保険業法 第54条の8(計算書類等の備置き及び閲覧等)
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- 相互会社は、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(監査報告又は会計監査報告を含む。以下この条において「計算書類等」という。)を、定時社員総会の日の二週間前の日(第四十一条第一項において準用する会社法第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。
- 2.相互会社は、各事業年度に係る計算書類等の写しを、定時社員総会の日の二週間前の日(第四十一条第一項において準用する会社法第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間、その従たる事務所に備え置かなければならない。ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、従たる事務所における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
- 3.相互会社の保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者及び被保険者は、相互会社の事業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該相互会社の定めた費用を支払わなければならない。
- 一計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求
- 二前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
- 三計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
- 四前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって相互会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
この条文の基本情報
計算書類等の備置き及び閲覧等とは何ですか?
定義計算書類等の備置き及び閲覧等とは、保険業法第54条の8に定められた規定で、「相互会社は、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(監査報告又は会計監査報告を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第54条の8(計算書類等の備置き及び閲覧等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第54条の8の条文原文は「相互会社は、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(監査報告又は会計監査報告を含む。」で始まります。
- 保険業法第54条の8は第二目 計算書類等に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第54条の8の前の条は保険業法第54条の7です。
- 保険業法第54条の8の次の条は保険業法第54条の9です。
- 保険業法第54条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第54条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第54条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/54_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法54条の8は、相互会社に計算書類等を主たる事務所に五年間、従たる事務所に三年間備え置かせ、保険契約者・保険金受取人・被保険者等に閲覧請求権を認める規定である。
Q · 保険に入っているだけの自分でも、保険会社の決算書類を見せてもらえるの?
相互会社なら閲覧請求できる。閲覧自体は無料
保険業法54条の8第3項により、相互会社の保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者、被保険者は、事業時間内であればいつでも計算書類等の閲覧を請求できます。計算書類等は定時社員総会の日の二週間前の日から、主たる事務所に五年間、従たる事務所に写しが三年間備え置かれます。閲覧そのものに費用はかかりませんが、謄本・抄本の交付や電磁的方法による提供を求める場合は、相互会社が定めた費用を支払う必要があります。
解説
生命保険に入っているあなたは、その会社が相互会社であれば「社員」であると同時に「債権者」でもある。そしてこの条文は、あなたに保険会社の帳簿を見せろと請求する権利を与えている。貸借対照表、損益計算書、事業報告、附属明細書、監査報告。これらは主たる事務所に五年間、支店に写しが三年間、備え置かれている。あなたは事業時間内であればいつでも、その閲覧を請求できる。しかも「保険契約者」だけでなく、保険金の受取人、被保険者、その他の債権者まで請求権者に含まれる。つまり自分名義の契約でなくても、親が自分にかけた保険の受取人であるあなたに、その会社の内側を見る資格がある。ただし謄本・抄本の交付や電磁的提供を求めるときは、会社が定めた費用を払う必要がある。閲覧そのものは無料である、この区別が実務では効いてくる。
法的な位置づけ
保険業法54条の8は、相互会社の計算書類等の備置き及び閲覧等について定める規定である。各事業年度の計算書類、事業報告、附属明細書、監査報告を、定時社員総会の日の二週間前の日から主たる事務所に五年間、従たる事務所に写しを三年間備え置かせ、保険契約者・保険金受取人・その他の債権者・被保険者に閲覧等請求権を付与する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分が請求権者にあたるか確定する 保険証券や契約内容通知書で、自分が保険契約者か、保険金額を受け取るべき者か、被保険者か、あるいは未払い保険金等の債権者かを確認する。保険業法54条の8第3項はこのいずれでも請求権者としている
- 2.備置期間内かを逆算する 閲覧したい事業年度の定時社員総会の日を確認し、その二週間前の日を起算点として、主たる事務所なら五年、従たる事務所なら三年以内かを確認する。期間を過ぎた事業年度は本条の対象外になる
- 3.主たる事務所に事業時間内に閲覧請求する 本店(主たる事務所)の所在地と事業時間を確認し、保険業法54条の8第3項に基づく計算書類等の閲覧請求である旨を明示して来訪する。窓口が制度を知らない場合に備え、条番号と見出し「計算書類等の備置き及び閲覧等」を示せるようにしておく
- 4.まず閲覧、必要部分だけ抄本を請求する 閲覧は無料のため、その場で必要な箇所(附属明細書の特定項目、監査報告など)を特定する。その後、必要部分に限って抄本の交付を請求すれば、相互会社の定めた費用を最小化できる
- 5.拒否された場合は理由を書面で求める 閲覧を拒否された場合、拒否の根拠条項と理由を書面で求める。電磁的記録による備置き免除(2項但書)の主張であれば、3項3号の表示による閲覧を改めて請求する。正当な理由なき拒否は監督上の問題となりうる
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法54条の8とは何ですか?
