介護保険法 第203条(資料の提供等)
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- 市町村は、保険給付、地域支援事業及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者の資産若しくは収入の状況又は被保険者に対する老齢等年金給付の支給状況につき、官公署若しくは年金保険者に対し必要な文書の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは被保険者の雇用主その他の関係人に報告を求めることができる。
- 2.都道府県知事又は市町村長は、第四十一条第一項本文、第四十二条の二第一項本文、第四十六条第一項、第四十八条第一項第一号、第五十三条第一項本文、第五十四条の二第一項本文、第五十八条第一項若しくは第百十五条の四十五の三第一項の指定又は第九十四条第一項若しくは第百七条第一項の許可に関し必要があると認めるときは、これらの指定又は許可に係る申請者若しくはその役員等若しくは開設者若しくはその役員又は病院等の管理者、特別養護老人ホームの長若しくは第九十四条第三項第十一号若しくは第百七条第三項第十四号に規定する使用人の保険料等の納付状況につき、当該保険料等を徴収する者に対し、必要な書類の閲覧又は資料の提供を求めることができる。
この条文の基本情報
資料の提供等とは何ですか?
定義資料の提供等とは、介護保険法第203条に定められた規定で、「市町村は、保険給付、地域支援事業及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第203条(資料の提供等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第203条の条文原文は「市町村は、保険給付、地域支援事業及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する…」で始まります。
- 介護保険法第203条は第十三章 雑則に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第203条の前の条は介護保険法第202条です。
- 介護保険法第203条の次の条は介護保険法第203条の2です。
- 介護保険法第203条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第203条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第203条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/203
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法203条は、市町村が保険給付等に必要なとき、被保険者や配偶者・世帯員の資産・収入について官公署に資料提供を求め、銀行や雇用主に報告を求められると定める。
Q · 介護の補足給付を申請したら、市役所は銀行に預金を問い合わせるの?
照会できる。本人の同意は要件ではない
介護保険法203条1項により、市町村は保険給付などに必要があると認めるとき、被保険者本人だけでなく配偶者や世帯員の資産・収入について、銀行・信託会社などに報告を求めることができます。本人の同意書や事前通知は要件とされていません。補足給付(負担限度額認定)の申請では通帳の写しなどの自己申告が基本ですが、行政は申告とは別の確認経路を持っているということです。申告漏れが「偽りその他不正の行為」と評価されると、22条による返還と加算金の対象になりえます。
解説
親を特別養護老人ホームに入れるとき、食費と居住費を軽くする補足給付という制度がある。申請書には預貯金額を書く欄があり、通帳の写しを添える。ここで多くの家族が「自己申告なのだから、口座を一つ伏せても分からない」と考える。介護保険法203条は、その前提を静かに崩す条文だ。市町村は、必要があると認めるときは、本人だけでなく配偶者や同じ世帯に属する人の資産・収入について、官公署・年金保険者に資料の提供を求め、銀行・信託会社・勤務先にも報告を求められる。本人の同意書は要件ではない。金融機関が守秘義務を理由に断らずに済む法的根拠が、この一条に置かれている。2項はもう一つの入口で、介護事業の指定や許可を審査する都道府県が、申請者や役員の保険料の納付状況を、徴収する側に直接確認する権限を定めている。
法的な位置づけ
介護保険法203条は、介護保険の保険者である市町村に対し、保険給付・地域支援事業・保険料の運営に必要な範囲で、被保険者およびその配偶者・世帯員の資産や収入、老齢等年金給付の支給状況を、官公署・年金保険者・金融機関・雇用主等から収集する権限を付与する規定である。第2項は、事業者の指定・許可審査における保険料等納付状況の照会権限を定める。
手順
- 1.本人と配偶者の口座を一覧化する 補足給付の申請前に、本人名義と配偶者名義の預貯金・定期預金・証券口座・現金を一覧にする。家族が管理している本人名義の口座や休眠口座も含め、名義ごとに残高を記録する
- 2.名義と実質が食い違う口座を書面で注記する 家族からの預かり金など、名義と実質の持ち主が異なる口座は、原資と管理の経緯を申請時に書面で注記する。照会で発覚する前に自分から開示しておくことが、不正の評価を避ける分かれ目になる
- 3.申請書と通帳写しを提出する 市区町村の介護保険担当窓口に負担限度額認定申請書、同意書、通帳写しを提出する。記載に迷う項目は制度ごとに窓口へ確認し、回答を記録しておく
- 4.照会結果の通知には期限内に回答する 申告額と照会結果が合わないという通知が届いたら、指摘された口座の名義・原資・入出金の性格を時系列で整理し、期限内に書面で回答する。返還が避けられない場合は、単純な記載漏れか不正行為かに争点を絞る
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法203条とは何ですか?
