保険業法 第272条の30(事業の譲渡又は譲受け並びに業務及び財産の管理の委託に関する規定の準用)
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- 第百四十二条の規定は、少額短期保険業者を全部又は一部の当事者とする事業の譲渡又は譲受けについて準用する。
- 2.第七章第三節の規定は、少額短期保険業者がその業務及び財産の管理の委託をする場合について準用する。この場合において、第百四十四条第一項中「外国保険会社等(内閣府令で定めるものを除く。)」とあるのは、「外国保険会社等(内閣府令で定めるものを除く。)及び少額短期保険業者」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
事業の譲渡又は譲受け並びに業務及び財産の管理の委託に関する規定の準用とは何ですか?
定義事業の譲渡又は譲受け並びに業務及び財産の管理の委託に関する規定の準用とは、保険業法第272条の30に定められた規定で、「第百四十二条の規定は、少額短期保険業者を全部又は一部の当事者とする事業の譲渡又は譲受けについて準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第272条の30(事業の譲渡又は譲受け並びに業務及び財産の管理の委託に関する規定の準用)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第272条の30の条文原文は「第百四十二条の規定は、少額短期保険業者を全部又は一部の当事者とする事業の譲渡又は譲受けについて準用する。」で始まります。
- 保険業法第272条の30は第五節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第272条の30の前の条は保険業法第272条の29です。
- 保険業法第272条の30の次の条は保険業法第272条の31です。
- 保険業法第272条の30には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第272条の30 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第272条の30(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/272_30
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法272条の30は、少額短期保険業者の事業譲渡に142条を、業務・財産の管理の委託に第七章第三節を準用する。譲渡には株主総会決議、委託には当局の認可が要る。
Q · 加入しているミニ保険の会社が変わるって通知が来たけど、会社は勝手に契約を他社へ移せるの?
勝手には変えられない。株主総会の特別決議など法定の手続が要る
保険業法272条の30第1項は、少額短期保険業者を当事者とする事業の譲渡・譲受けについて同法142条を準用します。準用の結果、事業譲渡には株主総会の特別決議という重い手続が必要になります。契約者に拒否権はありませんが、手続を欠く譲渡は効力を争う余地があります。また同条2項により、業務及び財産の管理の委託には第七章第三節が準用され、内閣総理大臣の認可が前提となりえます。登録制で参入は軽くても、契約者の帰属が動く場面の規制は軽くありません。
解説
少額短期保険業者、いわゆるミニ保険会社。ペット保険、家財保険、スマホ補償、孤独死保険。保険料が安く、参入も比較的しやすいこの業界で、あなたが契約者だとする。ある日「当社の保険契約は○○社へ譲渡されます」という通知が届く。ここで効いてくるのが272条の30だ。この条文自体には実体的なルールがほとんど書かれていない。書かれているのは「142条を準用する」「第七章第三節を準用する」という指示だけ。だが準用先を開くと、事業譲渡には株主総会の特別決議が必要であること、業務・財産の管理を他社に委託するには内閣総理大臣の認可が要ることが出てくる。つまりミニ保険だからといって、顧客を勝手に他社へ流すことも、管理業務を無認可で丸投げすることもできない。条文の短さと、それが縛る力の大きさは比例しない。
法的な位置づけ
保険業法272条の30は、少額短期保険業者に対する準用規定である。同条1項は事業の譲渡又は譲受けについて同法142条を、2項は業務及び財産の管理の委託について第七章第三節を準用し、144条1項の「外国保険会社等」を「外国保険会社等及び少額短期保険業者」と読み替える。登録制で参入する少額短期保険業者に、保険会社と同等の手続規制を接続する条文である。
手順
- 1.事業譲渡通知の法的根拠と決議日を特定する 通知書を受け取ったら、譲渡の効力発生日、譲渡先の商号と登録番号、そして手続の根拠条文を読み取る。記載がなければ、保険業法272条の30が準用する142条の手続を経ているか、株主総会決議の日付はいつかを書面で照会する
- 2.譲渡先の健全性を公開情報で確認する 金融庁の少額短期保険業者登録一覧で譲渡先の登録の有無を確認し、決算公告で保有契約件数と供託額のバランスを見る。少額短期保険業者には保険契約者保護機構の補償が及ばないため、供託金の厚みが実質的な最後の砦になる
- 3.契約条件の変更有無を照合し、継続か解約かを決める 譲渡前後で保険金額、免責事由、保険料、支払要件が変わらないかを新旧約款で照合する。不利な変更があれば、効力発生日より前に解約するか継続するかを判断する。効力発生日直前は既存契約の維持が優先される時期で、交渉余地が生まれやすい
- 4.事業者側は委託範囲を当局の事前相談で確定させる 少額短期保険業者として業務及び財産の管理を外部委託する場合、契約書の起案より先に監督当局へ事前相談する。第七章第三節の準用により認可が前提となりうる範囲を線引きしてから、委託契約書と社内体制を整える
- 5.手続に疑義があれば相談窓口へエスカレーションする 決議の有無が明かされない、通知が効力発生日の直前だった、条件変更が説明されていないなどの疑義があれば、金融サービス利用者相談室や指定紛争解決機関へ相談する。照会と回答の記録は時系列で保存しておく
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法272条の30とは何ですか?
