保険業法 第272条の16(業務報告書等)
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- 少額短期保険業者は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
- 2.第二百七十二条の四第一項第一号ロに掲げる株式会社等である少額短期保険業者(次項及び次条において「特定少額短期保険業者」という。)は、前項の業務報告書のほか、中間業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
- 3.第百十条第二項の規定は特定少額短期保険業者が子会社その他の当該特定少額短期保険業者と内閣府令で定める特殊の関係のある者(次条及び第二百七十二条の二十五第一項において「子会社等」という。)を有する場合について、第百十条第三項の規定は少額短期保険業者について、それぞれ準用する。この場合において、同項中「前二項」とあるのは、「第二百七十二条の十六第一項及び第二項並びに前項」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
業務報告書等とは何ですか?
定義業務報告書等とは、保険業法第272条の16に定められた規定で、「少額短期保険業者は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第272条の16(業務報告書等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第272条の16の条文原文は「少額短期保険業者は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第272条の16は第三節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第272条の16の前の条は保険業法第272条の15です。
- 保険業法第272条の16の次の条は保険業法第272条の17です。
- 保険業法第272条の16には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第272条の16 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第272条の16(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/272_16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法272条の16は、少額短期保険業者に事業年度ごとの業務報告書の提出を義務づける。特定少額短期保険業者は中間業務報告書も必要となり、報告は年2回になる。
Q · 少額短期保険業者は、業務報告書をどのくらいの頻度で金融庁に出さないといけないの?
原則は年1回。一定規模を超えると年2回になる
保険業法272条の16第1項により、少額短期保険業者は事業年度ごとに業務報告書を作成し内閣総理大臣(実務上は金融庁長官・財務局長へ委任)に提出します。さらに同条2項で、272条の4第1項第1号ロに掲げる株式会社等である特定少額短期保険業者は、中間業務報告書の提出も必要になります。つまり規模要件に該当した時点で、報告は年1回から年2回へ自動的に増えます。子会社等を有する場合は3項により110条2項が準用され、子会社等を含めた報告まで範囲が広がります。
解説
ペット保険、スマホの修理費用補償、賃貸の家財保険、結婚式のキャンセル保険。こうした「少額短期保険」を売る会社は、資本金1000万円程度から始められる。生命保険会社や損害保険会社の桁違いの資本要件と比べれば、参入障壁は劇的に低い。その代わりに課されているのが、この条文だ。少額短期保険業者は事業年度ごとに業務報告書を内閣総理大臣(実務上は金融庁長官、さらに財務局長へ委任)に提出しなければならない。そして272条の4第1項第1号ロに該当する規模の株式会社、つまり一定の年間収受保険料を超える「特定少額短期保険業者」になった瞬間、年1回では足りなくなる。中間業務報告書、つまり半年ごとの提出義務が自動的に上乗せされる。あなたがこの業界の経営企画にいるなら、売上が伸びるほど報告頻度が倍になる構造を、予算とリソース計画に織り込んでおく必要がある。さらに子会社を持てば110条2項が準用され、連結ベースの報告まで範囲が広がる
法的な位置づけ
保険業法272条の16は、少額短期保険業者の業務報告書等に関する規定である。事業年度ごとの業務報告書の作成・提出を義務づけ、特定少額短期保険業者には中間業務報告書を追加的に求める。子会社等を有する場合には保険会社に関する110条2項の規定が準用され、報告の範囲がグループに及ぶ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社が特定少額短期保険業者に該当するか判定する 272条の4第1項第1号ロの要件と、これを受けた政令・内閣府令の規模要件に、当期の年間収受保険料の着地見込みを当てはめる。該当は自動的に発生し、当局からの事前通知はない
- 2.該当が見込まれる期の上期に中間報告体制をリハーサルする 閾値の8割を超えた段階で、中間業務報告書の様式に沿った試作を一度行い、責任準備金・支払余力・再保険の記載を通しで確認する。該当後に初めて組むと初回提出が最も粗い状態で当局の目に触れる
- 3.子会社等の該当範囲を洗い出す 3項が準用する110条2項に備え、内閣府令で定める特殊の関係のある者まで含めて子会社等該当性を確認する。議決権比率だけで判断すると漏れるため、グループ再編の企画段階で先に潰しておく
- 4.期限から逆算して提出スケジュールを確定する 保険業法施行規則が定める事業年度・中間事業年度終了後の提出期限から逆算し、監査法人・アクチュアリーのレビュー期間を含めた社内締切を設定する。管轄財務局への事前相談も同時に組み込む
- 5.当局照会には訂正報告と再発防止策をセットで応じる 報告書の内容について照会が来た段階は行政指導の手前である。単なる質問と受け流さず、誤りが判明したら自主的に訂正報告書を提出し、原因分析と再発防止策を添える
よくある質問 AI による整理
Q1少額短期保険業者とは何ですか?
