保険業法 第30条の12(設立時の定款の変更等)
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- 発起人は、第二十九条第二項の規定による通知をした以後は、第二十四条第二項において準用する会社法第三十三条第九項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。
- 2.第二十三条第四項において準用する会社法第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
- 3.創立総会において、第二十四条第一項各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、発起人は、当該決議後二週間以内に限り、その職を辞することができる。
この条文の基本情報
設立時の定款の変更等とは何ですか?
定義設立時の定款の変更等とは、保険業法第30条の12に定められた規定で、「発起人は、第二十九条第二項の規定による通知をした以後は、第二十四条第二項において準用する会社法第三十三条第九項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第30条の12(設立時の定款の変更等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第30条の12の条文原文は「発起人は、第二十九条第二項の規定による通知をした以後は、第二十四条第二項において準用する会社法第三十三条第九項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない…」で始まります。
- 保険業法第30条の12は第二款 設立に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第30条の12の前の条は保険業法第30条の11です。
- 保険業法第30条の12の次の条は保険業法第30条の13です。
- 保険業法第30条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の12 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/30_12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法30条の12は、相互会社の設立で発起人が29条2項の通知後は定款を変更できず、創立総会の決議によってのみ変更できると定める。
Q · 相互会社をつくるとき、定款はいつまで、誰が直せるんですか?
通知後は発起人は変更できず、創立総会の決議でのみ変更できます
保険業法30条の12によれば、発起人は29条2項の通知をした以後、定款を変更できません(1項)。代わりに創立総会が、認証後の定款変更禁止の原則(23条4項が準用する会社法30条2項)にかかわらず、決議で定款を変更できます(2項)。さらに24条1項各号の変態設立事項を変更する決議がされた場合、発起人は決議後2週間以内に限り辞任できます(3項)。つまり定款を直せる主体が、通知を境に発起人から創立総会へ移ります。
解説
相互会社の設立は、発起人だけで完結する仕事ではない。定款は公証人の認証を受けた時点で原則として動かせなくなり(23条4項が準用する会社法30条2項)、例外は、裁判所が変態設立事項(現物での基金拠出や発起人の報酬など、発起人が自分に有利な条件を紛れ込ませやすい危険項目)を不当と認めて変更決定を出したときに、発起人全員の同意で巻き戻す道だけである。30条の12第1項は、その最後の道に扉を付ける。募集の過程で外部へ法定の通知を出した以後(29条2項)、発起人はもう自分たちの判断で定款に触れられない。代わりに2項がペンを創立総会へ渡し、3項は、その創立総会に自分の条件を書き換えられた発起人へ、2週間だけ辞任という出口を残す。あなたが設立側に立つなら、通知日は権限の分水嶺であり、決議日はカウントダウンの開始日になる。
法的な位置づけ
保険業法30条の12は、相互会社の設立手続における定款変更の権限配分を定める規定である。発起人は29条2項の通知をした以後は定款を変更できず、認証後の定款変更禁止の原則にかかわらず創立総会が決議で定款を変更できる。24条1項各号の事項を変更する決議がされた場合、発起人には決議後2週間の辞任権が与えられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.29条2項の通知日を工程表の最上段に置く 通知日は発起人が自ら定款を直せる最後の日である。検査役の調査結果と裁判所の変更決定の見通しが立つまで通知日を動かせる余地を残し、通知日を確定したら関係者全員に共有する
- 2.通知後に判明した定款の不備は創立総会の議案に組み替える 通知後は発起人全員の同意でも定款を変更できない(1項)。不備が見つかった場合は発起人による修正を前提とせず、創立総会の定款変更決議(2項)の議案として組み立てる
- 3.変態設立事項を変更する議案は事前に辞任意向を個別確認する 24条1項各号の事項を変更する決議は、発起人に2週間の辞任権を発生させる。議案提出前に各発起人の辞任意向を確認し、員数要件を割り込まないかを試算しておく
- 4.決議日を書面で確定し、2週間の期限を管理する 創立総会の議事録に決議の日を明記し、辞任期限を算出して関係者に通知する。辞任する発起人は書面で意思表示し、到達日を記録に残す。残る発起人も反対意思を議事録に残す
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社とは何ですか?
