保険業法 第272条の4(登録の拒否)
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- 内閣総理大臣は、申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は第二百七十二条の二第一項の登録申請書若しくは同条第二項の添付書類のうちに虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
- 一株式会社又は相互会社(次に掲げる区分に応じ、次に定めるものに限る。)でない者
- 一資本金の額又は基金(第五十六条の基金償却積立金を含む。次号において同じ。)の総額が政令で定める額に満たない株式会社又は相互会社(以下この項において「株式会社等」という。)取締役会及び監査役、監査等委員会又は指名委員会等を置くもの
- 二イに掲げる株式会社等以外の株式会社等取締役会及び監査役会、監査等委員会又は指名委員会等並びに会計監査人を置くもの
- 二資本金の額又は基金の総額が保険契約者等の保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める額に満たない株式会社等
- 三純資産額が前号に規定する政令で定める額に満たない株式会社等
- 四定款の規定が法令に適合しない株式会社等
- 五第二百七十二条の二第二項第二号及び第三号に掲げる書類に記載された事項が次に掲げる基準に適合しない株式会社等
- 一保険契約の内容が、保険契約者等の保護に欠けるおそれのないものであること。
- 二保険契約の内容に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
- 三保険契約の内容が、公の秩序又は善良の風俗を害する行為を助長し、又は誘発するおそれのないものであること。
- 四保険契約の内容が、当該株式会社等の支払能力に照らし、過大な危険の引受けを行うものでないこと。
- 五保険契約者等の権利義務その他保険契約の内容が、保険契約者等にとって明確かつ平易に定められたものであること。
- 六第二百七十二条の二第二項第四号に掲げる書類に記載された保険料及び責任準備金の算出方法が保険数理に基づき合理的かつ妥当なものであることについて、保険計理人による確認が行われていない株式会社等
- 七第百三十三条若しくは第百三十四条の規定により第三条第一項の免許を取り消され、第二百七十二条の二十六第一項若しくは第二百七十二条の二十七の規定により第二百七十二条第一項の登録を取り消され、若しくは第三百七条第一項の規定により第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消された場合若しくは金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第三十八条第一項(第二号、第四号及び第五号を除く。)(監督上の処分)の規定により同法第十二条(登録)の登録(保険媒介業務(同法第十一条第三項(定義)に規定する保険媒介業務をいう。以下同じ。)の種別に係るものに限る。)を取り消された場合又はこの法律若しくは金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の免許若しくは登録(当該免許又は登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日から五年を経過しない株式会社等
- 八この法律、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)若しくは金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない株式会社等
- 九他に行う業務が第二百七十二条の十一第二項ただし書に規定する内閣府令で定める業務以外の業務である株式会社等又は当該他に行う業務がその少額短期保険業を適正かつ確実に行うにつき支障を及ぼすおそれがあると認められる株式会社等
- 十取締役、執行役、会計参与又は監査役のうちに次のいずれかに該当する者のある株式会社等
- 一破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
- 二拘禁刑以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
- 三第百三十三条若しくは第百三十四条の規定により第三条第一項の免許を取り消され、第二百五条若しくは第二百六条の規定により第百八十五条第一項の免許を取り消され、第二百三十一条若しくは第二百三十二条の規定により第二百十九条第一項の免許を取り消され、第二百七十二条の二十六第一項若しくは第二百七十二条の二十七の規定により第二百七十二条第一項の登録を取り消され、若しくは第三百七条第一項の規定により第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消された場合若しくは金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第三十八条第一項(第二号、第四号及び第五号を除く。)の規定により同法第十二条の登録(保険媒介業務の種別に係るものに限る。)を取り消された場合又はこの法律若しくは金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の免許若しくは登録(当該免許又は登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその会社の取締役、執行役、会計参与若しくは監査役又は日本における代表者であった者(これらに類する役職にあった者を含む。)でその取消しの日から五年を経過しない者
- 四第三百七条第一項の規定により第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消された場合若しくは金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第三十八条第一項(第二号、第四号及び第五号を除く。)の規定により同法第十二条の登録(保険媒介業務の種別に係るものに限る。)を取り消された場合又はこの法律若しくは金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日から五年を経過しない者
- 五第百三十三条の規定により解任を命ぜられた取締役、執行役、会計参与若しくは監査役、第二百五条若しくは第二百三十一条の規定により解任を命ぜられた日本における代表者若しくは第二百七十二条の二十六第二項の規定により解任を命ぜられた取締役、執行役、会計参与若しくは監査役若しくは金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第三十八条第三項の規定により解任を命ぜられた役員又はこの法律若しくは金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた取締役、執行役、会計参与若しくは監査役若しくは日本における代表者(これらに類する役職にあった者を含む。)で、その処分を受けた日から五年を経過しない者
- 六第八号に規定する法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
- 十一少額短期保険業を的確に遂行するに足りる人的構成を有しない株式会社等
- 十二保険会社
- 2.前項第三号の純資産額は、内閣府令で定めるところにより計算する。
この条文の基本情報
登録の拒否とは何ですか?
