保険業法 第110条(業務報告書等)
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- 保険会社は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した中間業務報告書及び業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
- 2.保険会社が子会社その他の当該保険会社と内閣府令で定める特殊の関係のある会社(以下この章及び次章において「子会社等」という。)を有する場合には、当該保険会社は、事業年度ごとに、前項の報告書のほか、当該保険会社及び当該子会社等の業務及び財産の状況を連結して記載した中間業務報告書及び業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
- 3.前二項の報告書の記載事項、提出期日その他これらの報告書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
この条文の基本情報
業務報告書等とは何ですか?
定義業務報告書等とは、保険業法第110条に定められた規定で、「保険会社は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した中間業務報告書及び業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第110条(業務報告書等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第110条の条文原文は「保険会社は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した中間業務報告書及び業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第110条は第五章 経理に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第110条の前の条は保険業法第109条です。
- 保険業法第110条の次の条は保険業法第111条です。
- 保険業法第110条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第110条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第110条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/110
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法110条は、保険会社に対し事業年度ごとに中間業務報告書及び業務報告書を作成し内閣総理大臣へ提出する義務を課す規定である。子会社等を有する場合は連結報告書の提出も必要となる。
Q · 保険会社って、財務の中身を誰にどこまで見せているの?
年に二度、業務と財産の全体を当局に提出しています
保険業法110条により、保険会社は事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した中間業務報告書と業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければなりません。子会社等を有する場合は、それらを連結した報告書も別途必要です(2項)。記載事項と提出期日は法律本体ではなく内閣府令に委任されています(3項)。この報告は、111条の説明書類による公衆縦覧、128条の報告徴求、132条の業務改善命令へとつながる継続的監督の起点にあたります。
解説
保険会社に「毎年、事業年度ごとに、業務と財産の状況を書いた報告書を内閣総理大臣(実務上は金融庁長官へ委任)に出せ」と命じているのが本条である。ここで多くの人が見落とすのは、この報告書が単なる役所への提出書類で終わらない点だ。111条の説明書類(ディスクロージャー誌)と128条の報告徴求、そして132条の業務改善命令は、すべてこの110条の報告を起点にして動く。つまり、あなたが払い込んだ保険料が積立金として本当に足りているか、ソルベンシー・マージン比率が200% を割っていないか、その一次情報はここで年に二度、当局の手元に上がる。さらに2項の連結報告は、子会社や「特殊の関係のある会社」まで含めた財産状況を要求する。保険会社本体は健全に見えても、海外子会社や少額短期保険の関連会社が抱えた損失は、この連結報告で初めて可視化される。契約者であるあなたが会社を選ぶとき、見るべき数字の出所はここにある。
法的な位置づけ
保険業法110条は、保険会社の業務報告義務を定める規定であり、事業年度ごとに業務及び財産の状況を記載した中間業務報告書及び業務報告書を内閣総理大臣に提出すべきことを規定する。子会社等を有する場合には連結ベースの報告書提出も義務づけられ、記載事項及び提出期日は内閣府令に委任される。同法111条の公衆縦覧制度とともに、継続的監督の基礎を構成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.期初に内閣府令の記載事項を洗い出す 提出期日と記載事項は法律本体ではなく内閣府令(保険業法施行規則)にある。期末直前ではなく期初に現行府令を確認し、前年からの改正差分を一覧化する。パブリックコメント段階で気付ければ体制整備に半年の猶予が取れる
- 2.連結対象となる子会社等の範囲を確定する 本条2項の「子会社その他内閣府令で定める特殊の関係のある会社」に該当するかを、議決権比率だけでなく実質的な関係の観点から判定する。海外子会社・少額短期保険業者・買収したベンチャーの扱いを個別に文書化して根拠を残す
- 3.単体・連結の報告書を作成し数値を内部検証する 中間業務報告書と業務報告書を単体・連結の双方で作成し、責任準備金の積立状況やソルベンシー・マージン比率などの監督固有項目を経理数値と突合する。単体と連結で比率が乖離する場合は要因説明を準備しておく
- 4.府令所定の期日までに提出し、開示書類と整合させる 内閣府令が定める期日までに内閣総理大臣(金融庁)へ提出する。あわせて111条の説明書類(ディスクロージャー誌)との数値・注記の整合を確認する。両者が食い違うと開示の信頼性そのものが問われる
- 5.不備を発見したら速やかに訂正報告を出す 提出後に記載漏れや誤りを発見したら、故意の虚偽か過失の漏れかを府令の記載事項単位で切り分けたうえで、速やかに訂正報告を行う。自主的な発見・報告は監督上の評価を大きく変える。128条の報告徴求が来た段階で外部弁護士を入れる
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法110条とは何ですか?
