保険業法 第111条(業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)
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- 保険会社は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した説明書類を作成し、本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所その他これらに準ずる場所として内閣府令で定める場所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
- 2.保険会社が子会社等を有する場合には、当該保険会社は、事業年度ごとに、前項の説明書類のほか、当該保険会社及び当該子会社等の業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを当該保険会社及び当該子会社等につき連結して記載した説明書類を作成し、当該保険会社の本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所その他これらに準ずる場所として内閣府令で定める場所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
- 3.前二項に規定する説明書類は、電磁的記録をもって作成することができる。
- 4.第一項又は第二項に規定する説明書類が電磁的記録をもって作成されているときは、保険会社の本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所その他これらに準ずる場所として内閣府令で定める場所において当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、第一項又は第二項に規定する説明書類を、第一項又は第二項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
- 5.前各項に定めるもののほか、第一項又は第二項に規定する書類を公衆の縦覧に供する期間その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
- 6.保険会社は、第一項又は第二項に規定する事項のほか、保険契約者その他の顧客が当該保険会社及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない。
この条文の基本情報
業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等とは何ですか?
定義業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等とは、保険業法第111条に定められた規定で、「保険会社は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した説明書類を作成し、本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所その…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第111条(業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第111条の条文原文は「保険会社は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した説明書類を作成し、本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所その…」で始まります。
- 保険業法第111条は第五章 経理に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第111条の前の条は保険業法第110条です。
- 保険業法第111条の次の条は保険業法第112条です。
- 保険業法第111条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第111条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第111条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/111
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法111条は、保険会社に事業年度ごとの説明書類を作成し本店・支店に備え置いて公衆の縦覧に供する義務を課す。子会社等があれば連結説明書類も必要となる。
Q · 保険会社の財務資料って、契約者じゃなくても見られるんですか?
見られます。111条は「公衆の縦覧」と定めています
保険業法111条1項は、保険会社に事業年度ごとの説明書類(ディスクロージャー資料)を作成し、本店・支店等に備え置いて「公衆の縦覧」に供する義務を課しています。閲覧できる人を契約者や株主に限定していないため、契約のない人でも閲覧できます。子会社等がある場合は連結の説明書類も必要(2項)、電磁的記録での作成(3項)とウェブ上での提供(4項)も認められており、実務では各社サイトの PDF 掲載が主流です。
解説
保険会社が毎年つくる「ディスクロージャー誌」という分厚い冊子を、あなたは見たことがあるだろうか。保険業法111条は、保険会社に対し事業年度ごとに業務と財産の状況を記載した説明書類を作成し、本店・支店に備え置いて公衆の縦覧に供することを義務づけている。ここで決定的なのは「公衆」という言葉だ。契約者だけではない。契約していないあなたでも、支店の窓口に行って「ディスクロージャー資料を見せてください」と言えば、断られる法的根拠は保険会社側にない。子会社を持つ会社なら連結ベースの説明書類も別途必要(2項)。今は電磁的記録での作成とウェブ開示も認められている(3項・4項)ので、実務ではほぼ各社サイトに PDF が並ぶ。そこに載るのはソルベンシー・マージン比率、責任準備金、基礎利益、保有契約高。つまり、あなたが30年後に保険金を受け取れるかどうかを判定する材料が、無料で、誰にでも開かれている。使っている人がほとんどいないだけだ。
法的な位置づけ
保険業法111条は、保険会社の業務及び財産の状況に関するディスクロージャー(情報開示)義務を定める規定である。事業年度ごとに内閣府令所定の事項を記載した説明書類を作成し、本店・支店等に備え置いて公衆の縦覧に供することを求め、子会社等を有する場合には連結説明書類の作成も義務づける。電磁的記録による作成及び電磁的方法による提供も認められている。
よくある質問 AI による整理
Q1保険会社のディスクロージャー資料とは何ですか?
保険業法111条に基づき保険会社が毎事業年度作成する業務・財産の状況の説明書類です。ソルベンシー・マージン比率や責任準備金などが記載され、公衆の縦覧に供されます。
Q2保険会社の財務状況はどこで見られますか?
各社の本店・支店等に備え置かれるほか、111条4項により多くの会社がウェブサイトで PDF を公開しています。会社名と「ディスクロージャー」で検索するのが最短です。
Q3ソルベンシー・マージン比率が200% を下回るとどうなる?
金融庁の早期是正措置の対象となりうる水準です。ただし200% は発動基準であって安全の保証ではなく、比率の中身と推移の確認が必要です。
Q4保険会社の連結説明書類は誰が作る必要がある?
