介護保険法 第201条の3(報告及び検査)
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- 厚生労働大臣は、前条第五項及び第六項の規定による措置に関し必要があると認めるときは、その必要と認められる範囲内において、同条第三項若しくは第四項の規定に違反していると認めるに足りる相当の理由がある者に対し、必要な事項に関し報告を求め、又は当該職員に当該者の事務所若しくは事業所に立ち入って質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.第二十四条第三項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は前項の規定による権限について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
報告及び検査とは何ですか?
定義報告及び検査とは、介護保険法第201条の3に定められた規定で、「厚生労働大臣は、前条第五項及び第六項の規定による措置に関し必要があると認めるときは、その必要と認められる範囲内において、同条第三項若しくは第四項の規定に違反して…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第201条の3(報告及び検査)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第201条の3の条文原文は「厚生労働大臣は、前条第五項及び第六項の規定による措置に関し必要があると認めるときは、その必要と認められる範囲内において、同条第三項若しくは第四項の規定に違反して…」で始まります。
- 介護保険法第201条の3は第十三章 雑則に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第201条の3の前の条は介護保険法第201条の2です。
- 介護保険法第201条の3の次の条は介護保険法第202条です。
- 介護保険法第201条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第201条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第201条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/201_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法201条の3は、被保険者番号等の告知要求制限に違反する疑いのある者へ、厚生労働大臣が報告徴収と事務所等への立入検査を行えると定める。犯罪捜査目的は否定される。
Q · 介護事業者じゃないのに、厚労省の立入検査を受けることってあるの?
番号の告知を求めた疑いがあれば、業種を問わず対象になる
介護保険法201条の3により、厚生労働大臣は、被保険者番号等の告知要求制限(201条の2第3項・第4項)に違反していると認めるに足りる相当の理由がある者に、報告を求め、職員に事務所・事業所へ立ち入らせて質問・検査させることができます。前条3項・4項の名宛人は「何人も」なので業種は関係ありません。ただし権限は勧告・命令に必要な範囲に限られ、住居は含まれず、犯罪捜査のためと解釈してはなりません(24条4項準用)。
解説
厚生労働省の職員が事務所に来る、という話は介護事業者だけのものではない。前条201条の2第3項は、業として行う行為に関し、契約の相手方や申込みをしようとする者に対して介護保険の被保険者番号等の告知を求めることを、何人に対しても禁じている。身元保証サービス、賃貸保証会社、名簿を扱うマーケティング会社、業種を問わない。本条が与えるのは、その違反を疑うに足りる相当の理由がある者への報告徴収と立入検査の権限だ。ただし、あなたが握っておくべき限定が三つある。この権限は前条5項の勧告、6項の命令のために必要と認められる範囲でしか使えない。立ち入れるのは事務所と事業所だけで、住居は含まれない。そして職員は関係人の請求があれば身分証明書を提示する義務を負い、この権限は犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。限定を知らない側だけが、際限なく応じることになる。
法的な位置づけ
介護保険法201条の3は、被保険者番号等の告知要求制限(同法201条の2第3項・第4項)の実効性を担保するための行政調査規定である。厚生労働大臣は、違反を認めるに足りる相当の理由がある者に対し、勧告・命令に必要と認められる範囲内で報告を求め、職員に事務所・事業所への立入り、質問、帳簿書類その他の物件の検査を行わせることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.職員の身分と根拠条項を確認する 職員が来訪したら、まず身分証明書の提示を求める(本条2項・24条3項準用)。氏名・所属と、前条5項(勧告)・6項(命令)のどちらのための検査かをメモに残す
- 2.検査の範囲と場所を特定する 対象は事務所・事業所に限られ、住居部分は含まれない。求められている帳簿書類が告知要求制限違反の疑いに関係するかを確認し、範囲の特定を求める
- 3.弁護士に連絡し、即答できない事項を切り分ける その場で弁護士へ連絡する。即答できない質問には「確認のうえ後日回答」と伝える。これは拒否ではなく、正当な理由の有無を左右する記録になる
- 4.提出書類の控えと一覧を作る 提出・閲覧させた帳簿書類はすべてコピーを取り、提出物一覧を作成して職員と照合する。口頭で答えた内容は、後日書面で整理して提出する
- 5.勧告の段階で是正し、報告する 勧告(前条5項)を受けたら、申込書の番号記入欄の削除や名簿の取扱い停止など是正措置を講じ、書面で報告する。命令(6項)に進むと違反に刑事罰が科されるため、ここが分岐点になる
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法201条の3とは何ですか?