保険会社に、事業年度ごとの中間業務報告書と業務報告書の作成・提出を義務づける規定です。子会社等がある場合は連結報告書も必要で、記載事項と提出期日は内閣府令が定めます。
Q2業務報告書の提出先はどこですか?
条文上は内閣総理大臣です。金融行政の実務は金融庁が担っており、保険会社の監督・報告受理は金融庁を通じて行われます。提出先を民間団体と誤解しないよう注意が必要です。
Q3業務報告書の提出期日はいつまでですか?
法律本体には書かれていません。本条3項が記載事項・提出期日を内閣府令(保険業法施行規則)に委任しているため、期日は府令を確認する必要があり、改正で変わりうる点が実務上の落とし穴です。
Q4連結の業務報告書はどんな会社が必要ですか?
子会社その他内閣府令で定める特殊の関係のある会社(子会社等)を有する保険会社です。議決権比率の形式だけでなく、府令が実質的な関係を捉える基準を置いている点が重要です。
Q5業務報告書を出さないとどうなりますか?
単なる書類遅延では終わりません。当局は128条で報告徴求、129条で立入検査を行い、悪質・重大であれば132条の業務改善命令に進みます。記載不備は監督処分と地続きです。
Q6ソルベンシー・マージン比率はどこで確認できますか?
110条の報告書は当局提出用で公開されません。契約者が見るなら111条に基づく説明書類(各社サイトのディスクロージャー欄)で、単体と連結の両方を確認するのが正攻法です。
Q7保険持株会社にも同じ報告義務がありますか?
保険持株会社には保険業法上、別建ての規制の枠組みが用意されています。本条2項は保険会社自身に課される連結報告義務であり、持株会社側の義務とは並行して走る別の義務です。
Q8銀行にも同じような報告義務はありますか?
あります。銀行法19条が業務報告書の提出を定めており、報告→徴求→改善命令という監督手法の型は保険業法とほぼ同じです。業態をまたいだ共通の金融監督フレームです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1この報告書、契約者の自分でも見られるんですか?
110条の報告書そのものは当局への提出書類で、一般に公開されるものではない。ただし111条が別途、業務および財産の状況に関する説明書類の縦覧を義務づけており、各社の店舗やウェブサイトで見られる。実務のポイント:同じ会社の説明書類でも、単体版と連結版でソルベンシー・マージン比率が数十ポイント違うことがある。営業担当が示すのはたいてい高い方の数字なので、自分でもう一方を確認する
Q2中間業務報告書って、要は半期決算のことですか?
重なる部分は多いが同じではない。会計上の中間決算に対し、110条の中間業務報告書は保険業法の監督目的で作られ、記載事項は内閣府令が指定する(本条3項)。責任準備金の積立状況やソルベンシー・マージン比率など、監督固有の項目が入る。実務のポイント:上場していない相互会社には有価証券報告書がない。相互会社の財務を追うなら、この法定報告と111条の説明書類が事実上の唯一のルートになる
Q3子会社等の「等」って、どこまで含まれるんですか?
本条2項は「子会社その他の当該保険会社と内閣府令で定める特殊の関係のある会社」と定める。議決権の形式的な保有比率だけでなく、内閣府令が実質的な支配関係を捉える基準を置いている。業界裏班ヒント:買収スキームを組むとき、この連結範囲に入るかどうかで報告体制の負担が大きく変わる。連結範囲から外す設計を優先すると、後で当局から実質支配を指摘され、遡って報告体制の不備を問われることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「業務報告書は年に一度の決算書類」と思われがちだが、本条は中間業務報告書と業務報告書の二つを要求している。年に二度、当局は保険会社の内臓を見る。決算期だけ数字を整えるという発想が通らない設計になっている
- 報告義務があることは知られていても、その深刻度は理解されていない。この報告が当局の監督判断の一次情報である以上、記載の不備や虚偽は単なる書類ミスではなく、132条の業務改善命令、悪質なら133条の業務停止・免許取消しの入口になる。書類作業と監督処分は地続きである
- 「保険会社の財務は決算短信や有価証券報告書を見れば分かる」と考えている人がいるが、問いの立て方が誤っている。上場していない相互会社形態の生命保険会社には有価証券報告書がない。保険業法が110条の当局提出と111条の一般開示という別ルートを用意しているのは、まさにそのためだ
- 「連結報告は持株会社の話で、保険会社本体には関係ない」と誤解されやすいが、本条2項は保険会社自身に連結報告を義務づけている。保険持株会社の連結報告(271条の24)とは別建ての義務であり、両方が並行して走る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰に向けた書面か | 110条:内閣総理大臣(当局)への提出書類、一般には公開されない | 111条:説明書類として一般の公衆縦覧に供する 128条:当局が必要に応じ個別に求める報告・資料 |
