介護保険法 第148条(市町村相互財政安定化事業)
クイックジャンプ
- 市町村は、介護保険の財政の安定化を図るため、その介護保険に関する特別会計において負担する費用のうち介護給付及び予防給付に要する費用(第四十三条第三項、第四十四条第六項、第四十五条第六項、第五十五条第三項、第五十六条第六項又は第五十七条第六項の規定に基づき条例を定めている市町村に係る当該介護給付及び予防給付に要する費用については、当該条例による措置が講じられないものとして政令で定めるところにより算定した当該介護給付及び予防給付に要する費用とする。次項において同じ。)、地域支援事業に要する費用、財政安定化基金拠出金の納付に要する費用並びに基金事業借入金の償還に要する費用の財源について、政令で定めるところにより、他の市町村と共同して、調整保険料率に基づき、市町村相互間において調整する事業(以下この条及び次条において「市町村相互財政安定化事業」という。)を行うことができる。
- 2.前項の調整保険料率は、市町村相互財政安定化事業を行う市町村(以下この条及び次条第二項において「特定市町村」という。)のそれぞれが、それぞれの第一号被保険者に対し、当該調整保険料率により算定した保険料額によって保険料を課するとしたならば、当該特定市町村につき事業実施期間(市町村相互財政安定化事業を実施する期間として特定市町村が次項の規約により定める三年を一期とする期間をいう。以下この項及び第四項において同じ。)において収納される保険料の額の合計額が、当該事業実施期間における当該特定市町村の介護給付及び予防給付に要する費用の額(当該介護給付及び予防給付に要する費用の額につき第百二十一条第一項、第百二十二条第一項、第百二十三条第一項、第百二十四条第一項及び第百二十五条第一項の規定により、国、都道府県、市町村の一般会計及び機構が負担し、又は交付する額を除く。)、地域支援事業に要する費用の額(当該地域支援事業に要する費用の額につき第百二十二条の二第一項、第二項及び第四項、第百二十三条第三項及び第四項、第百二十四条第三項及び第四項並びに第百二十六条第一項の規定により、国、都道府県、市町村の一般会計及び機構が負担し、又は交付する額(社会福祉法第百六条の八(第一号から第三号までに係る部分に限る。)及び第百六条の九(第一号及び第二号に係る部分に限る。)の規定により交付する額を含む。)を除く。)、財政安定化基金拠出金の納付に要する費用の額並びに基金事業借入金の償還に要する費用の額の合計額と均衡を保つことができるものであって、当該特定市町村が政令で定める基準に従い定めるものとする。
- 3.市町村は、市町村相互財政安定化事業を行おうとするときは、その議会の議決を経てする協議により規約を定め、これを都道府県知事に届け出なければならない。
- 4.前項の規約には、次に掲げる事項につき規定を設けなければならない。
- 一特定市町村
- 二調整保険料率
- 三事業実施期間
- 四市町村相互財政安定化事業に係る資金の負担及び交付の方法
- 五前各号に掲げる事項のほか、市町村相互財政安定化事業の実施に関し必要な事項
- 5.第三項の規定は、同項の規約を変更し、又は市町村相互財政安定化事業をとりやめようとする場合について準用する。
- 6.特定市町村が第百二十九条第二項の規定によりその条例で定める保険料率について同条第三項の規定を適用する場合においては、同項中「償還に要する費用の予定額」とあるのは「償還に要する費用の予定額、第百四十八条第一項に規定する市町村相互財政安定化事業により負担する額の予想額」と、「並びに国庫負担等の額等に照らし、おおむね三年」とあるのは「、国庫負担等の額並びに同項に規定する市町村相互財政安定化事業により交付される額の予想額等に照らし、おおむね第百四十八条第二項に規定する事業実施期間」とする。
- 7.特定市町村について前条第二項の規定を適用する場合においては、同項第一号中「並びに前項第二号の規定による都道府県からの借入金(以下「基金事業借入金」という。)の償還に要する費用の額」とあるのは「、前項第二号の規定による都道府県からの借入金(以下「基金事業借入金」という。)の償還に要する費用の額並びに市町村相互財政安定化事業(次条第一項に規定する市町村相互財政安定化事業をいう。以下この項において同じ。)により負担する額」と、同項第二号中「並びに基金事業借入金の償還に要した費用の額」とあるのは「、基金事業借入金の償還に要した費用の額並びに市町村相互財政安定化事業により負担した額」と、同項第三号中「収入した金額(第五号の基金事業交付額及び基金事業借入金の額を除く。)」とあるのは「収入した金額(市町村相互財政安定化事業により交付された額を含み、第五号の基金事業交付額及び基金事業借入金の額を除く。)」と、「並びに基金事業借入金の償還に要した費用の額」とあるのは「、基金事業借入金の償還に要した費用の額並びに市町村相互財政安定化事業により負担した額」と、同項第四号中「並びに基金事業借入金の償還に要した費用の額」とあるのは「、基金事業借入金の償還に要した費用の額並びに市町村相互財政安定化事業により負担した額」とする。
- 8.特定市町村は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村相互財政安定化事業のうち資金の負担及び交付に関する事務の一部を、当該特定市町村が出資者又は構成員となっている営利を目的としない法人であって、厚生労働省令で定める要件に該当するものに委託することができる。
この条文の基本情報
市町村相互財政安定化事業とは何ですか?