相互会社の計算書類等の備置きと閲覧等を定める規定です。計算書類、事業報告、附属明細書、監査報告を備え置かせ、保険契約者や被保険者等に閲覧請求権を与えます。
Q2計算書類等の備置期間はいつまでですか?
主たる事務所は定時社員総会の日の二週間前の日から五年間、従たる事務所は同じ起算点から三年間です。書面決議の場合は提案があった日が起算点になります。
Q3相互会社の決算書類を閲覧できるのは誰ですか?
保険契約者、保険金額を受け取るべき者、その他の債権者、被保険者です。契約者本人でなくても、受取人や被保険者であれば請求できます。
Q4計算書類の閲覧に費用はかかりますか?
閲覧自体は無料です。費用が必要なのは謄本・抄本の交付請求(2号)と、電磁的方法による提供・書面交付の請求(4号)に限られます。
Q5支店に計算書類が置かれていないのは違法ですか?
必ずしも違法ではありません。電磁的記録で作成され、内閣府令所定の措置がとられている場合、同条2項但書により従たる事務所での備置きが免除されます。
Q6計算書類等には何が含まれますか?
各事業年度に係る計算書類、事業報告、これらの附属明細書、そして監査報告または会計監査報告が含まれます(同条1項括弧書)。
Q7閲覧請求に理由の説明は必要ですか?
条文上、請求理由の明示は要求されていません。会社法433条の会計帳簿閲覧請求が理由の明示と拒絶事由を伴うのとは制度設計が異なります。
Q8株式会社の生命保険会社でも同じ請求ができますか?
本条は相互会社を対象とします。株式会社形態の保険会社では、株主が会社法442条により計算書類等の閲覧を請求することになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険に入ってるだけの自分が、いきなり本社に行って「決算書見せて」って言って通じるんですか?
通じる。保険業法54条の8第3項は、保険契約者・保険金受取人・被保険者・その他の債権者に、事業時間内であればいつでも閲覧を請求できると定めている。理由の説明は条文上要求されていない。実務のポイント:窓口の担当者が本条を知らずに断ってくることは実際にある。条番号と「備置き及び閲覧等」という見出しを口頭で示せるかどうかで、その場で法務部門に取り次がれるか門前払いされるかが分かれる
Q2支店に行ったら「うちには置いてない」と言われました。これって違法じゃないんですか?
違法とは限らない。同条2項但書は、計算書類等が電磁的記録で作成され、従たる事務所で3項3号・4号の請求に応じられる内閣府令所定の措置がとられている場合、写しの備置きを免除している。実務のポイント:この場合でも「支店では見られない」わけではなく、電磁的記録の表示による閲覧に応じる措置がとられているはずである。「では3項3号の表示による閲覧を求める」と切り返すのが正しい一手
Q3閲覧って結局いくらかかるんですか。会社の言い値ですか?
閲覧そのものは無料である。費用がかかるのは同条3項但書が指す2号(謄本・抄本の交付)と4号(電磁的方法による提供・書面交付)に限られる。額は「当該相互会社の定めた費用」であり会社が定めるが、実費の範囲を大きく超える設定は請求権を空洞化させるものとして問題になりうる。実務のポイント:まず閲覧して必要箇所を特定し、その部分だけ抄本交付を請求すれば費用は最小化できる。全部の謄本をいきなり求めると請求額が跳ね上がる
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主でもないのに会社の帳簿なんて見られるわけがない」と考える人が多いが、相互会社に株主は存在せず、保険契約者が社員である。しかも本条は社員という資格すら要求せず、保険金受取人・被保険者・その他の債権者にまで請求権を広げている。前提としている問いの立て方そのものがずれている
- 備置き義務があることは知っていても、その期間の非対称性を知る人は少ない。主たる事務所は五年、従たる事務所は三年。四年前の計算書類を支店で請求しても出てこないが、本店なら出てくる。過去の数字を追跡して経営の趨勢を掴もうとするとき、この二年の差が決定的になる
- 「閲覧請求には理由や目的の説明が必要」と思い込んでいる人がいるが、本条の請求に理由の開示は要求されていない。会社法上の会計帳簿閲覧請求(会社法433条)が請求理由の明示と拒絶事由を伴うのとは構造が異なる。計算書類等の備置き・閲覧は、より開かれた制度として設計されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 備置期間 | 保険業法54条の8:主たる事務所5年、従たる事務所3年 | 会社法442条:本店5年、支店3年(株式会社の母型) 保険業法111条:業務・財産状況説明書類の公衆縦覧 |
| 請求権者 | 保険契約者・保険金受取人・その他の債権者・被保険者 | 株主および債権者(会社法442条3項) 公衆一般(保険業法111条) |
| 請求理由の要否 | 条文上不要 | 不要(会社法442条) 不要(縦覧制度) |
| 費用負担 | 閲覧は無料、謄本・抄本交付と電磁的提供は相互会社の定めた費用 | 閲覧無料、謄本交付は株式会社の定めた費用 縦覧は無料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も相互保険組織を認めるが実例は限定的。株式会社形態が中心で、表冊の備置と股東・債権者の査閲請求は公司法が受け持つ構造