定義登録の拒否とは、保険業法第272条の4に定められた規定で、「内閣総理大臣は、申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は第二百七十二条の二第一項の登録申請書若しくは同条第二項の添付書類のうちに虚偽の記載があり、若しくは…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第272条の4(登録の拒否)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第272条の4の条文原文は「内閣総理大臣は、申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は第二百七十二条の二第一項の登録申請書若しくは同条第二項の添付書類のうちに虚偽の記載があり、若しくは…」で始まります。
- 保険業法第272条の4は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第272条の4の前の条は保険業法第272条の3です。
- 保険業法第272条の4の次の条は保険業法第272条の5です。
- 保険業法第272条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第272条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第272条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/272_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法272条の4は、少額短期保険業の登録を拒否すべき事由を列挙する。資本金・純資産の不足や役員の欠格があれば、内閣総理大臣は裁量なく登録を拒否しなければならない。
Q · 資本金1,000万円を用意すれば、ミニ保険の登録はもらえるんですか?
資本金だけでは足りません。12の拒否事由すべてに触れないことが条件です
保険業法272条の4は、少額短期保険業の登録を拒否しなければならない事由を第1項各号に列挙します。資本金・基金の額(第2号)だけでなく、審査時点の純資産額(第3号)、定款の法令適合(第4号)、事業方法書と普通保険約款の記載内容(第5号)、保険計理人による保険料・責任準備金の算出方法の確認(第6号)、5年の時限的欠格(第7号・第8号)、兼業(第9号)、役員の欠格(第10号)、人的構成(第11号)、保険会社の除外(第12号)まで問われます。申請書や添付書類に虚偽の記載や重要事実の記載欠落があるときも拒否されます。
解説
賃貸契約のときに不動産会社から「必須です」と言われて入った家財保険。その引受先は、保険会社ではなく少額短期保険業者であることが多い。ペット保険、スマホの修理費用保険、孤独死保険も同じ枠だ。この市場への入口を握るのが272条の4である。条文は「登録を拒否しなければならない」と書く。裁量ではない。裏返せば、列挙された拒否事由のどれにも当たらなければ、当局はあなたの登録を拒めない。3条の免許制が当局の判断で門を開け閉めするのに対し、この登録制は要件を満たした者に門を開くことを義務づける構造だ。株式会社または相互会社であること、資本金1,000万円、審査時点の純資産も同額以上、事業方法書と普通保険約款の中身、保険計理人による保険料・責任準備金の算出方法の確認、役員全員の欠格チェック、十分な人的構成。あなたが用意すべきものは12個すべてここに書いてある。逆に、ここに書かれていない理由で拒否されたなら、それは争える。
法的な位置づけ
保険業法第272条の4は、少額短期保険業の登録拒否事由を定める規定である。内閣総理大臣は、申請者が同条第1項各号のいずれかに該当するとき、または第272条の2第1項の登録申請書もしくは同条第2項の添付書類に虚偽の記載があり、もしくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。当局に判断の余地を残さない羈束規定として構成されている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.役員全員の欠格スクリーニングを最優先で実施 資本金を積む前に、取締役・執行役・会計参与・監査役の全員について前歴・破産歴・他業での登録取消歴を洗う。第10号は一人でも欠格者がいれば会社全体の登録を拒否する構造のため、人事を後回しにすると払込済みの資本金を寝かせたまま差し替えることになる