保険金額と保険期間に上限を設けた小規模な保険引受けを行う登録業者です。資本金要件が生損保より大幅に低く、ペット保険や家財保険などニッチ商品を扱います。
Q2特定少額短期保険業者になる基準は?
保険業法272条の4第1項第1号ロに掲げる株式会社等が該当します。具体的な規模要件は政令・内閣府令で定まるため、最新の施行令・施行規則の確認が必要です。
Q3中間業務報告書はいつまでに提出?
中間事業年度終了後の一定期間内と保険業法施行規則で定められています。具体的な月数は改正で変わりうるため、直近の施行規則で確認してください。
Q4業務報告書を出さないとどうなる?
報告義務違反は業務改善命令などの監督措置の対象となり、悪質な場合は登録取消しの検討対象にもなりえます。事務ミスが事業継続に直結する構造です。
Q5少額短期保険は保険契約者保護機構の対象?
対象外です。破綻時に公的な補償は及びません。だからこそ当局は本条の業務報告書による事前の継続監視で契約者保護を図っています。
Q6業務報告書の提出先はどこですか?
条文上は内閣総理大臣ですが、実務上は権限委任により金融庁長官、さらに管轄の財務局長へ提出することになります。
Q7子会社があると報告はどう変わる?
272条の16第3項が110条2項を準用するため、特定少額短期保険業者が子会社等を有する場合は子会社等を含む業務・財産の状況の報告が必要になります。
Q8業務報告書とディスクロージャー資料は同じ?
別物です。業務報告書は当局提出用の監督書類、ディスクロージャー資料は272条の17が準用する111条に基づく公衆縦覧用の開示書類です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは小さい少短業者なんですが、中間業務報告書っていつから出さないといけないんですか?
272条の16第2項は、272条の4第1項第1号ロに掲げる株式会社等、すなわち一定規模以上の少短業者(特定少額短期保険業者)にのみ中間業務報告書を求めている。規模要件の具体的数値は内閣府令で定まるので、直近の施行規則で確認が必要である(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:該当したかどうかを当局が事前に教えてくれるわけではない。年間収受保険料の着地見込みが閾値の8割を超えた段階で管轄財務局に事前相談しておくと、初回提出でつまずかない
Q2子会社を作ると報告の手間が増えるって本当ですか?
本条3項が110条2項を準用しているため、特定少額短期保険業者が子会社等を有する場合、子会社等を含めた業務・財産の状況の報告が求められる。「子会社等」の範囲は内閣府令で定める特殊の関係のある者まで含むので、議決権比率だけで判断すると漏れる。実務のポイント:グループ再編を企画する段階で、法務ではなく監督当局対応の観点から子会社等該当性を先に潰しておくこと。設立後に「これも子会社等でした」と判明すると、過去に遡って報告が不足していたことになる
Q3業務報告書って、一般の人でも見られるんですか?
