保険業法 第54条の7(計算書類の公告)
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- 相互会社は、内閣府令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(第五十三条の十四第五項に規定する相互会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
- 2.前項の規定にかかわらず、その公告方法が時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法である相互会社は、同項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
- 3.前項の相互会社は、内閣府令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時社員総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。この場合においては、前二項の規定は、適用しない。
- 4.金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十四条第一項(有価証券報告書の提出)の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない相互会社については、前三項の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
計算書類の公告とは何ですか?
定義計算書類の公告とは、保険業法第54条の7に定められた規定で、「相互会社は、内閣府令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(第五十三条の十四第五項に規定する相互会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第54条の7(計算書類の公告)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第54条の7の条文原文は「相互会社は、内閣府令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(第五十三条の十四第五項に規定する相互会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書…」で始まります。
- 保険業法第54条の7は第二目 計算書類等に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第54条の7の前の条は保険業法第54条の6です。
- 保険業法第54条の7の次の条は保険業法第54条の8です。
- 保険業法第54条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第54条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第54条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/54_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法54条の7は、相互会社に定時社員総会後遅滞なく貸借対照表を公告する義務を課す。日刊新聞紙なら要旨で足り、電磁的措置をとれば公告は不要、有価証券報告書提出会社は適用除外となる。
Q · 加入している生命保険会社の決算書って、どこを見れば載っていますか?
官報・新聞・自社サイト・EDINET の四つのどれかにあります
保険業法54条の7により、相互会社は定時社員総会の終結後遅滞なく貸借対照表を公告します。ただし公告方法が日刊新聞紙の会社は要旨のみで足り(2項)、電磁的方法で5年間継続掲載する措置をとった会社は新聞・官報での公告が不要になり(3項)、有価証券報告書を提出する会社は本条の適用自体が除外されます(4項)。したがって加入先の決算書は、官報・日刊新聞紙・会社ウェブサイト・EDINET の四経路のいずれかにあり、会社ごとに置き場所が異なります。
解説
生命保険の相互会社に加入しているなら、あなたは「契約者」であると同時に「社員」、つまり会社の所有者の一人である。株式会社の株主に近い立場だ。その所有者に対して、会社は毎年の財務状態を開示する義務を負う。それが保険業法54条の7だ。定時社員総会が終わったら遅滞なく貸借対照表を公告する。大規模な相互会社(53条の14第5項該当)なら損益計算書も一緒に出す。ただしここに三段階の抜け道が組み込まれている。日刊新聞紙で公告する会社は「要旨」だけでよい(2項)。電子公告的な措置をとれば新聞公告も官報公告も不要になる(3項)。そして有価証券報告書を出す会社は、この条文自体が丸ごと適用除外になる(4項)。つまり、あなたが加入先の財務を確認したいとき、どこを見ればいいかは会社によって四通りに分かれる。官報か、新聞か、会社のウェブサイトか、EDINET か。この分岐を知らない人は「探したけど見つからなかった」で終わる。
法的な位置づけ
保険業法54条の7は、相互会社の計算書類の公告義務を定める規定であり、定時社員総会の終結後遅滞なく貸借対照表を公告すべきこととする。公告方法が日刊新聞紙である場合は要旨の公告で足り、電磁的方法により5年間継続して不特定多数が閲覧できる措置をとった場合は1項・2項が適用されず、有価証券報告書提出会社は本条全体の適用を除外される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.加入先の公式サイトで「決算公告」ページを探す 会社名と「決算公告」「電子公告」で検索する。3項の措置をとっていれば、定時社員総会の終結の日後5年を経過する日までの分が PDF で掲載されている。見つけたらその場で保存する
- 2.見つからなければ EDINET で有価証券報告書を検索 金融庁の開示閲覧システム EDINET で社名を検索する。4項該当会社なら本条の公告義務はなく、代わりに有価証券報告書が提出されている。公告より情報量ははるかに多い
- 3.定款所定の公告方法を確認して官報・新聞をあたる 会社サイトの定款または会社情報ページで公告方法を確認する。官報なら官報検索、日刊新聞紙なら該当紙の当該時期を確認する。新聞公告の場合は2項により要旨のみである点に注意
- 4.より詳細な数字はディスクロージャー誌で補完する 保険業法111条の業務・財産の状況に関する説明書類を開く。ソルベンシー・マージン比率、基礎利益、有価証券の含み損益など、54条の7の公告には出てこない指標を確認できる
- 5.確認できない場合は書面で照会し記録を残す 公告の所在が確認できないときは、会社の総務部門または監査役宛に書面で照会し、日付入りで回答を保存する。将来の紛争時に、情報開示を求めた事実の証拠となる
よくある質問 AI による整理
Q1決算公告とは何ですか?
