受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 7 分7 分7 分

介護保険法 第202条(被保険者等に関する調査)

クイックジャンプ
  1. 市町村は、被保険者の資格、保険給付、地域支援事業及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者又はこれらであった者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
  2. 2.第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。

この条文の基本情報

被保険者等に関する調査とは何ですか?

定義被保険者等に関する調査とは、介護保険法第202条に定められた規定で、「市町村は、被保険者の資格、保険給付、地域支援事業及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 介護保険法第202条(被保険者等に関する調査)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
  2. 介護保険法第202条の条文原文は「市町村は、被保険者の資格、保険給付、地域支援事業及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他…」で始まります。
  3. 介護保険法第202条は第十三章 雑則に置かれています。
  4. 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
  5. 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 介護保険法第202条の前の条は介護保険法第201条の3です。
  7. 介護保険法第202条の次の条は介護保険法第203条です。
  8. 介護保険法第202条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第202条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
  • 本サイト収録介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第202条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/202

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点介護保険法202条は、市町村が保険料や給付の判断に必要なとき、被保険者と配偶者・世帯員・元世帯員に書類の提出を命じ、質問できる権限を定める。犯罪捜査目的は否定される。

Q · 介護保険を使っていない同居家族も、市役所に書類を出す義務があるの?

対象になる。ただし介護保険の判断に必要な範囲に限る

介護保険法202条1項は、被保険者本人だけでなく、配偶者、世帯主その他その世帯に属する者、さらに過去にそうであった者も調査対象としています。介護保険料の段階は世帯の課税状況で決まるため、同居家族の収入資料も求められることがあります。ただし求められる範囲は被保険者の資格、保険給付、地域支援事業、保険料の判断に必要な限度に限られ、職員には身分証の提示義務があり、犯罪捜査目的での利用は否定されています(同条2項による24条3項・4項の準用)。

解説

介護保険の窓口から「世帯全員の預金通帳の写しを出してください」と言われたとき、断れると思うだろうか。介護保険法202条は、市町村に対し、被保険者本人だけでなく、その配偶者、同じ世帯の世帯主、同居する家族、さらには「これらであった者」(離婚した元配偶者、世帯分離した元同居人、すでに保険から抜けた人)にまで、文書その他の物件の提出・提示を命じ、職員による質問をさせる権限を与えている。つまり調査の射程は、あなたが介護を受けているかどうかとは無関係に、あなたの家族構成だけで及んでくる。ただし第2項が重要だ。24条3項・4項を準用しており、職員は身分証明書を携帯し、求められたら提示しなければならず、この権限は「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」と明記される。つまりこれは行政調査であって、家宅捜索ではない。何を出す義務があり、何は任意なのか、その線引きを知っているかどうかで、窓口での立ち位置がまるで変わる。

法的な位置づけ

介護保険法第202条は、市町村の行政調査権限を定める規定であり、被保険者の資格、保険給付、地域支援事業及び保険料の判断に必要な範囲で、被保険者、配偶者、世帯主その他の世帯員及びこれらであった者に対し、文書等の提出・提示の命令と職員による質問を認める。同法24条3項・4項の準用により、身分証の提示義務と犯罪捜査目的の否定が付されている。

手順

  1. 1.職員の身分と調査根拠を確認する 来訪・連絡を受けたら、まず身分証明書の提示を求め、氏名・所属・日時を記録する(202条2項による24条3項準用)。あわせて根拠条文と、どの判断(資格・給付・地域支援事業・保険料)のための調査かを確認する
  2. 2.求められた資料と調査目的を対応させる 求められた書類ごとに、何の判断に必要なのかを照合する。給与明細の代わりに課税証明書で足りるなど、より限定的な資料で代替できないかを窓口に確認する
  3. 3.提出または不提出の理由を書面で残す 提出する資料は写しを取り、提出日と提出先を控える。提出しない資料があれば、範囲外・保有していない等の理由を文書で回答し、無言の不応答にしない
  4. 4.処分が出たら期限内に審査請求を検討する 調査を踏まえた保険料賦課や給付に関する処分に不服がある場合、処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県の介護保険審査会へ審査請求する(同法183条、行政不服審査法18条)

よくある質問 AI による整理

Q1介護保険法202条とは何ですか?

市町村が介護保険の資格・給付・地域支援事業・保険料の判断のため、被保険者や世帯員に書類の提出・提示を命じ、職員に質問させることができる調査権限の規定です。

Q2介護保険の調査で通帳の提示を求められたら違法?

