介護保険法 第115条の49(保健福祉事業)
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市町村は、地域支援事業のほか、要介護被保険者を現に介護する者の支援のために必要な事業、被保険者が要介護状態等となることを予防するために必要な事業、指定居宅サービス及び指定居宅介護支援の事業並びに介護保険施設の運営その他の保険給付のために必要な事業、被保険者が利用する介護給付等対象サービスのための費用に係る資金の貸付けその他の必要な事業を行うことができる。
この条文の基本情報
保健福祉事業とは何ですか?
定義保健福祉事業とは、介護保険法第115条の49に定められた規定で、「市町村は、地域支援事業のほか、要介護被保険者を現に介護する者の支援のために必要な事業、被保険者が要介護状態等となることを予防するために必要な事業、指定居宅サービ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第115条の49(保健福祉事業)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第115条の49の条文原文は「市町村は、地域支援事業のほか、要介護被保険者を現に介護する者の支援のために必要な事業、被保険者が要介護状態等となることを予防するために必要な事業、指定居宅サービ…」で始まります。
- 介護保険法第115条の49は第六章 地域支援事業等に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第115条の49の前の条は介護保険法第115条の48です。
- 介護保険法第115条の49の次の条は介護保険法第115条の50です。
- 介護保険法第115条の49には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第115条の49 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第115条の49(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/115_49
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法第115条の63は、市町村が地域支援事業のほか、家族介護者支援・介護予防・直営のサービス運営・資金貸付け等の保健福祉事業を任意で行えると定める。
Q · 市町村は介護保険のサービスに独自の支援を上乗せできるの?
できるが義務ではなく、財源は65歳以上の保険料
介護保険法第115条の63により、市町村は地域支援事業とは別に、家族介護者の支援、介護予防、居宅サービスや介護保険施設の自らの運営、利用料のための資金貸付けなどの保健福祉事業を行うことができます。ただし「行うことができる」という裁量規定で、実施義務はありません。費用は国庫負担も第2号保険料も入らず、65歳以上の第1号保険料で賄われるため(第129条)、事業を手厚くするほど保険料が上がる仕組みです。
解説
「地域支援事業のほか」。この書き出しから始まる一文が、あなたの住む市町村が介護で独自に何をやれるかの余白を決めている。介護保険のサービスは全国一律だと思われがちだが、一律なのは保険給付の部分だけだ。本条は、要介護者を現に介護している家族への支援、要介護になる前の予防、事業者が撤退した地域で市町村自身が居宅サービスや介護保険施設を運営すること、利用料が払えない人への資金の貸付けまで、市町村の裁量で上乗せできると定める。鍵は財源にある。保健福祉事業の費用には国庫負担も40歳から64歳の第2号保険料も入らず、65歳以上の第1号被保険者の保険料で賄われる(第129条)。隣の市にあってあなたの市にない支援があるのは偶然ではなく、保険料をいくらまで上げるかという財政判断の結果である。
法的な位置づけ
保健福祉事業とは、介護保険法第115条の63に基づき、市町村が保険者として地域支援事業とは別に任意で実施する事業をいう。家族介護者の支援、要介護状態等の予防、指定居宅サービス等および介護保険施設の運営、介護給付等対象サービスの費用に係る資金の貸付けなどを含み、その費用は第1号被保険者の保険料で賄われる。
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険の保健福祉事業とは?
市町村が保険給付や地域支援事業とは別に、独自に行える上乗せ事業です。介護保険法115条の63が根拠で、家族介護者の支援や資金の貸付けなどが含まれます。
Q2保健福祉事業の財源はどこから出ている?
65歳以上の第1号被保険者の保険料です(介護保険法129条)。国庫負担も40〜64歳の第2号保険料も入らないため、事業を広げると高齢者の保険料が上がります。
Q3家族介護者への支援は市役所で受けられる?
市町村によります。介護用品の支給、介護者教室、レスパイト、慰労金などを実施する自治体もありますが、義務ではないため、介護保険課と高齢福祉課の両方に確認が必要です。
Q4介護サービスの利用料を市から借りられる?
本条は資金の貸付けを事業例として明記していますが、実施するかは市町村の任意です。実施していない場合は社会福祉協議会の生活福祉資金を案内されることが多いです。
Q5介護事業所がない町では介護サービスを受けられない?
市町村は本条に基づき、指定居宅サービスや介護保険施設を自ら運営できます。民間事業者が撤退した離島や中山間地でも、町営・村営で受け皿を作る道があります。
Q6自治体によって介護の支援が違うのは違法?