定義市町村相互財政安定化事業とは、介護保険法第148条に定められた規定で、「市町村は、介護保険の財政の安定化を図るため、その介護保険に関する特別会計において負担する費用のうち介護給付及び予防給付に要する費用(第四十三条第三項、第四十四条…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第148条(市町村相互財政安定化事業)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第148条の条文原文は「市町村は、介護保険の財政の安定化を図るため、その介護保険に関する特別会計において負担する費用のうち介護給付及び予防給付に要する費用(第四十三条第三項、第四十四条…」で始まります。
- 介護保険法第148条は第八章 費用等に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第148条の前の条は介護保険法第147条です。
- 介護保険法第148条の次の条は介護保険法第149条です。
- 介護保険法第148条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第148条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第148条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/148
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法148条は、複数の市町村が共通の調整保険料率に基づき介護保険財政を相互に調整する事業を定める。実施には議会議決を経た規約と知事への届出が必要。
Q · 隣の町と介護保険料をそろえる仕組みって、法律にあるの?
介護保険法148条にあるが、実施例はごく限られる
介護保険法148条は、複数の市町村が共同で「調整保険料率」を定め、介護給付費や地域支援事業費、財政安定化基金への拠出金、基金事業借入金の償還費の財源を市町村相互間で調整する事業を認めています。実施するには、各市町村の議会の議決を経た協議で規約を定め、都道府県知事に届け出る必要があります(同条3項)。ただし実施例はごく限られ、多くの地域は広域連合による保険者の統合を選んできました。
解説
65歳になった月から、年金から自動で引かれ始める介護保険料。その金額を決めているのは国ではなく、住民票のある市町村である。全国平均は月額6,000円台だが、最高と最低の市町村では2倍以上の開きがある(最新の公表値をご確認ください)。148条が用意しているのは、その差を市町村同士で均す道だ。複数の市町村が議会の議決を経た協議で規約を結び、共通の「調整保険料率」を基礎に、給付費・地域支援事業費・財政安定化基金への拠出や借入金の償還費まで相互に調整できる。参加すれば、あなたの保険料は自分の町の収支だけで決まらなくなる。ただし現実には、この事業の実施例は極めて限られる。多くの地域は広域連合で保険者ごと統合する道を選んだ。つまり隣町との保険料差は、法律に手段がないから残っているのではない。使われていないから残っている。
法的な位置づけ
市町村相互財政安定化事業とは、介護保険法第148条に基づき、複数の市町村が共同して、3年を一期とする事業実施期間の保険料収入と介護給付費等の支出が均衡するよう定めた調整保険料率を基礎に、市町村相互間で介護保険特別会計の財源を調整する事業である。実施には議会の議決を経た協議による規約と都道府県知事への届出を要する。
よくある質問 AI による整理
Q1市町村相互財政安定化事業とは?
複数の市町村が共通の調整保険料率を定め、介護保険の給付費などの財源を相互に調整する事業です。介護保険法148条が根拠で、保険者は各市町村のまま残ります。
Q2調整保険料率とは何ですか?
参加市町村が3年一期の事業実施期間で、保険料収入と介護給付費等の自己負担分が均衡するように定める共通の料率です。政令の基準に従って定めます(148条2項)。
Q3介護保険料 市町村で違うのはなぜ?
保険者が市町村で、第1号被保険者の保険料率を各市町村が条例で定めるためです(129条)。給付費の水準や高齢化率、基金借入金の償還の有無で差が生じます。
Q4市町村相互財政安定化事業 実施するには何が必要?
各市町村の議会の議決を経た協議で規約を定め、都道府県知事に届け出る必要があります(148条3項)。規約の変更やとりやめにも同じ手続が準用されます。
Q5市町村相互財政安定化事業の規約に書くことは?
特定市町村、調整保険料率、事業実施期間、資金の負担および交付の方法、その他実施に必要な事項の5つを規定しなければなりません(148条4項)。
Q6財政安定化基金と相互財政安定化事業の違いは?
財政安定化基金(147条)は都道府県が設置し、市町村の財源不足に交付・貸付を行う仕組みです。148条は市町村同士が横の関係で財源を調整する仕組みです。
Q7市町村相互財政安定化事業の事務は委託できる?
資金の負担および交付に関する事務の一部は、特定市町村が出資者または構成員となる非営利法人で、厚生労働省令の要件を満たすものに委託できます(148条8項)。
Q8介護保険料 隣町より高い 誰に聞けばいい?
保険料率を条例で定めるのは市町村なので、まずは市町村の介護保険担当課と議会が窓口です。3年一期の介護保険事業計画の原案段階で意見を出すのが効果的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1隣の市より介護保険料が高いんですが、これって不公平じゃないんですか?