市町村が介護保険の給付や保険料の判断のために、被保険者や家族の資産・収入を官公署、金融機関、雇用主に照会できる権限を定めた条文です。
Q2負担限度額認定の預貯金基準はいくらですか?
所得段階により単身で500万〜1,000万円程度、夫婦では1,000万円を加えた額が目安とされています。最新の基準は市区町村の窓口でご確認ください。
Q3補足給付の申請で通帳は何か月分必要ですか?
多くの自治体では直近2か月程度の通帳写しを求めています。定期預金や証券口座も対象になるため、本人と配偶者の口座を漏れなく準備します。
Q4タンス預金も補足給付の資産に含まれますか?
含まれます。現金も「預貯金等」として申告の対象です。銀行照会では把握されにくい資産ですが、申告しないと不正受給と評価されるおそれがあります。
Q5補足給付で預貯金を申告しないとどうなりますか?
照会で発覚すると認定の取消と受けた給付の返還に加え、「偽りその他不正の行為」とされた場合は介護保険法22条による加算金の対象となりえます。
Q6介護保険で年金の受給額も調べられますか?
調べられます。203条1項は老齢等年金給付の支給状況について、年金保険者に資料の提供を求められると明記しています。遺族年金・障害年金も判定に入ります。
Q7介護保険料を滞納するとどうなりますか?
滞納期間に応じて、給付の償還払い化、給付の一時差止め、自己負担割合の引上げなどの給付制限を受けます。保険料の徴収のためにも203条の照会が使われます。
Q8市役所の資産照会は個人情報保護法違反ではないですか?
違反にはなりません。203条という法令上の根拠があるため、金融機関や官公署は本人の同意なしに回答でき、個人情報保護法上の「法令に基づく場合」として扱われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1銀行って、本当に市役所に口座の中身を教えるんですか?
応じる。203条1項は、市町村が銀行・信託会社その他の機関に報告を求めることができると定めており、金融機関はこれを法令に基づく照会として処理する。本人の同意書も事前通知も要件ではない。実務のポイント:金融機関には照会の事実を本人に知らせる義務がない。照会されたかどうかを事前に察知する手段は事実上なく、結果の通知が最初のサインになる
Q2世帯分離すれば介護の負担は下がると聞いたんですが、203条で全部見られますか?
世帯分離自体は住民基本台帳法上の届出で、実態が伴えば違法ではない。保険料段階や利用者負担割合は同一世帯の状況で決まるため下がる余地がある。だが補足給付は別枠で、203条1項が「被保険者の配偶者」を世帯とは別に書くとおり、配偶者の課税・資産は分離後も判定に入る。実務のポイント:下がる制度と下がらない制度が混在しているため、窓口には制度ごとに分けて聞くと回答の精度が上がる
Q3社会保険料を滞納していると、介護事業所の指定は取れないんですか?
取れない場合がある。指定の欠格事由には、保険料等について滞納処分を受け、その後正当な理由なく三か月以上滞納が続いている者が含まれる(介護保険法70条2項ほか)。都道府県は203条2項で納付状況を徴収機関に直接確認できる。実務のポイント:分岐点は滞納額ではなく「正当な理由なく」の一語。分割納付の合意と履行実績があるかで評価が変わるため、申請より先に徴収機関と話を付ける順番が効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「自己申告なのだから、多少の記載漏れは後で直せばいい」と軽く考えている人は多い。漏れがあること自体は知っていても、深刻度が見えていない。偽りその他不正の行為によって給付を受けたと評価されると、受けた給付の返還にとどまらず、加算金の対象になりうる(介護保険法22条)。訂正の話か不正受給の話か、その分岐は最初の申告時点で決まっている
- 「世帯分離すれば資産は見られないのか」という問いの立て方自体がずれている。203条1項は「被保険者の配偶者」と「世帯に属する者」を書き分けており、補足給付では配偶者の課税状況・資産が世帯分離後も判定に入る取扱いが基本とされる。問うべきは世帯をどう分けるかではなく、どの制度で誰の資産が見られるかだ(各自治体の最新の取扱いをご確認ください)
- 事業者側は「社会保険料の滞納は年金や税の話で、介護の指定とは別問題」と切り分けて見ている。だが行政から見れば同一の申請者に関する一つの審査材料だ。滞納処分を受け、正当な理由なく三か月以上滞納が続いていると指定を拒まれうる(介護保険法70条2項ほか)。経理上の遅れが、事業そのものの開業可否を直撃する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰に求めるか | 203条:官公署・年金保険者・銀行・雇用主などの第三者 | 23条:給付を受ける者やサービス事業者など当事者 22条:不正受給者と不正請求した事業者 |
| 何を得るか | 資産・収入・年金の支給状況、保険料の納付状況 | 文書その他の物件の提出・提示、職員による質問への回答 給付額の返還と加算金 |