- 2.資本金と審査時点の純資産を分けて資金計画を引く 第2号は資本金・基金の額、第3号は純資産額をそれぞれ独立の拒否事由とする。純資産の計算方法は第2項により内閣府令に委ねられているため、開業準備の先行投資で政令額を割らないよう、払込と支出のタイミングを設計する
- 3.事業方法書・普通保険約款と保険計理人の確認を並走させる 第5号は272条の2第2項第2号・第3号の書類の記載事項が基準に適合するかを問い、第6号は保険料および責任準備金の算出方法について保険計理人の確認が現に行われたかを問う。フォーマットを埋めるだけでは足りず、商品設計の段階から保険計理人を入れる
- 4.兼業・会社形態・定款を申請前に固める 第1号(株式会社または相互会社)、第4号(定款の法令適合)、第9号(兼業)、第12号(保険会社の除外)は、申請後に直すと審査が振り出しに戻る類型。既存事業を持つ会社が参入する場合は、272条の11の兼業規制に照らして事業の切り出しを先に決める
- 5.拒否通知が来たら該当号を特定して土俵を選ぶ 拒否処分は行政処分であり、行政手続法8条により理由の提示が義務づけられる。272条の4は羈束規定なので争点は裁量の逸脱ではなく要件該当性の一点に絞れる。是正して再申請するか、審査請求・取消訴訟で争うかを号ごとに切り分ける
よくある質問 AI による整理
Q1少額短期保険業の登録が拒否されるのはどんな場合ですか?
保険業法272条の4第1項各号のいずれかに該当する場合です。会社形態、資本金・基金、純資産、定款、事業方法書と普通保険約款、保険計理人の確認、5年の欠格、兼業、役員、人的構成、保険会社の除外が並びます。申請書・添付書類の虚偽記載や重要事実の記載欠落も拒否事由です。
Q2登録を拒否されたら再申請できますか?
できます。272条の4は該当性を判断する規定で、再申請自体を禁じていません。第3号(純資産)や第10号(役員)のように事実を是正すれば消える事由なら、争うより整えて出し直す方が早い場合があります。第7号・第8号は5年の経過が必要です。
Q3少額短期保険業者の資本金はいくら必要ですか?
272条の4第1項第2号は「保険契約者等の保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める額」と定め、具体額は保険業法施行令に委ねられています。実務では1,000万円とされてきましたが、最新の政令をご確認ください。保険会社の免許(3条)とは桁が違います。
Q4純資産額はいつの時点で判断されますか?
第3号は「純資産額が前号に規定する政令で定める額に満たない」ことを拒否事由とし、計算方法は第2項により内閣府令に委ねられています。払い込んだ日の額ではなく審査時点の純資産が見られるため、開業前の支出で削ると拒否事由に触れます。
Q5保険会社は少額短期保険業者として登録できますか?
できません。272条の4第1項第12号は「保険会社」を正面から拒否事由に挙げています。既存の保険会社が小口商品を身軽に扱うために少額短期保険業の登録を取ることは、制度上認められていません。
Q6少額短期保険業者は他の事業を兼業できますか?
第9号により、272条の11第2項ただし書の内閣府令で定める業務以外を行う場合、または当該業務が少額短期保険業を適正かつ確実に行うにつき支障を及ぼすおそれがある場合は、登録が拒否されます。片手間の副業としての設計は想定されていません。
Q7登録申請書に記載漏れがあったらどうなりますか?
272条の4第1項本文は、272条の2第1項の申請書または同条第2項の添付書類に虚偽の記載があるとき、もしくは重要な事実の記載が欠けているときも拒否しなければならないと定めます。各号該当以前に、書類そのものが独立の拒否事由になります。
Q8保険計理人の確認はいつまでに必要ですか?
第6号は、保険料および責任準備金の算出方法が保険数理に基づき合理的かつ妥当であることについて、保険計理人による確認が「行われていない」ことを拒否事由とします。申請時点で確認済みであることが前提で、商品設計と並走させる必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1少額短期保険って、普通の保険会社と何が違うんですか?
