保険業法 第94条(組織変更時発行株式の割当て)
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- 組織変更をする相互会社は、申込者の中から組織変更時発行株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる組織変更時発行株式の数を定めなければならない。この場合において、当該相互会社は、当該申込者に割り当てる組織変更時発行株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。
- 2.組織変更をする相互会社は、第九十二条第四号の期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる組織変更時発行株式の数を通知しなければならない。
この条文の基本情報
組織変更時発行株式の割当てとは何ですか?
定義組織変更時発行株式の割当てとは、保険業法第94条に定められた規定で、「組織変更をする相互会社は、申込者の中から組織変更時発行株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる組織変更時発行株式の数を定めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第94条(組織変更時発行株式の割当て)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第94条の条文原文は「組織変更をする相互会社は、申込者の中から組織変更時発行株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる組織変更時発行株式の数を定めなければならない。」で始まります。
- 保険業法第94条は第二款 相互会社から株式会社への組織変更に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第94条の前の条は保険業法第93条です。
- 保険業法第94条の次の条は保険業法第95条です。
- 保険業法第94条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第94条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第94条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/94
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法94条は、組織変更をする相互会社が組織変更時発行株式の割当先と株数を決定し、申込数より減額できると定める。会社は92条4号の期日の前日までに割当株数を通知しなければならない。
Q · 相互会社の株式会社化で株を申し込んだら、申込数どおりもらえるんですか?
もらえるとは限りません。減額割当ては適法です
保険業法94条1項により、組織変更をする相互会社が割当てを受ける者と株数を決定します。同項後段は、申込者に割り当てる株数を申込数(93条2項2号の数)より減少できると明文で定めており、1,000株申し込んで50株しか割り当てられなくても違法ではありません。ただし2項により、会社は92条4号の期日の前日までに割当株数を各申込者へ通知しなければならず、申込者はその通知で初めて自分の引受株数を知り、払込みの準備に入ります。
解説
相互会社が株式会社へ姿を変えるとき、社員(保険契約者)や外部の投資家から「株を引き受けたい」という申込みが集まる。だがその申込書を出した瞬間に株主になれるわけではない。誰に、何株渡すか、その決定権は会社側が完全に握っている。保険業法94条1項がそれを明文で認めた。しかも同項後段は「申込者が希望した数より少なく割り当ててよい」と書いている。1,000株申し込んで50株しか来ない、それでも違法ではない。あなたが知っておくべきは、この割当ての自由が野放しではない点だ。2項が、92条4号の期日の前日までに「あなたには何株です」と通知する義務を会社に課している。この通知が来て初めて、あなたは自分の引受株数を知り、払込みの準備ができる。つまり94条は、会社に強大な裁量を与えつつ、その裁量の結果を必ず期日前に開示させる、二つの歯車で組まれている。
法的な位置づけ
保険業法94条は、相互会社の組織変更に際して発行される株式の割当てを定める規定である。1項は会社が割当先と割当株数を決定する権限を与え、申込株数を下回る割当てを許容する。2項は92条4号の期日の前日までに割当株数を申込者へ通知する義務を会社に課し、割当裁量の結果を事前に開示させる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.組織変更計画書と92条の募集事項を先に読む 申込書を書く前に、組織変更計画書と92条の募集事項(株式数、払込金額、払込期日=4号の期日)を確認する。割当方針が示されていれば、後に説明を求める根拠になる
- 2.93条の方式に従って申込みをする 氏名・住所と引き受けようとする株式数(93条2項2号)を記載した書面を会社へ交付する。ここに書いた数は「上限の希望」であり、増額されることはない点を理解して記入する
- 3.期日の前日までに届く割当通知を受け取り記録する 94条2項の通知で、自分に割り当てられた株数が確定する。到達日・封筒・消印を保管し、記載株数と申込株数の差を確認する。到達日は後に手続の瑕疵を争う際の立証材料になる
- 4.割当株数に基づき払込期日までに払込みを完了する 通知された株数に払込金額を乗じた額を、92条4号の期日までに払い込む。払込みを欠けば株主となる権利を失うため、通知到達から期日までの日数を逆算して資金を準備する
よくある質問 AI による整理
Q1組織変更時発行株式とは何ですか?
相互会社が株式会社へ組織変更する際に発行される株式です。保険業法92条で募集事項を定め、93条で申込み、94条で割当てという順に手続が進みます。
Q2株式の割当ては誰が決めるのですか?
組織変更をする相互会社自身です。保険業法94条1項が、申込者の中から割当てを受ける者と、その者に割り当てる株数を会社が定めると規定しています。
Q3申込数より少ない割当ては違法ではないのですか?
違法ではありません。94条1項後段が、93条2項2号の申込株数より少ない数を割り当てられると明文で認めています。減額割当ては制度上の想定内です。
Q4割当通知はいつまでに届きますか?
保険業法94条2項により、92条4号で定める期日の前日までに通知されます。会社は発送日数を逆算して社内締切を設定する必要があります。
Q5割当てを受けられなかったらどうなりますか?
株式引受人にならないため、払込みの義務も生じません。払い込んだ金銭があれば返還を受けますが、それ以上の請求権は原則として発生しません。
Q6総数引受契約でも94条の割当手続は必要ですか?
不要です。保険業法95条が、総数引受契約により組織変更時発行株式の総数を引き受ける場合には93条・94条を適用しないと定めています。
Q7割当通知が期日前日を過ぎたら手続は無効ですか?
