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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

保険業法 第53条の34(相互会社に対する損害賠償責任の免除)

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前条第一項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。

この条文の基本情報

相互会社に対する損害賠償責任の免除とは何ですか?

定義相互会社に対する損害賠償責任の免除とは、保険業法第53条の34に定められた規定で、「前条第一項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 保険業法第53条の34(相互会社に対する損害賠償責任の免除)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
  2. 保険業法第53条の34の条文原文は「前条第一項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。」で始まります。
  3. 保険業法第53条の34は第十目 役員等の損害賠償責任に置かれています。
  4. 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
  5. 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 保険業法第53条の34の前の条は保険業法第53条の33です。
  7. 保険業法第53条の34の次の条は保険業法第53条の35です。
  8. 保険業法第53条の34には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の34
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105
  • 本サイト収録保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の34(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/53_34

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点保険業法53条の36は、相互会社の役員等が負う任務懈怠責任を、総社員の同意がなければ免除できないと定める。全部免除は事実上不可能で、実務は一部免除と和解に向かう。

Q · 生命保険の相互会社で、役員の損害賠償責任を会社が免除することはできますか?

原則できません。総社員の同意という不可能に近い条件が必要です。

保険業法53条の36により、相互会社の役員等が同法53条の35第1項に基づき会社に負う損害賠償責任は、総社員の同意がなければ免除できません。相互会社の社員とは保険契約者そのものであり、大手では数百万人規模に及ぶため、全部免除は実務上ほぼ不可能です。そのため実際の出口は、53条の37以下の一部免除手続(決議・定款の定め・非業務執行役員の責任限定契約)と、責任追及訴訟における和解の二つに限られます。

解説

日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命、朝日生命。これらの保険に入っているなら、あなたは顧客であると同時に「社員」、つまり会社の構成員である。保険業法53条の36は、その社員全員の同意がなければ、役員等が会社に負う損害賠償責任(53条の35第1項)を免除できないと定める。ここに数字を入れてみるとこの条文の正体が見える。大手相互会社の社員(保険契約者)は1,000万人規模とされる。全員から個別に同意を取る作業は物理的に不可能に近い。条文の見た目は「同意があれば免除できる」だが、実務上の意味は「正面からは免除できない」である。役員から見れば逃げ道の塞がれた壁であり、契約者から見れば、自分一人が拒むだけで免除を止められる拒否権だ。ただしこの壁には勝手口が二つある。53条の37以下の一部免除ルートと、責任追及訴訟の和解ルートである。

法的な位置づけ

保険業法53条の36は、相互会社における役員等の責任免除の要件を定める規定であり、同法53条の35第1項に基づく任務懈怠による損害賠償責任は、総社員の同意がなければ免除することができない旨を規定する。株式会社に関する会社法424条と同一の構造を有し、多数の社員に分散した会社財産の保全を目的とする。

よくある質問 AI による整理

Q1保険業法53条の36とは何ですか?

相互会社の役員等が会社に負う任務懈怠責任(53条の35第1項)を、総社員の同意がなければ免除できないと定める規定です。株式会社の会社法424条に対応します。

Q2相互会社の役員の責任は免除できますか?

総社員の同意があれば可能ですが、社員は保険契約者そのもので大手では数百万人規模のため、全部免除は事実上不可能です。実務は一部免除と和解に向かいます。

Q3総代会の決議で役員の責任を免除できますか?

できません。総代会は社員総会に代わるべき機関(保険業法42条)ですが、53条の36が求めるのは機関決定ではなく社員一人ひとりの個別同意です。両者は法的に別物です。

Q4役員責任を一部だけ免除する方法はありますか?

53条の37以下に一部免除の手続が置かれています。決議による軽減、定款の定めに基づく軽減、非業務執行役員の責任限定契約の三つが柱で、報酬の一定年数分は残ります。

Q5責任限定契約はいつまでに結ぶ必要がありますか?

実務上は就任交渉の段階です。前提として定款に責任限定契約の定めが必要で、就任後に事故が起きてから全部免除を求める道は総社員の同意という不可能条件に塞がれています。

Q6D&O 保険があれば責任免除は不要ですか?