保険金額や期間の上限と、入口が違います。保険会社は3条の免許で最低資本金10億円、少額短期保険業者は272条の登録で政令額1,000万円(最新の改正状況をご確認ください)。272条の4はその登録を拒否すべき12の事由を並べたものです。実務のポイント:最大の差は破綻時です。少額短期保険業者は保険契約者保護機構の対象外で、受け皿は供託金のみ。保険料より先にここを見る契約者はほとんどいません
Q2役員に昔の前歴がある人がいます。もう登録は無理ですか?
無理とは限りません。第7号(免許・登録の取消し)と第8号(罰金刑)はいずれも5年の経過で消える時限的な欠格で、起算点は取消しの日または刑の執行を終わった日です。第10号の役員欠格も同様に期間で区切られた類型を含みます。実務のポイント:申請直前に役員を差し替えても、実質的に経営を動かしていると見られれば第11号(人的構成)で引っかかります。名義だけ替える対応は、審査側が最も警戒するパターンです
Q3申請を出したのに、いつまでも登録してくれません。待つしかない?
272条の4は拒否事由に該当するときに拒否しなければならないと定める羈束規定です。裏返せば、該当しないなら登録を拒めません。動きがない場合は、行政手続法6条の標準処理期間と7条(申請が到達したら遅滞なく審査を開始する義務)が手がかりになります。実務のポイント:正式申請の前段階である事前相談で足踏みさせる運用は実務で珍しくありません。申請書が正式に受理されているかを、まず書面で確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 少額短期保険業者は保険会社より規制が緩い、そこまでは多くの人が知っている。知られていないのは、その緩さの代償だ。少額短期保険業者は生命保険契約者保護機構・損害保険契約者保護機構の対象外である。保険会社が破綻すれば機構が契約の受け皿になるが、少額短期保険業者が破綻しても機構は動かない。用意されているのは供託金だけだ。同じ「保険」という二文字が、破綻時にはまったく違う結末を指している。
- 「審査に通るコツは何か」という問いの立て方自体が、この条文とずれている。272条の4は拒否事由に該当するときは「拒否しなければならない」と書く羈束規定(当局に判断の余地を残さない規定)で、気に入られるかどうかの余地を制度として消してある。問うべきは「どう評価されるか」ではなく「12個の拒否事由のどれに触れうるか」。前者を考えている限り、準備の順番を永遠に間違える。
- 書類が全部揃えば審査は進むと考えがちだが、条文が見ているのは書類の存在ではなく中身である。第5号は事業方法書と普通保険約款の記載事項が基準に適合するかを問い、第6号は保険料および責任準備金の算出方法について保険計理人の確認が現に行われたかを問う。フォーマットを埋めただけの申請書は、一式揃っていても拒否事由に触れる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 参入の仕組み | 保険業法272条の4:登録拒否事由に該当しなければ登録を拒めない(羈束) | 保険業法3条:内閣総理大臣の免許(判断を伴う参入審査) 保険業法272条:少額短期保険業の登録制そのものの根拠 |
| 審査される中身 | 会社形態・資本金・純資産・定款・事業方法書・保険計理人の確認・欠格・兼業・役員・人的構成・保険会社の除外 | 保険会社としての免許基準(財産的基礎・収支見込み等) 272条の2の登録申請書と添付書類の内容 |
| 適用される場面 | 登録前(入口の門) | 免許前(入口の門) 登録後の欠格該当は272条の26による取消しの検討対象 |
| 争い方 | 要件該当性の一点に絞った審査請求・取消訴訟(行政手続法8条の理由提示が手がかり) | 判断の適否も争点になり得る 取消処分に対する不服申立て(処分性が明確) |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は保険業の設立を許可制とし、少額短期保険に相当する微型保險は独立の登録業態ではなく既存保険業者が扱う業務類型として位置づける。日本のように別枠の低資本参入路線は用意されていない
韓国も保険業は許可制を基本とするが、少額短期に特化した保険会社について資本金の特例を設ける方向で制度を整備してきた。参入要件を下げつつ引受範囲を限定する設計は日本と同方向
中国は保険会社の設立を国務院保険監督管理機構の認可に一元化し、少額短期の別枠登録制度を置かない。小口保障は保険会社の商品として提供される
ドイツは保険事業に営業許可を要求する一方、小規模相互保険社団に監督の軽減を認める。日本の少額短期保険業が引受規模で線を引くのに対し、ドイツは組織形態と規模で線を引く
フランスは保険事業に行政認可(agrément)を要求し、EU の保険監督枠組みの下で単一の認可制を採る。登録制と免許制を併存させる日本型の二階建て構造ではない