直ちに無効とは限りません。通知の遅れが払込機会を実質的に奪ったかなど、瑕疵の重大性と是正可能性で評価が分かれる実務論点です。
Q8会社法の募集株式の割当てと違いはありますか?
骨格は会社法204条と同型です。保険業法94条は相互会社の組織変更という場面に合わせた特則として、同じ割当自由と減額可能性を定めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1申込書に書いた株数より少ない通知が来たんですが、これって文句言えないんですか?
原則として言えません。保険業法94条1項後段が、申込者に割り当てる株数を申込数より減少できると明文で定めているためです。ただし割当てが著しく不公正で、特定の申込者を狙い撃ちにした場合は別論です。実務のポイント:割当基準そのものは通常公表されませんが、組織変更計画書や公告に方針が書かれていることがあります。申込み前にそこを読んでいるかどうかで、後の交渉の足場が全く違う
Q2割当ての通知が期日ギリギリに届きました。払込みが間に合わなかったらどうなりますか?
払込みをしなければ株主となる権利を失うのが原則です。ただし94条2項は期日の前日までの通知を義務付けており、通知が遅れて払込みの機会が実質的に奪われた場合、手続の瑕疵として争う余地があります。実務のポイント:この種の争いでは到達日の立証が全てです。封筒、消印、受領記録を捨てた時点で、実務上は主張が通りにくくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「申込みをすれば申し込んだ株数がもらえる」という前提そのものが誤っている。株式の申込みは契約の申込みに過ぎず、会社の割当てという承諾があって初めて引受けが成立する。申込みは希望の表明であって、権利の取得ではない
- 減額割当てが可能であることを知っている人でも、その意味の深刻さを見落としている。割当てを受けられなかった、あるいは大幅に減らされた申込者は、払込金の返還を受けるだけで、他に何の請求権も持たない。組織変更後の株価が上昇しても、その利益に手が届かない
- 「通知は形式的な事務手続」と思われがちだが、会社から見れば通知は割当ての効力発生要件に関わる重要な行為であり、申込者から見れば払込みという次の義務が発動する起点である。同じ一枚の紙が、送る側と受け取る側で全く違う法的意味を持つ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続段階での役割 | 保険業法94条:会社が割当先と株数を決定し通知する | 保険業法93条:申込者が株数を記載して申込みをする 保険業法95条:総数引受契約により93・94条を適用しない |
| 主導権の所在 | 会社(減額割当ての裁量あり) | 申込者(希望株数の表明にとどまる) 引受人と会社の個別契約 |
| 期限 | 92条4号の期日の前日までに通知 | 募集事項で定める申込期間内 契約締結時(割当通知の手続なし) |
| 同型の一般規定 | 会社法204条(募集株式の割当て) | 会社法203条(募集株式の申込み) 会社法205条(総数引受契約) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は新株発行時の従業員・株主の優先認購を法定する点で、割当自由の幅が日本より狭い場面がある
韓国も新株引受権と組織変更手続を商法・保険業法に分けて規律し、割当決定は会社の権限とする構造が近い
ドイツは相互保険組合(VVaG)の株式会社化を VAG で規律し、株式の引受け・割当ては株式法の一般規定に従う
米国は州ごとに相互会社の株式会社化手続を定め、契約者への株式・現金の配分計画を監督当局が認可する方式が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険の相互会社が株式会社化すると発表した。社員である以上、株の割当てを受けられると思って申込書を出した。だが割当通知に書かれていた株数は、申込数の5分の1。会社を訴えられるかと考える前に、94条1項後段を読むべきだ。減額割当ては条文が正面から認めている
- あなたが組織変更を進める相互会社の実務担当だとしたら、どの申込者に何株割り当てるかの一覧表を、いつまでに確定させる必要があるか答えられるか。92条4号の期日の「前日まで」に通知が届いていなければならない以上、社内決裁と発送日数を逆算した実質的な締切は、その数日前にある
- 割当通知が期日前日を過ぎて届いた。あなたは払込みの準備が間に合わず、引受けを断念した。通知義務違反が組織変更手続全体の効力にどう跳ね返るか、これは実務上、瑕疵の重大性と是正可能性で判断が分かれている論点である
- 組織変更の公告を見てから申込期日まで、あと10日。申込みをするかどうか迷っている間にも、割当ては会社の裁量である以上、申込数を多めに書くべきか実数で書くべきかという判断が要る。多く書けば減額される、少なく書けば増額はされない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 割当通知の到達日と記載株数を記録、封筒の消印も保管する2. 申込数より大幅に減らされた場合、組織変更計画書に示された割当方針と照合し、方針からの逸脱がないか確認3. 期日の前日までに通知が届かなかった場合は、直ちに書面で会社に事実を通知し、返答を記録に残す4. 手続の瑕疵を争う場合は組織変更の効力を争う訴訟の提訴期間に注意、時間の余裕がないため早期に弁護士へ相談する
訴えられた側:1. 割当ての決定機関、決定日、割当基準を議事録として残す。裁量の広さは恣意的でよいことを意味しない2. 92条4号の期日を確定させ、そこから逆算した通知発送日を社内の締切として管理3. 通知は到達を立証できる方法で発送、発送記録を保存4. 減額割当てをした申込者には、理由の説明を求められた場合に備え、基準の一貫性を文書で示せるようにしておく
時効(請求できる期限):94条2項の通知は92条4号で定める期日の前日まで。本条自体に固有の時効はないが、組織変更の効力を争う訴えには提訴期間の制限があり、金銭請求権には一般消滅時効(民法166条、権利行使できると知った時から5年または権利行使可能時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
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