違法ではありません。本条は「行うことができる」とする裁量規定で、上乗せの有無や内容は市町村が保険料負担とのバランスで判断します。地域差は制度設計上の帰結です。
Q7保健福祉事業の内容はどこで調べられる?
市町村サイトの「高齢者福祉のしおり」や介護保険事業計画、地域包括支援センターで確認できます。多くは要綱で運用されているため、要綱本文の提示を求めると要件が分かります。
Q8保健福祉事業を増やしてほしいときはどうする?
3年ごとの市町村介護保険事業計画(介護保険法117条)の策定時、パブリックコメントで要望を出すのが効果的です。計画に載らない事業には予算がつきにくいためです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1隣の市にはおむつの支給があるのに、うちの市にはないんです。これって不公平じゃないんですか?
法的には不公平とは言えない。本条は「行うことができる」と定めた裁量規定で、実施義務はないからだ。財源も国庫負担ではなく65歳以上の第1号保険料(第129条)で、実施すれば保険料に跳ね返る。実務のポイント:同じおむつ支給でも、A 市は地域支援事業の任意事業、B 市は保健福祉事業として実施していることがある。住民から見れば同じ窓口だが財源が違い、上限の当たり方も違う。要望時に「地域支援事業の枠で無理なら保健福祉事業で」と言えると、担当者は土俵を変えざるを得なくなる
Q2市の介護サービスの利用を断られたんですが、不服申立てはできますか?
保険給付に関する処分であれば介護保険審査会に審査請求できる(第183条)が、保健福祉事業は保険給付ではないためこのルートには乗らない。利用決定に処分性があるかは事業の仕組み次第で、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:争う前に、根拠が条例か要綱かを確認する。要綱運用なら要綱本文の情報公開請求で要件を確定させる。断り文句が要綱のどこにも書かれていない理由だった場合、審査請求より担当課との再協議のほうが早く覆る
Q3利用料が払えないとき、市がお金を貸してくれるって本当ですか?
本条は「介護給付等対象サービスのための費用に係る資金の貸付け」を明記している。ただし実施は任意で、社会福祉協議会の生活福祉資金に誘導する市町村も多い。実務のポイント:借りる前に確認すべきは高額介護サービス費(第51条)の支払い方法だ。償還払いだと一度全額を立て替える必要があるが、受領委任払いに切り替えられれば立替え自体が消える。そもそも借りなくて済む仕組みが先にある
Q4うちの町から介護事業所が全部なくなったら、保険料だけ払って終わりですか?
本条は、市町村自身が指定居宅サービスや指定居宅介護支援の事業、介護保険施設の運営を行えると定めており、民間撤退地域の最後の受け皿になる。実際に町営・村営のデイサービスや施設は各地にある。実務のポイント:撤退の兆候が出たら、三年ごとの介護保険事業計画(第117条)のサービス見込量に空白が反映されるかを見る。計画に空白が書き込まれた時点で、代替手段の検討は行政側の宿題になる。策定委員会の会議録は公開されており、住民が先回りできる
間違えやすい点 AI による整理
- 「介護保険で使えるサービスは全国どこでも同じはずだ」という前提そのものが誤っている。同じなのは要介護認定に基づく保険給付だけで、市町村特別給付(第62条)、地域支援事業(第115条の45)、そして本条の保健福祉事業という三つの上乗せ層は、市町村ごとに中身が違う。「うちの市にない」は「制度上存在しない」ではなく「うちの市が選ばなかった」である
- 住民から見れば保健福祉事業は「市のサービス」だが、法律から見れば保険給付ではない。この落差が効いてくるのは断られたときだ。保険給付に関する処分なら介護保険審査会に審査請求できる(第183条)が、保健福祉事業の利用拒否は同じルートに乗らない。その決定に処分性があるかは事業の仕組み次第で、実務上、解釈が分かれている。救済の入口探しから始めることになる
- 市町村の裁量だという点までは知っていても、その財源が65歳以上の保険料だけで賄われている深刻さまで見ている人は少ない。国庫負担も第2号保険料も入らない以上、手厚い自治体ほど高齢者の保険料基準額が押し上げられる。多くの市町村が事業を広げたがらない理由は、冷淡さではなく、この一点にある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 法的な性質 | 介護保険法115条の63:保健福祉事業(保険給付ではない任意の事業) | 介護保険法62条:市町村特別給付(条例で定める独自の保険給付) 介護保険法115条の45:地域支援事業(法定の事業類型を含む) |
| 実施の要否 | 市町村の裁量(「行うことができる」) | 市町村の裁量(条例で定めた場合に給付) 介護予防・日常生活支援総合事業と包括的支援事業は実施必須、任意事業は裁量 |
