保険業法 第311条の4(財務大臣への資料提出等)
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- 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、保険業に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
- 2.財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、保険業に係る制度の企画又は立案をするため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、保険会社等、外国保険会社等、免許特定法人の総代理店(第二百十九条第一項に規定する総代理店をいう。)、保険主要株主、保険持株会社、少額短期保険主要株主、少額短期保険持株会社その他の関係者に対し、資料の提出、説明その他の協力を求めることができる。
この条文の基本情報
財務大臣への資料提出等とは何ですか?
定義財務大臣への資料提出等とは、保険業法第311条の4に定められた規定で、「財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、保険業に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第311条の4(財務大臣への資料提出等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第311条の4の条文原文は「財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、保険業に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資…」で始まります。
- 保険業法第311条の4は第五編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第311条の4の前の条は保険業法第311条の3です。
- 保険業法第311条の4の次の条は保険業法第312条です。
- 保険業法第311条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第311条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第311条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/311_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法311条の4は、財務大臣が金融破綻処理制度等の企画立案のため、内閣総理大臣や保険会社等に資料提出・説明・協力を求められると定める。罰則はなく任意の協力要請である。
Q · 財務省から資料提出の文書が届いたけど、金融庁じゃないのに出さないといけないの?
断っても罰則はない。ただし応じ方で制度設計への影響が変わる
保険業法311条の4により、財務大臣は金融破綻処理制度と金融危機管理に関する制度の企画立案のため、内閣総理大臣(実務は金融庁)に資料提出と説明を求め、特に必要な限度で保険会社等その他の関係者に直接協力を求めることができます。ただし条文は「協力を求めることができる」にとどまり、拒否に対する罰則も行政処分も定めていません。強制力のある128条の報告徴求とは別物です。実務では全面拒否ではなく、個人データや営業秘密を理由に提出範囲を絞る対応が選ばれます。
解説
保険会社を監督しているのは金融庁である。ここまでは正しい。だが資料の提出を求めてくる役所が金融庁だけだと思っているなら、本条を読んでいない。311条の4は、財務大臣が金融破綻処理制度と金融危機管理に関する制度の企画立案のために、内閣総理大臣(実務上は金融庁)へ資料と説明を求められると定め(1項)、特に必要があるときは保険会社等、外国保険会社等、免許特定法人の総代理店、保険主要株主、保険持株会社、少額短期保険主要株主、少額短期保険持株会社その他の関係者に対し、直接、資料の提出や説明その他の協力を求められるとする(2項)。効いてくるのは動詞の差だ。128条の報告徴求は義務であり、応じなければ行政処分(役所があなたの会社に直接下す業務改善命令などの決定)や罰則が視野に入る。311条の4は「協力を求めることができる」にとどまり、罰則規定がない。法的性質は行政指導に近い。同じ「資料を出してほしい」でも、断れるものと断れないものがある。その差は文書の本文ではなく、根拠条文の一行にしか書かれていない。
法的な位置づけ
保険業法311条の4は、財務大臣の情報収集について定める規定である。金融破綻処理制度及び金融危機管理に係る制度の企画立案を目的として、1項は内閣総理大臣に対する資料提出及び説明の求めを、2項は保険会社等その他の関係者に対する協力の求めを認める。いずれも罰則を伴わない任意の求めであり、監督権限に基づく報告徴求とは区別される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.根拠条文を特定して初日に記録する 照会文書を受け取ったら本文より先に根拠条文を確認する。311条の4なら任意の協力要請、128条なら監督上の報告徴求で、強制力も期限の性質も別物である。確認結果を受領初日に社内記録へ一行残す
- 2.求められた項目を三つに仕分ける 要求項目を「統計・集計で足りるもの」「個社の営業秘密に当たるもの」「契約者の個人データを含むもの」に分類する。制度設計に必要なのは個人の識別ではなく分布であることを前提に、提出粒度を設計する
- 3.個人データ項目は匿名加工・集計値を逆提案する 個人データを含む項目は、そのまま送らず匿名加工情報または集計値への置き換えを提案する。「この粒度で足りますか」と先に照会することで、個人情報の保護に関する法律27条をめぐる解釈リスクを回避する
- 4.回答範囲と提出日を書面で確定し決裁を経る 合意した回答範囲と提出日を書面で相互確認し、社内決裁を経た記録を残す。口頭のやり取りだけで送付しない。担当者個人の判断で送った形跡は、後日の責任論で最も弱い部分になる
- 5.提出資料に実務の実情を注記で添える 個社照会はパブリックコメントより前の段階であり、提出資料の書き方が最も早く効く意見表明になる。数字だけでなく、算定前提や現場の制約を注記で添えることで、後の規制案の解像度が変わる
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法311条の4とは何ですか?