介護保険の被保険者番号等を業として聞き出す行為などを禁じた201条の2の違反を調べるため、厚生労働大臣に報告徴収と立入検査の権限を与える規定です。
Q2介護保険の被保険者番号を契約時に聞くのは違法?
業として行う行為に関し、契約の相手方などに被保険者番号等の告知を求めることは201条の2第3項で禁じられています。法令上の根拠がある場合などは別です。
Q3厚労省の立入検査はどこまで入れる?
対象は違反の疑いがある者の事務所と事業所に限られます。住居は条文上含まれず、検査範囲も前条5項・6項の措置に必要と認められる範囲に限定されます。
Q4立入検査の職員に身分証明書を見せてもらえる?
見せてもらえます。本条2項が24条3項を準用しており、職員は関係人の請求があれば身分を示す証明書を提示しなければなりません。
Q5立入検査に令状は必要?
不要です。本条は行政調査であり、拒否に刑事罰を科して間接的に応じさせる仕組みです。職員が実力で書類を持ち去る権限はありません。
Q6報告徴収に虚偽の回答をするとどうなる?
報告をしない、虚偽の報告をする、虚偽の答弁をするといった行為は209条の2の処罰対象で、30万円以下の罰金が定められています。
Q7被保険者番号の告知要求制限の勧告を無視したら?
厚生労働大臣は勧告に従わない者に措置を命じることができ(201条の2第6項)、命令違反には205条の4で1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています。
Q8介護保険の被保険者番号を求められたらどこに相談する?
求めた事業者にまず法令上の根拠を書面で確認し、是正されなければ厚生労働省へ情報提供できます。それが本条の報告徴収・立入検査につながることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1厚労省の立入検査って、断ったらその場で逮捕されるんですか?
逮捕はされない。本条の検査は間接強制で、職員に実力行使の権限はなく令状も不要だ。拒めば209条の2で30万円以下の罰金だが、条文は「正当な理由がなくて」拒んだ場合に限っている。弁護士の到着を待つ、検査範囲の特定を求めるは正当な理由になりうる。実務のポイント:同じ介護保険法でも24条の検査拒否は213条の過料(前科なし)、本条は罰金の刑事罰で前科が付く。同じ拒否でも重さが別物だ
Q2検査で答えたことが、そのまま刑事事件の証拠に使われませんか?
