も包括承継の一部として扱われる。個別の設定者に異議期間を与える日本型の擬制とは制度設計の入口が異なる
米国は州ごとの管財人手続で保険会社を処理し、担保付債権の移転は裁判所の命令によって行われる。裁判所の関与を軸にする点で、行政的・擬制的に処理する日本と対照的である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 破綻した生保からの催告書が事務所に届いた。異議の期限は二週間、開封が遅れて実質あと十日。異議を述べれば擬制は働かず、黙れば承諾したものとみなされる。
- もし官報の公告だけが出され、催告の封書が登記簿上の古い住所に送られていたらどうなる? 第1項は「公告し、又はこれを催告することができる」と書いており、両方が必須ではない。登記簿の住所を何年も更新していないことが、そのまま沈黙による承諾に直結する。連絡が来なかったという事情は、公告が適法にされていれば言い訳にならない。
- あなたが承継保険会社側の担当者に立つ場合。保険契約の移転期日は動かせないのに、設定者一人ひとりから承諾書を集めていては担保だけが取り残される。だからこの公告・催告を使う。ただし一人でも異議を述べた物件はみなし承諾のルートから外れ、個別に承諾を取り直すか担保を組み替えるかを期日前に決めなければならない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 官報の掲載日または催告書の到達日を確定し、満了日を書き出す(第1項、第2項の二週間下限) 2. 登記事項証明書で現在の根抵当権者、極度額、被担保債権の範囲を確認3. 異議を述べるなら満了日前に配達証明付き内容証明で出す。宛先は承継先ではなく被管理会社(第1項の文言) 4. 一部異議は全部異議とみなされる(第4項)ため、通すか止めるかを出す前に決めきる
訴えられた側:1. 保険契約の移転期日から逆算し、二週間を確実に確保した期間設定にする。第2項の下限を割れば手続全体が崩れる2. 公告と催告のどちらを軸にするか、所在不明の設定者が多い案件かどうかで選ぶ3. 第1項各号の二点、譲渡の期日と、譲渡後も当該債権を担保すべきものとする旨を漏らさず記載4. 異議のあった物件を一覧化し、個別承諾か担保組替えかを移転期日前に決定
時効(請求できる期限):異議の期間は公告または催告で定められた期間であり、二週間を下ってはならない(第2項)。起算点は公告日または催告の到達日。徒過すれば第3項により承諾および合意があったものとみなされる。擬制の成否自体を後から争う場合は、特定の期間制限はなく、一般消滅時効(民法166条、債権は5年または10年)の枠組みで検討する
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