財務大臣が金融破綻処理制度と金融危機管理に関する制度の企画立案のため、内閣総理大臣や保険会社等に資料提出・説明・協力を求められると定める規定です。罰則はありません。
Q2保険会社の監督官庁は財務省と金融庁のどちらですか?
監督権限は内閣総理大臣にあり、実務は金融庁が担います。財務省が持つのは監督権限ではなく、金融破綻処理制度と危機管理の制度設計という所掌事務です。311条の4はその情報ルートです。
Q3報告徴求と協力要請の違いは何ですか?
128条の報告徴求は監督権限に基づく義務で、応じなければ行政処分や罰則が視野に入ります。311条の4は協力の求めにとどまり罰則規定がなく、法的性質は行政指導に近いものです。
Q4少額短期保険の主要株主にも資料要求は来ますか?
来ます。2項は少額短期保険主要株主・少額短期保険持株会社も名宛人に含めています。個人が主要株主として登録されていれば、自宅に文書が届く可能性もあります。
Q5協力要請に提出期限はありますか?
本条に法定の期限はありません。文書に記載された期限は行政上の協力要請にすぎず、法律上の義務期限ではないため、範囲と日程を逆提案する余地が法的に残っています。
Q6「その他の関係者」とは誰を指しますか?
条文は保険会社等、外国保険会社等、免許特定法人の総代理店、保険主要株主、保険持株会社、少額短期保険主要株主、少額短期保険持株会社を列挙した上で「その他の関係者」を置き、制度設計に必要な範囲で対象を広げています。
Q7財務省名義の照会文書が届いたらまず何をすべきですか?
本文より先に根拠条文の行を探します。128条か311条の4かで強制力も期限の性質も別物です。確認した内容を初日に社内記録へ一行残すことが、後の交渉と説明責任の土台になります。
Q8311条の4の1項と2項はどう違いますか?
1項の名宛人は内閣総理大臣で、要件は「必要があると認めるとき」です。2項は保険会社等その他の関係者への直接の求めで、「特に必要があると認めるとき」「その必要の限度において」と二重に絞られています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1財務省から資料を出してほしいと言われたんですが、断ったらどうなりますか?
311条の4は「協力を求めることができる」と定めるだけで、拒否に対する罰則も行政処分も規定していない。128条に基づく報告徴求(内閣総理大臣、実務上は金融庁の権限)とは法的性質が別である。実務のポイント:実務で選ばれるのは全面拒否ではなく範囲の絞り込みだ。個人情報や営業秘密を理由に項目を限定する回答は合理的理由として通りやすく、無回答よりも関係を痛めない
Q2契約者の個人データが入った資料も、そのまま出していいんですか?
法令に根拠のある求めへの対応として整理する余地はあるが、罰則のない任意の協力要請がどこまで個人情報の保護に関する法律27条1項の例外に当たるかは、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:分かれている論点だからこそ、実務は集計値や匿名加工に置き換えて出すのが定石だ。制度設計に必要なのは個人の識別ではなく分布であり、先に「この粒度で足りますか」と聞けば、ほぼ通る
間違えやすい点 AI による整理
- 「金融庁と財務省、結局どっちが自分の監督官庁なのか」という問いの立て方自体が誤っている。監督権限は内閣総理大臣にあり実務は金融庁が担う。財務省が持つのは監督権限ではなく、破綻処理制度と危機管理の制度設計という所掌事務である。本条は監督のルートではなく、制度をつくるための情報ルートだ。両者を混同すると、来た文書の意味も、応じ方も間違える
- 「罰則がないから断っても無傷」と考えるのは、罰則がないことの意味を浅く取っている。法的強制力がないのは事実で、そこは正しい。だが本条の求めは制度設計の前段階に行われ、応答の中身がそのまま将来の規制案の材料になる。沈黙はあなたの業態の実情が制度に反映されないことを意味する。断る自由と、断った結果引かれる線は別の話である
- あなたから見れば、統計用の集計データを役所に渡しただけの事務作業かもしれない。だが個人情報保護法から見れば、契約者の個人データを本人の同意なく第三者に提供した場面でありうる。法令に根拠のある求めへの対応として整理する余地はあるが、任意の協力要請にどこまで当てはまるかは実務上、解釈が分かれている。この落差に気付かないまま送信ボタンを押す担当者が、後から社内で責任を問われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権限主体と性質 | 311条の4:財務大臣の協力要請(制度企画のための情報収集) | 128条:内閣総理大臣(実務は金融庁)の報告徴求(監督権限) 129条:内閣総理大臣(実務は金融庁)の立入検査(監督権限) |
| 強制力・罰則 | 罰則規定なし。法的性質は行政指導に近い | 義務。応じなければ行政処分や罰則が視野に入る 義務。拒否・妨害は罰則の対象となりうる |