保険業法に基づく保険会社固有の組織形態で、保険契約者が社員(構成員)となる会社です。株主ではなく社員が意思決定に関与する点で株式会社と異なります。
Q2創立総会とはどんな会議ですか?
設立中の会社で、社員になろうとする者が集まり設立事項を審議・決議する会議です。保険業法30条の12第2項により、決議で定款を変更する権限を持ちます。
Q3変態設立事項とは何を指しますか?
保険業法24条1項各号が掲げる、現物での基金拠出や発起人の報酬など、発起人が自分に有利な条件を入れやすい危険項目です。検査役の調査対象になります。
Q4保険業法29条2項の通知とは何ですか?
基金の拠出などを募る過程で外部に対して行う法定の通知です。この通知をした以後、発起人は自分たちの判断で定款を変更できなくなります(30条の12第1項)。
Q5発起人の辞任の2週間はいつから数えますか?
起算点は創立総会の決議の日で、議事録の作成日ではありません。期間計算は民法の原則により決議日の翌日から数えるのが通例です。日付を書面で確定させてください。
Q6相互会社の設立で定款の認証は必要ですか?
必要です。保険業法23条4項が会社法30条を準用し、公証人の認証を受けた定款は原則として変更できなくなります。30条の12第2項はその例外です。
Q7相互会社の設立には免許が必要ですか?
保険業を営むには内閣総理大臣(金融庁)の免許が必要です。設立手続の完了と免許取得は別の関門で、定款の内容は免許審査でも確認対象になります。
Q8創立総会で定款を変更する決議の効力はいつ生じますか?
決議のときに効力が生じます。決議日は発起人の2週間の辞任期間の起算点にもなるため、設立工程表では決議日を単独の管理項目として扱うべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公証人の認証を受けた定款って、もう一文字も直せないんじゃないんですか?
原則はそのとおりで、認証後の定款は変更できません(保険業法23条4項が準用する会社法30条2項)。例外は二つで、裁判所の変更決定を受けた場合に発起人全員の同意で巻き戻す道(24条2項が準用する会社法33条9項)と、創立総会の決議による変更(30条の12第2項)です。実務のポイント:前者は外部への通知を出した時点で使えなくなります。通知日を先に固めた進行表を作ると、自分で直せる時間を自分で削ることになる
Q2発起人が辞めたら、設立の手続きはどうなるんですか?
30条の12第3項の辞任は決議後2週間限定の権利です。辞任自体は個人の離脱ですが、相互会社の設立には発起人の員数要件があるため(保険業法22条、最新の条文をご確認ください)、割り込めば手続の続行が危うくなります。実務のポイント:株式会社の募集設立では、同じ場面で出口を渡されるのは反対した引受人の側です(会社法97条)。相互会社は逆に発起人へ渡す。この違いが、交渉の場で誰が席を立てるかを決めている
間違えやすい点 AI による整理
- 「定款はいつまで直せるのか」という問いの立て方そのものがずれている。本条が決めているのは期限ではなく、直す権限が誰の手にあるかである。通知前は発起人、通知後は創立総会。時期の問題に見えて、実際は主体の問題だ
- 創立総会は用意された定款を承認するだけの儀式だと思われがちだが、2項は「認証後の定款は変更できない」という原則を正面から破る権限を創立総会に与えている。承認機関ではなく、書き換え機関である
- 発起人の辞任は、本人から見れば個人的な離脱にすぎない。設立手続の側から見れば、発起人の員数要件を割り込ませて設立そのものを止めうる出来事である(員数要件は最新の条文をご確認ください)。この落差を読み違えると、2週間の重みを見誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 定款を変更できる主体 | 保険業法30条の12:通知後は創立総会のみ(2項) | 保険業法23条4項(会社法30条2項準用):認証後は誰も変更できないのが原則 保険業法24条2項(会社法33条9項準用):裁判所の変更決定後、発起人全員の同意で変更可 |
| 適用できる時期 | 29条2項の通知以後(1項で発起人の変更権が消滅) | 公証人の認証時から設立登記まで一貫 裁判所の変更決定の確定後、かつ29条2項の通知前に限る |