会社が確定した計算書類を外部に公表する法定の手続です。相互会社では保険業法54条の7が根拠で、定時社員総会の終結後遅滞なく貸借対照表を公告します。
Q2相互会社の貸借対照表はどこで見られますか?
定款所定の公告方法により官報か日刊新聞紙、3項の措置をとる会社は自社サイト、4項該当会社は EDINET の有価証券報告書です。会社ごとに経路が違います。
Q3保険会社の決算公告はいつ出ますか?
定時社員総会の終結後「遅滞なく」です。多くの保険会社は3月期決算で、社員総会・総代会は7月前後に開かれるため、その直後に公表されるのが通例です。
Q4決算公告をしないと罰則はありますか?
公告義務違反は保険業法上の過料の対象となりえます。単なる事務遅延でも、正当な理由なく長期間放置すれば義務違反と評価される余地があります。
Q5損益計算書も公告する相互会社はどこですか?
保険業法53条の14第5項に該当する規模の相互会社です。この場合は貸借対照表に加えて損益計算書も公告対象になります。
Q6ソルベンシー・マージン比率はどこで確認できますか?
54条の7の公告ではなく、保険業法111条の業務・財産の状況に関する説明書類(ディスクロージャー誌)に記載されます。各社サイトで公開されています。
Q7加入している保険会社が危ないか自分で確認できますか?
できます。公告された貸借対照表で純資産の推移を、ディスクロージャー誌でソルベンシー・マージン比率を確認します。噂より一次資料の方が早く正確です。
Q8決算公告の内容について問い合わせ先はどこですか?
まず会社の総務・広報部門、次に監査役宛の書面照会です。公告自体が確認できない場合は金融庁の相談窓口に照会する経路もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社って、契約者が会社の持ち主って本当ですか?
本当である。相互会社に保険契約者として加入すると同時に「社員」の地位を得る(保険業法2条5項、18条)。株主のいない会社なので、契約者が実質的な所有者だ。だからこそ54条の7が決算公告を義務づけている。実務のポイント:大手相互会社は社員総会に代えて「総代会」を置いており(同法42条)、総代は数百人規模。一般契約者が総代に立候補・推薦される制度を設けている会社もあるが、募集はほとんど告知されない。加入先の総代選出方法をサイトで調べると、参加できる経路が見つかることがある
Q2新聞に載った決算公告って、あの豆粒みたいな表だけですか?
2項が認める新聞公告では「貸借対照表の要旨」で足りるので、あの小さな表が法的には十分な履行になる。注記や内訳は載らない。より詳しい情報が欲しければ、3項の措置をとっている会社のサイト、または4項該当会社の有価証券報告書を見る。実務のポイント:多くの保険会社は法定公告とは別に「ディスクロージャー誌」を年1回作成している(保険業法111条の業務・財産状況説明書類)。これは公告よりはるかに詳しく、ソルベンシー・マージン比率や基礎利益まで載る。法定公告を探すより、まずこちらを開いた方が早い
Q3サイトに5年分載せていた会社が、急に古い年度を消したら違反ですか?
違反ではない。3項の継続期間は「定時社員総会の終結の日後五年を経過する日まで」と明記されており、それを過ぎれば削除できる。長期の推移を追いたいなら、自分で PDF を保存しておく必要がある。実務のポイント:5年より前の財務データを追いたい場合、国立国会図書館のインターネット資料収集保存事業(WARP)に保険会社サイトの過去版が保存されていることがある。消えたページの復元先として実務でも使われている
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社の決算は誰でも見られる」というのは正しいが、その深刻度が理解されていない。2項の新聞公告なら公告されるのは貸借対照表の『要旨』であって全体ではない。要旨には注記も内訳も載らない。あなたが本当に見たい情報、たとえば有価証券の含み損や責任準備金の積立状況は、要旨からは読み取れないことが多い。全体像を求めるなら、そもそも要旨公告の会社では足りない
- 「相互会社は非上場だから財務情報を出さなくていい」と考える人がいるが、前提が逆立ちしている。相互会社は株主がいないぶん、契約者=社員が唯一の監視者だ。だからこそ開示義務が課される。株式市場の監視がない分を、法定公告と社員総代会が代替している構造になっている
- あなたから見れば「4項の適用除外=開示が緩い会社」に見えるかもしれないが、法律から見れば逆だ。有価証券報告書は貸借対照表よりはるかに詳細で、監査法人の監査を経て金融商品取引法の虚偽記載罰則(同法197条等)が背後に構えている。この落差を誤読すると、最も情報が取れる会社を「情報が出ていない会社」と誤判定してしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 根拠条文と義務の性質 | 保険業法54条の7:相互会社の決算公告義務(貸借対照表) | 保険業法111条:業務・財産の状況に関する説明書類の作成・縦覧 会社法440条:株式会社の決算公告義務 |