111条2項により、子会社等を有する保険会社です。海外子会社やグループ内の生損保を含めた全体像が単体の書類とは別に開示されます。
Q5ディスクロージャー資料はいつまで見られますか?
111条5項が縦覧期間を内閣府令に委任しており、備置期間には限りがあります。過年度分を比較したいなら公開中に PDF を保存しておくのが確実です。
Q6保険会社が説明書類を作らないのは違法?
111条1項・2項は義務規定であり、不作成や虚偽記載は行政上の対応や過料の対象となりえます。備置・掲載がない場合は金融庁への照会が実務的な手段です。
Q7電子開示だけで備置義務を果たせますか?
111条4項により、内閣府令所定の措置で不特定多数が情報提供を受けられる状態にすれば、備置・縦覧をしたものとみなされます。ログイン制限は要注意です。
Q8説明書類に載っていない情報は請求できますか?
義務は内閣府令所定の事項に限られ、それ以外は6項の努力義務です。私人が個別項目の開示を直接強制する仕組みはなく、監督当局への情報提供が現実的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1契約者じゃないんですけど、支店に行って見せてくださいって言っていいんですか?
言ってよい。111条1項は「公衆の縦覧に供しなければならない」と定めており、閲覧者を契約者や株主に限定していない。実務ではウェブ掲載(4項)で代替されている会社が大半である。実務のポイント:支店の窓口担当者自身がこの備置義務を知らず、「本社に確認します」と言われることがある。その場合「保険業法111条の説明書類です」と条番号を出すと話が一段で通る。条番号を言えるかどうかで、待たされる時間が変わる
Q2ソルベンシー・マージン比率って結局いくつあればいいんですか?
200% が金融庁の早期是正措置の発動基準であり、これを下回ると業務改善命令等の対象になりうる。ただし200% は下限であって安全水準ではない。実務のポイント:プロが見るのは比率の絶対値ではなく、分子に算入されている項目の質と3期の推移方向である。含み益に依存した分子は株価下落で一気に溶ける。数字が高いから安心ではなく、何で高いのかを見る(最新の算出基準の改正状況をご確認ください)
Q3連結の説明書類って、単体のと何が違うんですか?
111条2項の連結説明書類は、保険会社とその子会社等をまとめた業務・財産の状況を記載する。海外子会社や損保・生保の相互保有がある大手グループでは、単体だけ見ても実態が見えない。実務のポイント:単体は健全だがグループ全体では海外事業の損失を抱えている、という構図は実際に起きる。単体と連結の両方を並べて差分が大きい会社は、その差分がどこから来ているかを注記で追うと、公表資料だけで相当のことが分かる
Q4書いてほしいことが載ってない場合、開示しろと請求できますか?
1項・2項で強制されるのは内閣府令が定める記載事項に限られ、それ以外は6項の努力義務にとどまるため、個別項目の開示を私人が直接強制する仕組みは用意されていない。実務のポイント:ただし金融庁の金融サービス利用者相談室への情報提供は、監督上の端緒として実際に機能する。個人が訴える手段がないことと、監督官庁が動かないことは別である。窓口の使い分けを知っている人だけが、制度を動かせる
間違えやすい点 AI による整理
- 「ディスクロージャー資料は株主や機関投資家のためのもので、個人契約者が見ても意味がない」と思われている。だが111条1項は「公衆の縦覧」と書いている。株主でも契約者でもない通行人が閲覧を求める権利を前提にした条文だ。しかも相互会社形態の生命保険会社には株主が存在しない。この場合、開示の主たる名宛人は契約者と社会そのものである
- 「ソルベンシー・マージン比率が200% 以上なら安全」という理解は、知識としては正しいが深刻度の認識が浅い。200% は「金融庁が早期是正措置を発動しない下限」であって「安全ライン」ではない。過去に破綻した生命保険会社の中には、破綻直前の決算で200% を超えていた例もある。比率そのものより、算出根拠となる資産の中身と3年間の推移方向を見るべきだという点を、多くの人が知らない
- 「見たければ請求すればいい、いつでも手に入る」という前提が誤っている。111条5項は縦覧期間を内閣府令に委任しており、備置期間には限りがある。過去10年分を遡って比較したいなら、各社サイトのアーカイブが消える前に自分で PDF を保存しておく必要がある。問いは「見られるか」ではなく「いつまで見られるか」だ
- 「開示義務があるのだから、重要なことは全部書いてあるはず」と考えるのは、あなたから見た期待。法律から見れば、1項・2項で強制されるのは内閣府令が定めた項目だけであり、6項の「参考となるべき事項の開示」は努力義務にすぎない。義務項目と努力項目の境界線がどこにあるかを知らないまま読むと、書いていないことの意味を読み違える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 開示の名宛人 | 保険業法111条:公衆(契約者・非契約者を問わない) | 保険業法110条:内閣総理大臣(監督当局)への提出 会社法440条:計算書類の公告(一般の株式会社の一般法) |
