保険業法 第319条の2
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第三百八条の十一又は第三百八条の十三第九項の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者は、百万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第319条の2は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第319条の2の条文原文は「第三百八条の十一又は第三百八条の十三第九項の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者は、百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 保険業法第319条の2は第六編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第319条の2の前の条は保険業法第319条です。
- 保険業法第319条の2の次の条は保険業法第319条の3です。
- 保険業法第319条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第319条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第319条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/319_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法319条の2は、同法308条の11または308条の13第9項の記録を作成・保存せず、または虚偽の記録を作成した者を、百万円以下の罰金に処する罰則規定である。
Q · 保険会社の記録を作り忘れたり、うそを書いたりしたら、どんな罰があるの?
百万円以下の罰金。名宛人は会社ではなく行為者個人
保険業法319条の2により、同法308条の11または308条の13第9項に基づく記録の作成・保存をしなかった者、虚偽の記録を作成した者は、百万円以下の罰金に処せられます。条文の名宛人は「者」であるため、記録事務を現に担当した自然人が処罰対象になりえます。法人への罰金は両罰規定(保険業法321条)による別枠の効果であり、個人の刑事責任を吸収しません。過失犯の処罰規定がないため、成否は故意の認定にかかります。
解説
保険会社が破綻したとき、契約者の保護手続を進めるのは「保険契約者保護機構」や承継会社ではない。最後にものを言うのは記録である。保険業法319条の2は、308条の11または308条の13第9項が求める記録を作らなかった者、保存しなかった者、そして虚偽の記録を作った者に、百万円以下の罰金を科す。ここで押さえるべきは主語だ。「者」であって「保険会社」ではない。記録作成の職務を現に担当していた個人が、刑事罰の名宛人になりうる。そしてもう一つ、この条文には過失犯の処罰規定がない。記録を作り忘れた、保存期間を誤って廃棄した、という事案が構成要件に当たるかは、故意の認定にかかる。あなたが少額短期保険業者や保険会社の事務方にいるなら、社内の記録保存規程が何条何項の委任を受けているのかを一度確認しておいた方がいい。罰金の額よりも、前科がつくことの方が重い。
法的な位置づけ
保険業法319条の2は、保険会社の破綻処理手続に関する同法308条の11および308条の13第9項の記録義務を刑事罰で担保する罰則規定である。不作成、不保存、虚偽記録の作成の三類型を構成要件とし、法定刑は百万円以下の罰金に限られる。過失犯の処罰規定は置かれていない。
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法319条の2とは何ですか?
保険会社の破綻処理に関わる記録義務(308条の11、308条の13第9項)の違反に対する罰則規定です。不作成・不保存・虚偽記録の三類型を百万円以下の罰金で処罰します。
Q2記録義務違反の罰金はいくらですか?
百万円以下の罰金です。懲役刑は定められていません。ただし両罰規定(保険業法321条)により、法人にも別途罰金が科されうる構造になっています。
Q3処罰されるのは会社ですか個人ですか?
条文の名宛人は「者」であり、記録事務を現に担当した自然人が処罰対象になりえます。法人への罰金は両罰規定による別枠で、個人の責任を消すものではありません。
Q4うっかり記録を作り忘れた場合も違法ですか?
本条に過失犯の処罰規定はないため、原則として故意が必要です。ただし義務を認識しつつ放置した場合は故意と評価されうるほか、行政処分は別枠で問題になります。
Q5虚偽の記録を作成するとどうなりますか?
本条の「虚偽の記録を作成した者」に正面から該当します。内容次第では刑法の文書偽造罪や電磁的記録不正作出罪(刑法161条の2)と競合する可能性もあります。
Q6記録義務違反の公訴時効は何年ですか?
罰金以下の刑に当たる罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為の終了時で、不保存のような継続類型では終期の認定が争点になりえます。
Q7刑事罰と行政処分はどちらも来ますか?
別軌道で並行します。刑事で不処罰でも、保険業法132条に基づく業務改善命令などの行政処分は独立して行われます。両者は連動しません。
Q8308条の11の記録とは何の記録ですか?
保険会社の破綻処理・契約移転に関わる手続上の記録で、その作成・保存方法の細目は内閣府令に委任されています。具体的な対象範囲は現行の施行規則で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うっかり記録を作り忘れただけでも捕まるんですか?
本条に過失犯の処罰規定はないため、原則として故意が必要である。ただし「義務を知りつつ後回しにした」は故意と評価されうる。刑事責任を免れても、業務改善命令(保険業法132条)などの行政処分は別枠で来る。実務のポイント:検査で問題になるのは欠落そのものより、欠落を把握した後の社内報告の遅れである。発見時点の記録を残した組織は処分が軽くなる傾向がある
Q2会社が罰金を払ってくれるなら、個人は関係ないのでは?