保険者は市町村で、第1号被保険者の保険料率は各市町村が3年ごとに条例で定める(129条)。給付費の多い地域が高くなる仕組みで、差自体は違法ではない。実務のポイント:極端に高い市町村は、過去に都道府県の財政安定化基金から借りた金の償還費を今期の保険料に乗せていることがある。148条1項がその償還費まで調整対象に挙げているのはそのためだ。市町村の事業計画の収支見込表で「基金借入金償還」の行を探せば分かる。
Q2うちみたいな小さい町でも、この仕組みは使われているんですか?
実施例は極めて限られる。小規模保険者の財政リスクは、148条の相互財政安定化事業ではなく、地方自治法上の広域連合などで保険者ごと統合する方法で処理されてきた。実務のポイント:自分の町がどちらかは、保険料の決定通知の差出人名で分かる。「○○広域連合」なら保険料率は構成市町村で共通、市町村名なら単独設定だ。単独の小規模町村ほど、施設1つで保険料が跳ねる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「介護保険料は国が決めている」という前提で怒りの向き先を探している人が多いが、問いの立て方が誤っている。国が決めるのは給付費の負担割合(121条以下)で、第1号被保険者の保険料率を条例で定めるのは市町村(129条)だ。値上げの説明を求める相手は霞が関ではなく、あなたの市町村の議会と担当課である
- 市町村ごとに保険料が違うことは広く知られているが、その差が「調整可能なもの」だと知られていない。148条は差を均す具体的な手段(調整保険料率による相互調整)を条文として用意している。使われていないのは法の不備ではなく、市町村側の選択または不作為の結果である
- あなたから見れば介護保険料は毎月の固定的な出費だが、市町村から見れば3年一期の収支均衡パズルである。給付費・地域支援事業費・基金への拠出・過去の借入金の償還を、3年間で徴収する保険料と一致させる作業だ。この落差を知らないと、単年度の値上げだけを見て「今年何かあったのか」と誤った原因を探し続けることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 仕組みの主体 | 介護保険法148条:参加市町村同士(横の調整) | 介護保険法147条:都道府県が設置する財政安定化基金(縦の支援) 介護保険法129条:各市町村が単独で保険料率を条例で決定 |
| 財源調整の方法 | 共通の調整保険料率に基づき市町村相互で負担・交付 | 基金からの交付または貸付(借入金は後の保険料で償還) 調整なし。自市町村の給付費見込みで保険料率を算定 |
| 必要な手続 | 議会の議決を経た協議による規約+知事への届出 | 都道府県の基金事業として実施 市町村の条例制定(3年ごと) |
| 利用実態 | 実施例は極めて限られる | 財源不足時に広く利用されてきた 全市町村・広域連合が該当 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は社会保険方式ではなく税財源の長照基金で運営するため、地方間の保険料格差という問題自体が生じにくい構造である
韓国は国民健康保険公団を単一の保険者とし、保険料も全国一律であるため、日本のような市町村間調整の規定を必要としない
ドイツは介護金庫(Pflegekassen)を保険者としつつ、調整基金を通じた金庫間の財政調整を法定しており、調整が任意の日本と対照的である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣町に引っ越したら介護保険料が年に数万円下がった、なぜこうなる? 保険者が市町村単位で、給付費も高齢化率も財政の履歴も違うからだ。148条はその差を市町村同士で均すことを許しているが、あなたの町が使っていなければ差はそのまま残る。
- あなたが人口数千人の町の介護保険担当者だとする。管内に特別養護老人ホームが1つ開設されるだけで給付費が跳ね、次期(3年一期)の保険料基準額を上げざるを得ない。148条の相互財政安定化事業で隣接市町村と財政を共同化する選択肢はあるが、規約は議会の議決を経た協議で定め、知事に届け出る必要がある(3項)。次期計画の条例改正に間に合わせるなら、議会日程から逆算して1年近く前に隣の町の担当課へ話を持ち込むしかない。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正(要検証) 地域支援事業の創設に伴い、調整対象となる費用に地域支援事業に要する費用が加わったとみられる。年次と改正範囲は人的検証が必要
- 令和2年(2020年)社会福祉法改正関連(要検証) 重層的支援体制整備事業の創設により、2項の控除額計算に社会福祉法106条の8・106条の9の交付額が引用されるようになったとみられる。施行年次は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法の制定(平成9年法律第123号)により、市町村相互財政安定化事業の規定が設けられた。2000年4月の制度施行とともに運用開始
- 介護保険法 第129条第1号被保険者の保険料率を条例で定める根拠(6項で読替え)
- 介護保険法 第147条財政安定化基金、拠出金と基金事業借入金の前提規定
- 介護保険法 第149条都道府県による本事業への助言・資料提供
- 介護保険法 第117条市町村介護保険事業計画、3年一期の期間設定の基礎
- 介護保険法 第121条国の給付費負担分、調整保険料率算定で控除する額
- 地方自治法 第284条広域連合・一部事務組合、保険者広域化の代替手段
- 社会福祉法 第106条の82項が控除対象として明文引用する交付規定
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める