| 対象書類 | 業務及び財産の状況の説明書類(単体・連結) | 事業報告書等 貸借対照表等の計算書類 |
| 義務の強度 | 1項・2項は法的義務、6項の参考事項は努力義務 | 提出義務(監督上の基礎資料) 公告義務(方法は定款所定) |
| 違反時の帰結 | 保険業法333条の過料、監督上の対応の端緒 | 報告徴求(128条)・業務改善命令(132条)につながる 会社法上の過料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険業に対し財務業務報告の公開を義務づけ、主管機関(金融監督管理委員会)が公開事項を定める。委任立法で具体項目を定める構造は日本と類似
韓国も保険会社に経営情報の公示義務を課す。金融委員会・金融監督院の監督体系の下で、比較公示制度が整備されている点に特色がある
ドイツは EU の Solvency II 指令を受けた VAG により、ソルベンシー・財務状況報告書(SFCR)の年次公表を義務づける。EU 全体で開示様式が標準化されている点が日本との違い
米国は州ごとの保険法と NAIC の統一様式により年次財務諸表を提出・公開。連邦統一法ではなく州監督が基本であり、開示の入口が州保険庁である点が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 終身保険の契約を勧められ、担当者は「この会社は大手ですから安心です」と繰り返す。あなたは帰宅後、その会社のディスクロージャー資料でソルベンシー・マージン比率を確認する。200% を下回っていれば金融庁の早期是正措置の対象になりうる水準だと知っていれば、「安心です」の中身を自分で検算できる
- もし、契約している保険会社の格付けが引き下げられたというニュースを見たら、あなたは何を確認すべきか。格付会社の評価はあくまで民間の意見だが、111条の説明書類は法定開示。基礎利益の推移、責任準備金の積立状況、有価証券の含み損益、この三つを3年分並べれば、格下げの根拠が自分で見える
- 保険代理店を経営していて、取扱商品の引受保険会社を追加するか検討中。相手方の財務健全性は111条の説明書類と2項の連結説明書類で確認できる。子会社に海外保険子会社を抱えている場合、単体だけ見ていると為替と海外事業のリスクを見落とす
- 親が入っていた保険会社が破綻した、という話を友人から相談された。あなたは三分で説明できる。保険契約者保護機構による補償の存在、責任準備金の90% 補償という原則、そして破綻の兆候は111条の説明書類に何年も前から出ていたということを
- 会社の福利厚生で団体保険の引受先を選定する担当になった。稟議まであと5日。各社のディスクロージャー資料を横並びにして、ソルベンシー・マージン比率と基礎利益で比較表を作れば、それだけで「価格だけで選んだ」という後年の責任追及を回避する記録が残る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約先または検討先の会社名 + 「ディスクロージャー」で検索し、直近3期分の PDF を自分の端末に保存する(備置期間経過後は消える可能性がある) 2. 見る順序はソルベンシー・マージン比率、基礎利益、責任準備金の積立状況、有価証券の含み損益の四点3. 支店に備置がなく、ウェブにも掲載がない場合は111条1項違反の可能性があるため、金融庁の金融サービス利用者相談室に事実関係を照会する4. 子会社を含めた全体像が必要なら2項の連結説明書類も併せて取得する
訴えられた側:1. 保険会社側の実務担当であれば、内閣府令が定める記載事項の網羅性を毎期チェックリストで確認し、備置場所(本店・支店・府令が定める場所)の抜けをなくす2. 電磁的記録による開示(3項・4項)を選ぶ場合、府令が求める「不特定多数の者が提供を受けることができる状態」を満たしているか、ログイン制限をかけていないかを検証する3. 6項の努力義務についても、開示していない事項が後に問題化したときの説明可能性を社内文書で残す4. 記載漏れや虚偽記載は行政処分の端緒になるため、発見時は自主的な訂正開示を先行させる
時効(請求できる期限):毎事業年度ごとの作成・備置が義務であり、縦覧に供する期間は内閣府令が定める(最新の府令改正状況をご確認ください)。閲覧を求める側に特定の時効はないが、備置期間が経過すれば法律上の縦覧請求の根拠は失われるため、必要な資料は公開されている期間中に自分で保存しておくのが実務上の唯一の防衛策である
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