| 開示される情報の粒度 | 貸借対照表(新聞公告なら要旨のみ、注記・内訳は載らない) | ソルベンシー・マージン比率、基礎利益、資産運用状況まで詳細 貸借対照表(大会社は損益計算書も) |
| 適用除外・代替手段 | 電磁的措置で5年継続掲載なら公告不要(3項)、有価証券報告書提出会社は全部適用除外(4項) | 適用除外なし、保険会社は一律に作成・縦覧義務を負う 電磁的措置による代替あり、有価証券報告書提出会社は適用除外 |
| 情報の入手経路 | 官報・日刊新聞紙・会社ウェブサイト・EDINET の四分岐 | 本店・支店での縦覧および各社ウェブサイト 官報・日刊新聞紙・会社ウェブサイト・EDINET |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は保険業の組織形態を株式会社または協同組合に限定し、日本型の相互会社制度を持たない。決算開示は会社法制(公司法)と証券取引法制の枠組みで処理される
韓国も相互会社制度を法定するが実例は限られ、決算公告の実務は商法の計算書類公告規定に沿って運用される
ドイツは相互会社(VVaG)の母国であり、年度決算書の開示は商法典(HGB)の一般規定と保険監督法(VAG)の監督枠組みが重畳的に適用される
フランスは sociétés d'assurance mutuelle および mutuelles を保険法典・共済法典で規律し、計算書類の公示は商法典の枠組みを準用する構造
米国は連邦統一法ではなく州単位の保険監督制度。相互保険会社は州保険庁に法定様式の年次報告を提出し、州によって公衆縦覧の範囲が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入している生命保険会社の経営が危ないという噂を聞いた。ソルベンシー・マージン比率を自分で確認したいが、どこを見ればいいか分からない。3項の措置をとっている会社なら公式サイトに5年分が置いてある。4項に該当する会社なら EDINET で有価証券報告書を検索する。この二つの入口を知っているかどうかで、噂に振り回されるか自分で判断できるかが変わる
- あなたが相互会社の総務・法務担当者で、定時社員総会の議事が終わった翌週。公告の手配を忘れていた。「遅滞なく」の解釈は事案によるが、正当な理由なく数か月放置すれば公告義務違反となり、保険業法上の過料の対象になりうる。上司に報告する前に、まず自社の公告方法が定款でどう定められているかを確認する必要がある
- もし加入先の相互会社がウェブサイトで貸借対照表を公開していたのに、社員総会から5年1日目にリンクが消えていたとしたら? それは違法ではない。3項が求める継続期間は「定時社員総会の終結の日後五年を経過する日まで」だからだ。過去の財務推移を追いたいなら、消える前に自分で保存しておくしかない
- 保険会社を比較検討している最中で、判断材料の締切まであと数日。相互会社と株式会社の保険会社を並べて比べたい。株式会社側は会社法440条で同様の公告義務を負うが、相互会社は保険業法が独自に定めている。同じ「決算公告」でも根拠条文が違い、開示の粒度も微妙に異なる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加入先の相互会社名でウェブサイトの「決算公告」「電子公告」ページを検索、3項の措置をとっていれば過去5年分がある2. なければ EDINET(金融庁の開示閲覧システム)で社名検索、4項該当なら有価証券報告書が出ている3. どちらもなければ定款所定の公告方法(官報または日刊新聞紙)を会社に問い合わせる4. 公告が確認できない場合、金融庁の相談窓口または保険会社の監査役宛に書面で照会し、回答の記録を残す
訴えられた側:1. 自社の定款上の公告方法を確認、官報か日刊新聞紙か電子公告かで義務内容が変わる2. 3項の措置を採用しているなら、社員総会終結日から5年を経過する日までの掲載継続を管理台帳で期限管理する3. 4項該当(有価証券報告書提出会社)なら公告は不要、二重対応でコストをかけない4. 公告が遅れた場合、遅滞の理由と是正時期を記録し、内閣府令所定の様式に沿って速やかに実施する
時効(請求できる期限):公告は「定時社員総会の終結後遅滞なく」(1項)。3項の電磁的措置は定時社員総会の終結の日後5年を経過する日まで継続が必要。本条自体に請求権の時効はないが、公告義務違反に基づく損害賠償を問う場合は民法166条の一般消滅時効(権利行使できることを知った時から5年、権利行使できる時から10年)による
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法が全面改正され、現行法として制定。相互会社に関する組織・計算規定が体系的に整備された
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う関係法律整備により、相互会社の計算書類に関する規定群が再編され、株式会社の決算公告制度(会社法440条)と対応する構造に整えられた
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