別問題です。D&O 保険は責任の転嫁にすぎず責任自体は消えません。付保額の上限と免責事由があり、会社法430条の3の手続規制にも服します。免除ルートとは併用して設計します。

Q7株式会社の保険会社なら何条が適用されますか?

会社法424条です。株式会社では総株主の同意が要件となり、構造は保険業法53条の36と同じですが、株主は持分を売買でき人数も相互会社より把握しやすい点が異なります。

Q8相互会社が株式会社化したら免除ルールはどうなりますか?

保険業法53条の36の適用がなくなり、会社法424条側に移ります。契約者は社員の地位を失い、役員責任免除に対する同意権も同時に失います。

この条文についての質問 AI による整理

Q1保険に入ってるだけで「社員」って、株主みたいなものなんですか?

相互会社では保険契約者がそのまま会社の構成員になります(保険業法2条5項)。剰余金の分配を受け、社員総会や総代会を通じて経営に関与する点は株主に近い。ただし持分を売買できず、契約が終われば社員資格も終わります。実務のポイント:総代会の総代は公募や推薦で選ばれ、契約者から応募できる会社が多い。総代名簿も各社が公表しており、誰が自分の保険会社を監視しているのか自力で確認できる。ここを見る契約者はほとんどいない

Q2総社員の同意なんて集まるわけがない。じゃあ役員の責任は永久に消えないんですか?

正面からの全部免除はほぼ不可能ですが、出口は二つあります。一つは53条の37以下の一部免除(決議や定款の定めに基づく軽減、事前の責任限定契約)で、報酬の一定年数分を残す形で圧縮できます。もう一つが責任追及訴訟の和解。実務のポイント:訴訟上の和解には総社員の同意規定が適用されません(会社法850条4項の準用)。全部免除は不可能なのに和解なら実質決着できる。この非対称については実務上も学説上も評価が分かれています

Q3役員に責任を追及して勝ったら、そのお金は契約者の私に入るんですか?

入りません。53条の35第1項の責任は「相互会社に対する」責任なので、賠償金は会社に入ります。契約者に戻るのは剰余金分配や財務健全性という間接的な形だけです。実務のポイント:だから社員が代表訴訟を起こす金銭的動機は弱く、実際の提訴は極めて少ない。裏を返せば、相互会社の役員に効く圧力は訴訟より金融庁の検査・行政処分(役所が会社に直接下す具体的な決定)から来ることが多い。動かしたいなら訴訟だけを見ないことです

間違えやすい点 AI による整理

  • 「総社員の同意はどうやって集めるのか」という問いの立て方自体がずれている。この条文の実務的な意味は同意の集め方ではなく、正面からの全部免除という選択肢が最初から存在しないという前提設定にある。だから実務の議論は最初から53条の37以下の一部免除と、就任時の責任限定契約に移っている
  • 総代会の決議があれば免除できると思われがちだが、総代会は社員総会の代替機関にすぎない。53条の36が要求するのは機関決定ではなく社員全員の個別同意であり、この二つは法的にまったく別物である
  • 「役員の責任は免除できない」と知っている人でも、その責任が『相互会社に対する』責任に限られる点までは意識していないことが多い。免除不能というルールは会社の財産を守る仕組みであって、契約者であるあなた個人の損害を直接取り戻す仕組みではない。この落差を知らないまま提訴すると、勝っても手元には一円も入らない
比較の観点この条文ほかの条文
免除の範囲保険業法53条の36:責任の全部免除保険業法53条の37以下:責任の一部免除(最低責任限度額が残る)
保険業法53条の39:非業務執行役員の責任限定契約(事前の上限設定)
必要な手続総社員の同意(社員一人ひとりの個別同意)決議または定款の定めに基づく手続
定款の定め+就任時等の個別契約
実務上の実現可能性大手相互会社では事実上不可能手続を踏めば実現可能
就任交渉の段階でのみ実現可能
利用される場面ほぼ利用されず、免除不能という前提設定として機能責任追及が現実化した後の圧縮手段
就任前のリスク限定手段

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
保険法第136条・公司法第23条

台湾は保険業の組織を株式有限会社または合作社に限定し、相互会社形態そのものを認めない。したがって本条に相当する規律は存在せず、役員責任は会社法制の一般ルールで処理される。この不存在自体が日台比較の最大の論点になる。