本条に基づき当局へ提出される業務報告書そのものは監督用の書類だが、少短業者には別途ディスクロージャー資料の作成・公衆縦覧の義務がある(272条の17による111条の準用)。契約者は本店等でこれを閲覧できる。実務のポイント:少短業者は保険契約者保護機構の対象外なので、加入先を選ぶ際にこの開示資料でソルベンシー・マージン比率相当の指標と責任準備金を確認する習慣を持つ人は、業界内でもごく少数である
間違えやすい点 AI による整理
- 「業務報告書は決算書を出せば済む会計処理の話」と理解されがちだが、問われているのは会計の正確さではなく、監督当局が経営の健全性を継続的に把握できるかどうかである。責任準備金の積立状況、支払余力、再保険の手当て、これらが読み取れない報告書は、数字が正しくても報告義務を果たしたことにならない
- 報告義務は「規模が大きくなったら増える」と漠然と理解している人が多いが、深刻なのはその切り替わりが自動的だという点だ。当局から「来期から中間報告も出してください」と親切な通知が来るわけではない。272条の4第1項第1号ロの要件に該当した時点で、気付いていようがいまいが義務は発生している
- 「少短業者は規制が緩いから報告も形式的」という前提そのものが誤っている。緩いのは参入時の資本要件と引受可能な保険金額の上限であって、参入後の継続的監督はむしろ細かい。保険契約者保護機構のセーフティネットがない分、当局は事前の監視に頼るしかないからだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象と中身 | 272条の16:業務報告書・中間業務報告書の当局提出義務 | 272条の17:説明書類の作成と公衆縦覧(111条準用) 272条の22:当局の報告徴求・立入検査権限 |
| 情報の受け手 | 内閣総理大臣(金融庁長官・財務局長へ委任) | 契約者・一般公衆(本店等での縦覧) 内閣総理大臣(個別の必要に応じ随時) |
| 発生のタイミング | 事業年度ごと(特定業者は中間期も)に定期発生 | 事業年度ごとに定期発生 当局が必要と認めたときに個別発生 |
| 違反時に連なる規定 | 272条の25(業務改善命令等)・272条の26(登録取消し等) | 272条の25(業務改善命令等) 272条の25・272条の26 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業者に業務・財務状況の報告を求める点で共通するが、少額短期保険に相当する独立した業態区分は置かず、微型保險は既存の保険業免許の枠内で運用される
韓国も保険会社に財務諸表等の当局提出を義務づける。小額短期保険に対応する少額短期保険業制度は2020年代に導入が進められた
ドイツは小規模保険事業者に対する比例原則ベースの軽減規制を置き、報告頻度・範囲を規模に応じて調整する点で日本の特定少額短期保険業者の発想と近い
米国は州保険庁への年次・四半期報告が基本で、日本の年1回/年2回より高頻度。規模による段階制ではなく業態全体に四半期報告を課す設計
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 少短業者の管理部門に一人で配属された。前任者の引き継ぎ資料には「年1回、業務報告書を財務局へ」としか書いていない。だが今期、年間収受保険料が閾値を超えた。来期から中間業務報告書が必要になるのに、社内の誰も気付いていない。決算スケジュールを組み直す猶予は、残り数か月しかない
- もし提出期限に間に合わなかったら、どうなる? 業務報告書の不提出や虚偽記載は、保険業法上の業務改善命令、さらには登録取消しの検討対象になりうる。単なる事務ミスが、事業の存続そのものに跳ね返る構造になっている
- 少短業者を買収しようとしている事業会社の側。デューデリジェンスで見るべきは決算書だけではない。過去の業務報告書が期限内に提出されているか、当局から訂正を求められた履歴がないか。ここに傷があると、買収後の登録維持に影響する
- 保険商品を選ぶ消費者の立場。少短業者は保険契約者保護機構の対象外で、破綻しても公的なセーフティネットがない。だからこそ当局が業務報告書で財務状況を継続監視している。あなたが加入先を選ぶとき、この監督構造の存在は「安全性の担保が報告義務に依存している」ことを意味する
- 子会社を作ってグループ化を進めた特定少額短期保険業者。110条2項の準用により、子会社等を含めた報告が求められる。単体では健全に見えても、グループ全体で見るとリスクが集中している、その構図を当局に見せる義務がある
取るべき行動
被害を受けた側:少短業者の契約者として財務健全性に不安を感じた場合:1. その業者が提出している業務報告書の概要は、ディスクロージャー資料(保険業法272条の17が準用する111条に基づく開示書類)として公衆縦覧に供されているので、まず本店または当該業者のウェブサイトで確認する2. 責任準備金の積立状況と支払余力に着目する3. 説明を拒まれる、開示書類が備え置かれていないといった状況があれば、管轄財務局の金融監督当局へ情報提供する4. 保険契約者保護機構の対象外である点を前提に、加入継続の是非を判断する
訴えられた側:報告書の不備を当局から指摘された少短業者側:1. 指摘が単なる照会か、報告徴求(保険業法272条の22等)かを書面上で峻別する、位置付けによって対応の重さが変わる2. 誤りが判明したら自主的に訂正報告書を提出し、原因分析と再発防止策を添える3. 意図的な虚偽記載でないことを示す内部記録(作成過程のメール、チェックリスト)を保全する4. 業務改善命令が視野に入る段階では、弁護士と、保険会社の監督対応経験のある専門家を早期に関与させる
時効(請求できる期限):業務報告書および中間業務報告書の提出期限は、保険業法施行規則で事業年度・中間事業年度の終了後の一定期間内と定められている(具体的な月数は最新の施行規則をご確認ください)。本条自体に消滅時効の概念はないが、虚偽記載等に対する刑事罰の公訴時効は刑事訴訟法250条により法定刑に応じて決まる
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