介護保険法 第23条(文書の提出等)
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市町村は、保険給付に関して必要があると認めるときは、当該保険給付を受ける者若しくは当該保険給付に係る居宅サービス等(居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、地域密着型サービス(これに相当するサービスを含む。)、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)、施設サービス、介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。)、地域密着型介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。)若しくは介護予防支援(これに相当するサービスを含む。)をいう。以下同じ。)を担当する者若しくは保険給付に係る第四十五条第一項に規定する住宅改修を行う者又はこれらの者であった者(第二十四条の二第一項第一号において「照会等対象者」という。)に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を求め、若しくは依頼し、又は当該職員に質問若しくは照会をさせることができる。
この条文の基本情報
文書の提出等とは何ですか?
定義文書の提出等とは、介護保険法第23条に定められた規定で、「市町村は、保険給付に関して必要があると認めるときは、当該保険給付を受ける者若しくは当該保険給付に係る居宅サービス等(居宅サービス(これに相当するサービスを含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第23条(文書の提出等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第23条の条文原文は「市町村は、保険給付に関して必要があると認めるときは、当該保険給付を受ける者若しくは当該保険給付に係る居宅サービス等(居宅サービス(これに相当するサービスを含む。」で始まります。
- 介護保険法第23条は第一節 通則に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第23条の前の条は介護保険法第22条です。
- 介護保険法第23条の次の条は介護保険法第24条です。
- 介護保険法第23条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第23条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第23条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法23条は、市町村が保険給付に必要と認めるとき、受給者や事業者、住宅改修業者、元担当者に書類の提出を求め、職員に質問させることができると定める。
Q · 市役所から介護保険の書類を出すよう言われたけど、これって応じないといけないの?
原則応じるべきで、条例で過料を定める自治体も多い
介護保険法23条により、市町村は保険給付に関して必要と認めるとき、利用者本人、サービス事業者、ケアマネジャー、住宅改修を行った工務店、さらに元担当者や廃業した事業者にも、書類の提出・提示を求め、職員に質問させることができます。本条自体に罰則はありませんが、多くの市町村は同法214条の委任を受けた介護保険条例で10万円以下の過料を定めています。まず根拠条項・対象者・対象期間・期限を書面で確認することが出発点です。
解説
介護保険の給付は、申請して認定が下りたら終わり、ではない。市町村には給付を出した後からでも、あなたやサービス事業者に「書類を出せ」「これはどういうことか説明せよ」と切り込む権限がある。それが23条だ。対象はあなただけではない。訪問介護の事業所、ケアマネジャー、施設、さらに45条1項の住宅改修を行った工務店、そして「これらの者であった者」、つまり廃業した事業者や担当を外れた元ケアマネにも及ぶ。条文が書き分けをしている点にも注目してほしい。市町村は提出を「求め」ることも「依頼」することもでき、職員に質問や照会をさせることもできる。市役所名義の封筒が来ると反射的に全部コピーして出す人が多いが、どの権限で、どの範囲の書類を、いつまでに求められているのかを確かめるところから、この手続は始まる。
法的な位置づけ
介護保険法第23条は、市町村による保険給付関係の調査権限を定める規定である。対象は保険給付を受ける者、居宅サービス等を担当する者、第45条第1項の住宅改修を行う者、およびこれらの者であった者(照会等対象者)であり、手段は文書その他の物件の提出・提示の求めまたは依頼、ならびに職員による質問・照会である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.照会文書の根拠と範囲を確認する 届いた文書の冒頭で、根拠条項(介護保険法23条か否か)、対象利用者、対象期間、提出期限、担当部署を確認する。電話のみの場合は書面での交付を依頼し、日時と担当者名をメモする
- 2.対象範囲の書類を抽出して点検する 対象者・対象期間に該当する記録だけを抜き出し、サービス提供記録・勤務表・請求データ・住宅改修の見積書や写真の整合を先に自分で点検する。範囲外の記録は含めない
- 3.写しを取り提出物リストを作成する 提出前に全資料の写しを保管し、何をいつ誰に渡したかを一覧化する。食い違いがあれば説明資料を添える
- 4.質問・照会には記録に基づき書面で回答する 記憶が曖昧な点は推測で埋めず「記録では確認できない」と答える。不正請求を前提とした質問が始まったら、その場で結論を述べず後日書面で回答すると伝える
- 5.返還請求や指定取消しの兆候があれば専門家に相談する 給付費の返還や指定取消しが話題に出た段階で、介護報酬の行政対応に詳しい弁護士や地域包括支援センターに相談する
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法23条とは何ですか?