韓国も財務諸表等の備置・公示義務を商法で定め、株主・債権者に閲覧謄本交付請求権を認める。相互会社制度自体の実例は少ない
ドイツは相互保険社団(VVaG)を VAG で規律し、計算書類の開示は HGB の公示制度と組み合わせる。構成員の情報請求権は定款自治の余地が大きい
米国は州ごとに規律が分かれ、年次報告書の州保険局への提出と公開が中心。契約者個人の直接閲覧請求権は州法により差がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社が「経営健全性に懸念」と報道された。約款やパンフレットではなく、計算書類等そのものを主たる事務所で閲覧請求する。ソルベンシー・マージン比率の裏側にある附属明細書と監査報告を、あなたは自分の目で読む権利を持っている
- 親が自分を受取人にして加入した保険がある。契約者は親だが、保険金を受け取るべき者はあなただ。この条文は「保険金額を受け取るべき者」を明文で請求権者に挙げている。自分の契約でなくても閲覧請求できる、この一点を知らずに諦める人が圧倒的に多い
- もし相互会社が株式会社化(組織変更)を提案してきたらどうする? 社員総会の議案書だけでは判断材料が足りない。定時社員総会の日の二週間前から計算書類等は備え置かれている。その二週間が、あなたが数字を検証できる唯一の窓だ
- 会社の担当者に閲覧を申し出たら「本社にしかありません」と言われた。従たる事務所には写しが三年間置かれているはずだが、電磁的記録で作成され内閣府令の措置がとられている場合は、備置き義務そのものが免除される。この但書を知っているかどうかで、その回答が正当か嘘かを見分けられる
- 定時社員総会まであと十日。議決権を行使するか、契約を解約して他社に移すか。判断のための資料請求に会社が費用を要求してきた。閲覧は無料、謄本交付は有料。この線引きを知らないと、不要な出費を飲まされる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の立場を確定する。契約者か、保険金受取人か、被保険者か、あるいは未払い保険金の債権者か。いずれでも本条3項の請求権者にあたる2. 主たる事務所(本店)の所在地と事業時間を確認し、閲覧請求である旨を明示して来訪する3. 閲覧は無料、謄本・抄本の交付や電磁的提供は会社の定めた費用が要る。最初は閲覧のみを求め、必要な部分だけ後から交付請求する4. 拒否された場合は拒否理由を書面で求める。保険業法上の備置き義務違反は監督上の問題となり、金融庁への情報提供の材料になる
訴えられた側:1. 相互会社側の実務担当としては、備置き期間(本店五年、支店三年)と起算点(定時社員総会の日の二週間前、書面決議の場合は提案があった日)を年次スケジュールに組み込む2. 従たる事務所での備置きを省略するには、電磁的記録による作成に加えて内閣府令所定の措置が必要である。措置未了のまま省略すると義務違反になる3. 請求者の資格確認は必要だが、請求理由の説明を求めて事実上拒絶する運用は本条の構造に反する4. 費用徴収は「相互会社の定めた費用」であり、事前に基準を定めて周知しておく
時効(請求できる期限):備置き期間そのものが実質的な時間制限である。主たる事務所は定時社員総会の日の二週間前から五年間、従たる事務所は同じ起算点から三年間。この期間を過ぎると、その事業年度の計算書類等は本条の閲覧対象から外れる。請求権自体に特定の消滅時効はないが、備置き期間の満了が事実上の期限として機能する
学説
通説:相互会社には株主による監視機構が存在しないため、本条の閲覧請求権者は会社法442条の株主・債権者よりも広く設定されている。保険契約者を社員として位置づけつつ、社員資格を要求せず受取人・被保険者まで含めた点に、保険契約関係特有の情報開示の要請が表れていると解される。
実務上の理解:本条の閲覧請求は請求理由の明示を要求しない点で、会社法433条の会計帳簿閲覧請求(理由明示+拒絶事由あり)と構造が異なる。備置書類を対象とする開かれた閲覧制度と、帳簿そのものへのアクセスを求める制度を区別する整理が一般的である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)に伴い、相互会社の計算書類等の備置き及び閲覧等に関する規定が整備された。具体的な条文番号・文言の変遷は要確認。
- 保険業法 第54条計算書類等の作成義務、本条の備置対象を生む前提
- 保険業法 第54条の3計算書類等の監査、備置対象に含まれる監査報告の根拠
- 保険業法 第54条の7定時社員総会への計算書類等の提出・承認
- 保険業法 第41条会社法の書面決議規定の準用、備置き起算点の分岐を作る
- 保険業法 第111条業務・財産状況説明書類の公衆縦覧、一般人向けの並行回路
- 会社法 第442条株式会社の計算書類等備置き・閲覧、本条の母型となる制度
- 会社法 第319条書面決議、備置き起算点の特例を定める準用先
- 会社法 第433条会計帳簿閲覧請求、請求理由と拒絶事由を伴う対照制度
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