保険料や給付の判断に必要な範囲であれば違法ではありません。ただし必要性と無関係な取引履歴の全面開示まで、202条を根拠に求めることはできません。

Q3介護保険の調査 職員の身分証は確認できる?

できます。202条2項が24条3項を準用しており、職員は身分証明書を携帯し、関係者から請求があれば提示しなければなりません。

Q4介護保険の調査に応じないと罰則はある?

刑事罰ではありませんが、同法214条に基づき市町村が条例で定める過料の対象となりえます。保険料段階の認定などで不利になる実務上のリスクもあります。

Q5元配偶者の介護保険について市から照会が来るのはなぜ?

202条1項の「これらであった者」に元配偶者や元世帯員が含まれるためです。ただし対象は過去の同一世帯期間の、介護保険の判断に必要な事項に限られます。

Q6介護保険料の調査で家族の収入を見られるのはなぜ?

介護保険料(第1号被保険者)の段階が本人と世帯の住民税課税状況で決まる仕組みのためです。そのため世帯員の課税情報が判断材料になります。

Q7介護保険の調査結果に納得できないときは?

調査を踏まえた保険料賦課や給付に関する処分には、都道府県の介護保険審査会への審査請求ができます(同法183条)。期限は原則として処分を知った日の翌日から3か月です。

Q8世帯分離すれば介護保険の調査対象から外れる?

外れるとは限りません。202条は「これらであった者」も対象とするため、分離前に同一世帯だった期間については調査が及ぶ余地があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1同居している息子の給与明細まで出せと言われました。息子は介護保険を使っていないのに、本当に出す義務があるんですか?

202条1項は「被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者」を調査対象に明記しているため、同居家族も対象になります。介護保険料は世帯の課税状況で段階が決まるため、必要性も認められやすい。実務のポイント:ただし出すべきは「保険料段階の判定に必要な情報」であって、給与明細そのものでなくても課税証明書で足りる場合が多い。何の判断に必要かを聞けば、より限定された書類で済むことがある

Q2「犯罪捜査のためではない」って条文に書いてあると聞きました。じゃあ無視していいということですか?

無視していいという意味ではありません。24条4項の準用は、刑事手続の令状主義の潜脱を防ぐための規定で、刑事責任を負わないことを示すにとどまります。拒めば過料(214条)や給付の一時差止め(67条)という行政上の不利益が動きます。実務のポイント:刑事罰がないことと、実害がないことはまったく別物。実務で効くのは過料よりも給付差止めと保険料段階の不利益認定で、こちらは金額が桁違いに大きくなりうる

Q3離婚して世帯も別にしたのに、元配偶者の介護保険のことで市から連絡が来ます。答える必要ありますか?

202条1項末尾の「又はこれらであった者」に該当するため、過去に配偶者・世帯員であった期間について調査対象になりえます。ただし調査できるのはその期間の、介護保険の判断に必要な事項に限られます。実務のポイント:離婚後に元配偶者の資料を保有していないケースは多く、「保有していない」と書面で回答すれば正当な理由のある不応答になりやすい。曖昧に黙っていると拒否と評価されるので、持っていないなら持っていないと書いて出すほうが安全

間違えやすい点 AI による整理

  • 「被保険者ではないのだから自分は無関係」という前提そのものが誤っている。202条1項が名指ししているのは被保険者だけでなく、配偶者、世帯主、その世帯に属する者、そして過去にそうであった者である。あなたと介護保険をつなぐのは、あなたの受給資格ではなく、あなたの住民票上の世帯だ
  • 「調査を拒否すれば逮捕される」と怯える人がいるが、24条4項の準用により、この権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないと明文で定められている。刑事手続ではないので令状も逮捕もない。ただしそれは「拒んでも無傷」という意味ではまったくない。動くのは刑事罰ではなく、過料と給付の差止め、そして保険料段階の不利な認定である
  • 調査への協力義務があることは多くの人が知っている。知られていないのは、その義務に範囲の限定が付いているという点だ。「被保険者の資格、保険給付、地域支援事業及び保険料に関して必要があると認めるとき」という条件が冒頭に置かれており、これを外れた要求、例えば介護と無関係な取引履歴の全面開示は、この条文を根拠にはできない。限定に気付かない人ほど、必要のない情報まで差し出している
比較の観点この条文ほかの条文
調査の相手方202条:被保険者、配偶者、世帯主その他の世帯員、これらであった者24条:介護給付等を受けた被保険者・居宅サービス等を行った者など
203条:官公署、銀行、雇用主その他の関係人
手段文書その他の物件の提出・提示命令、職員による質問報告・帳簿書類の提出等の命令、職員による質問
資料の提供・報告の求め
手続的保障24条3項・4項準用:身分証提示義務、犯罪捜査目的の否定24条3項・4項:身分証提示義務、犯罪捜査目的の否定(準用元)
世帯員本人を経由せず第三者に照会する点が特徴