市町村が保険給付に関して必要と認めるとき、利用者や事業者などに書類の提出・提示を求め、職員に質問・照会させることができると定めた条文です。
Q2介護保険の照会に答えないとどうなる?
本条に罰則はありませんが、多くの市町村が介護保険条例で10万円以下の過料を定めています。事実確認ができないこと自体も給付の判断で不利に働きます。
Q3退職したケアマネにも市から照会は来る?
来ます。条文は「これらの者であった者」も対象に含めており、担当を外れた元ケアマネや廃業した事業者の元管理者も照会等対象者になります。
Q4住宅改修の工務店も調査の対象になる?
なります。第45条第1項の住宅改修を行う者が明記されており、介護保険の事業者指定を受けていない工務店でも見積書や施工写真の提出を求められます。
Q5介護保険の照会で利用者の記録を渡すのは個人情報保護法違反?
違反しません。23条に基づく求めへの提供は個人情報保護法27条1項1号の「法令に基づく場合」にあたり、本人同意は不要です。ただし対象範囲外の記録は別です。
Q6市役所の介護保険の書類提出に期限はある?
法律上の提出期限はなく、市町村が実務上設定します。期限は書面で確認し、間に合わない場合は理由を添えて延長を申し出るのが現実的です。
Q7市町村の照会は電話だけでもできる?
職員による質問・照会は電話でも行われます。ただし口頭のやり取りは記録に残るため、根拠条項と対象範囲を書面で示すよう依頼するのが安全です。
Q8介護保険の照会の後に返還請求はありうる?
ありえます。照会で不正な請求が確認されると、22条の不正利得徴収に進む可能性があり、事業者には返還額に4割を加算した額が請求されることもあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市役所から書類を出してくださいって言われたんですが、断ったらどうなりますか?
23条の条文自体に罰則は書かれていません。ただし多くの市町村は介護保険条例で、23条の求めに応じない者や虚偽の物件を提出した者に10万円以下の過料を科す規定を置いています(介護保険法214条の委任)。実務のポイント:この罰則は国の法律ではなく自治体の条例側にあるので、有無も運用も市町村ごとに違う。断るかどうか悩む前に、自分の自治体の例規集で介護保険条例の末尾を開けば、その場で答えが出る
Q2事業所として、利用者の記録を市に全部渡してしまって個人情報の問題になりませんか?
23条に基づく求めに応じた提供は、個人情報の保護に関する法律27条1項1号の「法令に基づく場合」にあたり、本人の同意なしで提供できます。実務のポイント:実際に問題になるのは範囲の方です。対象者以外の記録までフォルダごと渡すと、その部分は法令に基づく提供ではなくなる。対象者と期間を書面で確認してから抜き出す、この一手間が後で効く
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば、これは単なる事務照会にすぎない。だが市町村から見れば、22条の不正利得徴収(不正な請求をした事業者には返還額に4割を上乗せして徴収できる)へ進むかどうかを決める、事実固めの段階である。この温度差に気付かないまま記憶頼みの曖昧な回答を返すと、後から訂正しても「供述が変わった」と評価される
- 「市町村の求めには応じる義務がある」ことを知っている人は多いが、応じなかった場合に何が起きるかまで知る人は少ない。多くの自治体は介護保険条例で10万円以下の過料規定を置いており、加えて、事実が確認できないこと自体が給付の適否判断であなたに不利に働く。罰則の有無より、こちらの効果の方が日常的で重い
- 「市役所の調査なら行政手続法が守ってくれるはず」という前提そのものが誤っている。地方公共団体の機関がする行政指導には、行政手続法の第4章(行政指導の章)が適用されない(同法3条3項)。よりどころになるのは各自治体の行政手続条例であり、条文を探す場所が国の法令集ではなく自治体の例規集だと知らない人が、そこで止まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権限の主体 | 介護保険法23条:市町村 | 介護保険法24条:厚生労働大臣・都道府県知事 介護保険法203条:市町村 |
| 手段の強度 | 文書等の提出・提示の求めまたは依頼、職員による質問・照会 | 報告・提示の命令、職員による質問など 官公署への資料提供の求め、銀行・雇用主等への報告の求め |
| 主な相手方 | 受給者、居宅サービス等の担当者、住宅改修を行う者、これらの者であった者 | 居宅サービス等を行った者など 官公署、銀行等の金融機関、雇用主など第三者 |
| 照会の先にある処分 | 22条の不正利得徴収、事業者指導 | 事業者への指導・監督 資産・収入の把握を通じた給付・保険料の判断 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は行政手続の一般法で文書等の提出要求を定め、長照機構の査核は長照法側で規律する二層構造