| 発動のタイミング | 事業年度ごとに定期(中間期と期末の年二回) | 事業年度ごとに定期、店舗・ウェブサイトで縦覧 当局が必要と認めたとき随時(非定期) |
| 連結の扱い | 2項で子会社等を含む連結報告書を別途義務づけ | 連結ベースの説明書類も併せて求められる 求められた範囲に応じ子会社等の資料も対象になりうる |
| 違反時の帰結 | 不提出・記載不備は128条の徴求、132条の業務改善命令の入口 | 縦覧義務違反は開示規制違反として監督上の問題となる 徴求への不応答は監督処分の重大な加重要素となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は営業年度終了後、営業状況報告書と財務諸表を会計士の査核を経て主管機関(金融監督管理委員会)に報告させる。日本と同じく定期報告を監督の基礎に据えるが、会計士の事前査核を法律本体で明記する点に違いがある
韓国も保険会社に決算期末後の財務諸表・事業報告書の金融委員会への提出を義務づける。監督当局が報告を起点に是正措置に進む構造は日本と同型である
ドイツは EU の Solvency II 指令を国内法化しており、定期監督報告(RSR)とソルベンシー・財務状況報告(SFCR)という当局提出用と公表用の二層構造を持つ。日本の110条と111条の役割分担に近い
米国は州ごとの保険監督が原則で、NAIC が定める統一様式の年次・四半期報告を州保険庁に提出する。リスクベース資本(RBC)比率が監督介入の水準を画する点は、日本のソルベンシー・マージン比率に相当する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入している生命保険会社が海外の再保険子会社で巨額損失を出したという報道が出た。本体の決算は黒字。だが110条2項の連結中間業務報告書には、子会社等を含めた財産状況が書かれている。当局はそれを見て128条の報告徴求や132条の業務改善命令に踏み込むか判断する。契約者が知るべき数字は本体単体ではなく連結側にある
- あなたが保険会社の経営企画部に異動した。四半期ごとの決算作業に加え、中間期と期末に業務報告書を作る。提出期日は内閣府令(保険業法施行規則59条以下)で決まっており、遅延や虚偽記載は132条の業務改善命令、さらに悪質なら133条の業務停止命令まで射程に入る。「経理が忙しくて間に合わない」は通らない
- もし、保険会社が買収したベンチャーが「子会社」の定義に入らないとしたら、報告義務は外れるのか? 答えは否。本条2項は「子会社その他の当該保険会社と内閣府令で定める特殊の関係のある会社」と書く。議決権比率だけで逃げられないよう、内閣府令が実質支配基準を敷いている
- 保険代理店を経営していて、取扱先の保険会社が金融庁から業務改善命令を受けた。原因を追うと、この110条で提出した業務報告書の記載不備だった。代理店であるあなたには直接の義務はないが、取扱先の商品販売停止という形で売上が直撃する
取るべき行動
被害を受けた側:契約者として会社の健全性に不安があるなら、1. 111条に基づく説明書類(各社サイトの「ディスクロージャー」欄)で単体と連結の両方のソルベンシー・マージン比率を確認、200% が監督上の一つの目安2. 中間期の数字も見て、期末だけ改善する動きがないか比較3. 疑義があれば金融庁の金融サービス利用者相談室に情報提供、当局は128条の報告徴求で追加情報を取れる4. 解約を急ぐ前に、保険契約者保護機構による補償範囲(責任準備金の原則90%)を確認し、解約控除との損得を計算する
訴えられた側:保険会社側として記載不備や遅延を指摘されたら、1. 事実関係を内閣府令の記載事項単位で切り分け、故意の虚偽か過失の記載漏れかを明確に区別2. 発見時点で速やかに訂正報告を提出、自主的な発見と報告は監督上の評価を大きく変える3. 128条の報告徴求が来た段階で外部弁護士を入れ、132条の業務改善命令を見据えた再発防止策を先回りで設計4. 原因が特定の子会社にあるなら、2項の連結範囲の管理体制そのものを是正対象に含める
時効(請求できる期限):報告書の提出期日は法律本体ではなく内閣府令(保険業法施行規則)で定められる(本条3項の委任、最新の改正状況をご確認ください)。義務違反に対する行政処分に一般的な時効はなく、金銭債権のような消滅時効の枠組み(民法166条)は適用されない
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により現行体系が成立し、保険会社の業務報告書提出義務が本条に置かれた。定期報告を起点に公衆縦覧・報告徴求・業務改善命令へと連なる継続的監督の枠組みが整備された
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