韓国
보험업법上の상호회사規定・상법 제400조

韓国も相互会社制度を保険業法に置き、役員責任の免除については商法400条が総株主の同意を要求する。日本と同じ構造を採り、実務上も全部免除がほぼ機能しない点まで共通する。

ドイツ
VAG § 171 ff.・AktG § 93 Abs. 4

ドイツは相互保険組織(VVaG)を保険監督法で規律し、責任免除については株式法が損害発生から3年の経過と総会の同意を要求する。全員同意ではなく時間要件と機関決定を組み合わせる点が日本と異なる。

アメリカ
各州保険法の mutual insurance company 規制

米国は州法ごとに相互保険会社を規律し、役員責任は事前の免除ではなく定款の exculpation 条項、会社による indemnification、D&O 保険の三層で処理する。責任を免除する発想より、責任を移転する発想が支配的である。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 社外取締役への就任を打診され、返事の期限は来週。ここで確認すべきは報酬額ではなく、定款に責任限定契約の定めがあるかどうかだ。就任してしまえば、後から責任を免除してもらう道は総社員の同意という不可能条件に塞がれている。交渉できるのは就任前の数日間しかない
  • もし総代会が「役員の責任を免除する」と決議したら、それで責任は消えるのか? 消えない。総代会は社員総会に代わるべき機関(保険業法42条)だが、53条の36が求めているのは総社員の同意、つまり社員一人ひとりの意思表示である。会議体の多数決では代替できない。この違いを説明できる契約者はほぼいない
  • 生命保険の契約者であるあなたは、その会社の社員でもある。役員の責任を丸ごと帳消しにする話には、あなたの同意が要る。一人でも拒めば成立しない
  • 運用の失敗で相互会社に数百億円の損失が出た。役員は「経営判断の範囲内だ」と主張し、会社は責任追及に及び腰。ここで社員が責任追及の訴えを起こすと、会社側は正面からの免除ができないため、訴訟上の和解という出口を探し始める。和解であれば総社員の同意は要求されない。免除できないはずの責任が和解という形で実質的に決着する構図が、あなたには見えるようになる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 損害の発生時期と役員の任務懈怠の中身を時系列で整理する2. 会社(監査役・監査役会)に対し書面で責任追及を求める3. 会社が所定の期間内に訴えを提起しなければ、社員として責任追及の訴えを提起する道がある(会社法847条の準用。保有期間などの要件は最新の条文で確認) 4. 会社側から免除や和解の提案が出たら、53条の36の総社員同意を満たすものか、それとも和解ルートかを必ず区別する。後者なら、和解金額と免責範囲の文言がすべてを決める

訴えられた側:1. 就任前なら定款の責任限定契約の定めを確認し、非業務執行役員であれば締結を就任条件として交渉する2. 就任済みなら D&O 保険(役員等賠償責任保険)の付保額と免責事由を今日確認する3. 責任追及が現実化したら、正面からの全部免除は総社員の同意という不可能条件なので狙わない。53条の37以下の一部免除手続と訴訟上の和解の二本立てで出口を設計する4. 本丸はあくまで経営判断としての合理性による任務懈怠の否定であり、免除論はその次の防衛線である

時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。総社員の同意が整う限り、免除の時期に制限はない。他方、53条の35第1項の責任を追及する側には期限があり、特定の時効規定がないため一般消滅時効(民法166条1項、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。起算点は任務懈怠と損害を把握した時。責任追及の訴えを社員が提起する場合は、会社への請求後の待機期間の経過も要件になる(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:本条が総社員の同意という極めて重い要件を課す趣旨は、役員に対する損害賠償請求権が社員の共同財産であり、その処分には全員の意思を要するという点にある。同時に、要件の絶対化が役員のなり手を失わせることを避けるため、53条の37以下の一部免除が調整弁として併置されていると理解される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成17年(2005年) 新設:会社法の制定に伴う関係法律の整備により、相互会社の機関に関する規律が会社法の規律に合わせて再編され、役員等の責任免除に関する規定が整備された(具体的な改正法令番号と施行日は e-Gov の改正沿革で要確認)。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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