| 手続の段階 | 判定と確認の段階(事前または事後の資力把握) | 給付内容の調査の段階 不正発覚後の回収の段階 |
| 本人の関与 | 本人の同意も事前通知も要件ではない | 本人に直接求めるため本人が認識する 徴収の決定が本人に通知される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は介護(長期照顧)を税財源で運営しており、社会保険方式の補足給付に相当する制度はない。資力調査の照会権限は社会救助の文脈で規律される
韓国は日本と同じく社会保険方式の長期療養保険を採用しており、保険者による資料提出要求の規定を持つ。条番号は原文との照合が必要
ドイツの介護保険(SGB XI)は資力を問わない給付が基本で、資力確認はむしろ社会扶助の Hilfe zur Pflege 側でデータ照合として行われる
米国 Medicaid の介護給付では、州が金融機関に電子照会して資産を確認する仕組みが連邦法で義務付けられており、同意取得を申請要件に組み込む設計
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 補足給付の申請から二か月後、市役所から「預貯金等の状況を照会した結果、申告額と相違がある」という通知が届いたら? 回答期限は多くの自治体で二週間前後。放置すれば認定の取消と全額返還、さらに加算金の判断へ進む。通帳をすべてそろえ、名義と入出金の性格を書面で説明しきるまで、残り14日
- 介護事業所の指定申請を出した。人員基準も設備も書類も完璧だ。しかし数年前、資金繰りが苦しくて厚生年金保険料の納付を止め、差押えを受けた時期がある。都道府県は203条2項で、徴収機関に納付状況を直接確認できる。申請書に書かなかった過去が、審査の途中で表に出る
- 銀行から「市役所から照会が来ています」という連絡は入らない。金融機関は法令に基づく照会に応じるだけで、本人への通知義務を負わない。あなたが知るのは、結果の通知が届いた日だ
- 離れて暮らす兄が、母の施設費用の軽減申請を出した。母には兄が管理している口座がもう一つある。あなたは自分に関係のない話だと思っているが、返還請求は被保険者である母に届く。母に支払う資力がなければ、負担の押し付け合いはきょうだいの間で起きる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知の根拠条文を確認する。203条による照会結果なのか、23条の文書提出命令なのかで対応の重さが変わる2. 指摘された口座の名義・原資・入出金の性格を時系列で書面化する。家族からの預かりなら、贈与なのか管理なのかを明示3. 期限内に必ず回答する。無回答は不利な事実認定を招く4. 返還が避けられない場合は、単純な記載漏れなのか「偽りその他不正の行為」(22条)なのかに争点を絞る。ここが加算金の有無を分ける
訴えられた側:1. 指定申請の前に、法人と役員等の保険料納付状況を自分で洗い出す。都道府県は203条2項で同じ情報に到達する2. 滞納があるなら、申請前に分割納付の合意と履行実績を作る3. 対象は申請者だけでなく役員等・開設者・病院等の管理者・特別養護老人ホームの長・一定の使用人にも及ぶため、個人の滞納まで点検する4. 指定後に判明した場合は、取消事由に当たるかを確認し、自主的な納付計画の提出で悪質性の評価を下げにいく
時効(請求できる期限):203条の照会自体に期間制限はなく、必要と認められる限りいつでも行われうる。回収側の時間軸としては、保険料その他この法律による徴収金を徴収し、または還付を受ける権利は2年で時効消滅する(介護保険法200条1項)。不正利得の徴収金(22条)にこの2年が及ぶか、地方自治法上の5年で処理するかは実務上、解釈が分かれている。指定申請側は、滞納の有無が評価される基準時が申請日を基準に判断される点が実質的な締切になる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正(要人的検証) 補足給付への資産要件導入に合わせ、照会対象を被保険者本人から配偶者および世帯に属する者の資産・収入へ広げたとされる。改正年と拡張範囲の対応は原文との照合が必要
- 平成29年(2017年)改正(要人的検証) 指定・許可の欠格事由に保険料等の滞納が加わったことに対応し、都道府県知事・市町村長が申請者等の納付状況を徴収機関に照会できる第2項が置かれたとされる。新設か既存項の改正かを含め原文との照合が必要
- 介護保険法 第22条不正利得の徴収、返還と加算金
- 介護保険法 第23条受給者・事業者への文書提出命令
- 介護保険法 第51条の3補足給付、資産要件の判定対象
- 介護保険法 第70条指定の欠格事由、保険料滞納者の排除
- 介護保険法 第200条徴収金の2年時効
- 個人情報の保護に関する法律 第69条法令に基づく目的外提供の根拠
- 生活保護法 第29条同型の資産調査権限の先行類型
- 住民基本台帳法 第25条世帯変更届、世帯の範囲の確定
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