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
全民健康保険法第80条

台湾は介護保険を導入しておらず長期照顧は税財源。社会保険の資料提出の求めとしては健保法の規定が機能的に近い

韓国
노인장기요양보험법 제60조

韓国の老人長期療養保険は公団が保険者であり、受給者等への資料提出要求の規定を置く点で本条と類似

ドイツ
SGB I §§ 60 ff.

ドイツは給付申請者等の協力義務として構成し、協力しない場合の給付拒否・停止(SGB I § 66)を定める

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 母の介護保険料が急に上がった。市の職員が自宅に来て「息子さんの収入も確認させてください」と言う。あなたは被保険者ではない。それでも同一世帯の構成員である以上、202条1項の調査対象に含まれる。ただし提示を求められる物件は「被保険者の資格、保険給付、地域支援事業及び保険料に関して必要」な範囲に限られる。範囲外の要求には、根拠条文と必要性を書面で示すよう求められる
  • 半年前に離婚し、元夫の世帯から抜けた。それなのに市から元夫の介護保険に関する照会が届く。条文の「これらであった者」に該当するため、過去の世帯員としてあなたも調査対象になりうる。「もう関係ない」は法的には通らない
  • 介護施設の相談員として働いていて、利用者の家族から「役所の人が家に来て通帳を見せろと言った、警察みたいで怖い」と相談された。3文で答えられる。これは行政調査であり、犯罪捜査ではない(24条4項準用)。職員には身分証提示義務がある。応じるかどうかと、応じないときに何が起きるかは別の問題だ
  • もし提出を拒み続けたら、どうなるか。202条自体には罰則が書かれていない。だが介護保険法214条には、正当な理由なく文書提出を拒み、または虚偽の報告をした者に対する過料の規定がある。さらに実務上の打撃はそちらではなく、保険給付の支払いの一時差止め(67条)や、保険料段階の認定が最も不利な区分で行われることだ
  • 認定調査と保険料の更新が重なり、市から「今月末までに世帯全員の課税証明を出せ」と通知が来た。残り10日。ここで焦って全部丸ごと出すか、必要な範囲を確認してから出すかで、その後数年分の保険料段階が変わることがある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 職員の身分証を確認し、氏名・所属・来訪日時を記録する(24条3項準用の提示義務がある) 2. 調査の根拠条文と、何の判断のために必要な資料かを口頭で確認し、できれば書面での明示を求める3. 求められた物件が「資格、保険給付、地域支援事業、保険料」のいずれの判断に必要かを対応させ、範囲外と思う部分は保留する4. 提出する場合は写しを取り、提出日と提出先を控える。後日の保険料段階や給付決定の根拠がこの資料になる

訴えられた側:1. 提出を拒む場合、その理由(範囲外、手元に存在しない、他人の資料で入手権限がない等)を文書で残す。無言の拒否は「正当な理由なき拒否」と評価されやすい2. 過料(介護保険法214条)と給付の一時差止め(67条)という二つの不利益があることを前提に、どこまで争う価値があるか計算する3. 決定が出た後に争うなら、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。介護保険の処分は介護保険審査会への審査請求が先行する(介護保険法183条、196条) 4. 相談先は市町村の介護保険課ではなく、都道府県の介護保険審査会または行政事件に慣れた弁護士

時効(請求できる期限):202条の調査自体に固有の期限はないが、市町村が示す提出期限を徒過すると過料・給付差止めのリスクが現実化する。調査を踏まえた処分(保険料賦課、給付制限等)を争う場合は、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は原則として審査請求の裁決を経た後、裁決を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。保険料の徴収権の消滅時効は2年(介護保険法200条)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:本条の調査は任意調査ではなく間接強制を伴う行政調査であるが、目的的限定(資格・給付・地域支援事業・保険料)を超える調査は許されず、取得した情報の犯罪捜査への転用は否定されると解される

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法(平成9年法律第123号)の制定により、市町村の被保険者等に対する調査権限として規定。平成12年(2000年)4月施行

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

介護保険法の全文を見る所属する編章節を開く:第十三章 雑則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›