少額短期保険業者の事業譲渡に142条を、業務及び財産の管理の委託に第七章第三節を準用する規定です。条文自体は短く、実体的なルールは準用先に置かれています。
Q2少額短期保険業者とは何ですか?
保険金額が少額で保険期間が短い保険のみを引き受ける事業者です。免許制の保険会社と異なり登録制で、ペット保険や家財保険、スマホ補償などを扱います。
Q3法律の「準用」とはどういう意味ですか?
必要な読み替えを加えたうえで、別の条文をそのまま適用することです。効力は直接規定と変わらず、準用先を読まなければ規制の内容は把握できません。
Q4ミニ保険が事業譲渡されると保障内容は変わりますか?
譲渡自体で契約条件が自動的に変わるわけではありませんが、引受会社が替われば約款改定の可能性はあります。通知書で保険金額・免責事由・保険料の変更有無を確認してください。
Q5少額短期保険業者の登録状況はどこで確認できますか?
金融庁が公表する少額短期保険業者の登録一覧で、商号・登録番号・所在地を確認できます。決算公告と併せて見れば財務の概況も把握できます。
Q6事業譲渡に株主総会の特別決議が必要なのはなぜですか?
事業譲渡は契約上の地位が別法人へ移る重大な変動だからです。準用される142条は、会社の基礎に関わる決定として通常決議より重い特別決議を求めています。
Q7少額短期保険業者が無認可で管理を委託したらどうなりますか?
272条の30第2項により第七章第三節が準用され、認可を欠く委託は業務改善命令や業務停止命令といった行政処分の対象になりえます。
Q8保険契約が別会社へ移ったあとの苦情はどこに言えばいいですか?
効力発生日以降は譲受会社が窓口になります。管理業務が外部委託されている場合は、約款末尾の委託先記載で苦情の受付主体を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1入ってるミニ保険の会社が別の会社に変わるって通知が来たんですが、勝手に決められるものなんですか?
勝手にはできない。本条が準用する142条により、事業の譲渡または譲受けには株主総会の特別決議が必要で、契約者への通知手続も求められる。ただし契約者側に拒否権があるわけではなく、納得できなければ解約という選択になる。実務のポイント:譲渡の効力発生日直前は、譲渡会社も譲渡先も新規契約獲得より既存契約の維持を優先する時期だ。この時期に解約を申し出ると、条件見直しや手数料面で柔軟な提案が返ってくることがある
Q2少額短期保険って、保険会社が潰れたときの救済制度はあるんですか?
生命保険契約者保護機構・損害保険契約者保護機構による補償は少額短期保険業者には及ばない。代わりに供託金制度(保険業法272条の5)があり、契約者は供託金から優先弁済を受けられる仕組みになっている。実務のポイント:供託金は最低額が法定されているが、契約規模に対して十分とは限らない。加入前に、その業者の供託額と保有契約件数を比べて見る人はほとんどいない。金融庁の登録簿と決算公告を突き合わせれば、おおよその厚みは見える
Q3保険会社が事務を外部の会社に丸投げしてるって聞いたんですが、それって許されるんですか?
許される場合があるが、業務及び財産の管理の委託は本条2項により第七章第三節が準用され、内閣総理大臣の認可という重い手続が前提になりうる。単なる事務のアウトソーシングと、業務・財産の管理そのものの委託は法的な扱いが違う。実務のポイント:契約者から見て「どこまでが委託されているか」は、契約のしおりや約款の末尾にある業務委託先の記載で確認できる。苦情を言うべき相手が委託先なのか本体なのかは、この記載で決まる
間違えやすい点 AI による整理
- 「少額短期保険は登録制で、保険会社の免許制より規制が緩い」ことは多くの人が知っている。だがその緩さが「どこまで」なのかを正確に把握している人は少ない。参入要件と資本金要件は確かに軽い。しかし事業譲渡と業務・財産管理の委託については、本条の準用により保険会社とほぼ同じ手続規制がかかる。緩いのは入口だけで、契約者の帰属が動く出口は緩くない
- 「準用」という言葉を、条文の飾りか法律家の言い回し程度に受け取っている人が多い。だが準用とは、読み替えを伴って別の条文をそのまま適用することであり、法的効力は直接の規定と変わらない。本条2項がわざわざ「外国保険会社等」を「外国保険会社等及び少額短期保険業者」と読み替えると明示しているのは、この読み替えなしでは規制が空振りするからだ。準用条文を飛ばして読むことは、規制の半分を読み落とすことを意味する
- 契約者の立場から見れば「保険会社が変わっても契約内容が同じなら問題ない」と映る。だが法律から見れば、事業譲渡は契約上の地位が別の法人へ移転する重大事であり、だからこそ株主総会の特別決議という重い手続を要求している。この落差が見えていないと、通知書を読み飛ばし、譲渡先の信用力を確認しないまま数年間保険料を払い続けることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 少額短期保険業者の事業の譲渡・譲受け(1項)と業務及び財産の管理の委託(2項) | 保険会社を当事者とする事業の譲渡・譲受け 外国保険会社等の業務及び財産の管理の委託 |
| 条文の性質 | 準用規定。自前の実体的ルールをほとんど持たない | 実体規定。手続そのものを定める 実体規定。認可の要否と対象を定める |