| 変更された側の救済 | 変態設立事項の変更決議なら発起人は決議後2週間以内に辞任可(3項) | 救済規定なし(そもそも変更できない) 同意しない発起人がいれば変更自体が成立しない |
| 株式会社との対応関係 | 会社法95条・96条に対応、97条とは救済の相手方が逆 | 会社法30条2項そのもの 会社法33条9項そのもの |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の保険業は株式会社または保険合作社に限られ、日本型の相互会社は存在しない。募集設立における創立會が設立事項を調査・決議する枠組みは本条2項と機能的に近い
韓国商法316条は創立総会が定款変更または設立廃止を決議できると定め、本条2項と同じ発想に立つ。相互会社固有の発起人辞任権にあたる規定の有無は要確認
日本の相互会社の母型とされる組織形態。設立・定款は保険監督法が規律し、会社法準用という日本型の立法技術とは構成が異なる
連邦法ではなく州法が規律し、設立要件・契約者の地位は州ごとに分かれる。設立段階での定款変更権の配分を条文レベルで固定する日本型とは対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 創立総会が、発起人の受ける報酬に関する定款の定めを削る決議をした。あと何日、あなたに選択の余地が残っているのか。答えは決議の日から2週間。この期間を越えれば、削られた条件のまま発起人として設立の責任を負い続けることになる
- 検査役の調査で現物による基金拠出の評価が過大と判断され、裁判所が変更決定を出した。発起人全員で巻き戻そうとしたが、外部への通知はすでに送付済みだった。1項が効いて、その扉はもう閉まっている
- 設立準備を外から手伝う立場のあなたが、発起人の一人から「定款の細かい部分は創立総会の前に直しておけばいい」と聞かされる。ここで通知日を確認できるかどうかで、あなたが役に立てるかが決まる。通知後なら、直せる主体は発起人ではなく創立総会である
取るべき行動
被害を受けた側:創立総会に自分の条件を書き換えられた発起人の側なら、1. 決議日を書面で確定させる(起算点は議事録の作成日ではなく決議の日) 2. 書き換え後の条件で自分の負担と取り分がどう変わるかを2週間以内に試算3. 辞任するなら書面で意思表示し、到達日を記録に残す4. 残る選択をした場合も、反対の意思を議事録に記録させ、後日の責任分配の議論に備える。2週間を越えた瞬間、この選択肢は消える
訴えられた側:設立を主導する発起人側なら、1. 29条2項の通知日を工程表の最上段に置き、検査役の調査と裁判所の変更決定の見通しが立つまで通知日を動かせる余地を残す2. 通知後に定款の不備が見つかった場合、発起人だけでは直せない前提で創立総会の議案を組み立てる3. 変態設立事項を変更する議案を出すなら、他の発起人の辞任意向を事前に個別確認し、員数割れの試算を先に済ませる
時効(請求できる期限):発起人の辞任は創立総会の決議後2週間以内(保険業法30条の12第3項)。起算点は議事録の作成日ではなく決議の日。1項の定款変更禁止は期限ではなく、29条2項の通知をした以後は戻れないという一方通行の効果として働く。なお裁判所の変更決定を受けた発起人全員による定款変更にも決定確定後1週間という限界があり(会社法33条9項、最新の改正状況をご確認ください)、通知前であっても時間は無限ではない
改正沿革 AI による整理
- 沿革は要人的検証 平成17年(2005年)の会社法制定に伴う関係法律の整備で、相互会社の設立規定が会社法準用型へ再編された際に置かれた条文と解されるが、新設か既存条文の改正かの区別、および枝番付与の経緯は未検証。改正年と態様は原典で確認を要する
- 保険業法 第22条発起人の要件、辞任時の続行可否に直結
- 保険業法 第23条定款の作成と認証後変更禁止の準用元
- 保険業法 第24条変態設立事項と検査役調査の準用元
- 保険業法 第29条定款変更が封じられる起算点の通知
- 会社法 第95条発起人の定款変更権が失われる時点の原型
- 会社法 第96条創立総会による定款変更の原型
- 会社法 第97条株式会社では反対引受人に取消権、相互会社は発起人に辞任権
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