韓国の老人長期療養保険では報告・検査の規定が置かれ、受給者・事業者双方を対象とする点で日本と類似
ドイツは受給者の協力義務を社会法典総則で一般化し、事業者には介護保険法上の品質審査を課す
米国 Medicare は事業者に記録の保存と提出を義務付け、応じない場合は登録取消しの対象となりうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、三年前に担当していた利用者について、すでに退職したあなたのところへ市町村から照会が来たら? 条文の「これらの者であった者」は元担当者や廃業した事業者を正面から射程に入れており、辞めたことは盾にならない。手元に記録が一枚もない状態で、提出期限だけが二週間後に来る。
- 住宅改修費の申請書に添えられた工事内容と写真がかみ合わない。市町村は利用者ではなく、45条1項の住宅改修を行った者、つまり施工した工務店に直接、見積書と施工前後の写真の提出を求めてくる。介護保険の事業者指定を一切受けていない町場の工務店でも対象になるのが、この条文の射程の広さだ。
- 別居の母のケアプランについて、市の職員から「少しお話を伺いたいだけです」と電話が入る。世間話のつもりで答えた内容も、23条の質問として記録に残る。その記録が、後で給付の適否を判断する材料になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 文書の冒頭で根拠条項(23条か、それ以外か)と対象者・対象期間を確認する2. 電話だけで求められた場合は、書面での交付を依頼し、口頭のやり取りは日時と担当者名をメモに残す3. 求められた範囲の書類を用意し、提出前に必ず自分用の写しを取る4. 記憶が曖昧な点は「記録では確認できない」と正確に答える。埋め合わせの推測を述べない5. 給付費の返還が話題に出た時点で、市町村の介護保険担当窓口とは別に、弁護士や地域包括支援センターに相談する
訴えられた側:1. 事業者・工務店として照会を受けた場合、まず対象利用者と対象期間を書面で確定させ、それ以外の利用者の記録は渡さない2. サービス提供記録・勤務表・請求データの整合を自分で先に点検し、食い違いがあれば説明資料を添えて先に出す3. 提出物リストを作り、何をいつ渡したかを一覧化する4. 不正請求を前提とした質問が始まったら、その場で結論を述べず、社内確認のうえ書面で回答すると伝える5. 指定取消しや返還請求に発展しうる段階では、介護報酬の行政対応に慣れた弁護士を早期に入れる
時効(請求できる期限):23条の求めそのものに法定の提出期限はない。期限は市町村が行政実務として設定するものなので、書面で確認し、間に合わないなら理由を添えて延長を申し出る。関連して、この法律による徴収金を徴収する権利および保険給付を受ける権利の消滅時効は2年とされている(介護保険法200条、最新の改正状況をご確認ください)。何年前の給付までさかのぼって問題にされるのかは、この起算点の議論が軸になる
学説
行政調査論(一般的整理):本条は実力による強制を伴わない行政調査の根拠規定と整理される。拒否への制裁は条例の過料に委ねられ、調査の範囲は保険給付に関する必要性の限度に拘束されると解される
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正、平成18年(2006年)4月施行 地域密着型サービスおよび介護予防サービス等が創設され、本条が照会等の対象として列挙する「居宅サービス等」の範囲もこれに合わせて拡張された。改正回数と各改正の具体的な文言変更は未照合であり、人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法(平成9年法律第123号)の制定により新設。平成12年(2000年)4月施行
- 2.平成17年(2005年) 改正:地域密着型サービス・介護予防サービス等の創設に伴い、照会等の対象となる居宅サービス等の範囲が拡張された。具体的な文言変更は要検証
- 介護保険法 第22条不正利得の徴収、照会の先にある処分
- 介護保険法 第24条国・都道府県による報告命令と検査
- 介護保険法 第24条の2本条の照会等対象者の語を受ける条文
- 介護保険法 第45条本条が引用する住宅改修費の支給
- 介護保険法 第203条官公署・銀行・雇用主への資料提供の求め
- 個人情報の保護に関する法律 第27条法令に基づく提供として本人同意を不要とする
- 行政手続法 第3条地方公共団体の行政指導を適用除外とする
- 地方自治法 第14条条例で過料を定める一般的根拠
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