| 発動要件の絞り | 制度の企画立案のため「特に必要」かつ「その必要の限度において」(2項) | 業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるとき 同上(現場に立ち入る実力行使手段) |
| 実務対応の基本線 | 全面拒否ではなく範囲の絞り込み。期限も逆提案の余地あり | 期限は原則動かない。範囲交渉より期限遵守が優先 受忍が前提。事前準備と立会い体制の整備が中心 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2004年に財政部から金融監理権限を分離し金管會へ一元化した。監督上の検査・報告徴求は保險法148条に集約され、日本の311条の4のように制度設計官庁が個社へ直接照会する独立の条文は置かれていない
韓国も監督は金融委員会・金融監督院が担い、制度設計を所掌する企画財政部との関係は協議と資料要求の枠組みで処理される。個社への直接照会を条文で明示する形式とは異なる
ドイツは監督を BaFin が担い、制度設計は BMF が所掌する。BMF は BaFin に対する法的監督(Rechtsaufsicht)を通じて情報に接するのが基本で、保険会社への直接照会は例外的である
米国は保険監督が州に属する一方、財務省内の Federal Insurance Office が連邦レベルの情報収集を担う。監督官庁ではない財政当局が制度設計のためにデータを集めるという構造は、本条と最も近い比較対象となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、金曜の夕方に「金融破綻処理制度の企画立案のため」という一文だけを添えて、保険引受と支払余力に関する詳細データの提出を求める文書が届き、期限が翌週火曜だったらどうなる? 残された実働は二日。根拠が128条の報告徴求なのか311条の4の協力要請なのかで、打てる手がまるで違う。前者なら期限は原則動かない。後者なら「この範囲ならこの日まで」と逆提案する余地が法的に残っている
- あなたが保険会社のコンプライアンス担当で、省庁名の入った封筒に反射的に「全部出しておけば安全」と判断したとする。その資料に契約者の氏名と病歴が混ざっていたら、守ったつもりの一手が個人データの提供として別の問題を生む。役所の求めに応じたという事実が、そのまま免罪符になるとは限らない
- 少額短期保険業者の主要株主として名前が載っている個人にも、本条2項の「その他の関係者」として協力要請が届きうる。会社が受け取る話だと思っていた文書が、自宅に届く。株主名簿に名を置くとは、そういうことである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 文書の根拠条文を特定する。311条の4なら協力要請、128条なら報告徴求で、強制力も期限の性質も別物2. 求められた項目を「統計・集計で足りるもの」「個社の営業秘密」「個人データを含むもの」の三つに仕分ける3. 個人データを含む項目は、匿名加工または集計値への置き換えを逆提案する4. 回答範囲と提出日を書面で確認し、社内決裁を経た記録を残す。口頭のやり取りだけで出さない
訴えられた側:過剰に応じた側として社内外で責任を問われた場合、防御の中心は「判断の記録」である。1. 根拠条文の確認記録、範囲を絞る協議の経緯、決裁文書を時系列で揃える2. 個人データを含む提供については、本人同意の有無、法令に基づく対応としての整理、必要最小限に絞った根拠を文書で示す3. 記録がないまま担当者個人の判断で送付していた場合は、社内体制の不備として早期に是正措置を提示する方が、個人の責任論に流れにくい
時効(請求できる期限):本条に法定の期限や時効はない。財務大臣が示す提出期限は行政上の協力要請にすぎず、法律上の義務期限ではない。ただし提出した資料をめぐって損害賠償など民事責任が問題になる場合は、一般消滅時効(民法166条、債権は権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される
学説
実務上の一般的理解:本条の求めは罰則も不利益処分も法定されていないため、相手方の任意の応諾を前提とする行政上の働きかけであり、法的性質は行政指導に近いと理解されている。強制力を与えない設計自体が、保険監督権限の一元化を守る装置として機能する
- 保険業法 第2条本条2項の名宛人となる各主体の定義
- 保険業法 第128条監督上の報告徴求、強制力ある情報収集との対比
- 保険業法 第129条立入検査権、監督権限側の実力行使手段
- 保険業法 第219条本条2項が引用する総代理店の定義
- 保険業法 第313条内閣総理大臣の権限の金融庁長官への委任(現行効力を要確認)
- 財務省設置法 第4条金融破綻処理制度等の企画立案が所掌である根拠
- 金融庁設置法 第4条保険会社の監督事務が金融庁所掌である根拠
- 個人情報の保護に関する法律 第27条資料提出時の第三者提供制限(通称 個人情報保護法)
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