| 主な財源 | 第1号保険料(介護保険法129条) | 第1号保険料(介護保険法129条) 事業区分に応じて公費と保険料を組み合わせ、政令で定める上限あり |
| 不服申立て | 保険給付ではないため介護保険審査会ルートに乗らない | 保険給付に関する処分として介護保険審査会への審査請求の対象(183条) 事業の仕組み次第で、介護保険審査会ルートに乗らない場合が多い |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は税財源中心の長期照顧制度で、地方政府が中央の補助を受けつつ家庭照顧者支援や独自の加算サービスを実施する。保険料で上乗せ分を賄う日本とは財源構造が異なる
韓国は国民健康保険公団が保険者となる全国一元運営で、日本のように市町村が保険者として独自事業を広く上乗せする構造にはなっていない
ドイツは介護金庫が保険者で、自治体の上乗せは主に社会扶助(SGB XII)の枠で行われる。保険の中に自治体裁量の事業枠を置く日本型とは異なる
米国は公的介護保険がなく、連邦補助金を受けた州・地域高齢者機関が家族介護者支援を行う。財源は保険料ではなく税
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親を自宅で介護していて、紙おむつと介護用品で月に二万円が消えていく。市役所の窓口で「家族を介護している側への支援はありませんか」と聞いたことはあるか。申請主義で眠ったまま、案内されずに終わる事業は珍しくない
- 離島の特別養護老人ホームが、運営法人の撤退で閉鎖予定になった。民間はどこも手を挙げない。本条があるから、町が自前で運営を引き継ぐ道が残る
- 要介護3の認定が下りて入所の段取りがついたが、初期の自己負担分が手元にない。入所日まであと10日。同じ市で、民間のカードローンを組む家族と、市の貸付けで無利子のまま乗り切る家族に分かれる
- あなたが市議会議員として、独自のおむつ支給事業を提案したとする。財政課から返ってくるのは「財源は第1号保険料です、65歳以上の保険料基準額が上がります」。事業の中身の議論が、誰に負担させるかの議論にすり替わる瞬間がここだ
- 介護離職を考えている50代。会社の介護休業制度は隅々まで調べたのに、市町村の介護者支援(介護者教室、レスパイト、慰労金、相談窓口)は一度も調べていない。自治体の上乗せ分を勘定に入れるかどうかで、離職するという結論自体が変わることがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村サイトで「保健福祉事業」「高齢者福祉のしおり」を検索し、介護保険課と高齢福祉課の両方に当たる(担当が分かれている自治体が多い) 2. 地域包括支援センターで「保険給付以外の上乗せ」を名指しで確認3. 家族介護者向け(介護用品支給、慰労金、介護者教室、レスパイト)と資金貸付けの有無を項目別に聞く4. 断られたら根拠要綱の提示を求める。条例ではなく要綱運用の事業が多く、所得要件や同居要件がその場で判明する
訴えられた側:実施を求められる市町村側の立場なら、1. その要望が地域支援事業(第115条の45、費用に上限あり)と保健福祉事業(第1号保険料で全額負担)のどちらに乗るかを最初に切り分ける2. 保健福祉事業なら保険料率(第129条)への影響額を試算し、介護保険事業計画(第117条)への位置づけを確認する3. 要綱で対象要件と所得要件を明文化し、裁量の線引きを文書に落とす。口頭運用は不公平取扱いの主張を呼び込む
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限規定はない。実務上の期限は二つある。事業の新設・拡充は三年ごとの市町村介護保険事業計画(第117条)の策定サイクルに事実上縛られる。個別の給付金・貸付けは市町村の要綱で申請期限(対象月の翌年度末まで等)が定められていることが多く、法定ではないため自治体ごとの確認が必須(最新の要綱をご確認ください)。金銭の返還等が争点になる場合は一般の消滅時効(民法166条、5年または10年)が基準となる
- 介護保険法 第115条の45本条の「ほか」が指す地域支援事業の本体
- 介護保険法 第62条市町村特別給付、給付としての上乗せ類型
- 介護保険法 第129条本事業費を第1号保険料率に算入する財源規定
- 介護保険法 第117条市町村介護保険事業計画への位置づけ
- 介護保険法 第183条保険給付でないため審査請求の対象外
- 老人福祉法 第10条の4やむを得ない事由による市町村措置との補完関係
- 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 第14条養護者負担軽減措置の別個の義務根拠(通称 高齢者虐待防止法)
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