| 求められる手続 | 準用により142条・第七章第三節の手続がそのまま適用される | 株主総会の特別決議等 内閣総理大臣の認可 |
| 読み替えの有無 | 144条1項の「外国保険会社等」に少額短期保険業者を加える読み替えあり | 読み替えなし 本則としてそのまま適用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の営業譲渡・合併について主管機関の関与と株主総会特別決議を要求する。少額短期保険に相当する独立業態区分は置かれていない点が日本と異なる
韓国は保険契約の移転について当局の関与と手続規制を置く。少額短期専門保険会社の区分は近年導入されたもので、日本の少額短期保険業者より歴史が浅い
ドイツは保険契約集合の移転を BaFin の認可事項とし、契約者保護を監督当局の事前審査で担保する。日本のように会社法上の決議要件を準用で接続する構造とは設計思想が異なる
米国は州ごとの保険法制で、契約の承継に州保険当局の承認と契約者への通知・オプトアウト機会を要求する例が多い。連邦統一法はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入していたペット保険の運営会社から「事業譲渡により引受会社が変更となります」という封書が届いた。譲渡先の財務は健全か、保険金支払の条件は変わらないか。あなたが確認すべきは、その譲渡が142条準用の手続(株主総会の特別決議と債権者保護)を踏んでいるかどうかだ
- あなたが少額短期保険業者の経営企画担当で、コスト削減のため契約管理業務を外部のシステム会社へ全面委託しようとしている。「業務委託だから届出で足りる」と考えているなら危険だ。業務及び財産の管理の委託は第七章第三節の準用により、内閣総理大臣の認可事項になりうる。無認可で走らせれば行政処分(役所が会社に直接下す業務改善命令や業務停止命令)の対象だ
- もし、あなたが加入中のミニ保険会社が別会社に事業を売り、譲渡先が半年後に破綻したら? 少額短期保険業者には生命保険契約者保護機構のようなセーフティネットが原則ない。供託金と保証金が最後の砦になる。譲渡先を選べないまま、あなたの保険は移る
- M&A の買い手側として少額短期保険業者の事業譲受を検討している。デューデリジェンスの期限まであと10日。この条文が準用する手続を見落とすと、クロージング直前に「株主総会決議が無効」「認可未取得」で全体が飛ぶ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事業譲渡通知を受けたら、譲渡先の商号・登録番号・財務状況を金融庁の少額短期保険業者登録簿で確認2. 譲渡会社に対し、株主総会決議の有無と日付、譲渡の効力発生日を書面で照会3. 契約条件(保険金額、免責事由、保険料)に変更があるかを確認、変更があれば譲渡前に解約するか継続するかを判断4. 管理業務が外部委託されている場合、委託先の破綻リスクと苦情窓口を確認。手続に疑義があれば金融庁の金融サービス利用者相談室へ
訴えられた側:1. 事業譲渡または管理委託を計画する段階で、準用される142条および第七章第三節の要件を法務・コンプライアンス部門で洗い出す2. 株主総会の特別決議が必要な類型かを確認し、招集通知の記載事項を整える3. 業務及び財産の管理の委託は当局の認可が前提になりうるため、契約書起案より先に事前相談を実施4. 契約者への通知は法定事項を漏らさず、苦情対応窓口を譲渡前後で切れ目なく維持する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。事業譲渡に関する株主総会決議の取消しの訴えは決議の日から3か月以内(会社法831条1項)。契約者が事業譲渡に伴う損害の賠償を求める場合は、一般の不法行為時効(民法724条、損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年)または債権の消滅時効(民法166条、権利行使できると知った時から5年、行使可能時から10年)が適用される
学説
通説:準用は読み替えを伴う適用であり、準用先の要件を欠けば手続違反となる。272条の30は少額短期保険業制度の軽い参入規制と、契約者の帰属が動く場面での保護要請とを、規制強度の場面別切替えによって調整した規定と理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:無認可共済問題を受けた保険業法改正により、少額短期保険業者に関する第二編第十一章(272条以下)が新設され、本条もその一部として設けられた。翌年から制度が施行され、既存の無認可共済が制度内に取り込まれた
- 保険業法 第142条準用元。事業譲渡等における株主総会決議等の手続
- 保険業法 第144条準用元。業務及び財産の管理の委託の認可
- 保険業法 第272条の2少額短期保険業者の登録制の基本規定
- 保険業法 第272条の5供託義務、契約者の優先弁済の原資
- 保険業法 第272条の29少額短期保険業者への業務規制の準用規定
- 会社法 第467条事業譲渡における株主総会特別決議の一般法
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第4条保険募集時の重要事項説明義務の横断規制(現行効力を要確認)
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