本条2項は24条4項を準用し、この権限は犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと定める。ただし行政調査の資料が刑事手続で用いられる余地までは残る。最高裁は所得税法の質問検査権について、憲法35条38条の保障が行政手続にも及びうるとした(最大判昭和47.11.22、川崎民商事件)。実務のポイント:実務では答弁を口頭で終わらせず、後日書面で整理して提出する運用に切り替える弁護士が多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「介護保険法の検査なのだから、うちは介護事業者ではないし関係ない」と切り捨てられがちだが、前条3項4項の名宛人は「何人も」である。業として契約の相手方に番号を聞く事業者、番号入りの提供データベースを業として構成する事業者は、業種と無関係に本条の検査対象になる
- 検査を断れば罰金がある、というところまでは多くの担当者が知っている。深刻なのは中身のほうだ。209条の2の30万円以下の罰金は行政上の過料ではなく刑事罰であり、しかも「その違反行為をした者」が名宛人になる。当日その場で対応した従業員個人が処罰の対象に立つ構造になっている
- 「拒否できるのか、できないのか」という二択で考えている時点で、問いの立て方が誤っている。209条の2が処罰するのは「正当な理由がなくて」報告せず、答弁せず、検査を拒んだ場合だけだ。本当の争点は拒否の可否ではなく、あなたの理由が正当と評価されるかどうかであり、それを左右するのは拒否した瞬間に何を記録に残したかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 201条の3:告知要求制限の違反を調べる報告徴収・立入検査 | 201条の2:告知要求制限の本体(3項・4項)と勧告・命令(5項・6項) 24条:介護給付等に関する報告・質問(本条が3項・4項を準用) |
| 対象者 | 前条3項・4項の違反を認めるに足りる相当の理由がある者(業種不問) | 業として番号の告知を求める者、番号入りの提供データベースを構成する者 介護給付等に関わる者 |
| 違反時の効果 | 正当な理由のない報告拒否・検査拒否等は209条の2(30万円以下の罰金) | 禁止違反自体に直接罰則はなく、命令違反で205条の4(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金) 身分証明書提示義務(3項)と犯罪捜査目的否定(4項)の準用元 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では中央目的事業主管機関等が非公務機関に立ち入り検査できる。番号の告知要求に特化した規制ではなく、個人データ保護一般の監督として構成されている
韓国は個人情報保護委員会に資料提出要求と検査の権限を与える。保険番号に限らず個人情報処理者全般が対象である
中国では個人情報保護の職責を担う部門が質問、資料の閲覧・複製、現場検査などの措置を取れる
ドイツは GDPR 上の監督機関の調査権限を BDSG で具体化し、事業所への立入りを認める。日本の本条よりも対象が広い一般的な監督権限である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ある朝、厚生労働省の職員二名が受付に立っていたとしたら、あなたは何を確認できる? 身分証明書の提示を求められる(24条3項準用)。さらに、前条5項の勧告と6項の命令のどちらに向けた検査なのかも確認できる。根拠が示せない要求は範囲外だ。そして帳簿を出すか保留するかを社内で判断する時間は、その日の午前中しか残っていない
- 賃貸保証の審査フォームに「介護保険被保険者番号」の欄を作った。取得はしていない、書いてもらうよう聞いただけだ。それでも前条3項は告知を求める行為そのものを禁じており、あなたの会社は本条の報告徴収と立入検査の対象になりうる
- 取引先の名簿会社から「高齢者リストに保険者番号も付けられます」と営業を受けた。それは前条4項が禁じる提供データベースの構成そのもので、購入した側にも相当の理由が立ちうる。断った事実をメールで残したかどうかが、後日あなたが検査対象に選ばれるかどうかを分ける
取るべき行動
被害を受けた側:契約や申込みの場面で介護保険の被保険者番号を求められたら、その求め自体が前条3項違反の可能性がある。1. 申込書の該当欄を撮影、口頭なら日時と担当者名を記録2. 提出を保留し、法令上の根拠を書面で示すよう求める3. 是正されなければ厚生労働省へ情報提供、それが本条の報告徴収・立入検査の端緒になる4. すでに番号を渡していれば、利用停止と削除を書面で請求し、その控えを残す
訴えられた側:1. 職員の身分証明書の提示を求め(24条3項準用)、氏名・所属・根拠となる前条5項6項の措置を記録2. 対象は事務所と事業所に限られる、住居部分や無関係の顧客情報は範囲外なので範囲の特定を求める3. 即答できない事項は「確認のうえ後日回答」と伝える、これは拒否ではない4. 弁護士への連絡はその場で行う、これは正当な理由の中核になる5. 提出書類は必ず控えと一覧を作る
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。報告要求には行政側が回答期限を指定するのが通常で、前条6項の命令も期限を定めて行われ、その徒過が205条の4の刑事罰(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)に直結する。検査拒否等の209条の2違反(30万円以下の罰金)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:行政上の立入検査は、根拠法令が定める目的・範囲・場所の限定内でのみ許される。犯罪捜査目的の否定規定は、調査を刑事手続の証拠収集の手段として用いることを禁じる趣旨と解される。
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