米国は州単位の免許制で、限定引受けの保険者や captive について州ごとに軽減された要件を置く。連邦レベルの統一登録制は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 申請から3か月、審査がほぼ終わったところで役員候補の一人に金融関連法令違反の前歴が見つかったら、どうなる? 第10号は取締役・執行役・会計参与・監査役のうち一人でも欠格事由に当たれば、会社全体の登録を拒否すると定める。役員を差し替えれば申請は生き返るが、再説明でさらに数か月。役員のスクリーニングは、資本金を積むより先に済ませておく作業だ。
- 登録を拒否された側に立ってみる。通知書には「第272条の4第1項第11号に該当」とだけ書いてある。人的構成という最も抽象的な号で、当局の判断余地が最も広い。だが拒否処分は行政処分であり、行政手続法8条は申請を拒む処分に理由の提示を義務づける。一行だけの理由提示は、それ自体が反論の材料になる。
- 入居時に加入させられた家財保険の証券を開くと、引受会社は聞いたことのない社名だった。金融庁が公表する登録業者一覧に社名があるか、その場で検索できる。名前がなければ無登録営業であり、保険業法違反だ。
- 資本金1,000万円は用意した。だが設立初年度の先行投資で純資産が800万円まで削れていた。第3号は、純資産額が政令で定める額に満たない者の登録を拒否すると定める。見られるのは払い込んだ日の額ではなく、審査時点の純資産だ。調達と支出のタイミングを一手間違えるだけで、一年分の準備が止まる。
- 既存の保険会社が「小口商品は身軽にやろう」と考える。第12号は、保険会社そのものが少額短期保険業者として登録することを正面から認めない。さらに第9号は、少額短期保険業を適正かつ確実に行うのに支障を及ぼすおそれのある兼業を拒否事由とする。片手間の副業として設計する余地は、制度上そもそも残されていない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 拒否通知書で272条の4第1項の何号が挙げられたかを特定する。理由が抽象的なら、行政手続法8条の理由提示義務違反を主張材料にできる2. 該当性を争うか、事実を直して再申請するかを分ける。第3号(純資産)や第10号(役員)は是正して出し直す方が速いことが多い3. 争うなら審査請求か取消訴訟。羈束処分なので立証の的は要件該当性の一点に絞れる4. 並行して当局との事前相談の記録を時系列で全部揃える
訴えられた側:1. まず第12号と第1号を確認。保険会社本体は登録できず、株式会社または相互会社以外の形態も入口で弾かれる2. 役員全員の前歴・破産歴を申請前にスクリーニングする(第10号) 3. 保険計理人の確認(第6号)は書類作成の最後ではなく、商品設計の段階から並走させる4. 資本金は積んだ額ではなく審査時点の純資産で見られる(第2号・第3号)。開業前の支出で食い潰さない資金計画を先に引く
時効(請求できる期限):登録拒否処分に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)。取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。第7号・第8号の欠格は、取消しの日または刑の執行を終わった日(もしくは執行を受けることがなくなった日)から5年の経過で消える。起算点は事件が起きた日ではなく、処分日または刑の執行終了日である
学説
通説(金融参入規制論):免許制が行政庁の判断により参入の可否を決めるのに対し、272条の4の登録制は拒否事由の不存在を条件に参入を義務的に認める構造とされる。羈束規定としたことで参入の自由が確保される一方、12の拒否事由が例外なく適用されることで規制緩和の下限が固定される
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正、平成18年(2006年)施行 無認可共済問題を受けて少額短期保険業の登録制が創設され、本条は登録拒否事由として新設された
- 令和5年(2023年)公布、令和6年(2024年)施行 引用先が「金融サービスの提供に関する法律」から「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」へ改称され、第7号・第8号の文言が改められた(改正回数は人的検証が必要)
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:無認可共済問題を受けて少額短期保険業の登録制が創設され、本条が登録拒否事由として新設された(平成18年施行)
- 2.令和5年(2023年) 改正:引用先が「金融サービスの提供に関する法律」から「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」へ改称され、第7号・第8号の文言が改められた(令和6年施行)
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