関係はある。本条の名宛人は「者」であり、行為をした自然人が処罰対象になりうる。法人への罰金は両罰規定(保険業法321条)による別の効果であって、個人の刑事責任を吸収しない。実務のポイント:金融機関では罰金刑の前科が役員適格性や登録要件の審査に影響する。金額の問題ではなく、経歴に残るかどうかの問題として扱われる
間違えやすい点 AI による整理
- 「違反しても会社が罰金を払うだけ」と考えられがちだが、本条の名宛人は「者」、つまり自然人を含む。両罰規定(保険業法321条)で法人にも罰金が及ぶ構造は別にあるが、それは行為者個人の責任を消すものではない。会社が払う話と、あなたに前科がつく話は、別の話である
- 罰金百万円という数字を見て「軽い」と受け取る人がいる。だが金額は刑の重さの一面にすぎない。罰金刑でも確定すれば前科であり、保険業界では役員選任時の適格性審査、登録・免許の欠格事由、金融機関の内部規程上の処遇に響く。百万円の痛みではなく、経歴に刻まれる一行の痛みが本質である
- 「記録さえ残っていればいい」と考えると、問われている問いを取り違える。本条が禁じるのは不作成・不保存だけでなく「虚偽の記録の作成」である。形式的に書類が揃っているほど、内容の真正が争点になる。揃っているかではなく、事実に合致しているかが問われている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の性格 | 保険業法319条の2:記録義務違反の罰則(罰金) | 保険業法308条の11:記録の作成・保存義務の本体 保険業法132条:業務改善命令(行政処分) |
| 名宛人 | 「者」=行為をした自然人を含む | 義務主体(保険会社等、その事務担当者) 保険会社(法人) |
| 効果 | 百万円以下の罰金(前科が残る) | 義務の発生(違反時に319条の2が作動) 業務の改善命令、業務停止等の行政上の不利益 |
| 主観的要件 | 過失犯処罰規定なし、原則として故意が必要 | 義務の履行に主観的要件は不要 故意過失を問わず発動しうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険業の記録・帳簿に関する虚偽記載を刑事罰で担保するが、罰則は罰金のみでなく自由刑を含む条項がある点で日本より重い設計を含む
韓国保険業法も帳簿・書類の不備や虚偽記載に罰則を置き、両罰規定を併せ持つ構造は日本と類似する
ドイツは保険監督法に刑事罰と秩序違反(Ordnungswidrigkeit)の二層構造を置き、記録・報告義務違反の多くは過料で処理される
米国は連邦統一の保険業法がなく州法制。虚偽記録は保険詐欺法制の枠内で扱われ、刑事と行政制裁が併存する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険会社の管理部門で保存年限を過ぎた文書を一括廃棄した。その中に308条の11に基づく記録が混ざっていた。廃棄を指示したのは部長だが、実際にシュレッダーにかけたのはあなたである。「者」に該当するのは誰か。刑事責任の帰属は、指揮命令系統ではなく現実の行為支配で判断される
- 監督当局の立入検査で記録の欠落が判明した。担当者は「そもそも作成義務があると認識していなかった」と述べる。もし故意が認められなければ本条では処罰できないが、業務改善命令(保険業法132条)は別軌道で飛んでくる。刑事不処罰と行政処分は連動しない
- もし記録の数字を後から書き換えて辻褄を合わせたら、どうなるか。「虚偽の記録を作成した」に正面から当たる。しかも内容次第では有印私文書偽造(刑法159条)や電磁的記録不正作出(刑法161条の2)と競合しうる
- 転職を控えた社員が、引き継ぎのつもりで記録の一部をローカル PC にだけ残し、正規の保存場所から外した。保存を「せず」に当たるかは、義務の履行方法が法令・規則でどう定められているか次第。監査まで残り10日、今から原本の所在を確認すべきだ
取るべき行動
被害を受けた側:契約者側の立場でこの条文が効いてくるのは、破綻処理の過程で自分の契約内容の記録が食い違っていた場面である。1. 保険証券、払込証明、通知書の原本を自分の手元で保全する2. 承継会社や保護機構に対し、算定根拠となった記録の開示を求める3. 記録の不備が疑われる場合は金融庁の相談窓口に事実関係を通報し、受付記録を残す4. 経済的損失が生じていれば、刑事の帰趨とは別に民事の損害賠償(民法709条)を検討する
訴えられた側:1. 早い段階で金融規制に強い弁護士に相談し、供述の前に事実関係を時系列で整理する2. 争点は故意の有無に集中する。作成・保存義務の存在を認識していたか、社内でどう周知されていたかの客観資料を集める3. 指示系統がある場合、指示の内容と自分の裁量の幅を示す資料を確保する4. 虚偽記録が疑われる場面では、刑法上の文書偽造罪との関係も同時に検討が必要になる
時効(請求できる期限):罰金以下の刑に当たる罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為の終了時であり、不作成・不保存のように状態が継続する類型では終期の認定が争点になりうる(最新の改正状況をご確認ください)
- 保険業法 第308条の11本条が担保する記録作成・保存義務の本体
- 保険業法 第308条の13第9項の記録義務が本条の対象行為
- 保険業法 第132条業務改善命令、刑事罰と並行する行政的是正手段
- 保険業法 第321条両罰規定、法人への罰金の併科
- 刑法 第161条の2電磁的記録不正作出罪との競合可能性
- 刑事訴訟法 第250条罰金刑に対応する公訴時効期間
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